「茨のおじいちゃんたち…そっか、ここっておじいちゃんたちのマンションでしたっけ?」
「早起きじゃな、鈴ちゃん…茨は駐車場で草刈じゃ。オーナーはバーちゃんじゃよ、雑務は一緒にやるがの」
「ペンキ塗りに排水溝の掃除…こういう細かなメンテが店子を放さないのよ、男心と同じ」
「!?…あやめさん!女と見込んで質問があります!」
▽
「なるほどね…幼少期を一緒に過ごした幼馴染に金髪碧眼のデレデレお嬢様、挙句の果てに茨もいるんですもの、少しでも差を詰めたいわよね…でも、自分の体に自信が持てない」
「バーちゃんそんなに孫を貶めたいんか…」
「違うわ!友情を貫いて欲しいだけよ!」
「あやめさん…お聞きしたいんです…私の…」
「まずは自分の胸を愛することよ。私は小さいまま黄昏時を迎えるけれど悔やんだことは一度もないわ。自分が愛せない体を他人が愛してくれるわけないでしょ?」
「!?」
「ソレにね…小さな胸は敏感なのよ!デカイのに比べてあっという間にヘブン状態よ!可愛いブラは大体小さいし男からイヤラシイ目で見られることもないし下着ドロから狙われる確率も小さいし痴漢に襲われることもないわ!イイコト尽くめよ!…それにね…Aでも挟めるのよ!DやEじゃアバラという武器は使えないのよ!」
「!!…あやめさん、私、頑張ります…!!」
「イヤじゃ…土曜朝7時からお天道様の下こんな話する60台はイヤじゃ…何処で…何処でワシは道を踏み外したんじゃ…」
「そうね…高一の時、ゴンちゃんと五反田食堂でめぐり合ったときよ」
「…後7年じゃな、金婚式まで。今年の結婚記念日は…」
「『白水仙』は止めてね。アレ、シャロン本店がテロにあってから…どうにも血の匂いがして仕方ないのよ…」
「今日はこれで終わりかー…基礎の基礎、他の子達は中学の時に学んでる内容だってのがお恥ずかしい限りだわ…」
「でもAOAにはホント感謝だよな茨。わざわざこんな時間を作ってくれるなんて…」
『ジョブ&ホビー』内の教室で『特別講習』を終えた俺は窓を開け、首をコキコキ鳴らしながら外の空気を味わっていた…ISの知識は日本では中学生なら私立校以外では倉持系列の通信教育か学習塾が鉄板なんだが、男には縁の薄い代物だった。いや、理工学系のガチで頭のいい奴なら学ぶんだろうが…俺も一夏も…ねぇ?
「…そんな事無いわよ猿取君…正直、二人にはビックリしてるんだから」
いや、俺にしてみればパイロット養成コース志望の面々も受講したいと手を上げ、真剣に聞き入ってることこそビックリだよ相川さん。みんなにとってはソレこそ初歩の初歩なのに…
「確かに…あたし達にとっては初歩の初歩のおさらいよ。でもさ…一夏も茨も習い始めて3ヶ月も経ってないのよ」
いつになく真剣な表情の鈴の言葉を継ぐように、鷹月さんが言葉を紡いでいく。
「そ。私たちが3年…いや、もっと多くの時間を費やして学んできた事柄をどんどんと学んでマスターしてる…」
「ま、まあでもAOAのテキスト有ってだし。ほら、アレって…」
「『馬鹿の為に作られたテキスト』…確かに、必要なことを誰にでも分かるように記されている。だからこそだ…とても為になった。倉持のテキストは…衒学的だった」
シノさん…げんがく?もうちょっと分かりやすい言葉で…
「別にギターもバイオリンも…」
「…学をひけらかす、という意味よ一夏…」
…ありがとう一夏。俺が発言してたら鈴がハイキック行ってたと思う、多分。
「おお…また一つ賢くなったぜ、サンキューな、鈴!午後からは…」
「悪ぃ、行かなきゃいけないところがある…ここの…『ジョブ&ホビー』の調理室だ。一夏、そして皆…生きていたらバンメシで会おう」
…学園の調理室は今日は料理部が使うのだ。生徒1りが占有するわけには行かないのだ!決してBC兵器が完成する危険性を配慮してAOAにその役目を押し付けられたとかそういうのではないのだ!
「…またな、茨」
「茨、セシリアに伝えておいてくれ。『待っている、御握りと唐揚げと卵焼きの予定だ』」
「『粽と酢豚とシューマイ』…死ぬんじゃないわよアホ茨」
「骨は拾ってあげるから!」「織斑君のことは任せておいて!」「愛に生き、愛に死す…か…敵わないわ…」
教室を軽く手を上げながら出て行く俺、敬礼をするシノさん、直立不動の姿勢で見送る鈴、涙ぐみ、手を振るクラスメイト…大げさというなかれ。
俺は、イギリス人の料理との、ファーストコンタクトを行なうのだ。
▲
「ああー、おちつくんよ…仕事とはいえ(キリッ とした顔は苦手なんよ…」
「同感。さっさとメイク落としてハイネケンに浸りたいわー」
「で、出たー!誰も素顔を見たことない系の…オウフ!ヤメテ!?チョークスリーパーはヤメテ!!?」
ラスベガス・ストリップ地区にあるAOA本社。閉鎖し、爆破・解体されたホテル『リバーサイド』の跡地に立てられたIS開発のメッカであり、理工学系ならば誰しもその門をたたきたいと思う登竜門であり、新たなるアメリカン・ドリームの地であるラスベガスの立役者たちが集う場所である。『特別講習』を終えたスタッフたちは、自宅に戻って息抜きをするために…或いは溜まった仕事を片付けるためにそれぞれの場所へと向かっていく。
「…つぅぅぅ…にしても、メガネちゃん危うすぎ。妙に入れ込んでる感じがするわ」
「ピクシーにはメールしといた…ああいうのは男でも出来れば納まるんでしょうけど…」
「ベビーフェイスは過当競争…トレイニーはドロ沼…どちらにせよ血の雨が降るんよ…」
「…人の恋愛はどうでもいいさ、俺らは『AH』の設計図完成させようぜ」
「博士から聞いたんよ…『醜き兵』が来るらしいんよ…最悪なんよ…」
「フランスから折角の客人が来るってのに…『プライムバル』の設計図もあと一息だし、ギネス呷ったら一気に行くわよ。トレイニーのボーヤはイーリとピクシーのお気に入りなんだから!」
「老婆心ってやつですね、分かりま…アォォォォ!?」
「イーリ直伝ローリング・ソバット、鮮やかなんよ…」
■
「じゃ、最初はゆで卵から…何故そこでナチュラルに電子レンジに入れるオルコットさん」
電子レンジの蓋を開けようとしたオルコットさんの肩を抑え、制止する…これはコントではないのだ。少なくとも食べられるものを作らなければいけないのだ。
「も、申し訳ありません茨君!」
「『まず、鍋に水を入れ、そこに塩と卵を入れます。そのままコンロにかけて、沸騰してから中火にして10分…火を止めて、冷水にいれて完成』…まずは基本に忠実に行こう、オルコットさん」
…別に怒っているわけではない、安心してくれ。そういう涙目は一夏に見せてやると良いぞ、うん。
「コホー…こういう飴と鞭の使い分けが女性を篭絡する秘訣というわけですか…コホー…」
ピクシー、髪型はウルフカットに固定したのか。黒豹女の影響か?立会人を買って出てくれたのは感謝する。NBC防護マスクをつけているのも気にしたら負けだと思ってる…そうやって人を貶めるのはどうよ?
「!?…そういう魂胆でしたのね…近づかないでください茨君!それ以上近づいたら…」
「オルコットさん、包丁は具材を切るためのもんだろ。俺の喉に近づけないで、危ない…ていうか、そういう下心があったら入学の時からもっと接触して無いか?」
…良かった。落ち着いてくれたかオルコットさん。こんなところでこんなバカな理由で怪我したりされたら色々とアウトだ…何だろう、ゆで卵を作るだけでこんなに疲れるものなんだろうか。料理マンガの人たちが色々とおかしいのはそういう理由なんだろうか。
「コホー…じゃれあいは後にして、さっさと卵とコーンをボイルしましょう。コホー…お二人ともお昼まだでしょう?」
…ああ、そうだね。お腹減ったね。でもどちかというと疲れてるよ、俺は。
■
「おし、そろそろいい頃合。卵は流水につけて。コーンはザルに開けて頂戴」
…これはオルコットさんの自信をつけさせるための調理実習である。基本、俺は手を出さない。スマホのレシピサイトを眺め、キッチンを監視しながらオルコットさんへ指示を出す。
「コーンは冷やさなくてよろしいんですの?」
「そのまま粗熱を取るだけでいい、『水で冷やすと味が抜ける』ってさ」
『牛の塩焼きがあればご満悦するイギリス人』
『鉛を溶かしたようなスープしかない』
『朝飯すらマズイ』
『マトモな飯が食べたいならフランチャイズのバーガーショップに行け』
…これが俺が読んだ書籍に書いてあったイギリス料理の評価であった。正直、メシ食うまでは
(味音痴なんだろうなぁ)
とオルコットさんを誤解していたのだ。五反田食堂での会食中、上手に箸を使いながら『イギリスで食事を取る際の注意点』をオルコットさんはジト目になりながら皆に教授してくれた。
『どのディッシュもほとんど味がついていないから卓上の調味料で味付けするものです』
『ローストビーフもステーキもピンキリですわ、不味い所のものは食べられませんもの』
『サンドイッチやフィッシュ&チップスも良く吟味してくださいましね、屋台のものは手を出す気になどなりません』
『泣きたくないならチャイナタウンに行くべきですわ。リトル・チャイナの皆様はイギリス1味に気を使いますもの』
…やっぱり不味いものは不味いのだ、イギリスの人にとっても。まあ、日本だってウサギ小屋より狭苦しい一軒家建てて、建蔽率で揉めるのだ。衣食住全てが完璧な民族なんて居ないだろ、うん!
「冷えたかな。卵の殻は…おし、つるりと剥けた。食べてみようオルコットさん!」
俺はショーユ、オルコットさんは塩をつけてゆで卵を咀嚼し、飲み込む…ホロホロの黄身とプルプルの白身…うん、まごう事なきゆで卵の味だ。
「…ゆで卵だね」
「…ゆで卵ですわね」
水道水を喉に流し込んだ後、続いて俺はボイルしたコーンにかぶりつき、オルコットさんは手で芯から剥いたコーンを口に入れる…自然な甘みとうっすらとついた塩味が素朴ではあるが、だからこそ優しい気分になれる味だ。
「美味いね…ご馳走様」
「どういたしまして…でも…ただ塩茹でにしただけですわ…卵もコーンも…」
「そう!でもさ、凄くないか!?『食材を料理にした』!しかもオルコットさんが独力で!しかも美味いって思えたんだよ!初めてISに乗って山田先生倒した一夏と同じだよ!」
「!!?…一夏さんと…同じ…!」
…まあ、俺だって人のことはドーコー言えない。自力で出来る料理といえば炊飯器でご飯を炊いたり味噌汁を作ったり塩鮭を焼いたりする程度だ…ジーちゃんもバーちゃんも意外と器用で暇さえあれば色々と教授はしてくれたんだが、ソレを一番マスターしたのは遊びに来ていた一夏だったのだ…
「次はゆで卵からフィリングを作り、サンドイッチですね。コーンは軽く焼いてソイソースで香り付け、といった所ですか?」
「そ…だけどさ、何でソッチも卵とコーン茹でてるんだ?しかも大量に…」
流石にガスマスクつけて調理作業はキツイか、ピクシー。
「サンドイッチは私が作り方を伝授しましょう、レディ。猿取君はお使いを頼まれてくれませんか?」
〒
さて、悪魔とは基本的に人間に対して優しいものである。
「はじめまして…IS装備開発会社『みつるぎ』社員『五月雨はやて』と申します…誰も来ないから、いくら大声出しても平気よ、篝火所長」
「何処の世界に金髪碧眼の白人でそんな名前の奴が居るのよ!?離しなさい!」
「『天使』は聖書内で億単位の人間を殺した。一方『悪魔』は10人程度を殺しただけである」悪魔崇拝者(サタニスト)達はそう嘯いている。
「そうカッカしないで。いい物を持ってきたのよ篝火所長…はい、どうぞ。」
「!?これは…」
だが、忘れてはいけない。天使に殺された人間は皆、悪魔によって堕落させられた人間であるということを。
「『白式』の解析、難航しているんですって?夏の終わりまでに治してくれればそれで良いわ…得られた情報は好きにして頂戴」
悪魔は天使が人を殺すその瞬間こそが、堕落した人間が天使に哀れみを請う瞬間こそが、とてつもなく好きだということを。
「いい…お友達になれそうね、私たち」
そして、天使は人を殺すたび、見えぬ涙を流しているということを。
■
「!?どうしたの、猿取君…」
「昼間にユーレイでも見た顔しないでよ、簪さん。ピクシーさんから頼まれてさ、差し入れもって来た…ほい皆、きりっと冷やしたゆで卵とアツアツのスイートコーンですよー」
「頂きます」「ごちそーさま!」「スィート、スィートだよ!」「ン・ガ・んんん!!?」「アパーム!ジュースもってこーい!!」
『打鉄弐式』開発に関わっている学生たちが集っているIS学園整備科修理施設、AOAブース。昨日めでたく講習は終了し、平日は放課後から消灯前まで、休日は朝御飯後から消灯前までという時間制限はあるが、簪さんを初めとする有志が集いOS、FCSの作成に取り掛かっている…『学業や日々の生活に支障をきたしてはいけない』というお達しもあり学生も教師もローテを組んで開発に取り掛かっているが、パイロットである簪さんはやはり心配なのだろう、昨夜も今日も足を運んでいるそうだ。俺は大ザル一杯のコーンと卵を皆々様に配布中だ…かなり食いつきがイイな、お昼抜いてここに残ってたのか、皆。
「塩にしょう油にマヨネーズ、ケチャップまで有りますか…これは織斑君に手ひどく振られたショックで我々にコナカケをしていると見て宜しいですか?」
「…食べ物を美味しく食べたいって思うのは、古今東西共通の願いだと思いますけど」
ホント、人をからかうのが大好きだな黛先輩。『一夏を紹介しろ』って言う前フリなのか?…悪いが『淑女協定』は強固だぞ…ケチャップとしょう油のミックスソースか、想像できない味だ。
「ありがとう。これって、猿取君の…」
「俺じゃないよ、これを作ったのはピクシーさん…ピクシーさんから伝言。『一夜城では生徒会長という金城鉄壁には太刀打ちできません』だってさ…」
どういう理由なのかは分からないが、簪さんは会長…いや、ロシア代表・更識楯無の持つIS『モスクワの深い霧』を仮想敵とし『打鉄弐式』を開発している。アレか?こないだからの大騒動がげいいんか?だったら黒豹女を仮想敵にしてくれ。あの件に関しては会長も被害者だ。
「そうですね…今日はお休みください更識さん、無理も焦りも禁物です…大丈夫!こう見えても1年分教育受けていますから!!」
同性愛ネタで人をイジルだけが能じゃないのか!整備科ホープって顔してますね黛先輩…一方簪さんは返答を躊躇していたが、こちらの方をチラリと見ると以外なほどしっかりした口調で宣言した。
「はい…差し入れのお礼を伝えに言ってきます。猿取君、案内して」
「あ、はい…」
な、なんだ?どちかというと戦意に満ちたこの口調は…
「行きましたね」「行ったわね」「行きましたね」「明らかに恋する瞳でしたね」
「何時ぐらいに告るとおもう?」「クリスマスイブ」「夏休み」「運動会の体育館倉庫で」
「…にしても…ちょっと臆病すぎない?猿取君」
「それはそうでしょう!彼は異性よりも同性を優先…」
「「「「いやそれはない」」」」
◇
『毒饅頭を喰らったらしいな、倉持は』
『喰らったのは第2研究所だが…いずれ毒は総身に回る。『毒薬変じて甘露と化す』となるほど『機業』の毒は易しくはないぞ』
『WW2と同じね。小兵ゆえに積極的に膨張せざるを得ない。非力であるがゆえに弱みを見せられない…呆れを通り越して悲しくなってくるわ』
『アル、『ヘラクレスの娘』と『エイブの忘れ形見』…よろしく頼むぞ』
「分かっているさ…もっとも、僕は介添え人に過ぎない。運命を切り開いていくのは、いつだってお人好しでおっちょこちょいの若者さ…ベビーフェイスや『彼』のような、な」
■
「ねえ、猿取君。ピクシー…さんって、どんな人…?」
「変わり者。まあ、『ジョブ&ホビー』に詰めてるスタッフぜいいんに言えると思うけど」
『ジョブ&ホビー』内、調理室に向かう俺と簪さん。あっさりと答えを出した俺に簪さんは面食らっていた…あ、AOAにかなりの学生がお世話になってるんだ。妙なバイアスをかけてスタッフを見られると困るよな、俺もAOAも学生の皆も…
「訂正、変わり者だけど悪い人じゃない…俺さ、IS…『アンカー・スチーム』受領してから、一度だけ『返そう、俺には重過ぎる』って思ったときがあったんだ…その時のアドバイスでだいぶ楽になった」
「…いつ、そんな気分になったの?コーリングさんと訓練してたとき…?」
「ううん。そんな気分にすらならないほど忙しくてキツかった、イーリさんとの訓練は…楽な訓練のときだったよ。俺が返そうって思ったのは。廃棄する戦車を的にして、試合でも使ってるアンチマテリアルライフルで撃ったとき…心底ビビッたよ、徹甲弾が戦車の正面から後ろまで2台纏めてぶち抜いて…そして生身の射撃訓練の時に使った自動小銃よりも反動が小さかったときは」
…俺はオクビョーモノだ。『競技でしか使ってはいけない』『例え当たっても絶対防御が発動して、中の人間はほぼ無傷』のはずのものなのに、ブルブル震えて動けなくなった…
「どんな、アドバイスだった…?差支えがなければ、教えて…」
いつになく真剣な表情の簪さん。調理室のドアを開けながら、俺は言葉を返す。
「『怖かったら怖いと思い、泣いて叫びなさい。思いを押さえ込むことは貴方のハートをダメにします』…不思議なモンだよね、そう言われると『怖い』と思っても何とか動けるようになった…ピクシーさんだけじゃない、AOAスタッフには皆感謝してる…」
「『お・い・し・く・な・あ・れ♪』…リピートアフターミー、レディ」
「『お・い・し・く・な・あ・れ☆』…これで1.25倍は美味しくなるんですのね!?」
「ええ、確定的に明らかです」
「…な、変わり者だろ?」
…相変わらず無表情なピクシーとこれ以上ないくらい真剣なオルコットさんが指をハートの形にしながらサンドイッチと焼きもろこしに向かって念じている…血とか変な物混ぜ込むような真似するよりは何千倍も健全だよ!?でもさ…折角賞賛した人間がここまでアホな真似してるなんて俺はどうすればいいのよ!?カウンセラーなのよ!?俺のアホさが裏打ちされちゃったのよ!?
「フフ…ホント…変ってるわね…クク…」
だよね、そう思うよね。ホントゴメンね簪さん…
ま、初めて簪さんの笑顔を見られたんだ。こんな非日常もアリって言えばアリかもね。
問答歌
「…以上で、ハム&キューカンバーサンドイッチ、エッグサンドイッチ、及びコーン&マヨサンドイッチ、ローストコーンの作り方を終了します…美味しいですね…」
「はい…しかし、パンは予め耳が落とされたもの、胡瓜はフードカッターでカット…果たしてソレで…」
「企業努力の賜物ですよ。卵からマヨネーズを作る、豚を潰してハムを作る…ソレの延長線上です…貴女が疑問に思っているのは我々の『企業努力』ではありませんか、レディ?」
「!?…そう、ですわ…『ブルー・ティアーズ』はFCSの関係上、ビットと本体の同時操作は出来なかったはず!あなた方が修復したとたん、同時に動かせ…ムグっ!?」
「ソイソースが利いていますね、ロースト・コーン…我々はあくまでアレはデフラグをしたに過ぎません。貴女の想いに答えて『ブルー・ティアーズ』が動かせるようにした、それだけの話です」
「!!?それこそ、不可思議です!イギリス開発チームのプログラムは…」
「岡目八目、というヤツです…利害関係が無いからこそ穴やスパゲティ・コードであると分かるんれ、です…ところで、この美味しいサンドイッチ、もっと美味しくする秘術…知りたくないですか?」
「!!?お、教えてくださいまし!!!」
(す、鋭いのか抜けてるのか、ホント分からないれすねぇ…)