翌日
原作では今日、深雪が生徒会に勧誘され達也が風紀委員になる日である。一応、ふたりとは面識があるが、特別仲が良い訳では無いしそれに基本的にはお互い不干渉にすることにしている。俺とかかわることで発生する不具合を避けるためだ。
なので、初対面のふりをする必要がある。
ちなみにクラスでの扱いは変わらず。え?
ま、一日で変わるなら誰も苦労しないか。
今日から普通の授業が始まる。とはいえ基礎的なものであるが、この程度はかなり昔に修了しているし、それは周りでも同じ。流石に最初は復習からのようだ。
なので話は聞いてない。というか魔法理論は一科生でも教師なしなので、さっさと課題を終わらせてしまうに限る。そうすれば自由時間が生まれるからだ。
なんだかんだで、達也に次ぐレベルの魔法理論の知識があるので、この程度では困ったりはしない。あの時・・・アホみたいに覚えこまされたからなぁ。しんどかった。
それはともかく、基本的に魔法科高校においても普通科高校においても2090年代では一般科目はモニターとにらめっこであることが当たり前で、自分のペースで進めることが出来る。さすがに提出期限なるものがあるが、早い分には問題ない。つまり、先その日の授業分を進めてしまうこともできる。
で、先に今日分の座学を終わらせた俺は念話こと、お母様への連絡をしておくことにした。内容はブランシュへの対応についてである。
「で、どこまでやっていいのかと思って」
「あら、それなら気にしなくてもやりたいようにやってもらってもいいわよ」
「ああ、それならそうさせてもらう。
というわけで、ブランシュ君には消えてもらううことにしよう。
昼休みには生徒会室にはいかなかったので放課後に行くと・・・
まあ、案の定達也たちと遭遇した。原作から乖離していなくてよかった。
俺が着いた頃には達也が風紀委員になることが確定した後だった。
「よろしく、俺はC組の四葉真也だ」
「ああ、こちらこそ」
「そちらの司波さんもよろしく」
「ええ、よろしくお願いいたします」
と、まあまあ普通に挨拶をして終わった。まあ、本当に初顔合わせではないからね。なお、以前に顔合わせしたときはすでに、お兄様・・・ポッな時だったので、俺が母親である深夜さまと仲がいいことについては何も言及がなかった。「この泥棒猫め!!」みたいなことを言われるかと思ってたのに。
あ、でも普通に考えてみればそんなこと言う性格じゃないか。
でも。一度は聞いてみたかったなぁ「この泥棒猫め!!」なぜなら。おおよそ今後の人生で聞くことはなさそうなセリフだから。あと、普通に考えればあんなのアニメとかラノベとかのセリフよね、あれ。あ、ここ(魔法科高校の劣等生)ラノベの世界だったわ。ガハハ
とりま、顔合わせという名の辻妻合わせは済んだので生徒会の仕事をしていく。
ちなみに、俺は生徒会会計である。とはいえ、会計とは名ばかりで必要な物はほとんど終わってしまっている。
残っているものも急いでやる必要が無いもので、暇を持て余した俺は資料の整理を始めた。過去の資料をしばらくあさっていたが特に何もなく、やめてしまった。やめだやめ。何もねぇ。
しかし、やめれば何も無い。なので・・・
帰った。
だってやることないんだもん。帰ったら来客が来た。ん?だれ?
ああ、夕歌さんか。そういえば今は東京に住んでるんだっけ?昔から仲良かったし挨拶に来たとか?
「いらっしゃい夕歌さん」
「あら、お姉ちゃんでもいいのよ?」
「勘弁してください」
「フフッ、冗談よ。お邪魔するわね」
「どうぞどうぞ」
昔は夕歌お姉ちゃんと呼んでいたことがあるが、今は無理。なお、当時もかなり無理。
お互いにソファに座って会話が始まる。最初は世間話から。
「そういえば、一高に進学したのね。おめでとう」
「ありがとうございます。と言ってもお母様からはかなり止められましたが」
「まぁ、それはね・・・」
「それよりも夕歌さんはここにいいんですか?今は大学生でしたっけ?」
「そんなに毎日忙しいわけじゃないから大丈夫なの」
「なら、いいんですけどね。ところで今日はこのまま食べていきますか?」
「いいの?」
「いいですよ」
と言っても、今はメイドロことHARがあるのでそんなにも手間がかかるものでは無い。
ちなみにこのHAR、スタンドアローン仕様で完全オフライン環境でのみ使える特別仕様である。
が、料理に関しては俺が楽しんでやっているからというのもあって使っていない。
それでも、1時間程度あれば2人分は出来てしまうのでそんなに待たせる訳でもないのでいいだろう。
「珍しいわね。今どきHARを使わないのも」
ものめずらしそうに夕歌さんがみている
「料理だけだけどね」
今時、料理どころか家事など全くできない人も珍しくない。特に男性でその傾向が強い。
「一応、家事全般はHARを使わなくてもできるけど、時間が無いからね」
「私も習おうかしら?」
「誰から?」
「もちろん、君から」
「え?俺?」
「だって、わざわざこの為に本家のメイドを呼ぶのもね」
「確かにそれもそうだけどさ」
俺と同様に一人暮らしをしている夕歌さんだが四葉の当主候補。なので、本家からメイドを呼ぶとなるとメイド長が来ることになるだろう。メイド長だって暇じゃない。
「ていうか、そんなに頻繁にうちに来てたら危なくない?」
四葉と仲が良いことが知れるとなにを起こすか分かったもんじゃない。主に海外の諜報員が。
「あら、心配してくれるの?」
「そりゃあもちろん」
「あら、残念。ちょっとぐらいは照れてくれたっていいのに」
「大事なのは本当だからね」
「うぅ、こっちが恥ずかしいんだけど」
夕歌さんが少し顔を紅くしている。よっしゃ勝った。
「まぁ、それはともかくちゃんと対策はとってあるから大丈夫よ。私を誰だと思ってるの?」
「それもそっか。ならいいや」
津久葉家は四葉の分家の中でも特に精神干渉魔法に優れた家である。対策の取りようはあるのだろう。
「よしできた。食べよう」
テーブルクロスを並べて2人で向かい合って食べる。来客用にテーブルを大きいものにした為、かなりスペースが余っているが。
「おいしいわ」
「ありがとう。そんなに難しいものじゃないんだけどね」
「美味しければそれでいいじゃない」
「それもそっか」
2人で食事を楽しんだ。
食後
「そういえば今日は泊まっていくの?」
「できれば?何も持ってきてないし」
「最低限の着替えは来客用に置いてあるけど?どうする?」
なぜ、置いているのか自分でも分からないが。なんであるのさ?主に原因はお母様と深夜さま。
「じゃあ、先にシャワーを浴びてきていいかしら」
「どうぞどうぞ」
なんだかんだ仲がいいのでお互いに信用がある。覗きはしないし、されない。
夕歌さんが上がれば俺もシャワーを浴びてしまう。
上がると俺の部屋で夕歌さんが待機していた。
「あれ?今日ここで寝るの?」
「いいでしょ?ご当主様と深夜さまと寝たって聞いたわよ。本人から」
あの2人喋っちゃったらしい。
「まさか、2人は良くて私はダメってことはないよね???」
おおっと、目が怖い。
「もちろん、そんなことはナイデスヨ」
「少し怪しいわね・・・まあ、いいわ」
ゆるされた。
そして寝た。特に何もなかった。そりゃそうである。なんかあったらそれはそれで一大事である。主にある2人からの詰問が。
翌日
夕歌さんと朝食を食べて学校に向かう。今日から新入部員勧誘週間だそうで、校内がスペインのトマト祭り見たいに大騒ぎになる。なお、飛んでくるのはトマトじゃなくて魔法である。または、それに付随して飛んでくる泥または砂。去年は魔法が暴発した結果、泥まみれになった人が大量発生したんだとか。
もちろん学校側としては、そいうことはないようにしたいが、かといってあまり規制しすぎるのも・・・みたいな対応をするせいで、現場にしわ寄せがきている。主に生徒会と風紀委員会と部活連に。というかそれ以外は騒ぐ側なので、こっちからすれば人の気も知らずに・・・である。
つまるところ、今日のお仕事は暴れ狂う新入部員勧誘週間を鎮めることである。つまるところ「おお、神よ、静まり給え」(魔法)である。
なお、基本的には風紀委員会と部活連のメンバーが主となって巡回、取り締まりを行うこととなっている。生徒会は何かが起きた後の事後処理または仲裁なのだが、副会長のはんぞーくんと俺だけは巡回のメンバーに入っている。はんぞーくんはともかく、俺は四葉の名前が理由で選出されたらしい。なお、それをかいちょーから直接聞かされた。つまりはモーセの海割ごっこをして来いということである。
ちなみにだが、
生徒会の腕章をつけて巡回していると、さすがに四葉真也として顔と名前が割れていることもあり、たとえ直前にどれだけ取っ組み合いのけんかをしていても、俺が近づいた瞬間にサッと何事もなかったように道が開くのだ。それも「いや~これは俺が悪かったよ~」「いやいや~こちらこそだよ~」「「えへへへへ~」」みたいなセリフ付きで。いったい人のことをなんだと思っているんだねチミたちは。あ、アンタッチャブルか。関わっちゃいけない。まさにそれを体現していた。
達也がスーパートラブル吸引体質の歩くトラブルメーカーだとすればこちらは、歩く抑止力である。
なお、本日一傷付いたのは、取っ組み合いになっていた集団からはじき出された女子生徒に「大丈夫ですか~」(悪い顔)ってやったら「イヤァァァァァァァァァ、四葉だぁぁぁぁぁぁぁ」気絶口から泡ブクブク。ってなったことである。いや、ノリと勢いで悪い顔をしたとはいえ、そこまで言わなくてもいいじゃん。地味に精神的なダメージを受けた。
真也は精神的ダメージを10受けた。真也はちょっとへこんだ。
さらに面倒だったのは、この件について取り調べを受けることになったことである。まあ、取り調べと言うより事情聴取というほうが正しいのだろうが、どっちにしたって顔見て気絶された話を自分の口からしなければならいってのが・・・
しかも、かいちょーは事情聴取中、ずっとクスクス笑っていやがった。他人事だと思って笑いやがって、こっちは割と真剣に悩んでるって言うのに・・・
俺が精神的ダメージを受けている間に達也君が原作通り大立ち回りをしてくれていたらしい。一応、ご当主様こと俺の母親の真夜さまから目立たないようにって言われてたのに・・・さすが歩くトラブルメーカー。
そんなこんなで、一日が終わり帰路につく頃には疲れ切ってしまい(精神的に)口からエクトプラズムが漏れかかっているような状態に・・・多分これ、転生した俺の魂だよね・・・おっ魂げ~!!
こんなのがあと何日も続くのは勘弁こうむりたいもんである。
真也は逃げ出した。
しかし新入部員勧誘週間に回り込まれた。真也は逃げられない。
新入部員勧誘週間の攻撃。
真也は精神的ダメージを9999受けた。
真也は倒れた。だが、真夜と深夜による蘇生をうけた。
「ハッ。ここはどこだ・・・」
ムニュン
「なんだ、これ・・・なんか、だいぶと柔らかいな」
ムニュンムニュン
「あら~真也もオトコノコなのね。でも、私はあなたのお母さんだし・・・もし、どうしてもっていうなら・・・」ポッ
どうやら、この柔らかさは真夜様のオッパ・・・だったらしい。
「ずるいわよ真夜。ねえ、真也。私だってそれなりのものをもっている自覚はあるのよ。どう?」
そこに対抗してくるとは思わなかった。というか、そうじゃねぇ。
「ま、まあ、それはまた今度、き、機会があれば・・・」
「あら、残念」
まったく、残念そうそうなそぶりも見せず、ということはなく、割と本当に残念そうに言う深夜様だが
「あれ、なんで二人とも家にいるんだ?」
一応、というかなんというか四葉家の中枢にいる二人である。真夜様にいたっては当主である。そんな気軽に東京に来れるわけじゃない。
「「あなたにあうためよ!!」」キリッ
おお、ふたりとも息ピッタリ。
「ほら、当主の仕事とかは・・・」
「終わらせてきたわ!」
「私も手伝ったわよ!」
さすがは双子、息ピッタリである。て、感心してる場合じゃねぇ。
「いや、でも、ほら、一応は当主なわけじゃん・・・こう、なにか・・・いや、何でもないです。どうぞ、おくつろぎください」
二人そろって、なんでそんなこと言うの?みたいな目でこっちを見ないでください。
「「やったぁ」」
なんか、以前よりかは二人の仲が良くなった気もするが、なにか間違った方向に進んでいるのではないかとも感じる今日この頃である。
あ~やめだやめ。もうこれ以上頭を使うのはもうやめよう。明日も新入部員勧誘週間があるのだこれ以上頭を使いたくない。思考停止モードダ。アトハドウニデモナレ。
この時の俺は翌日にさらなる問題が訪れることになるなど思ってもみなかったのだ。