俺の待ってた非日常と違う   作:陣陽

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※ダイジェストでお楽しみください


「どうしたんですか、猿取君」

今夜の山田先生は異様だった。いや、こういう関係になったこと自体異様といえば異様なんだけど…いつもは消灯の巡回の時に俺たちのいる最上階の部屋に来て、一夏はそのまま織斑先生と一緒に寮長室へ行き、山田先生と俺は…朝まで…その、まあ、寝るんだ。

「いや、どうしたんですか、って言われても…」

入学式前日にコーイウ関係になってからだけど…大体の流れってのは出来てるんだ。消灯後の薄暗い光の中で肩を揉んだりしてるうちにだんだんその気になってきて…て感じなんだけど、今日は、その…いきなり部屋に入ってきたと思ったら、その、カーゴパンツを下ろされて、口で【臨戦態勢】にされて、乗っかられてるんだけど…正直、濡れてなくて痛い。万力で締められてるみたいだ…しかも、酔っていないのだ素面なのだ。

「好き放題動いてください!だって、私は…先生失格だから…!止めて下さい…そうやって抱きしめて…慰めるのは…そんな資格、私にはありません…」

泣かないでくださいよ先生…先生の涙なんて、俺は見たくないです…



「…先生は俺らの試合の時はデータを地下で取ってたんですか…」

…山田先生は、放課後に織斑先生直々に『試合のデータの収集を頼む』と依頼を受け、意気軒昂と指定された場所で収集を行っていた。そこは『木偶』の調査をした場所でIS学園の最深部であり、本気で軍用レギュレーションのISが暴れだしたとしても丸1日は篭城できる場所らしく、そこで少佐殿のISが『醜き兵』へと変貌し…本当は何を期待されていたのか察してしまったのだ。

「…もし『私闘』で誰か死者が出たらすぐさま『ジョブ&ホビー』を飛行モードにして離脱させて出来るだけ多くの学生や教師を厚木まで退避させるとセンパイは言ってたんです…最悪の場合を想定して私をほぼ全ての攻撃から防ぐことの出来る場所で保護して、全ての生き証人にするって…!私は、先生なのに…ボーデヴィッヒさんに嫉妬した私には、先生としての資格がないってことなんです!だから、生徒なんて放っておいてデータ採集をしろって…私は、『エインヘリヤル』の事も気付けませんでした!センパイは、きっとそう言いたくって…っつ!卑怯ですよ猿取君、不意打ちのキスなんて…」

ああ、ホント先生の唇って甘いなあ…確かに、先生のあの行動はどうかと思った。ダブルスコアの子にアレはないだろうと思った。

「ねえ先生。もし、先生に資格が無いとしたら、現状を知っても少佐殿に嫉妬し続けてたと思う。『失敗からは何かを学び、過ちからは反省なさい』これ、ジーちゃんの好きな名セリフなんだけど、キチンと先生は反省してるよ…それに、織斑先生がデータ採取に向かわせたってことは、最後の保険に先生を選んだってことでしょ?俺が織斑先生でも同じことしたと思う…とても重要だもの、それに…先生は大切だから、生きていて欲しいから」

…でも、山田先生はついさっきまでの自分を死ぬほど恥じていた。今日の授業でも休み時間でも少佐殿に教師の職権を乱用することもしなかった。俺のヒイキじゃないかって言われればそこまでだけど…でも、やっぱり好きなんだ。おかしくなって欲しくないんだ…舌からませてきたのは先生なんだけどさ…


「先生と試合したとき言ったじゃない?『俺でよければ、ウサ晴らしの相手でよければ付き合いますよ』って…安心して、周りにいえないことでも俺だったら聞いたげる…だから今日はもう寝よ?」
「…でも猿取君のココはとっても元気になってますよ…本当、どれだけコーリングさんとキスの練習したんですか?ホントに上手…」
「…一々数えて無かったです。先生のココも、結構濡れてきてると…タタタどうしてソコでほっぺた引っ張るんですか!?」
「…そういう感想は、心の中で言ってくださいって、一昨日言いましたよね…」

だってしょうがないじゃない、引き抜くのも痛そうだったし…うわ、ニュルニュルで絡みついてくる…



アメリカの備え(設定資料その2)

※永井一郎さん、大塚周夫さん、納谷悟朗さん、納谷六郎さん、青野武さん、熊倉一雄さん…味のある老人を演じられる方がめっきり減って、寂しいですよね。

 

Armaments=Of=America(アーマメンツ・オブ・アメリカ)通称AOA

 

アメリカにおけるIS産業の雄にしてシェアナンバーワンを誇る、新たなるアメリカの象徴。本社はラスベガスの閉店したカジノ『リバーサイド』爆破解体後の跡地、デトロイト支社はミシガンセントラル駅廃墟跡地。公式発表で唯一戦場にISを送り込んだ国家であるアメリカの力の源、新たなるアメリカン・ドリームの象徴。アメリカ中の企業の俊英を集め結成されたもののその多くが『個性的』な人材であり、青雲の志を抱いて門を叩く新入社員…産業スパイをかなりの割合で含む…ほぼ全てが感化されており、各国のIS技術を高めつつAOAの自力も上げるという皮肉な…AOAから言わせれば『共存共栄』の現状を生み出している。IS学園の総工費の半額を支出し設計にはかなりの部分で関わっているものの、アメリカ代表候補生をIS学園に送り込むことはしなかった…が、日本とアメリカ国籍を保持している少年、猿取茨のサポートを行なう、と言う名目でIS学園校内に全自動組立型ファクトリー『ジョブ&ホビー』を設置、日本出張所を開設し知識面、機体面での彼のサポートを行ない、次いでIS学園から各国ISの修理代行業務の外注(アウトソーシング)の契約を取り付け、IS学園校内に常駐している…が、他の学園生への『働きかけ』とも取られかねないサポートに対し、主に倉持技研から抗議の声が上がっている。

 

社是:『The Day IS Comming』

社員たちの合言葉:『楽しかったらそれで勝ち』

 

 

 

 

アルフレッド・オーウェル・アークライト(Alfred=O’well=Arkwright)…よき助言者、そして良き箱舟の作り手

 

年齢:1世紀は生きてはいない

誕生日:8月2日

身長:156cm

体重:59kg

 

 

 

前頭部が綺麗に禿げ上がり、ヨレヨレのズボンに黄ばんだワイシャツに白衣、そしてありえないくらいでかい紫ラメの蝶ネクタイに赤縁ロイド眼鏡にドジョウヒゲ、極めつけに下品で下卑た笑みを四六時中浮かべているフランケンシュタインでもいじくってるのがお似合いの白人の老人(少年S談)。『アンカー・スチーム』のプロジェクトリーダーであり、『ジョブ&ホビー』最先任者。下品で下衆で下卑てはいるが、粗でもなく、野でもない不思議さを持ち合わせており、部下たちからは慕われている。専攻は宇宙工学であり『ゴダードとフォンブラウンから教えを受けた』『ジェミニ3号にコンビーフサンドイッチをデリバリーした』『アポロ13号の救出ミッションに尽力した』『MITで教壇に立っていた』『前職はNASA』などと吹聴してはいるが、まともに取り合うIS学園生は1年生の布仏本音を含めごく僅かである。

 

あだ名:ゲスジジイ(茨、箒、鈴) アルちゃん(布仏本音) ジイさん (一夏)アル(轡木氏、その他)

 

※ ジュリアーノ教授、Dr.モビウスと言えば分かる方は分かると思います。

 

 

『ピクシー』(Pixie)…木乃伊になった木乃伊盗り

 

年齢:20歳

誕生日:4月4日

身長:150㎝

体重:軽い

 

下手をしたら10代前半に見られかねない華奢な作りのインド系(インド系25%、残り75%は白人)の女性。『アンカー・スチーム』開発スタッフにしてパイロットである猿取茨のカウンセラー。専攻は認知心理学。彼の恋愛模様に興味津々で観察した挙句、彼女もまた熱情を罹患してしまった…が、彼の『係わり合い』になった女性は全て肉感的であり、『鉄面皮を貫きたまえ』という最先任者の命令もあって、如何にして性的な興味を彼に抱かせるか四苦八苦する日々。『女房と畳は新しいほうがいい』『薄い胸は感度がいい』このような刷り込みを行なおうとするものの自らの職業へのプライドもあり、遅々として進んでいない。

 

 

なお、幼い頃に両親を事故で亡くしており、肉親と呼べるのは祖父である老人のみである。

 

 

その他、『ジョブ&ホビー』に詰めるスタッフたち

 

『ピピン』:神経質そうな細身の白人男性。専攻は遺伝子学。ナノマシンの泰斗にして第1人者、アブラハム・オークス・エイムズ博士の弟子であるが、AOA結成の折にエイムズ博士から派遣された。

 

ナノマシンが対象の中で活躍するのを想像するだけで興奮する変態。

 

『ペレット』:赤毛の樽のような体型の白人男性。専攻は材料工学。DARPA(国防高等研究計画局)からの出向社員。

 

無類の食道楽。日本勤務において体重がぐんぐん減っていることに内心驚愕している。ピクシーその他のスタッフをイジっては返り討ちに合うこと多数。

 

 

『パール』:金髪碧眼の化粧美人。専攻は航空電子工学。『アンカー・スチーム』におけるアビオニクスを担当。元々はゼネラル・ダイナミクスからの出向社員。

 

稀代のビール好き。化粧や年齢のことを『ペレット』にイジられて制裁を行うことが日課となっている。

 

 

『パイル』:筋骨隆々の黒人男性。専攻は電子工学。『アンカー・スチーム』におけるセンサーを担当。元々は南アフリカからの産業スパイであったが、その事実が判明した後も変らない態度で接し続ける周囲、そして最先任者に感服、2重スパイとなる。

 

趣味はボディビル。筋肉こそが全てを解決すると信じて疑わない変態。

 




青い月を眺めながら

「先生、雲が切れて綺麗な満月が見えるよ…ゴメン、もう寝ちゃったか」

今日は『ブルー・ムーン』、一月で2回満月が見えるチャンスの日だ…ホント、綺麗だよね先生は。5回も『お代わり』ねだられるとは思わなかったけど…天窓から注ぐ月光だってタメを張れるくらい綺麗だ、先生は。

(本当、オクビョーモノだよ、俺は…どうして『愛してます』の一言がいえないんだろう)

綺麗で、優しくて…本当、一生添い遂げられたらどれだけ幸せだろう。
でも、ダメなんだ。俺に粘着されたって、山田先生は幸せになんてなれないんだ…だから、寝てるときだけでもいい、このことはキチンと言わないと。

「愛してます…山田先生」

よし、もう寝よう。明日は明日で朝からランニングの予定だし、山田先生は食堂で監督役のはずだ。寝冷えしちゃいけないし、キチンと毛布かけなきゃな。



「ありがとう…大好きですよ、猿取君」
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