俺の待ってた非日常と違う   作:陣陽

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「感動の対面、泣けるねぇ…」
「プレッツェル噛み砕きながら言う言葉じゃないと思いますけどね、『O』…いい塩味だ、メイドインアメリカは伊達じゃあないですね」

香港国際空港ロビー、抱き合いながら滂沱の涙を流す夫婦…凰鈴音(ファン=リンイン)の両親をつまらなそうに眺めるデニムをだらしなく着崩した『オータム』とにこやかな笑みを浮かべた黒一色のダブルのスーツに身を固めたひょろりとした男。男はオータムが抱えたプレッツェルの大袋から一掴みプレッツェルを掠め取ると、頬張りながら言葉を続ける。

「もう少しで迎えが来ると思います。あとは『彼女』と合流してから…っつう!!」
「…随分とモテモテね、一郎さん…うちの宿六がご迷惑をおかけしました、『O』」

音も無く近づいてきた女性…自分の細君…に後頭部を思い切り殴られた男は頭を抑えたままうずくまった。しとやかな笑みを浮かべ、ふくよかな体を桜色のビジネススーツに包んだ彼女はパスポートを『O』に渡しながら言葉を続ける。

「御指定のお召し物は用意しました。お着替えが済みましたら出発しましょう…ああ中国人のお二方には、此処で消えていただきましょうか」

…そして、ぎらつくその瞳は息子によく似た三白眼だった。


Linin:アリーナで【エキサイト】どう?

「…本日の予定の一部変更を達する。放課後、第3アリーナにて1組対2組のクラス対抗戦、その後『ブルー・ティアーズ』対『アンカー・スチーム』のエキシビションマッチを行う」

 

金曜日の4時間目の終了後、織斑先生のその言葉に俺は動揺を隠しきれなかった。

 

(…い、いきなりすぎないか!?土日はともかく今日まで特訓出来ると思ってたのに…というか、何で俺とオルコットさんが戦わないといけないんだ!?)

「先生…本国開発チームからの要請を今朝受領しました。それには『来週以降』と示されておりましたが?」

「…予防接種と同じだ、早いほうが良いだろう。質問は以上か?」

 

オルコットさんの質問に返答し、沈黙が流れる教室を睥睨すると、織斑先生は教室を抜け、困り顔の山田先生がそれに続く。後に残されたのは、困惑した俺たちだけだった。

 

…俺は気付いていなかった。

 

織斑先生が、ほんの少しだけ化粧を濃くしていたことを。

ここ数日、眠れぬ夜を過ごしていたということを。

 

 

「申し訳ありません、猿取君。AOAの修理は完璧でしたのに…」

「まぁ…イギリスとしても実戦形式で調べないとおっかなくて仕方ないってのは分かるよ。ゲスジジイならどんなエゲツナイ仕込みをしているか分かったモンじゃないし…こちらこそゴメンなオルコットさん。折角今日は一夏と特訓してくれるはずだったのに…オルコットさん、布仏さん、さっさと食っちゃおう…良いのオルコットさん?一夏のところに行かなくて」

 

食堂で俺とオルコットさん、そして布仏さんは愚痴りあいながら食事を進めていた。ラムローストプレートと海老天カレーうどん、サーモン&レタスチャーハンと彩りも食欲もそれぞれに刺激しあう。一夏といえば少し離れたテーブルでシノさんと鈴に両脇を固められたまま天ぷらそばをすすっている。因みにシノさんはペスカトーレ、鈴は相変わらずの大盛りラーメンだ…ほんと、ここの食堂はこんなにメニューがあるのにサンドイッチが無かったのは何故なんだろう?

 

「むー、いばらん両手に花の状況は嫌いなのー?…でも、散々せっしーにアリーナで調査させてるのに、またいばらんと試合をさせようって…何かヘンだよね…」

 

そう、月曜日に修理が完了した『ブルー・ティアーズ』はイギリス開発チームにより丸一日調査された後、三日間第2アリーナを借り切って機動や射撃の試験を行い、やっとオルコットさんは放課後に自由な時間を持てたのだ。昨日まで一夏の特訓を担ってきた俺を引き継ぎ、両手に花状態を一夏に味あわせてやろうと思ったのに…

 

「わたくしの…代表候補生としての資質を問うためでしょう。数ヶ月前からISに搭乗して来た者が、乗ったばかりの学生と引き分ける…本国にとっては許しがたい事実なのでしょう…」

 

『ブルー・ティアーズ』の待機状態であるイヤーカフスを触りながら寂しそうに笑うオルコットさん…因みにラムローストは綺麗に片付いており、プレートのセットの紅茶を静かに楽しんでいる。

 

「何だよそれ!連中はあの試合をきちんと見たのかよ!ゲスジジイが配ったデータを穴が開くほど見てみろよ!」

 

思わず出てしまった大声に食堂中の視線が集まってしまい、思わず体を縮めてしまう…でも、先週の死力を尽くした試合を侮辱された気がしてどうにもおさまらない。

 

「…でも、クラス対抗戦が前倒しになったのもおかしーよね。しかもおりむーとりんりんの試合をやるってのも…あ、スープ一口もらっていい?」

「あ、どうぞ…」

 

丼を傾ける布仏さんに思わずほっこりしてしまう…シノさんやオルコットさん、鈴や蘭ちゃんも良いけどこういう癒しが一夏には良いかもな、これは一考に値するな、うん!

 

「…本当、唐突ですわね…わたくしも一口よろしくて?」

「どうぞどうぞ…というか、難しいこと考えずに試合とか授業とかに専念したいよホント」

 

ていうか、二人ともナチュラルに割り箸割ってるし。カレーの魔力は世界を超える…いや、インド原産イギリス経由で日本に来たカレーだ。英国女子が心惹かれるのは必然だったか。

 

「頭が空っぽでは、守る事は出来ませんわ…それにしてもこのフリッター、美味ですわね」

「天ぷらだよオルコットさん…まあ、『論より走れ』なヤツが居るからな…そういや、『淑女協定』としては鈴はどうなん…敵?それとも味方?」

 

悲しくなるくらい帰ってきた丼は軽くなっていた。パンでも買って帰ろう。最後のスープをすすり切ると問いかけた俺の言葉に、オルコットさんは鋭い瞳を返す。…どうでもいいけどきちんと口をぬぐいなよ。カレーの染みが周りについてる。

 

「奇妙、の一言ですわね。敵、と言い捨てるにはどうにも妙な感じがいたします。」

 

…一夏のテーブルではどうやら放課後のクラス対抗戦の話題になっているようだ。俺がザコとか鈴がからかい半分で言及し、それに一夏とシノさんが全力で反論している。むしろシノさんが素人のはずなのにあそこまで動けたほうが驚きだ。素人の俺が言うのもおかしい話だが。

 

「一夏さんの脇を箒さんに譲ってまで席をご一緒した理由…本日のエキシビションマッチ以外にもございます…妙な夢を、ここ数日見るのです…」

「ひょっとして…鈴が纏った見えない弾丸を撃つISと殺しあう夢?」

「は、はい…まさか、猿取君も!?」

「そのまさか。『同じ夢を見る』ってのはロマンチックだけど…よりにもよって殺しあう夢じゃロマンの欠片も無いや」

 

ここまで驚いたオルコットさんの顔を見られただけでも同じテーブルに着いた意味が有ったな、うん…あの日以来、ずっと鈴と殺しあう夢ばかり見ていた。そしてコレだ。嫌な予感しか今日はしない。

 

「いーわ!そこまで言うんなら放課後のクラス対抗戦、勝ったほうが何でも1つ言うことを聞いてもらうわよ!茨みたいなモヤシとどっこいの連中と特訓したって無意味だって事を教えてやるわ!」

「ちょ、何でそんな…」

「いいだろう!貴女のような貧乳が一夏に勝てるわけが無い!」

 

…シノさんのアホ!虎の尻尾を踏むな!鈴にとってのNGワードなんだ、『貧乳』は!!

 

「Battle Born!(戦いが生むもの!)」

 

…大丈夫だ、この距離なら十分に間に合うはずだ!そして鈴は貧乳かどうかなんて分かるわけはないんだ、現状では!

 

 

「…まさか決着が早まるとはね。覚悟は出来た、一夏?」

「…ああ。全力でお前と戦う覚悟をな、鈴。セシリアや茨、箒に散々鍛えてもらったんだ。そう簡単には負けないぜ」

 

食堂で同席した凰鈴音(ファン=リンイン)に言葉を返すと、一夏は蕎麦の入った丼を一気に飲み干す。その瞳の鋭さに、思わず凰は瞳をそらした。

…どうにも照れくさいな、うん。その表情を垣間見た彼女は、剣呑な光を瞳に宿しながら一夏に噛み付いた。

 

「…大体さ、あんたや茨みたいなド素人に引き分けるとかイギリス代表候補生も大した子じゃ無いんじゃないの?こう見えてもあたしは中国で1年間みっちり鍛えてきたのよ?」

 

…なんだろう、それならばそんな憂いを秘めた瞳はしないはずだ。攻撃的な姿勢は、何か弱みを隠すためだとしか思えてならない。

 

「『士別れて三日、即ち更に刮目して相待すべし』、たしか貴女の国の故事成語だと思ったが…?」

 

…セシリアは茨と布仏さんと相席中だ…何!?セシリアが茨の丼をすすった!?…間接キスをものともしないとは…そうか、セシリア…お前の変節は決して間違ってはいない!一夏は私が幸せにしてやろう、お前と茨と野ノ原さんのためにも!

 

「いーわ!そこまで言うんなら放課後のクラス対抗戦、勝ったほうが何でも1つ言うことを聞いてもらうわよ!茨みたいなモヤシとどっこいの連中と特訓したって無意味だって事を教えてやるわ!」

「ちょ、何でそんな…」

 

…そうだな、いつまでも過去に粘着する絶壁に身の程を教えてやろう。

 

「いいだろう!貴女のような貧乳が一夏に勝てるわけが無い!」

 

…空気は一気に凍てついた。絶壁はISを部分展開すると私に向けて馬鹿でかい段平を振り下ろす…私は真っ二つになっていただろう…

 

「Battle Born!」

 

ISを緊急展開し、私と彼女の間に割ってはいり、振り下ろした段平をマチェットで茨が受け止めていなければ。

 

「いくらIS学園があらゆる法の適用外って言っても殺人だけはどうしようもないぞ、鈴!お前もチューゴクの代表候補生なんだろ!」

「言うだけの事はあるみたいね、茨…大丈夫よ、ギリギリで止めてた」

 

軽口を叩く絶壁に目を合わせようともせず、茨は私にきつい口調で言葉を続ける。

 

「シノさん、鈴に謝れ。鈴は貧乳かどうか分からない。ひょっとしたら、シノさんだって貧乳かも知れないんだ」

「は?何言ってるんだよ茨!?」

 

一夏の言葉を黙殺しながら茨はIS越しに視線を向ける。

 

「何を言っている茨!?私が上げ底だとでも…!?」

 

思わず出てしまった抗議の声を遮りながら、あきれた口調で茨は言葉をつむぎ続ける。

 

「違うよ。そもそも貧乳かどうかなんてのは本人ですら分からないはずなんだ。皆が普通の学生なら」

「「「「「は?」」」」」

「…オーケー、ヒントだ。俺のバーちゃんはAカップだけど貧乳じゃなかった。」

 

は?何だそれは!?スフィンクスでもそんな問いは出さないぞ!?

 

「もう一度言う。貧乳かどうかなんて皆が解っちゃいけないんだ。だって…」

 

 

倒れた私たちのテーブルを戻し、ISを解除して茨はぐるりと食堂を見回し、言葉を続ける。

 

 

「…貧乳ってのは元々、子供が生まれても母乳が出ないことを言うんだから」

 

 

 

 

 

「…そうだな、済まなかった凰鈴音。こんなもの、母乳が出なければただの脂肪の塊だ」

 

…すごいなシノさん。服越しにワシ掴みにできる上に指の間からはみ出すとか!セルフで吸えた山田先生には負けるけどな!

 

「だよね、せっしー…おっぱいが出ないなら、こんなの有っても意味ないよね…」

 

…をー、布仏さんも同じように出来るとは中々にグラマラスだ。これは一夏へのアッピルを兼ねていると見て宜しいか?

 

「そうですわ布仏さん。ココ・シャネルは華奢な自分に合わせてスーツを作ったと聞いております…わたくしたちはシャネルのスーツが似合わない、そんな星の下に生まれてしまったのです…」

「ああ!ほーきぃ、せっしー!私たちもシャネルのスーツ似合う体になりたかったよー!」

「…私もな、和服を纏う時には分厚いタオルを巻かなければならないんだ…ああ、こんな脂肪さえなければ…!」

 

そういいながら『淑女協定』と布仏さんは暗い顔を作りながら肩を抱き合った。

…ナチの犬のココ・シャネルの名前持ち出すとか中々にえげつないな、オルコットさん。そして皆、口元が笑ってるぞ…鈴、俺はどうでもいいけれどあの時戦ったみんなを馬鹿にされるのはむかつくんだ、今のお前と同じくらいには。

 

「ふ、ふ、ふふふ…決めたわ一夏!私が勝ったら本当に貧乳かどうか確かめてもらう!分かるまで解放しないから!!」

 

涙目になりながら鈴は食堂から走り去っていく…これは、負けちゃいけない理由が出来たな、一夏、そして皆。

 

「一夏、勝つためのおまじないをしよう…茨、午後の授業は私たちは体調不良で休む、織斑先生にはよろしく伝えてくれ」

「あら、わたくしもぜひ参加したいですわ」

「変節に次ぐ変節とはな…舌は何枚か抜いておけよ、セシリア…」

「あら、一途さは誰よりも上ですわよ、『幼馴染』の箒さん…」

 

…おいおい、マジで御呪(おまじない)する気かよ二人とも。ていうか負けること前提かよ。

 

 

『西安の人民解放軍基地で奇病か 多数の兵士行方不明』

 

 

…そんなニュースを食堂のテレビは流していた。

 

 

 

『中国の基地を襲いISを強奪とはな…中々にえげつないことをしてくれる…』

『『更識』への助力…時期尚早だったか?』

『いや、彼らの行動は『機業』の力を削いでいる。全損のISを受け取っても『機業』はどうしようもない。そして『機業』は虎の子の『ゴッサム』を消尽した』

『…そして『鎧龍』を早晩使うためにはイヤでも我々を、或いは他の企業を、国家を、他者を頼らざるを得ない…恩を売りながら負担を強いる、中々の策士ね『更識』』

『さて…『機業』は素直に我々を頼るか…それともどこぞにパイプを敷いたか…』

『…みろ、最新情報だ…コレだけのメンツの生殺与奪を握るとはな…敵味方どちらに転ぶかは分からないが…『死せる豚』から『目覚めた獅子』へと姿を変える…フフ、果たして損得どちらかは分からないが面白くはなりそうだ…』

 

 

放課後の第3アリーナ。本来来るであろう各国来賓はほとんど欠席であったものの、観客はぎっしりと詰まっている。だが、俺とオルコットさんは観客席に陣取っているわけではない。ピットで一夏と鈴の試合の後行われるエキシビションマッチのために準備をしている状態だ…ほんと、見ているだけで何も出来ない、ってことほどツライことは無いモンだな。

 

『一夏、今謝るなら少しは手加減してあげる!』

『それはこっちのセリフだ!茨を、箒を、セシリアを馬鹿にしたこと…高くつくぜ!』

「ああ…!!最高です一夏さん…」

「Battle Born…」

 

反対側のピットで夢見る瞳になっているであろうオルコットさんを尻目に、いつも通り俺は『アンカー・スチーム』を纏いながら、ここ最近の現状をつらつらと思い返していた。

(火曜日に鈴が転校してきた…急というかおかしすぎるタイミングだよな。確かペーパーテストも実技試験も転校してくる場合なら更に難易度が上がるはずなんだ。いくら専用機持ちでもしんどいはず…代表候補生とはいえオルコットさんみたいに受験した方がいいはずなんだ)

各所ハードポイントにウェポンラックから引きずり出した武装を接続し、格納する…ああ、ほんと各種センサーが、クリアーすぎる視界が、そしてずっしり重い武器が怖い。骨まで凍てつきそうだ。

 

『…よくかわすじゃない!衝撃砲『龍咆』は銃身も弾丸も見えないのに!』

『茨と箒との特訓のお陰さ、鈴!』

 

(…そもそも鈴は、こんなに攻撃的だったか?元気だしハネッカエリな所はあったけど…あんな後先考えないヤツじゃなかった)

試合は鈴の優位に見えたことだろう、何も知らないヤツなら。見えない弾丸を雨霰と撃ち、馬鹿でかい段平をぶん回す鈴のIS…甲龍(シェンロン)に終始押され気味に見えたことだろう、一夏の『白式』は。

 

『…何でよ!なんで当たらないのよ!』

 

(…当たってないわけじゃない、牽制でばら撒いているヤツは少々当たっても怖くない。本命のデカイのはきちんと回避してる…ホント、一夏は格が違う)

そう、種の割れた手品なんて余り意味がない。防御も攻撃も同じエネルギーを使用する以上、ガス欠になるのはどう考えても無駄撃ちの多いほうだ。

…瞬時加速(イグニッション・ブースト)を使い、一気に『白式』は懐に飛び込んでいく…あとは一気に畳み込めば終わりのはずだ。

(…さて、ピットからカタパルトへ向かうか…ていうか、ここにはアリーナへの直通道路が有るんだよな…何でわざわざカタパルトの部屋と別にピットを用意してあるんだろ…)

そんな事を恐怖を忘れるため、俺は考えていた…

 

『なっ…!逃げなさい、一夏…ぁあああああ!!」

「よけろ、鈴!!」

 

 

…空中から襲い掛かった閃光が、鈴の『甲龍』を焼くまでは…

 




『刀奈…『狢』とは何だ?』
『アナグマのことです、楯無様』
『…50点。あるものは狸を『狢』と呼び、あるものはハクビシンを『狢』と呼ぶ。何がなにやら誰にも分からぬ。それが『狢』だ』
『あの夫婦に、何か問題でも?忠節は誰よりも厚いと思うのですが』
『そうだな。アレらほどこの仕事を愛するものは居るまい。この私を含めてな。『金』『権力』そんなものに目をくれようとはせん、あの二人は』
『市長でも知事でも大臣の席でもでしょうか…?』
『10年…いや、5年もあれば首相の座すら夢ではないだろうにな!簪と同学年の息子が生まれ、あの夫婦とサシで話した時ほど恐ろしかったことはなかった。ここまで理解できない人間が居たのかと恐怖した!使い潰そうとあらゆる虎口に放り込んだ!だが、傷一つなく帰ってきおったよ、肩を組みながらはしご酒の出来る友を増やしながらな…』
『楯無様は、あの夫婦を嫌っておられるのですか?』
『まさか!アレらに憧れぬ者など居るまいよ、この私を含めてな。だがな刀奈、お前だけは憧れてはならん!憧れては破滅一定よ…そして、決して自らの責任を放り出すな!『自己責任で行え』などと口にはするな!アレらはその言葉を言ったが最後、力の限り化かし続けるだろう、己以外のありとあらゆるものを…』

…その会話から一月後、私は『楯無』となった。
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