1.ハンドラーさんは初恋を思い出すに引き続き、過去捏造あり
2.性的表現あり
その後もしばらく作業を続け、今しがた健診結果を纏めたファイルを引き出しに片付けたその時。
新しいハンドラーはずいぶんと礼儀正しいらしい、と呆れにも同情にも似た溜め息を吐き、共用スペースに向かうため立ち上がる。そして椅子から離れた足で、いざ一歩を踏み出そうとしたその時、思わずツバサは足を止めた。
『ハンドラーワンより、スピアヘッド戦隊各位』
デバイスを通じて頭に響いてきた
『はじめまして。本日付けで皆さんの指揮管制を担当する事になりました。階級少佐、ヴラディレーナ・ミリーゼです。よろしくお願いします』
運命の巡り合わせとも思える事が、果たしてあり得るのだろうか。彼女の、レーナの挨拶を聞いた瞬間から脈拍が激しくなり始め、炎のように熱された血液が全身を駆け巡る。
彼女には昔、初対面の相手に向けて挨拶をする際には、必ず自分の名前を名乗るように教えた記憶がある。それを守っているということは、やはり本物の彼女なのであろう。
(……すまない……)
シンとレーナの会話を聞き流しながら、また9年前のあの日の記憶に浸り、
本当になぜそうしようとしたのか、自分でも理解できないほどに衝動的な行動だった。性に関する知識もまだ少なく、曖昧で未熟な知見しかない、精通も初経もしていない子供同士。
わずか8歳と7歳という
(レーナ……お前は……)
レーナの息、レーナの汗、レーナの頬、レーナの声。抱き返される感覚、見つめられる感覚、血液が集まる感覚、そして全身を覆う熱。
その全てが未だに拭えない後悔として記憶の奥底に根を下ろし、
(……私を憎んでいるか?)
ツバサの胸中は罪悪感で満たされていた。
「ふぅ……」
通信を終えたレーナは、緊張を吐き出すように大きく息を吐きつつ机に突っ伏す。今回はシンと短い挨拶を交わし、今後の予定や報告書の送付をするよう指示しただけで終わったが、死神とあだ名される彼と対話するにあたってかなり神経を削っていた。
お互いに顔が見えないのは承知の上だが、どのような人物なのかと思えば年齢不相応に落ち着いた性格で、また口調も丁寧な穏やかな少年という印象の独特な男だったのだから拍子抜けしてしまった。
(…………私は……臆病者)
しかし、目当ての人物であった
だが、次こそは確かめたいと、心に決めた。
(もしも
自分は名前を名乗った。もしあの場に、スピアヘッド戦隊に所属するプロセッサーの中に彼がいれば、きっと。
(ううん……絶対に気づいてくれる)
二人が