「さてレディース、トレイニーはメガネちゃんに勝てると思うかい?」
「3:7で不利」「難しそう…」「ぶっちゃけ勝てそうにないですね」
「メイウェザー級のストレートな意見ありがとうレディース!ということで勝つための策を色々と練ろうじゃないかエブリバディ!」
「つまり簪さんに猿取君と織斑君の熱いナイトライフを暴露するんですね!」
「やっぱりメガネはスケベだね2年のメガネちゃん!同じメガネっ子としては嬉しいよ嬉しいよ!…っと!後ろから不意打ちなんて危ないじゃないか3年のメガネちゃん!そんなどでかいスパナ当たったらおミソが飛んじゃうじゃないか3年のメガネちゃん!」
「…冗談はさておき、どのようにして簪様と猿取君の差を縮めるのか【興味があります】」
「そりゃ簡単さ!技量で何とかならないならマシンで何とかするんだよするんだよ…」
♪
「おつかれかんちゃん。明日はいばらんとの試合なんだし、ゆっくりやすんでねー」
「ええ。いいの本音?だって…」
「いいよー。いばらんに勝てるんだったら、かんちゃんは強いって何よりの証拠になるもん…でもさ、いばらんかわいそう、せっかくかんちゃんのために頑張ってきたのに巻き込まれて…かなり凹んでたよ」
「も、勿論勝っても負けても、何かしらのお礼はするわよ…」
「でもさ、いばらんはAOAのテストパイロットなんだし、お手当てとかけっこうもらってそうだよねー。じゃ、おやすみー」
(…本音…茨君の事を何でそんなに…まさかさっきまで、二人で…待ってよ!私は別に茨君のことなんか…でも、あんなに頑張ってくれて…一生懸命になってくれて…でも私まだ…やだ!全然眠れない…)
「なん…だと!?」
「ええ、わたくしの鼻がバカでなければ、おそらく…」
「コレは問題よ!厳重注意、厳重注意よ!アホ茨が居るから、大事にはならないでしょうけd」
「スィートですわね、鈴さん。一夏さんも茨君も餓えているに違いありません!そこにコナをかけられたら…こんなことなら、いっそ…」
「こんなことなら中2の時に捧げとくんだった!今すぐ母さんの結婚指輪指にはめてぶん殴ってくる…って、何するのよ箒!」
「…一夏、そして茨が紳士であることを信じよう。まずは最上階に赴いて…」
「地獄の宴だな…不埒な真似をしていたら」
「地獄の宴ですわね」
「地獄の宴ね」
■
「2りとも、メシまだだろ…サンドイッチでもツマミながら教えてくれよ」
そろそろ自習室に行こうか、位の時間。昨夜のルームメイトたち3りは昨日と同じように最上階の部屋で佇んでいるはずだった…
「茨、シャルルは悪くない!悪いのはデュノア社なんだ。あのさ…」
「良いよ一夏。ボクがアイツに頷かなかったらこんなことにはならなかった…ゴメン、猿取君」
俺はあまりのことに、手に持ったサンドイッチを渡すのが精一杯だった…一夏、デュノア君をかばうのはいいんだが二の腕に思いっきり、その、密着してるぞ…この雰囲気の中で指摘するようなアホな真似もしたくはないが。
「…取りあえず、俺は今来たばかりなんだ。何がどうなってこうなっているんだかキチンと教えてくれ…ああ、出来ればデュノア君だけが説明してくれると助かる」
…まあ、アレだ。華奢だったデュノア君にいきなり黒豹女並の2つのたわわな果実が実っているんだ、大体の経緯は分かる。2人にリラックスしてもらうため、俺は取りあえず布団を枕にごろりと寝転んだ…中国で泉に落ちたとか、ソーイウ系のお話じゃあないことは俺だって分かるよ、うん…
▽
さて、アラスカ条約制定以前、戦車、戦闘機、艦船…既存の兵器たちは『黄金の愛』(ゴールデン・ラブ)『白金の平和』(プラチナム・ピース)…2機のISと相対し、ガラクタと化した。だが皮肉にもアラスカ条約制定後、これまでにないほど兵器産業は活発化することとなる。
ISが兵器として生まれ兵器としての使用が禁止された現在であっても…いや、現在だからこそ
『実際に戦場にISが投入された場合、どのように既存兵種は立ち回るべきなのか?』
『いかにISと連携し、いかに相手の連携を断ち切るのか?』
『増加した女性兵士の為に、どれだけのことが出来るのか?』
突きつけられた国家からの無数の問いに答えるべく、各兵器産業は知恵を絞り、答えを返し…答えを出せなかった企業は、つたない答えしか返せなかった企業は衰退の憂き目を見ることとなる。
■
俺には父さんが、母さんが…両親がいる。
俺にはジーちゃんが、バーちゃんが…祖父母がいる。
俺には弾が、蘭ちゃんが…ともだちがいる。
「…ホントは、こんな所に来るなんて、僕自身思っても見なかった…」
…俺は、とんでもなく優遇された立場にいる、今の今までそんな事にすら気付いていなかった。
「2年前に、ボクと母さんはテロに巻き込まれたんだ…家族旅行の時に立ち寄った香水店が爆破されてね。ボクはそのとき外に出てたから無傷だったけど…母さんは…」
「…たしか、ニュースでやってたな、茨…結局、何処のテロリストがしでかしたのかわからずじまいだったって」
「バーちゃんはお気に入りの香水に『血の匂いがする』って言ってて、そこの新しい香水は買わなくなった…だからか!バーちゃんと同じ匂いがしたのは」
「シャロンの『ナルシス・ブランシュ』だね。調香師もレシピも吹き飛んでさ…他の香水は復活できたんだけどソレだけは鉄の雑香がする、って何度もお蔵入りになってるんだ、シャロンでは…猿取君のお婆ちゃんって御洒落なんだね」
バーちゃんは外面はいいのだ、外面は…だけどさ、鳴門だのホクロのバスケなどの隠していたウスイタカイ=ホンを読んでしまったお陰で、俺はジャンプをマトモに読めなくなったんだ。何が『友情とは隠れてこそ友情なのよ!』だ。何で男同士で妊娠するんだよ。
「…僕の家は元々デュノア社の別荘の管理人で…母さんは社長の『お手つき』だったんだ。それで社長に引き取られた…」
サンドイッチを食べ終えたデュノア君は、紙包みを握りつぶしながら言葉を続けていく。
「そこからは、本当にドラマみたいだったよ。本妻の人に『泥棒猫』だなんて引っぱたかれてさ…ボクはISの適正が有ったからデュノア社のテストパイロットとしてフランス中の施設で訓練を受けたり、装備の評価してた…多分ボクは、そのまま日陰の道を歩きながら生きていくはずだった…そんな時に、一夏と猿取君が世に現れたんだ」
まるで、自分の中のドロドロしたものをぶつけるかのように。
…不倶戴天の敵が、そこに居るかのように。
「デュノア社は第3世代装備開発が難航しててさ。シェア3番目って言っても、第3世代型ISが開発出来ないんじゃ政府からの援助だって期待できなくなっちゃう…デュノア社はね、欧州連合の統合防衛計画『イグニッション・プラン』から除名されたんだ、ホント笑っちゃうよね」
「で…これからどうするつもりなんだ、デュノア君は?このまま…」
「警備部に突き出してくれればいい。そうしたらボクは強制送還されて…」
「それでいいのかよ、シャルル…お前それでいいのか!?このまま泣き寝入って、いいだけ親に利用されて…親がいなけりゃ子供は生まれないだろうよ、でもさ!生き方を選ぶ権利は誰にだってあるはずなんだ!親だからって、何でいいように利用されなきゃいけないんだ!?」
…デュノア君が嘘を言っているとは思わない。『イグニッション・プラン』除名のニュースも聞いた覚えが有る…でも、何か引っかかるんだよな…それと一夏、肩を抱くとかちょっと無用心だぞ。こんな所見られたらあらぬ疑いをかけられるぞ。いやむしろソレでいいのか…ん?誰よこんな時間に?まあ消灯前だし誰か来たとしても…
「夜分すまない、いるか一夏、茨、デュノア君?」
し、シノさんか…俺は『パシフィスト』を部分展開し…待機状態のISが2機あることに、つい頭を抱えてしまう。逢いたくないよ、マジで…でも鍵かけたらぶち破りそうだし…
「一夏…『淑女協定』の面々だ。どうやらマドモアゼルの了見を聞きに来たみたいだ」
「ど、どうする!?」
「どうするって…逃げるのはおススメしない。逃げるってことは『後ろ暗いことがある』って角生やして追っかけてくると思うぞ…」
「ボクは逃げも隠れもしないよ…むしろ、木っ端微塵にしてもらいたい」
重い…空気が滅茶苦茶重いぞマドモアゼル…
●
「はいはい、3りともいるしドアは開いてるよ…一応言っておくけど、皆が危惧してるようなことはしてないしする気もない」
「なな何訳のわからないこと言ってるのよアホ茨!どうやったらあたしたちがイヤらしいこと考えてるって証拠なのよ!?」
赤面しながらも否定の言葉をしどろもどろで述べる鈴を横目に、私とセシリアはドアを開け、ジト目でデュノア君を睨みつけていた…ここまであからさまな真似をされたのだ、横っ面の一つでも張らなければ…ん!?
「もう気付いてくれたんだ…嬉しいよ。馬鹿なことしなくて、本当に良かった」
ど…どういうことだ?このようなハニー・トラップを仕掛けるような輩は…こんな表情をするはずがない。
「どうしてこのような真似をなされたのか…お伺いしてよろしくて、マドモアゼル・デュノア?」
「勿論だよ…少し長くなるけどいいよね」
「立ち話もなんだろ?炭酸、コーヒー、紅茶…冷蔵庫に入ってるヤツ、まあ適当に飲んでくれよ」
…そう、昨日とはまるで違う。彼女の暗く、恨みと怒りに満ちた表情は…まるで幽鬼だった。
○
「お久しぶり、ブトナ社長室長…それとも昔みたいに『ロラ』って呼ぶ?」
「恐れ多いです…アルブレヒツベルガー社長…」
ラスベガス、『アーマメンツ・オブ・アメリカ』本社。ぎらぎらと照りつける日差しを浴び…そんなものなど気にならないくらいきつい冷房の効いた最上階に位置する社長室で相対する二人の女性。一人は枯れ枝のような体をビクトリア朝時代を髣髴とさせる豪奢なドレスに身を包む老女。もう一人はその5倍は質量のありそうな体を清楚なビジネススーツに身を包んだ妙齢の女性…しかしながら、その体積に反比例するかのように二人の女性はまさに対照的であった。
「ハイジで結構よ…そうそう、面白いニュースを教えてあげる…『ハーク』の乗るはずの飛行機…落ちたそうよ。生存者は0ですって」
「!?そ、そんな…まさか…副社長が!?」
目を剥いた社長室長に一瞥をくれると、テーブルの上に載った色とりどり、様々な面体のダイスを掌の上で玩び、赤い透き通った4面体ダイスを指でつまんだ老女は嘯き続ける。
「安心なさい、『ハーク』は無事よ…分かったでしょ?これで。連中には未来も、現在も、過去すら頭の中にない。ただ衝動のまま行動してるだけよ…元サヤに納まる気はないんでしょ?…なら、せめて居場所くらいは確保させて頂戴な」
「社長…私は…私たちは…」
無垢な笑みを浮かべながら沢山のダイスを掴みなおし…ぶっきらぼうに老女は机に振った。その全てが『1』を指し示したのを確かめると楽しそうに言葉を老女は紡ぐ。
「そうそう、良心の呵責とか受けられても困るし、『駆除』は45分前に実行しておいたから…空きスペースにはウチから技術交流って言う形で派遣させたげる。あんなゴクツブシ共、生かしておくだけデュノア社の損失よ」
■
「『イグニッション・プラン』から除名させられたデュノア社が、一夏さんと『白式』データ採取のため貴女を男装させ送り込んだ…信じられませんわね」
「そうね」
「ボクは嘘なんてついてない…『イグニッション・プラン』除名はニュースにだってなってるはずだよ」
「…嘘を言っているとは思えないぞ」
デュノア君の身の上話を聞いた『淑女協定』の面々の反応は真っ二つに分かれていた…シノさんは真っ赤にした瞳を伏せていた。一方、鈴とセシリアは冷たい視線をデュノア君に向けていた。
「あたしたちが言ってるのはデュノア君が嘘を言っている、って事じゃないわ…ねえ一夏、ISを開発している企業の名前、言ってみて」
「えっと…日本の『倉持技研』、フランスの『デュノア社』、そしてアメリカの『アーマメンツ・オブ・アメリカ』…後は…えっと…」
「その3社しか『ビジネス』としてIS開発を成り立たせることが出来た会社は御座いませんの、一夏さん…イギリスも、中国も、ドイツもロシアもイタリアも国が開発チームを作り上げ、自国や提携国に有償で貸与するという形を取っておりますわ…」
視線を緩ませると鈴は床にアグラをかき、さっき俺が渡した缶入りのカフェオレを一気にあおる。一方セシリアは一夏とデュノアさんが腰掛けているベッドの隣に腰を下ろし、冷たさは消えたものの鋭い視線を一夏に、そしてデュノアさんに送り続けている。
「欧州連合の統合防衛計画『イグニッション・プラン』…欧州連合で共通の次期主力機を使用するというプランは魅力的ではあるでしょうが、私から言わせればまだまだ夢物語です…箒さん、もし日本で中国製のISが正式採用されたとして…積極的に纏いたいですか?」
「ち、中国製!?…り、鈴に対して特に含む所はないぞ!『甲龍』はいい機体だ!だが…」
「別に大丈夫。あたしだって同じ立場ならそういうわ…バスや旅客機と違ってさ、高性能だからって他国のものを使えるか?って話よ。EUで共通のISを使うのはいいけれど、開発元がどんな恐ろしい仕込をするか分かったものじゃないわ」
ベッドサイドで立ち尽くしながらぎょっとし、あわてて否定の言葉を述べるシノさんに微笑むと鈴はカフェオレを飲み干した…どうした一夏?急に立ち上がって。
「そうか!じゃあデュノア社にとっては『イグニッション・プラン』は参加するだけ損なのか!折角自分たちが売ったラファール採用した国がそこのIS採用したら…」
「それと、慣れたISを乗り換えるのは中々に難儀ですわ…一夏さん、『打鉄』から『白式』に乗り換えた時、違和感が御座いましたでしょう?」
「思い出した!」
頷いた一夏に自信満々で言葉を返そうとしたセシリアの言葉を遮るように俺は叫んでしまっていた…睨まないでくれよセシリア。多分言わなきゃ怒られるんだ!
「たしかさ一夏、GWにフランス行った時に言ってたよな。『織斑先生もデュノアさんが男だって言ってた』って…それってまさか…」
「やっと気付いたか…小綺麗にしているようで何よりだ。寮長としても嬉しいぞ」
「お邪魔しますね猿取君」
「部屋の外から今晩わー!可愛い女の子かと思ったかい?ボクだよボクだよ!!」
えっ!?なんで天窓からエントリーしてくるの?何でこの組み合わせなの!?時既に時間切れってヤツなの!?
マスカラ先生のノート
※プライバシー保護のため一部を修正しております
IBR「あれ?ICKは?」
CRL「シャワー浴びてるよ…でもちょっと長いね」
IBR「まあ、色々と綺麗にしてるんだよ…ところでさ、何で俺達が男なのにIS纏えるか…実はもう分かってるんだ、俺たちの間では」
CRL「えっ!?な、なんなのそれって!?どんな要素なの!?」
IBR「男を愛せるかどうかだよ…」
CRL「じょ、冗談きついよ!ボクはノーマルだよ!この手離してよ」
IBR「ICKはさ、入れられないと満足できないんだよ…俺はドッチもイケル口なんだけどドライなヤツが恋しくてさ…いいだろ?」
CRL「よ、良くないよ!こういうのだって強姦だよ!」
IBR「安心しなよ。大好きな子のこと考えながら腰振ってりゃあいいんだから…じゃあお披露目してもらおうかな、バゲットみたいな【ご立派様】…」
「フフフ…これです!やはり総受けなのがジャスティスです!」
「えー!?シャルル君は鬼畜です!ソースはないけど絶対そう!」
「そこはフランスから持参した薬で昏睡させようとして自爆だといっているサル!」
「うっかり鬼畜…新しいわ!」