ホラーエロ漫画の巻き込まれ主人公ですが、陵辱されたくないので魔法少女始めます。   作:クルスロット

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第十一話 魔法少女と銃とお昼休み

 

 

 

「お話があります」

 

 昼休み。屋上で、真剣な顔のココが会話を切り出した。

 

「は、はい。なんでしょう」

 

 口に運んだ箸の先の唐揚げが私を見てる。私もそっちが気になってしまう。けどじっとココが見てる。どうしよう。私は三角関係なんて望んでないのに……。

 

「……唐揚げ食べてからでいい」

 

「あ、ありがと」

 

 今日の唐揚げは昨日の晩ごはんの残りで、醤油味。私の料理スキルは全部お母さん仕込。味は……私としては美味しい。だいぶ近づけたかなって思う。思いたい。かなり忘れてきちゃってるのが辛いけど。ほとんど時間経ってないのに。やだな。

 お母さんの仕込みのからあげは冷めても美味しい。ご飯に合う。幸せ〜〜。辛さと幸せのバランスが釣り合って心もなんとかなってる。

 ──という風にひとしきり味わってから。

 

「……えっと、おまたせしました」

 

 ココのジト目に気づいた。しまったと私の頬を汗が一滴、流れ落ちた。

 

「はい。続けます……後で私のおかずと唐揚げ交換しない?」

 

「はい……え? ああ、うん。いいよ」

 

「ミハに言いたいことがあります」

 

 あ、シームレスに話が戻った。

 

「えっと……なんでしょう」

 

「私も夜の活動に連れて行ってほしいの」

 

「殺人鬼狩りに?」

 

 ベリアルと決めたタスク。私が幸せになるための方法その1、殺人鬼狩りを最近私は行っている。

 描写をすっ飛ばすくらいさくさくっと今の所倒せている。倒したのはふん縛って警察署の前に転がしている。もちろん、魔物は倒した時の余波で吹っ飛んでるからただの人だけど、殺人鬼は殺人鬼なので。

 その活動にココは同行したいという。普段から殺人鬼とか悪霊とか魔物の出現情報を調べてもらってる手前、これ以上付き合わせるのも悪いし、何より。 

 

「危ないよ?」

 

 出会い頭に殴り倒してるけど、それで倒れない殺人鬼もいる。軍用のパワードスーツを着込んだ殺人鬼とか。

 

「それは……そうだけど……」

 

「もぐもぐ……いいじゃないか、ミハ」

 

 私たちの会話なんて気にせず、私の作ったおにぎりを食べていたベリアルが言う。

 

「無責任だと思うけど」

 

「別に俺たちで守ればいいだろう。今のミハならそのへんの殺人鬼くらい余裕のはずだ」

 

「それでも危ないよ」

 

 想定外の事が起こったらどうするつもり。鋭く睨んで見るけどベリアルは、どこ吹く風とばかりに私の視線を受け流──いや違う。受け止めて気持ちよくなってる。

 

「私も自衛くらいできるよ」

 

「自衛?」

 

「例えばほら、これ」

 

 これ? と首をかしげた私の近くに寄ってくるとミハがスカートを捲くりあげた。眩しいくらいの、シミひとつない白い肌がスカートの外に晒された。

 

「……黒とレース」

 

「レース……? ああ、いやそっちはいいの。ていうかそっち見んな。エッチ」

 

「同性じゃん……」

 

「同性でも恥ずかしいの」

 

 見せてきたのそっちじゃん……。というのは口に出さなかった。話が進まないから。

 

「えっとそれで?」

 

「ああ、そうだった。これこれ」

 

「これって……拳銃じゃない!」

 

 ココの両手に拳銃が一丁ずつある。日差しを受けて黒く鈍く光っている。拳銃自体あまり詳しくないけどこれがオートマチック銃でリボルバーとかじゃないってことはわかった。ちょっと手慣れた風なのがかっこいい。

 

「どうやってこんなの……」

 

「普通に通販だけどこう……ネットの裏側的な? ややこしいから省くよ。ほら私もこうやって自衛の手段を手に入れたんだからミハの事を手伝えると思うんだよね?」

 

 ね? じゃないよ。けどここで突っぱねても……よし。

 

「……分かった」

 

「ほんと!?」

 

「分かったけど使えるかどうか見せてほしい」

 

 なんか偉そうなこと言ってるなって自分も思うけど、私みたいに変身できないんだからそれなりにちゃんとしててほしい。

 

「そういうと思ってたので、用意があります」

 

「用意?」

 

「そのとおり!」

 

 待ってましたと自身ありげな笑みを浮かべるココに、何を用意してるんだろうと首を傾げて考えてしまう。

 練習場でもあるのかな。でも未成年が無許可で持ってる銃を訓練できる場所ってなると下の階層? トーキョーの下層には無許可の居住区があったりするってのを聞いたことがある。だけどあっちはあっちで危ないって聞く。だとしたらなんだろう。知り合いにツテがあるとか? うーん……。

 というか魔物に銃って効くのかな。殺人鬼はちょっと効果あるかもしれないけど……。ベリアルは分かる?

 

(効く時は効くし、効かない時は効かない。場合による)

 

 そんな適当な……。

 

(一人より二人の方が柔軟に対応できる。俺のことを認識できる人間はほとんどいないからな。ココに同行してもらえると助かる。だから俺は推奨した)

 

 つまり、銃のことは特に気にしてないってこと?

 

(まあそりゃそうだ。あんまり効果はないだろう。七不思議にしろ魔物にしても弾丸は基本効果はない。人間を元にした殺人鬼でも拳銃ではトドメを刺すのは難しい)

 

 ふーんなるほどね。勉強になった。

 

(こういうこともあるだろう。都度説明する。ところでデザートはないか?)

 

 本当によく食べる悪魔だなあ……。後でね。

 

「────ってミハ、聞いてる?」

 

「……へ? ああ、ごめん。聞き逃してた。えっとなんだっけ?」

 

「もうしょうがないな……。今日の放課後、空いてる?」

 

「放課後? 空いてるけど」

 

「うちに来なよ」

 

「うち?」

 

 うち。うち……家ね。はいはい家。理解した。

 

「うん。見せたいものがあるって言ったでしょ」

 

「うん」

 

「だからほら……ね? それうちにあるの、だからほら……」

 

「あ、あー……はい、行きます。行かせていただきます」

 

「なんで敬語……?」

 

 

 

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