俺の待ってた非日常と違う   作:陣陽

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どん兵衛をすすりながら。

 

 

なんて言うのかなあ…クソアニメの放映ならまだいいんですよ。

平成最後に製作とファンとの地獄絵図見せられるなんて思いませんでした。

 

インターネットって怖いですよね。記憶の彼方に消えたはずの言葉もしっかり残して、消したはずでも誰かが残してる。そして誰かが貼り付けたらあっという間に拡散する。本名で仕事してる人間なら小学校辺りから全て洗いざらい晒される。

 

自分に自信ないんで、生まれてこの方ツイッターもラインもやったときないんですよ、私。


Houki:GM権限でレリミシエンピプレゼントとか、ウチのシマじゃノーカンだから

「やあトレイニーにベビーフェイス!お風呂はどうだった?ボクはブリュンヒルデの残り湯を狙ってこうやって待機中だよ待機中だよ…っと!?危ないじゃないかサムライガール!君たちの残り湯はアウトオブ眼中だから大目に見てくれよサムライガール!」

 

「は、離せ一夏!女には、決して許してはならない存在が居るのだ!」

 

「落ち着けよ箒!その木刀まだ会計済ませてないだろ!?」

 

 

 

シノさんの一閃を紙一重で見切れるのだ、やはり只者じゃないんだろうゲスジジイは…でもさ、土産物屋の真ん前で乱闘騒ぎは起こさないでくれよゲスジジイ。貴人の残り湯が薬になるっていつの時代の話しだよゲスジジイ。ウチの貸切状態だからって無体な真似はやめてくれよゲスジジイにシノさん。ソレと一夏、問題はそこじゃないと思うな、俺は。

 

 

 

「…冗談はさておき、明日は『天災』がお目見えするんだろ?心残りのないように堪能しておいたほうが良い…さって、コレでサムライガールのウッド・カタナ支払ってくれたまえくれたまえ!お釣りは先着順でお土産代にして良いよして良いよ!!」

 

「ありがとうございます」「ゴチになります!」「わーい、アルちゃん大好き!!」

 

 

 

いつもの調子でのたまうと十枚単位の100ドル札を財布から出し、コーヒー牛乳片手にふらりとゲスジジイは消えていった。ゲスジジイのノリに付き合うあたり皆優しいな…あれ?如何したんですレジのお姉さん?

 

 

 

「…お連れ様のお知り合いですか?その…うちはドルでの支払いは…」

 

「分かりました。みんな、ゲスジジイからのプレゼントだってさ。俺が後で両替するから立て替えておくよ」

 

 

 

 

 

…何だかんだで両替して余りが出るあたり、ゲスジジイもお金もちなんだよな、ウン。

 

 

 

「ていうかいばらんもお金持ちだよね。かんちゃんとかどお?今ならスーパーファミコンが4000円安くなるチケットつけるよー」

 

「な、何馬鹿なこと言ってるのよ本音!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『んんッ…ダメですよ織斑君。そんなに乱暴にしたら…」

 

『…ダメだよ一夏。力任せにすると痛いだけだぜ。前にして教えてやっただろ?こうやって…』

 

 

 

 

 

 

 

(何と言うことだ…)

 

 

 

私達…茨が冗談交じりに(淑女協定)と呼ぶ我々五名は織斑先生と山田先生用に用意された部屋の前で立ち尽くしていた。気合を入れて下着を替えてきたセシリアや鈴はあまりの事に凍り付いている。ああ、やはりそうだったのか茨。一夏へたまに送る意味深な視線はそうだったのか茨。私の居ない間に一夏は愚か千冬さんまでモノにしていたのか茨。やはりお前がガンだったのか茨。我々のような女性に秋波を送らなかったのはそういうことだったのか茨。因みにどっちが攻めでどっちが受けなんだ茨。

 

 

 

 

 

『んっ…上手いな、猿取…あの性悪に随分と習ってきたのか…』

 

『お、おお…確かに上手かったよな、茨。アレだけ上手いとは思わなかった、ホント気持ちよかったぜ…』

 

『ああ、とろけそう…そうですよ織斑君。かき回すように…』

 

 

 

「どうしたみんな、入らないのか?」

 

「な、何考えてるんだよラウラ!」

 

「そ、そうよ…そりゃ、確かにそうだけど、こ、こんな形って…まさか一夏が、その…」

 

「決めました。アダムとイブに反する行いに染まっていたとしても一夏さんをわたくしの色に染め直せば良い、ただソレだけの事です!今やわたくしは人の姿をした天の火!見ていてくださいましミセス・チャーチル!!そしてさようなら茨君!ソドムとゴモラは本日を持って地上から消え去ります!!」

 

「待ちなさいよセシリア!!私には一夏との約束があるのよ泥棒猫の茨に天誅を下すのは一夏を正気に戻すのは私の役目よ!!ボリュームは小さくても感度は敏感よ!!」

 

「ボクは3人きりでも指一本触れなかったんだ、僕にこそその権利が…」

 

「何を馬鹿なことを言う!私はこの中では一夏との付き合いは一番古い!少なくとも茨に鉄槌を下すのは私だ!」

 

 

 

ああそうだ、一夏のために守り続けてきた純潔なのだ!一夏だって幼馴染である私の柔肌できっと目を覚ますはずだ!!そして茨、一夏がどういった嗜好なのかきっちり教えてもらうぞ。素直に吐けば楽に死なせてや…

 

 

 

 

 

「なあ…みんな何押し問答してるんだ?一応廊下なんだからあんまり騒がないほうが良いぜ」

 

「「「「!!!!」」」」

 

 

 

「すまない一夏。私にもよくわからない…猿取君、どういうことか教えてくれ」

 

「あー…俺にもさっぱりだ。一夏、肩揉み終わったしゲーセンにでも行こうぜ。ささお嬢様方、女子会としゃれ込んで下さいませ。ボーデヴィッヒさん、知らないことが幸せなこと、って事は稀によくあるよ」

 

 

 

…ああ、そうだな。肩モミしてたんだな。花も恥らう乙女が押し問答をしてるんだ、ソレは部屋の中にも声は響くだろう。少なくともノミの心臓の茨なら大っぴらにはしないだろうさ。だが私達に少しはフォロー位しても良いんじゃないか茨?

 

 

 

「で、何を妄想していたんだお前達?アレか?我々4人がコトに及んでいたとでも思っていたか?」

 

 

 

…先生、ニヤニヤしながらそんな台詞を吐かないでください。山田先生、顔真っ赤にしたまま俯かないでください。

 

 

 

 

 

 

 

「お前達に率直な意見を聞こう。お前達は一夏に惚れている、そうだな?」

 

「…はい」

 

「勿論です」

 

「その通りですわ」

 

「そうです」

 

「惚れています」

 

 

 

なあ一夏、入学してから色々有ったけどさ、やっぱり、見知った顔が居るってのは良いもんだな…やっぱりホテルのUFOキャッチャーはアーム弱いわ、折角取ったのにするりと抜けるし。

 

なあ、茨…聞かないのか?その…俺と千冬姉のこと。

 

 

 

「そうか。正直に言ってくれて嬉しい…だが、道は中々険しいぞ?あいつは見ての通りの唐変木で、そしてライバルはお前達も含めて山ほど居るぞ?」

 

 

 

 

 

聞いてどうなるものでもないだろ。俺は、ただ、シノさんやセシリアさん、鈴やデュノアさんやボーデヴィッヒさんの思いを無碍に断ってくれなければそれだけで良いよ…お、来た来た。

 

…俺はさ、千冬姉を幸せにしたい、ただそれだけなんだ。箒たちの気持ちは分かる。でもさ、それに付けこんでバカな真似はできない…何だ?そのヌイグルミ。

 

 

 

「…わかってます。でも、ここにいる誰かが結ばれたのなら、思う所はあれども、祝福は出来ます」

 

 

 

なあ、その…『幸せにする』っていうのは色々有るだろ?どういう幸せがいいのか、一度ゆっくり考えたほうが良いぜ。ああ、焦って答えは出すな。簡単に出せる答えなんて、絶対ろくなモノじゃない。コイツ?ハンプティ・ダンプティと代用海亀、不思議の国のアリスの登場キャラだよ。

 

…わかった。ゆっくり考えてみる。

 

 

 

「そうか。風呂には入ったんだろう?ゆっくり休め…篠ノ之、いや箒。お前は明日誕生日だったな。持っていけ、1日早いがプレゼントだ」

 

「…これは」

 

「ああ、髪飾りだ。『神羽振』のためのな」

 

 

 

お、簪さんにピクシーさん。お風呂上りですか。

 

ちょうど良いや、コレあげるよ、2人とも。UFOキャッチャーで取ったんだけど、野郎にはヌイグルミはきついや。

 

 

 

 

 

「…どちらが欲しいです?ピクシーさんは」

 

「どちらでも。お先にお選び下さい…では、私は海亀をいただきますね」

 

 

 

…なあ茨。俺も鈍いけど、お前も相当だぜ。

 

…は?どういう意味だよソレ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エンタープライズ。それは米海軍にとっての大名籍である。古くはアメリカ独立戦争時の帆船から太平洋戦争時の空母、アメリカ初の原子力空母…そして最新の『エンタープライズ』は世界初のISに完全対応した空母であった。IS用のエネルギー供給装置やメンテナンス設備などを『秘密裏』にではあったものの標準搭載し、そして何よりも艦長以下全ての乗組員が女性である唯一無二の空母であった。

 

 

 

「お早うございますプリンセス。空母の寝心地は如何でしたでごぜーますか?」

 

「最高だったわ…で、何で一杯料理が並んでるのにあんたはサラダとシリアルだけなわけ?」

 

「彼女にとっての願掛けですよ。『ISを纏う時の朝食はシリアルとサラダ』…っと、どうしたのイーリ?そんなに顔を赤くして…」

 

「そういうことは黙っててくれよナタル!…悪ぃ、もう一杯ブラウンシュガー・フレークとコーンフレーク半分づつ、ミルクをたっぷり頼む」

 

「イ、イエスマム!」

 

 

 

朝食の場所として設定されている士官室…設計、竣工以来スタッフとして参加してきたアメリカ代表イーリス・コーリング、イスラエル代表ナターシャ・ファイルス…そして進水以来、初の賓客としてもてなされていたロシア代表更識楯無。ガチガチに緊張した黒人の少女の給仕にシリアルボールを手渡したイーリスに、意地の悪い笑みを楯無は向けていた。

 

 

 

「ああそういえばアイツも朝はコーンフレークばっかり食べてたわねそういうところも指導していたのかしら。で、実際アイツとはどんな関k」

 

「トレイニー・サルトリとイーリはセックスフレンドである、と言えば納得しますかレディ・更識?」

 

「!!?な、何馬鹿なこと言ってるのよ!!?アイツは未成年なのよ!!もしそれがガチだったらアンタ捕まるのよ!」

 

「確か婚姻前提での性的関係は未成年でも…」

 

 

 

 

 

 

 

「ナタル、カイチョー。冗談はさておき…今日は修羅場になるらしい。メシ食ったら最後の一仕事が待ってる。たらふく食っとけよ」

 

「…なによそんなにおっかない顔して…ミス・ファイルス、貴女まで…」

 

「ええ、マーカーの準備、宜しいのですね…」

 

 

 

 

 

 

 

「ああ、『エンタープライズ』全乗員の分のサイン入り色紙、チャッチャと作るぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「久しぶりだね、箒ちゃん。面と向かって会うのは10年ぶりだけど、大きくなったねぇ…特にこのオッパイが」

 

 

 

色々と覚悟はしていた。難癖を付けられる、話しかけても無視される…最悪ISを持ち出されていきなり襲撃されたりすることすら『ジョブ&ホビー』スタッフは想定していた…だから、ニンジン型の金属の塊が簡易型の遮断シールドを貫きながら試験会場に轟音と共に落下、いや突入し…それを隠れ蓑に世界一有名な女性がシノさんの胸をモミしだいているのは十分に平和的な遭遇なんだろう。

 

 

 

 

 

 

 

「!!?」

 

「…ッたー、何するのさちーちゃん!そういうのは二人っきりの時だけにしてって…イタイイタイゴメンなさいゴメンなさい!!」

 

「久しぶりだな、束…で、今日は何をしにきた。表敬訪問なら学園に来れば良いだろう」

 

 

 

苦虫を噛み潰したような表情でシノさんの後ろでドヤ顔の世界一有名な女性…篠ノ之束博士をグーで殴りつけ、そのままの勢いで腕をひねり上げる織斑先生。不思議の国のアリスみたいな衣装が砂まみれにしながら、涙目で懇願し腕を開放されると、篠ノ之博士は満面の笑みを浮かべながら俺をチラリと見てのたまった。

 

 

 

「ほら、2人目の男子がここに居るそうじゃない?未だに男子がISを動かせる理由って判明してないからさぁ…腕一本くらい試料貰って調査しようかと…プギャ!!」

 

「いい加減にしろ、束…安心しろ猿取。その様な無体な真似はさせん。で、何をしにきた。」

 

 

 

織斑先生の足で思いっきり踏みつけられた篠ノ之博士…恐怖でもない、敵視でもない…俺が抱いたのは違和感だ。なんというのだろうか…そう、まるで…

 

 

 

「それは誕生日プレゼントだよ!箒ちゃん、全然オネダリしてくれないからおねーちゃん気を揉んでたんだけど、待ちきれなくて持って来たんだ!その名は『赤椿』!全スペック現行ISをはるかに上回る戦闘能力の…」

 

 

 

 

 

 

 

「姉さん、私は要りません。持って帰ってください」

 

 

 

 

 

 

「姉さん、私は要りません。持って帰ってください」

 

 

 

自分の吐き出した言葉は、驚くほど冷たかった。驚愕の視線を向けた姉さんを見据えると、私は言葉を紡ぎ続けていく。

 

 

 

「姉さんは、宇宙開発のためにISを作った。そう伺っていました…ソレは嘘なんですか!?戦闘能力なんて、要らないものの最たるものでしょう!?アメリカが戦争に投入してどれだけの死者が出たのか、姉さんは…」

 

 

 

ゴオンと、姉さんが持ってきたニンジン型のコンテナから異音が出た。そして耳障りな機械音…コンテナを破壊して出てきたのは、私の写し身だった。

 

 

 

『Battle Born!っと…何だよコレ!!?』

 

 

 

…瞳以外は全て白く、兎のように真っ赤な瞳の。そしてISを纏ったソレは無造作に刀を横に凪ぎ、そこから光波が発生する…流石だな茨。ISを展開し、我々の盾になれるなんて。『プリズム』で弾き返された光波は空に向かい…雲に大穴を空けていた。

 

 

 

『やばいぞコイツ!?FCSのロックが働いてない!…ッと、皆伏せろ!!』

 

 

 

此方を一瞥すると私のニセモノはISを纏ったまま、海の向こうへと飛び立っていく。『アンカー・スチーム』を纏ったままの茨は、いつの間にか失神していた姉さんに視線を向けるとポツリと呟いていた。

 

 

 

『篠ノ之博士。貴女本当にISを作成したんですか』

 

 

 

 

 

何故か、その言葉だけが、消えない染みのように心に残り続けていた。




魚の取り方 覚えたものの

 

 

 

「サンゴの密漁かぁ…中学の時漁業権持ってない家がアワビの密漁で捕まって、何時もはおとなしい網本の家の子がガチ切れしてたの覚えてるわ」

 

朝御飯のビュッフェ会場、公営放送のニュースで『小笠原諸島海域でサンゴの密漁多発』のニュースが流れていた…鈴、お前が責任感じることはないだろう。

 

「なあ鈴。鈴のお父さんとお母さんは料理人だろう?鈴が重荷に感じることはないさ。日本人にだってアメリカ人にだって悪党は沢山居るぞ?」

「べ、別に気にしてないわよ!今日は束さんが来るんだから、色目使うんじゃないわよアホ茨!」

「そ、そりゃあ勿論さ…なあ一夏、篠ノ之博士ってどんな人だった?」

 

 

「狡猾な羊みたいな人だ」
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