そういえば暗城レンって私の理想のヒロイン像な気がしてきた。
あの後ひとりちゃんを10分程癒して、ある程度まで元気にした。私はどうやらヒーラーの才能があったようだ。
ひとりちゃんを横に引っ付けて駅に向かう。
さっきの様子からしてひとりちゃんの輝かしい高校デビューはあえなく玉砕したようなのでせめて、高校生活初日を乗り切った記念日として祝ってあげたい。
横にいるひとりちゃんは今でも十分幸せそうな顔をしているが、ならばもっと幸せになって欲しいと思うのは傲慢だろうか?
「ねぇ、ひとりちゃん。今日はうちに泊まっていかない?高校生活初日を記念するっていうことで!...どうかな?」
「うんうんうんっ!......レンちゃんと...お泊り......ウェヒヒヒッ...」
特徴的な喜び方をするひとりちゃんを横目にスマホでひとりちゃんのお母さんに連絡を取ると即時許可が下りたので、別のアプリで家のお風呂とセットしておいた炊飯器のスイッチを遠隔操作でONにする。ホント便利な時代になったものだ。
電車内
「この時間はあまり学生は多くないんだね。やっぱり下北沢が近くにあるとそっちに寄り道しているのかもね」
私が何気なくそう呟くとひとりちゃんが反応する。
「...陽キャ多い...怖い...!」
トラウマセンサーが反応したひとりちゃんをそっと抱き寄せる。
「大丈夫だよ、私がそばにいるから」
今のひとりちゃんは比較的落ち着いた状態だ。その状態で抱きしめると照れているのかすぐ赤くなるので、見ていてとてもほっこりする。
■□■□■□
長時間電車に揺られて漸く我らが故郷の神奈川に戻ってこれた。
これ、学校生活で凄く疲れることがあった時無事帰ってこれるのかな?と心配になるが、最悪タクシーでも呼べばいいから大丈夫だろう。
「ひとりちゃん、今日はお泊りする訳だけど、夕食は出前と私の手料理どっちがいい?」
「...手のかからない出ま...」
「そうそう!手料理なら、ひとりちゃんの好きな肉じゃがにしようと思ってるんだけど?」
「アッ....手料理でお願いしましゅっ!」
「うん、了解っ♪」
相変わらずひとりちゃんの遠慮するタイミングがわからない。
とはいえ私を気遣ってくれるのは嬉しいんだけどねっ♪
スーパーの入り口に置いてあるチラシを手に取り内容を吟味する。
(ふむ、じゃがいもと豚バラ肉が安いな。たしか調味料はどれも問題ないからそれに加えてにんじんとしらたき、卵と後は...よしっ)
ひとりちゃんにカートを押してもらい、私は買うものの選別を行う。
途中で視界に入ったカップルを見て、急にひとりちゃんに悪戯心が湧いたのでひとりちゃんの耳元で
「私達、カップルみたいだねっ♪」
と囁いてからかってみる。
期待を裏切らないひとりちゃんは頭から煙を出して、擬音を付けるとしたら『ボンッ』と顔が赤くなった。
思春期って感じでかわいいっ♪
全てレジに通した後、持参したエコバッグに詰めて肩にかける。
丁度そのタイミングでカゴとカートを元の位置に戻して来てくれたひとりちゃんを撫でてから店を出た。
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我が家についた。
私の家は4〜5人が住む事を想定された二階建て住宅だ。
しかし、住んでいるのは私だけ。使っていないスペースの掃除は半年に一回する程度だ。
私がこんな大きい家で一人暮らしをすることになったきっかけは確か林間学校の時だ。その時に両親が旅行に行き、飛行機のエンジントラブルで墜落してしまい帰らぬ人となった。
不思議なことに親族はおらず、そこから私は並々ならぬ遺産とこのローンの無い大きな家で過ごすこととなった。
その時私は、今世では両親が忙しくて家事をやることが多かったので前世の経験を含めて練度は相当高いものになっていた。
ひとりちゃんのご両親に時々頼る事はあったが、ほぼ自分の力で生活ができていた。時々頼った際に力を貸してくれたひとりちゃんのご両親には頭が上がらない。
って私の自分語りは置いといて。
「ぉ..じゃまします...」
「そんな畏まらなくても大丈夫だよ。もう一つの家だと思ってもっとリラックスして?」
「...うん..」
「あ、そうそう。手を洗ったらリビングにあるテレビとかゲームとかで時間潰してて?」
するとひとりちゃんはモジモジし出してなにか言いたそうな雰囲気を出す。
「どうしたの?」
ひとりちゃん曰く、手伝いをしたいそうだ。
「うーん..。私だけでやったほうが多分早いから気持ちだけ受け取っておくね?ありがとう♪」
「...あっ...はい...」
ひとりちゃん家事出来ないのにわざわざ手伝いをしようとしてくれるなんて、そんな健気な一面もすっごくかわいいよ!
よしっ!腕によりをかけて作っちゃうよ!
はい。
前半ですね。
次回は後半としてキャッキャウフフなお泊まり会の場面をお送りしたいと思います。
あと二次創作の作品が少しずつですが増えて来ていて嬉しかったりします。
そして
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