俺の待ってた非日常と違う   作:陣陽

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『筋肉増強、反射の底上げ、疲労蓄積の軽減、睡眠抑制…すばらしい強化ぶりだな。医療用ナノマシンとは偉大なものだ』

『勘違いしないでいただきたいのは、障害が発生しないための予防措置として投与したという事実です。ナノマシンとはあくまで補助に過ぎません。ひたむきな訓練が人を強くするのです。キャプテン・アメリカやスパイダーマンのように手軽にスーパーヒーローになれるものじゃあありません…エイムズ博士ならそういうでしょうね。』

『あくまでも未成年者、虚弱者、高齢者、女性といった本来戦闘要員に不向きな人間をいかに感づかれることなく優秀な駒に育て上げるか、そのためにエイムズが磨き上げた技術ですものね。川向こうの野蛮人のような真似をしようものならどんなにマスコミに騒がれるやら…』

『で、健全な肉体は結構だが精神の方はどうだい?腰抜け(チキン)は困るが狂戦士(バーサーカー)や戦闘狂(ウォー・マニアクス)、短絡家(トリガーハッピー)は願い下げだよ。』

『不利な状況下でも戦闘を継続できるマインドセット、精神的なダメージが回復しやすくなる暗示をかけた程度れす。彼女たち2人が精神的、肉体的に追い込んでくれたお陰でいい染み込み具合れす…まあ、どう見ても彼女は懸想していたのれす…いやいや、恋愛は岡目八目すなあ』

『…そうだ。確か彼は最初の心理適性検査で戦闘の適性はなかなか良かったそうじゃないか?どこら辺がよかったんだい?』

『人並みの義務感、責任感、慎重さ…れすね。正直、豪傑のような性格はむいてないのれす』



Yamada:何故ここに呼ばれたか、お分かりですね?

※ブラッカーは略語です

 

 

「お、空いてた空いてた!ここ座ろうぜ、箒!」

「あ、ああ…」

 

ここは茨君と山田先生の実技試験が行われる第3アリーナ。クラスメイトや噂を聞きつけた野次馬たちが集まる中で最前列の席を確保できたのはそれなりに幸運だったといえよう。『はぐれるとマズイ』という理由でついさっきまで一夏に握られていた指が熱く、周りの視線が痛いのが難点ではあったが。

 

「あらまあ…ルームメイトが心配なのは分かりますが、おアツいのを見せつけられたらあのモヤシ君、そちらに向かって発砲しちゃうんじゃありませんの?」

「茨はそんな奴じゃねーよ!…何であなたがいるんだよ、オルコットさん…」

 

まあ…一夏や茨君と戦うことが決まり、その試合の相棒が隣にいるというのも難点ではあるが。そして一夏、そうぼやくな。正直私もぼやきたい。

 

(まあ…こうやって一夏と一緒に過ごせるんだ、茨君には感謝しないと…)

 

「勿論、敵情視察ですわ。私の『ブルー・ティアーズ』の情報は試験の際に提出されておりますもの、情報を頂けないのは不公平ですわ」

 

オルコットさんのその言葉に私は意表を突かれた。自らの優秀さを信奉する彼女のことだ、つい最近ISに触れたばかりの素人など歯牙にもかけないと思ったのだが。そんな視線を感じたのだろうか、オルコットさんは不快そうな視線をこちらに向けて言葉を続ける。

 

「獅子は兎であろうとも全力で狩りを行うものですわ。まあ、その前にあのモヤシ君は山田先生になす術もなく蜂の巣にされてしまうのがオチでしょうけど」

 

だが、一夏の何気ない発言にオルコットさんは顔色を変える。

 

「そんな事無いさ。俺だって山田先生に勝てたんだし。」

「ど…どういうことですの!?教官に勝利したのはわたくしだけだと…」

 

その時、轟音とともに山田先生のIS『ラファール・リヴァイブ』がカタパルトから飛び降りてくる。その姿に、私を含めたほぼ全ての観客は言葉を失っていた。

 

 

『シールドエネルギー:フルチャージ。実体ダメージ:損傷なし。各部スラスター:オールグリーン。右肩部ハードポイント:多用途型ミサイルランチャー『ラッキー38』接続よし。背部ハードポイント:閃光発音筒及び各種煙幕弾射出装置『ダブルダウン』接続よし。腰部ハードポイント:自動式散弾及び擲弾銃『ジャックポット』格納よし。脚部ハードポイント:短機関銃『プレイヤー&バンカー』格納よし。ハイパーセンサー:良好・・・』

 

『アンカー・スチーム』最終確認良し…と。ほんと、訓練の時も今も一番怖いのは展開して戦う寸前なんだよな。クリアーな視界が、いつもは感じない各種センサーが全神経を、血管の隅々までも嫌になるくらい冷たくする。いざ戦い始めればビビリも何も考えられなくなるけど、こういう時間が余計なこと考え出して一番嫌なんだ。

 

『カタパルトの使い方は知っているか?』

「…はい。AOAの講習で習いました。」

『…ふん。随分と躾けられてきたようだな。そろそろ山田先生がアリーナに来る、お前もカタパルトに乗れ』

 

コア・ネットワークのプライベート・チャンネルでそう宣告すると、悪戯っぽい口調で織斑先生は続ける。

 

『お前はヒヨッコだ、勝ち負けなど気にするな…胸を借りるくらいの気持ちで行け。まあ、昨日散々借りたようだがな』

 

セクハラ親父かよ!?昨日は…いや、経緯はどうあれ…まあ、その、したのは事実なんだ。イヤだなぁ、もし試験中にその事をイジられたら…

 

『山田先生!何を持ち出している!?山田先生!?』

「織斑先生!何かあったんですか!?山田先生に何が…」

 

--戦闘待機状態のISが出現。操縦者:山田真耶。ISネーム:『ラファール・リヴァイブ』。戦闘タイプ:汎用型。追加装備有:--

 

返答を聞く前にハイパーセンサーがアリーナに出現したISの各種状況を流し込んでくる。

 

『お前の相手は火力特化型パッケージ『クアッド・ファランクス』装備の『ラファール・リヴァイブ』だ。移動を封じている代わりに制圧力、瞬間火力は群を抜いているぞ…絶対防御が発動しようが撃ち続けるだろうな』

「今から白旗揚げるのは…無理っぽいですね」

『…お前が来るまで銃口をカタパルトの出口に向け続けるだろうな、今の山田先生は』

 

さっきとは一転、感情の激しない声音で告げる織斑先生。またえらく他人事だなオイ。

 

「何でそんなものを!?…そうですか、そういうことですか」

『…そういうことだ、すまない』

 

何が『すまない』だブラッカー!あてつけでこんな目に遭わされる…いや、あの時拒めばよかったんだ!誘惑に負けた俺が悪いんだ…ハニトラは手を出した時点で負けなんだ…あんな優しそうな先生がこんな風になるなんて、こんな非日常なら全力で願い下げだ…

 

『安心しろ、公式記録では山田先生の反則負けになる。レギュレーション違反の追加装備、エントリー前の相手選手へのアンブッシュ。あとは警備部に任せておけば…』

 

おかしい、その理屈はおかしい。そんなことしたら山田先生だけがただの馬鹿じゃないか!俺があんなひどいことしなければこんなこと無かったはずなのに!

 

「ちょっと待った!何とかして試合にしなきゃいけないでしょ、織斑先生!」

 

拡張領域(バス・スロット)からアサルトライフル『レッド・パレット』を引きずり出しつつ、織斑先生の言葉を遮るように俺は叫んだ。織斑先生は一瞬口ごもる…が、

 

『…そうだな。私がオペレートする、何とか引き分けに持ち込め!決して負けるな、そして勝つな!後は私が何とかしよう』

 

その言葉には、まさしく『世界最強』に相応しい力強さと心強さがあった。

 

「…あれは…『クアッド・ファランクス』…『ラファール・リヴァイブ』の…火力特化パッケージ…移動を捨てる代わりに…装備したガトリングガン4門は…強烈よ…」

 

後ろから聞こえてきた呟き声に私達は思わず振り向いてしまった。

 

「詳しいねぇ、かんちゃんは。やっぱり日本代表候補生だけはあるねぇ」

 

そう感嘆の声を上げたクラスメイト…布仏さんだったな、うん…の言葉に顰め面をすると、眼鏡の彼女は言葉を続ける。

 

「完全に…レギュレーション違反よ、あのIS…しかも…ずっとカタパルト出口を狙って…ほら…反則負けのアナウンスが出た…何考えてるの…あの先生…」

 

確かに、電光掲示板に反則負けの表記が出ている。なんでこんな真似をしているんだ、山田先生は…て、反則負けの表示が消えた⁉︎

 

「おい、反則負けの表示消えたぞ?何が起きるんだ!?」

 

一夏の質問を無視すると、彼女はポツリと呟き、目と耳を塞いで体勢を低くする。

 

「皆…目と耳を塞いで体勢を低くしなさい…」

 

その言葉に波が引くように皆体を低くし、目と耳を塞ぐ。

 

その直後、観客保護用のバリアを突き破らんばかりの轟音と閃光がアリーナを包んだ。

 

 

「…本当、女の子を待たせるなんていけませんね、猿取君…減点ですね、これは」

 

アリーナに立ち尽くしていた私は、『クアッド・ファランクス』を纏ったままポツリと呟いた。

 

「…本当、人のことは言えませんね…」

 

警備部に虚偽の連絡をしてのパッケージの不正借用、再三の警告を無視してのアリーナでの違反行為…始末書程度ではすまないだろう…別に猿取君に恨みが有るわけじゃない。彼とは寝たけど、私が迫らなければ彼は何もしなかったはず。織斑先輩は大好きだし、織斑くんは可愛らしい先輩の弟で猿取君と同じ私の教え子…その気持ちは何も変わらない。

 

『俺でよければ、ウサ晴らしの相手でよければ付き合いますよ。山田先生にはカリカリしたり、メソメソしてる顔は似合わないですし』

 

そんな軽口と同時にミサイル…いや、ロケットがカタパルトの奥から飛び出してくる。照準をカタパルト出口にロックしていた私は瞬時に狙いを定め、撃墜し…轟音と閃光がアリーナを包んだ。だが、どうってことは無い。相手が待ち構えているのが分かっているのにノコノコ出てくる馬鹿はいないのと同じように、これくらいの奇襲、読めないわけがない。発射と同時にハイパーセンサーを保護モードにした私に耐えられないわけがない…

 

「いけませんよ猿取君!そんなのヨミヨミです…それに教師に言い寄るなんて悪い子です!」

 

一瞬の後、ハイパーセンサーを回復させるとカタパルト周りは煙だらけだった。

 

「お次は煙幕弾ですか…そんなもので誤魔化せるほどハイパーセンサーは鈍くないですよ!」

 

そう、そんなことをする意味はないはずだ。25mm7連砲身ガトリング砲4門の瞬間火力から逃げ回るために折角展開した煙幕から飛び出し、アサルトライフルを2丁構えたはいいがカタパルトから飛び出した直後に瞬時加速(イグニッション・ブースト)で横っ飛びに飛んでいる情けない姿だって目でもレーダーでも丸見えだし、何よりガトリングがシールドエネルギーをガリガリと削っている。トリコロールのデジタル迷彩、左肩に板を背負うその特徴的な姿だってどれだけ持つか…

 

--ロックオン用レーザーを確認。高速型ミサイルの可能性大。『クアッド・ファランクス』のパージを提案--

 

無機質な警告音、そして飛翔音。一瞬後、カタパルトの方角から高速で何発ものミサイルが殺到していた。

 

「えげつないわね…ミサイルランチャーをパージしてカタパルトに据えておくなんて…スタングレネードもスモークスクリーンもそのための布石、自分をデコイに本命を隠したって訳ね…いやらしい…」

 

相変わらずの仏頂面でポツポツと呟く彼女。なるほど、移動を捨てるということはISの最大の武器である機動力を捨てる事だ。初太刀で仕留められなかった以上、負けは確実だ。

 

「凄ぇ…」

「どういうことですの…!素人の動きでは有りませんわ!」

「…あ、山田先生だ。まだまだやる気みたいだよー、かんちゃん」

 

ミサイルの爆炎を斬り裂きながら半壊状態の『ラファール・リヴァイブ』が飛び出した。猿取君と同じようにアサルトライフルを2丁構え、一直線に突っ込んで行く。

 

なぜだろうか、山田先生は泣いているように見えた。

 

◼︎

 

「…っと、どぉだあ!」

『気を抜くな猿取!山田先生が来るぞ!』

 

『ラッキー38』から発射された高速ミサイル『ニューヨーク・ニューヨーク』の爆炎が『ラファール・リヴァイブ』を包むのを見てあげた俺の快哉に、織斑先生の叱責が飛ぶ。

 

(だよな、ロックオンに手間取るミサイルの解決法としてパージしてカタパルトに置いたままロックオンを続ける、『ダブルダウン』から発射したスタングレネードとスモークスクリーン、そして俺自身をデコイにして、『ニューヨーク・ニューヨーク』をぶち込む…全部先生の指示どおりだ…素人とはいえ情けない)

 

なら最後は俺がやるしかない!『レッド・パレット』を放り捨てると腰から『ジャックポット』を引き抜き、撃ち込んでくる山田先生を正面に見据え被弾なんてお構いなしに瞬時加速(イグニッション・ブースト)で懐に飛び込み、

 

「…それじゃ一緒に墜ちましょうね、山田先生!」

 

引き金を引いた。そのまま『ジャックポット』がフルオートで吐き出した擲弾の爆炎が二人を包み込む。シールドエネルギーはあっという間に0になり、機能を停止し解除されていく2人のIS。絶対防御を発動させて俺たち2人は縺れ合いながらアリーナの地面へと落ちていく。

 

 

『試合終了。両者反則による無効試合(ノー・コンテスト)』

 

 

…そんな無機質な合成音が、何故だか心地よかった。

 

「じゃあ、山田先生は茨の『本気でお願いしますね』って言葉を真に受けて、張り切りすぎて『クアッド・ファランクス』を持ち出したのかよ、千冬ねぇ…ガっ!?」

「学校では織斑先生と呼べ」

 

出席簿の一撃を脳天に喰らいアリーナの廊下にうずくまる一夏を横目に、織斑先生はオルコットさんに視線を向け、悪戯っぽい笑みを浮かべながら言葉を続ける。

 

「そしてオルコット。先程のお前の質問だが…入試ではお前しか教官には勝利していない。織斑はあくまで非公式な対戦だったからな。」

「そしてモヤシ君は山田先生の空回りに全力で怯えてエントリー前に攻撃を行い、山田先生は練習試合というのを忘れてレギュレーション違反のパッケージを持ち出して両者反則負け…しまらない結末ですわね。」

「言っておくが、猿取のオペレーターは私が務めた。エントリー前の攻撃指示もな…そうでなければ試合として成り立たなかった、お互いにな。」

 

オルコットさんの侮蔑を含んだ軽口に冷ややかな視線を返す織斑先生。たじろぎながら後ずさるオルコットさんを尻目に織斑先生は私を見つめながら言葉を続けた。

 

「さて篠ノ之、オペレーター有りとはいえ猿取はここまで派手に戦えた…どうする?今日はお前たちのアリーナの使用できる日だ。正味2時間程度だがアリーナで打鉄に慣れておくか?」

「無論ですわ!このままではわたくしたちの勝率は五分五分以下です!」

 

何故オルコットさんが言葉を返す?…まあ、無様なところは一夏には見せられないしな、うん。

 

「そうだ、茨は?山田先生は…どうしているんですか?織斑先生」

「控え室で体の手入れをしている…今は2人とも、そっとしておいてやれ」

 

 

「…なんで、何も聞かないんです?猿取君」

 

いや、何を聞いても地雷なんですが…というか、ハイライトの消えた瞳の先生と控え室で2人きりとか凄く怖いんですが。おかしいよな、ISスーツ姿の先生と二人っきりとか昨日ならきっと喜ばしくて仕方なかっただろうにな。

 

「猿取君が…いけないんですよ…織斑先輩の姿を見ているだけで…幸せだったのに…」

 

アレか、『アレ』の時の姿を見ていたかったのか。でもどうなのよ?姉弟なのよ?インモラルなのよ?俺に襲い掛かるんじゃなくて一夏に行くのが筋なんじゃないの?もしきのう寮長室に誰もいないことがわかったら全てが終わるんよ?

…まてよ?インモラル?そうだ、これしかない!生き残る道はこれしかない!

 

「先生、質問です…もし一夏が隠れてタバコ吸ってたら先生注意します?」

「当たり前です!法律で未成年の飲酒喫煙は禁止されています!」

 

よし、食いついた!目に光が戻った!これで勝ち目は半分超えた!

 

「じゃ、どうして織斑先生と一夏の関係を注意しないんです?」

「そ…それは…男女の関係は…その…」

 

 

…正直、コレは今日の身の安全を守るために友人を売る行為だ。そして『ブリュンヒルデ』を敵に回すことになる。でもどうだ?俺だけならいい、山田先生が一夏や他の生徒に襲い掛かったら?ベーコンみたいにぶら下がったりニワトリみたいに血抜きを自分にしたら?そんなのは絶対耐えられない!

 

「先生…今日のことは別にいいよ。ひどいことしたのは事実だし…でもさ、先生がそうなった原因をどうにかしない限り、また襲われるじゃない?だからさ…」

 

そこで言葉を切ると、山田先生をじっと見つめる。動揺して、落ち込んで、見ている方が凹んでくる表情だった…こんな顔、絶対に似合わない。

 

「俺ら2人で、悪だくみしません?」

 

 

 

 

「悪だくみ…?」

「そう、悪だくみ…具体的にいうと、一夏と織斑先生を別れさせるの…っつ!」

 

間髪入れずに飛んでくるビンタ。愛って偉大だよね、殺意と闘志が漲ってる山田先生ってこんな怖かったんだ。

 

「猿取君、最低ですね…!私がそんな…」

「っ痛う…別に俺はホモじゃないし、織斑先生を寝取ろうとか考えてるわけじゃないですよ。あの二人が関係を続けたら、絶対に露見する。そうなったら一夏も織斑先生も学園を去らざるを得ない。俺は嫌ですよ、一夏が居なくなるのは…先生だって嫌でしょ?」

「そう…ですけど…」

「一夏はイケメンだし、俺は三枚目だから必然的に女性からのアプローチは一夏に集まる…しかも、IS学園は教師も生徒も美女ぞろい!後はあいつの気持ちひとつって訳!」

 

いいぞ、山田先生困惑し始めた…別に乗ってくれなくたっていい。あの2人の関係がマトモじゃない、そう思う奴がいるってことだけでも覚えてくれればそれでいいや、うん。

 

「俺は一夏にアプローチをかけてくる女子の仲介と選別、それと一夏へのそれとない説得を行う予定です。あいつが関係を清算したいと思えば、織斑先生だってすっぱり身を引くと…」

「…それで、先生は何もしなくていいんです?」

 

【えっ!?】そ、そうね…って、一気に生き生きとしたな山田先生。

 

「男の子からの、学生からの視点だけじゃ、絶対に破綻しますよその計画。選別は私もしますし、織斑先生への偽装工作は任せてくださいね」

「は…はい…」

 

 

かくして俺と山田先生は、【教師と生徒】【男と女】ではなく同じ目的のために行動する同志になった。

…うん、ありえないくらい非日常だよ、うん。

 

 

 

『コアネットワークから交戦情報が届いた。初陣で試験官と相討ちか…まあ、向こうはレギュレーション違反の上にまともな精神状態ではなかったと聞いている。オペレーター込みとはいえ上々といったところか』

 

『週末にはクラス代表を決定するタッグマッチが開催される。修復やデータ収集のため、これからチームを引き連れて学園のほうに行って来よう…旧友もいるしな。』

 

『マッカランには特別便を用意させておく…まあ、珍道中になるだろうな』

 

『女の招いた災いが初陣か…まさに『P』に相応しい』

 

『未だに眠り続けたままですけどね、『p』は』

 




地雷

『おヒサ、茨…講習中はアメリカに行ってたからつながらないと思ってたから、連絡遅れちまった』
「おヒサ、弾…ごめんなこっちこそ、爺ちゃんか婆ちゃんに聞けば連絡先伝えてくれたんだけど…」
『ああOKOK…で、IS学園はどうよ?ウハウハなんだろ?』
「というか…しんどい。初日に実技試験やったけど、危うく死ぬかと思った」
『まあ、女にもうちの蘭みたいにキツイのが…イタイイタイ踏むな踏むな!…まあ、手を出しちゃいけない『地雷』がいるらしいしな』
「…例えば?」
『まず緑髪だな。『緑にロクな奴はいませんぞ』という名セリフもあるくらいだし』
「…それは赤モップさんだけだろ。後は?」
『眼鏡。コレがあるだけで危険度はバツギュンだぜ』
「なあ、それは個人攻撃だろ!?眼鏡かけてる奴はい、一杯いるだろ!」
『もちろんそれだけじゃ地雷じゃないさ。そして巨乳!これが備わった時三位一体無限大の危険度らしい…』
「…弾、もし俺が死んだら1回くらいは墓参りに来てくれよ」



「年下、てのも伝えておきゃよかったかな?」








※函館塩ラーメンのようなさわやかな作品を目指しています。
ビバヒルって青春劇って感じでいいですよね。





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