俺の待ってた非日常と違う   作:陣陽

26 / 90
おるぐ
※木曜日も最後です

「新メニューの試食?」
「そ『謹製ラーメン』!来週からメニューに載せるんだけど、ソレの試食!」

授業に引き続き行なった基本動作の操縦訓練も終わり、食堂で俺達は遅めの夕食をとろうとしていた。いつも通り食券を買おうとしていた俺達は鈴からストップをかけられた…ラーメンか、悪くないな。

「親父さんとお袋さんが食堂に勤めてから、初めてラーメン食べた時かなりガッカリしてたもんなあ鈴…今日は俺が水取ってくる、茨」
「別にがっかりして無いわよ一夏、また、こうやって一夏と会えたんだし…」

まあ、沢山の相手をしなきゃあいけないここの食堂と、個人経営の食堂じゃ勝手は違うわな…だから笑顔とそんな視線は両立しないんじゃないんですかシノさんにオルコットさん。

「…そういやさ、その…いいのか?『約束』の件。一夏は…」
「一夏が理解してなかったのに、無理強いしたらそれこそ頭おかしいわよ…それにさ、あの約束があれば、きっとまた一夏と会えるって信じられた」

…似合わないな、鈴にそんな表情は。

「…ごめんな、変なこと聞いて」
「いいわよ!こうやってまた会えたんだし…まさかアホ茨までいるとは思わなかったけどさ」
「まあ…競争率は高いぞ一夏は。しかも色々とタチの悪い手合いもカカワリを持ちたがっている…」
「…あたしがソレだって言いたいわけ?」

笑みを消した鈴に、シノさんは真剣な眼差しで言葉を続けていく。

「まさか。鈴、どうか私たちと一緒に一夏を魔の手から守っていかないか?」
「そうですわね。鈴さん、一夏さんに仇なすもの在れば共に打ち払い、愛が醒めたら立ち去り、誰かが射止めたとしたら互いに祝福する…そんな関係でいたいと思っているのです」

二人の真剣な眼差しを、真っ向から鈴は受け止め…

「良いわ、そう簡単には負けないわよ」

誰とも無く差し出した手が3本、固く結ばれた。



…上手く懐柔しやがったな、とは思ってない、断じてない!


「…ごめん、つい話し込んじゃってさぁ…ついでにラーメンぜいいん分持って来たぜ!」

…ああ、そうだな。ありがとうな一夏。



Iirisu:学生さんスシ食っていただけますか^^;

「っかぁー!生き返るー!!…いやいや、本当ヒヤッとしたわー…サムライ・ガールもどうだい?ゼロカロリーだぜ」

 

13番のコンテナの中には水の張ったバスタブとキリキリに冷えたエナジードリンクが詰まったドリンククーラーが入っていた。『ファング・クエイク』を解除した黒豹女はISスーツ姿のまま頭からバスタブに飛び込むと一気にエナジードリンクを呷る…うわぁ、思いっきり体から湯気が出てる、冷凍庫から出したばかりのチョコアイスみたいだ。

 

「…いえ、結構です」

 

…そして、その視線の先には崩れ落ちた、放心状態のシノさんがいた。

 

 

 

…構えが滅茶苦茶な相手を前にして、慢心はあったのかもしれない。生身とISだ、勝手が違うのも解る。だがどうだ!?私が放った『不動』は…あの一太刀はあの時出せた最良の一撃だったはずだ!それが、なす術もなく…それにあの太刀筋、あれは…

 

「サムライ・ガール、あのフィニッシュムーブ(必殺技)は初見じゃない。『ブリュンヒルデ』もご教授してくれた…あたしが喰らったのは『零落白夜』だったけど、鋭さはまあ同じくらいだった…」

 

コーリング女史はドリンクを飲み干すと笑みを消し、言葉を紡いでいく。

 

「言ったろ?『ヒヤッとした』って。危うくあたしは一撃頂くトコロだった。『ブリュンヒルデ』様々さ、本当に」

「.......では、あの『雪月花』は!刀を狙った神速の突き『雪嵐』、地摺りの斬撃『月朧』からの唐竹割り『花軍』…流れるような三連撃、篠ノ之流の心得のある者でもアアは使えないです!」

「雪月花って言うの?『すてきな三にんぐみ』って呼んでたわ、コレ。ラッパ銃みたいに素早く、胡椒吹き付けみたいにえげつない軌道で、そして大鉞のように叩き割る…コイツも体にコッテリ教えてくれたんだよねぇ織斑センセ?」

『何だその言いようは…私の太刀筋を真似たにしては余りに雑だ。あんな太刀なら止めてしまえ。生兵法は怪我の元だ』

 

放送室から響く織斑先生の苦言も何のその、バスタブの中で終始余裕の表情を彼女は崩そうとはしない…これが強さか。

 

「はーい。センセ怖すぎ、修正しまーすー…ま、ウチのブレードユーザー達にはムーブは一通り教え込んどいたから。弟子が増えるよ、やったねセンセ!!」

 

…おいちょっと待て何だソレは。アレか?ブラジリアン柔術のように縁もゆかりも無い者たちに篠ノ之流が振るわれるのか!?

 

『月謝は篠ノ之の家に払っておけよ。振込先と額は篠ノ之に聞いておけ』

「そ、そんな!月謝なんて結構です!」

「いいねぇ、謙虚な子はあたし大好きよ…じゃあもう一つ種明かし。『ブッチャー・ピート』…あたしのブレードはさ、あんたの『葵』よりちっと短いんだ…どうなると思う?」

「踏み込みの距離が…そうか!攻撃のタイミングが狂う!」

「そういうこと。中途半端に抜いたブレードは狙いやすいのよ、納刀した状態より。姑息っしょ?あたし…でもさ、そういうところで勝負の潮目は変るのよ…クールダウン終了!じゃあ、次はオーダーメイドの面々だ!制限時間は3分間!今度はあたしも隙あらばチクチク行くぜ!…マック、お役ゴメンだ!シショーのオジョーさんをエスコートするという大役を任せるぞ!…それと、ピットの面々に38番をおごってあげな!」

 

満面の笑顔で宣言するとコーリング女史はその笑みを野獣のそれへと変貌させ、びしょ濡れのままバスタブから飛び出した…心しておけ一夏、今までの一手指南は準備運動レベルだ、彼女にとっては。

 

「了解…行こうシノさん。バスタブも回収するね…」

 

13番のコンテナを回収すると、茨はピットへの道を進んでいく。足早に私はその後ろを進んでいく…拍手も何も無い、それが心地よかった。敗者には沈黙こそがふさわしい。

 

 

アメリカ人が篠ノ之流を振るう、か…父さんは驚くだろうな。まあ、彼女は織斑先生を師匠と呼んではいたが…

 

 

 

 

 

私が師匠のお嬢さん?そうなると織斑先生の娘になるぞ…そうなると一夏とは叔父と姪の…何を考えている、私は!?

 

 

 

「…お疲れ様…箒さん、惜しかったわね…マーブルズ・ピーナツとゲッコレード、ご馳走様…」

 

 IS学園が学園として保有しているISの数は約30。防衛用に配備されているのが約10機…今回の『穴埋め』のパイロットの面々が一人1分の持ち時間でも、絶対防御を発動させたISを整備する整備科の皆様にとっては何ら作業量が変るわけではない。F1マシンのピットインの作業を2時間ぶっ続けでやるようなもんだ。

 

「腕が…足が…頭が死ぬる…チョコがこんなに美味しいなんて知らなかった…」

 

 整備科学生全員で180名、整備科教諭陣で20名、サポート役の整備スタッフが約50名…そこに『穴埋め』を終えた1年生達も混ざる…技術者でなくてもカーゴによる絶対防御を発動させたISや各種装備の輸送、エネルギー供給システムのコード、パイプ等の取り付け…人手はいくら有っても足りない。無論頭だって死ぬほど使う。

 

「コレで勝ったとおもうなよー…イーリさんにご馳走様でしたって言っておいてねー、いばらん」

 

 

 整備部志望者は今回の『穴埋め』で先んじて手を上げていった…というわけでもないらしい。応援は余り多すぎても一気にへたばってしまえばそこでペースが狂い、終わってしまうからだ…まあ、パイロット志望者も『穴埋め』が終わり次第皆応援に駆けつけていったから人手に関しては杞憂だった。

 

 

「…引き分けといった所でしょうか…スニッキーズ・アーモンド美味しいです…」

「今日はコレくらいで…勘弁しといたる…ああ…スポドリが染みていく…」

「今日のブラは…明日の私には…キツくなってる…ソースはないけど絶対そう…」

「メスゴリラめ口惜しかろう…ペンは剣より強いのよ…」

 

 IS用ピットはグロッキー状態の学生、教師、整備スタッフで満ちていた…肉体的には疲労の限界に達してはいるが、眼は爛々としている辺り流石はエリートだ。布仏先輩も黛先輩も簪さんも各種スポドリと各種チョコ…38番コンテナにぎっしり詰まっていた…を頂きながら活力を取り戻しているあたり、まだまだ余裕はあるのだろう。

 

 

「アダダダ…でも惜しかったねシノさん。あともう少しで勝てたのに。先輩、ダイエット・ゲッコレードですよ…ッ痛…」

 

俺は筋肉痛で痛む体をだましながら皆にスポドリを配りつつ、チョコを配るシノさんに声をかける…お世辞じゃない。あの鋭さは正直肝が冷えた。首と胴体が生き別れになったまま何メートルも歩いてその後バッタリ、なんて講談の荒唐無稽な描写もあながち嘘ともいえないだろう。

 

「…私の剣は『殺人剣』さ。勝てなかった時点で私は死んでいる」

 

…シノさんの言葉は自嘲に満ちていた。サムライ、てのはこういうものなんだろうか。でも、今は21世紀も十年以上過ぎたんだ。時代錯誤じゃないんだろうか?

 

 

「でもさ、箒は生きてるよ。こうやってみんなにチョコ配ってるし…何回でもリベンジしなさいよ、茨の教官みたいに…蛍光のピンクにブルーにグリーン…ホントありえない色使いねアメリカのスポドリって」

「そうですわね。立ち上がることを止めない限り強くなれますわ…本当、このチョコバー一本で200キロカロリーとは『甘いものは別腹』とは行きませんわね」

「…そうだな。ありがとう皆」 

 

ああ、やっぱこうじゃないとシノさんはいけないな。『闘志』『熱意』が満ちた彼女は凄い…やっぱり、専用機は彼女みたいな人が纏うべきなんじゃないだろうか。そしてナイスフォローだ、鈴にオルコットさん。何も言わずにチョコやジュースを配る所もいい娘たちだな、ホント…一夏、女性は織斑先生だけじゃないぞ!周りも気にしような!俺はモーションかけようとか思わないから安心しろよ!

 

 

「ま、まさか仲介の労をとった代償として…そ、その…すまない茨!私には一夏が…」

「…ああ、アレね。あの人パンチドランカーだから自分でも何言ってるか解ってないよ、多分。誰でも無償で仲介するから皆も安心して」

「茨!あたしはあんたの味方だから!誰かを愛することは素晴らしいことよ!」

「そうですわ茨君!過程はどうでもいい最後に愛があるのなら、と偉い人も言っておりますわ!!」

「友人の幼馴染を寝取るとかいやらしい…」

「油断しちゃダメですよ篠ノ之さん!きっと仲が深まった時点で織斑君との愛のメモリーを見せ付けてくるはずです!ええそうに違いありません!」

「ああ猿取君の色恋沙汰を聞かないのってそういう…」

「リバは邪道よね、猿取君もそう思うでしょ?」

「はぁ!?プラトニックこそ、忍ぶ恋こそ至高でしょ!?」

 

 

 

…ああ、みんな年頃の子なんだな。皆一気に復活してきた…何だそのゾンビみたいに異様な光を帯びた瞳は。黛先輩言ってて恥ずかしくないんですか?ていうか『ホモの嫌いな女子はいない』ってのはガチなんですか?ウチのバーちゃんみたいなのがデフォなんですかそうですか。俺も一夏もそんな変態じゃ…いやゴメン有る意味もっと酷い状態なのかも。それに、色恋沙汰にうつつを抜かそうものならどんな恐ろしい目に遭うのやら…

 

 

 

『猿取君!早くカタパルトルームに!織斑君が…織斑君が!』

 

…ほらね、山田先生のお呼びだ…きっとロクでもないことなんだろうな…アダダダ…

 

 

 

 

『千冬姉の剣を汚すんじゃねぇ!』

『貴方日本語の通じない馬鹿ですかぁベビーフェイス?』

 

シノさん曰く、一夏はシノさんが引越しするまでは御坂神社に併設されていた剣道場に通っていた…まあ、剣道というよりは剣術で、格闘や柔術みたいな素手の護身術も教えてもらっていたそうだ。

 

「一夏は、千冬さんの剣に、強さに憧れていた…怒りで目が曇れば、勝てる相手にも勝てなくなるぞ…」

「シノさんは、あんまり気にしていないんだね…その、イーリさんの剣について」

 

で、織斑先生も同じ道場に通っていたそうで、シノさんや一夏と姉弟子の関係でもあるわけだ。一夏が教えてくれた所によると、シノさんが引っ越した後は織斑先生が多忙な時間の合間を縫いながら指南をしたそうだ…英才教育だよな、ホント。

 

「剣術は、習う人間は限られる、強くなるためには屍を越える必要があった…竹刀や防具が発達するまではな。宮本武蔵は強かったろうが…二天一流は廃れてしまったんだ」

「でも、イーリさんの動きじゃあ似ても似つかぬものになるんじゃないのかな」

「…まあ、カリフォルニアロールも寿司だとは思っているぞ」

 

 

『なんでだよ!何で俺の剣はアンタに届かないんだ!!』

『やっぱりスシかモチかピザでも食べればよかったんじゃないのかなぁ…っと!』

 

『穴埋め』参加者は未参加の人間と参加済みの人間が厳密に分けられていた…これは、未参加の学生を出さないためと、同じ学生が何度も参加するのを防ぐため…というのはタテマエで、未参加の学生が整備に加わって消耗することを防いだそうだ。俺とシノさんは皆にジュースやチョコを配り終えた後、カタパルトルームの放送機器を使いアドバイスを送ろうとする…が、放送室の織斑先生から『待った』が入った。

 

『今は放っておけ猿取…織斑はそろそろ敗北を知っていい頃だ、そしてイーリスは徹底的に教える女だ』

「…どうするシノさん?」

「先生の言う通りだ…今はただ見守ろう」

 

 

 

『真面目に戦えよ!そんなにふざけて楽しいのかよ!?』

『真面目も真面目大真面目!何時でもどこでも誰とでも、舐めてかかって戦ったことなンざ一度も無いよ、あたしはさ…レッドフラッグカッマーン!』

 

一夏、オルコットさん、鈴の専用機組、山田先生やパイロット養成コースの先生方は出番待ちの子達を励ましたりアドバイスをしたりしていたそうだ…だが、シノさん相手に黒豹女が使ったブレードの技を見るや否や一夏は怒りを露にし、雄叫びと共にエントリーし…無手の黒豹女に高速の機動で寒気のする剣閃をからかわれながらかわされている…今は闘牛に見立てられ、赤い布でひらりとかわした後一夏を思い切り蹴り飛ばした…黒豹女、闘牛の赤い布は旗じゃあないぞ…

 

『しょうがないにゃあ…人呼んでサン・ファン・カピストラノの災厄とはあたしのことさ!』

 

…おい、今度は『マスク・オブ・ゾロ』かよ。片手にレイピア、もう一方に短剣を拡張領域(バス・スロット)から引っ張り出し、構えたその姿は確かにスペイン領カリフォルニアの圧政に立ち向かう仮面のヒーロー、或いはブルボン朝時代の銃士のごときだった…『ファング・クエイク』のいかにも兵器然としたいでたちには、まったくと言っていいほど似合ってはいなかったが。

 

『まともに戦う気はないのかよ!?そんなに俺は弱いのかよ!…ァがぁぁ!』

『ホントのアホかよ、ベビーフェイス』

 

 

 破れかぶれに『雪片弐型』を振り回す『白式』に『ファング・クエイク』…黒豹女は瞬時加速(イグニッション・ブースト)で間合いを離し、切っ先をかわすと間髪入れずに瞬時加速(イグニッション・ブースト)で間合いを詰め、レイピアのナックルガードで顔面を殴り飛ばした。

 

「ど、どうなっているアレは!何だあのイカサマは!?」

「個別連続瞬時加速装置(リボルビング・イグニッション・ブースター)…『ファング・クエイク』の第3世代装備。イーリさんが『タイガー・シャーク』で発動させた第2次移行(セカンドシフト)から作成したヤツ…イタリア代表以外ではイーリさんだけなんだ、第2世代機で第2次移行(セカンドシフト)、単一能力(ワンオフ・アビリティ)を引き出せたのは」

 

 

『あたしは拡張領域(バス・スロット)にコイツら…『ディア・ハーツ』『ジェントリー・ピープル』突っ込んでるんだ。得物じゃないのにそんな事はしないだろ…すこしゃ頭冷えたか?』

『…』

 

無言で一夏は『零落白夜』を発動させる。光の太刀を、一夏を見つめると、黒豹女は瞳の光を鋭くし、短剣…『ディア・ハーツ』を逆手に構え直した。

 

『いい顔だあね、ついさっきより遥かにマシだ。そうじゃなきゃ嘘だ…汝が剣、疾きこと風の如し…我も燕と成りて汝と速を競わん…』

 

先程よりも遥かに鋭く、瞬時加速(イグニッション・ブースト)で一夏は懐に飛び込み、一気に勝負をつけようとする…が、黒豹女は正確に『ディア・ハーツ』で『雪片弐型』の持ち手を払い、レイピア…『ジェントリー・ピープル』が喉元を、肩口を、膝を正確に貫くと『Z』の文字を描くように一夏の胴を切り裂き、

 

 

 

『…目ぇ見開きな!抗いな!そして…胸に刻みな、『Z』の文字を!』

 

 

 

 

『Z』の最後の点を描くように、『ディア・ハーツ』を土手っ腹に抉りこんだ。

 

 

《白式、戦闘不能》

 

 

「強い、そして美しいな…彼女の太刀筋は。あの人に振るわれるなら、篠ノ之流も本望だろう」

「…うん。綺麗だ」

 

 

 

…まあ狙われたほうからすれば怖くて仕方ないけどさ…

 

 

『オラを包囲殲滅するなんてヒドスギですだお嬢様!どうかお慈悲を!あの優しかったお嬢様に戻ってくだせぇまし!』

『何ですのそのキャラは!?…当たりなさい!…この!このぉ!?』

 

 

…まあ、残り2りについては…本人たちの名誉のためにも伏せておこう…

 

 

『アイヤー!そんな攻撃当たらないアルよ!…なくはないアルね…』

『今どこチラ見した!?無いのか有るのかどっちなのか白黒はっきりさせようじゃないの!』

 

…ああ、どうか俺にとばっちりは来ませんように…




『後始末』『受け入れ準備』『未来予知』
「『お疲れ様。有給は申請しておくよ。英気を養って次に備えてくれ』…若い連中から報告。『残党』は中国情報部が新生委員会への忠義を示すため片付けた。『更識』の被害は無し。ゴミ処理も終了…凰さんたちを付け狙ったってもうどうしようもないのに、変化っていうものには中々対応できないもんだね、人ってのは」
「私だって、同じ立場なら同じ事をしてるわ…当主様からよ。『ヘラクレス』の親族の選別をして欲しい、ですって…中国の件の借りを返せ、ってとこかしら」
「彼も焼きが回った…とは言わないさ。僕が同じ立場なら同じ事をしているだろうからね」
「つまり、似た様な心当たりがあるって事ね…これはオシオキが必要ね…」
「…僕、孫の顔が見られるまで長生きできるといいなあ…」
「大丈夫よ。多分1年後には出来ているはずよ」
「そ、それはマズイよ!!?茨はまだ15だよ!?」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。