久々に『PSYCHO-PASS』を視聴したのですが、『リコリコ』だったり他にも秘密のエージェント系ってつくづく危ういな、と感じましたね。
秩序の維持を一手に担うと、その運用は人間の叡智の結晶という感じはするけどやや非人道的な独裁になりがちな辺りが度し難いですね。
……それはそれとして!やっぱり征陸のとっつぁんは最高にカッコいいおじさんだなあ!!!
バイトが休みとあり、ソファーに体を沈み込ませながら映画を観ている。
映画『ジョン・ウィ○ク』。
普段は他のジャンルに比べたら選択率の低いアクション物だが、偶にこうして爽快感のある物を欲してしまうのは人間の性なのだろうか。
最近は物事を深読みする癖がついてしまった。
アクション物の激しい動作や音の演出だけに集中したいというのは、きっとそうした自分の日常への疲労感を犇犇と感じでしまって逆に痛い気もするが。
「一郎、見て。――じゃじゃーん」
パーカーを着たリョウが、俺の目の前で両腕を広げてお披露目する。
夏に着用していたバンドTシャツ同様に胸部で白い『結束バンド』のロゴを掲げた以外は、黒を基調にした至ってシンプルなデザインである。
しかし形は普通のパーカーではなく、オーバーサイズで七分丈の袖というのが何ともまたリョウに似合っている。口にすると調子に乗るから褒めたりしないけど。
たしかに、季節は変わっている。
活動するなら適応すべく衣装の変更もあるだろう。
あれからライブもまだ何もしていないので、現状でファンとして衣装の変化をいち早く知れるというのは身近な人間冥利に尽きるというご褒美なのかもしれない。
そんな部分を加味して、きっとリョウは自慢したかったのかもしれない。
ただ……。
「いや、知ってる」
「えっ」
「虹夏がロインで見せてくれたし」
つい昨日だ。
虹夏が完成したパーカーを自ら着用して自撮りした写真を送信してきた。
勿論、俺は驚いたし褒めたりもした。
そしたら『どうせリョウのにしか興味無いくせに。嘘つき』という辛辣なお言葉を賜り、数時間くらい心の痛みを味わうツラい体験をした所為か、パーカー関連で今いち感動できない。
俺の崩れない仏頂面に、リョウが眉を顰める。
目論見が外れて気を損ねたか。
悪いとは思うが、許してくれ。
「私とはそんなにロインしないのに」
「そっちかよ」
「虹夏には優しいんだ?」
「命とか色々と懸かってるからな」
「昨日だって私のロインに応えなかった」
「オマエ家にいたからな」
むしろ、昨日オマエからロインなんて来ていない。
ロイン使わなくても大抵は隣にいるし。
家に居すぎてどんな遣り取りも直接で済むので、リョウとのロインのトーク履歴を見ると確かに他に比べて会話量は少ない。
逆に、リョウの滞在時間の長さを痛感するようで悲しい事実の再確認でもある。
拗ねたリョウがソファーに寝転ぶ。
俺の膝を頭の下にして、ふうと細く息を吐いた。
「一郎、私のこと好き?」
「急にどうした」
「何となく」
「嫌いではない……けど、好きというには何かが足りない」
「ふうん」
らしくないな。
基本的に他人がどうでもいいリョウが俺の気持ちを気にするなんて。
「リョウは?」
「何が」
「俺の事、その、どう思ってる?」
「ムッツリスケベ」
「顎で飯を食う日常に飽きたようだな」
もう二度と喋れないように破壊してやる。
俺の怒気を感じ取ったのか、ぶるりと血の気の引いて顔でしがみついて来る。……いや、逃げないのかよ。
取り敢えず、腹癒せに膝上のリョウの鼻を軽く抓む。
苦しそうな声が聴こえるのを無視し、映画を楽しんだ。
エンドロールに入った時、手を噛まれた痛みで下に視線を落とす。
じっと、リョウがこちらを見上げていた。
「一郎」
「ん?」
「虹夏の部屋に『箱』があったんだけど……何も無かったんだよね?」
「辛うじてな」
「一郎は押しに弱いから、流されるって心配してた」
「……そんな軽い男に見えるか?」
「モテ始めた陰キャって暴走するし」
「モテる、とは何か違うだろ……」
今のところ、純粋に俺を恋愛的観点で慕ってくれているのは虹夏だけだ。
リョウは……よく分からない。
居心地が良いから俺が一緒にいるのは確かだ。有り難いようで超迷惑でもあるのだが、果たしてコレが恋なのかと分析するには俺の経験も知識もまるで足りない。
「そういえばだけど」
「なに?」
「『結束バンド』には俺たちの関係って話したのか?」
「…………話した」
「なに?今の間は」
最近は各々が不穏な反応ばかりを見せるものだから、俺は少しだけリョウに詳しく聞いた。
その情報によれば、俺とリョウの交際関係はほんの些細な話題から持ち上がったようだ。
この前の路上にて石化した件で、ひとりが喜多さんと虹夏に篤く礼を言って、二人に迷惑をかけたと意気消沈し、虹夏は気にしないでとそれを窘めた。
すると、喜多さんがあの時に何故俺のマンションに居たのかと尋ねた。彼女にとっては、電話に応答しなかった部分も含めてかなり気になっていたのだ。
虹夏はそれに対し、ただ俺との遊びに夢中になっていただけと答えた。
『わーっ、伊地知先輩って前田先輩と仲が良いんですね!』
『うん、そうだねっ』
『へー、実ハ付き合ってタリするンでスカー?』
そこで。
『ううん。一郎と付き合ってるのは私』
と、リョウが爆弾を投下した。
ライブハウスが凍りついたらしい。
聞く限りでは、喜多さんが結束バンドで自分の手首を強く絞め始めたり、ひとりが笑顔で泣きながら俺の名前を連呼し、虹夏は蒼い顔で口を押さえてトイレに駆け込んだという。
……情報量が多くて処理できない。
虹夏のは明らかな拒絶反応だと推察できる。
喜多さんはなぜ自傷行為に走ったのか分からないが、ひとりに関してはやはり身内のように思っていた相手がリア充が現れたというので衝撃を受けてバグったのだろう。
何とも恐ろしい状況だ。
そこに居合わせていたら呼吸が出来なかったかもしれない。
『イツカラですか?』
『文化祭の後。一郎が私を好きすぎるあまり食べてしまって、そこから』
『前田先輩って情熱的なんですね……私も用心しておかないと駄目だわ……♡』
ひっ。
喜多さんの事が全く分からない。
『あっ、あのっ』
『ん?』
『あっ、いえ何も……(将来は私と結婚するから、いつか別れちゃうのに大丈夫なのかな?)』
ひとりは何を言いたかったのだろう。
もしかして、健気に言祝ごうとしてくれたのか。
人の事を真剣に想えるひとりならば俺のような人間の些末な出来事でも祝い事として捉える。いつだって俺の心の平穏を乱した事のない天使だからな。
因みに、虹夏はトイレから戻って来たがリョウが何を言ったのか全く憶えてなかったらしい。
気付いたらトイレに居たとか……。
深掘りはしないでおこう。
今日は何も考えない、よし。
「――って感じだった」
「……そう、か」
「まさか、あんなに祝福されるとは」
「オマエも記憶を失って……?」
特殊な脳を持つリョウなら有り得なくも無い。
どこに祝福された感があるのだ。
聞かなければよかったと思う程に、皆の反応が恐ろしい。正直、虹夏は俺ではなくリョウの言葉なら少しは信用すると一縷の希望を懸けていたのだが、やはり無駄だった。
どうすれば認めて貰えるのか。
「そ、それで、バンドの調子は?」
「頗る良いけど」
「あ、そうなの?」
「郁代は歌に感情こもってて迫力凄いし。虹夏のドラムも何か鋭さ増したし、ぼっちも合わせが少しずつ上手くなってる」
「ほ、ほう」
特に問題が無いなら、別に良いか。
これでようやく、ちゃんとしたファンとしてライブに行けそうだ。
「私はこれで一安心した」
「え?」
「これで名実共に家でタダ飯を食らっても周りから怒られないし」
「『人肉 調理 美味しい』で検索、っと……」
どうせ殺るなら、美味しくした方が無駄にならないかもしれない。……おっと、最近そういう映画を観た影響でつい変な方向に考え方が偏ってしまう。
相手は山田リョウだ、深く考えるな。
……そういえば。
「ご両親は何か言ってたか?」
「…………」
リョウの顔が急に険しくなる。
思い出したくもない、というような顔だ。
何なんだ、一体。
「どうした」
「今まで何をしても嫌われなかったから、今回はインパクト重視で『一郎にハジメテを奪われて、成り行きで付き合う事になった』と話した」
「何してんだ何してんだ何してんだ」
リョウを溺愛する両親からすれば、俺の抹殺を決行させるに至るほどの情報だ。
第一、よく生みの親にそんな生々しい話が出来たな。
生みの親では無いが育て親の前田夫妻にだって、俺はそんな命知らずなカミングアウトはしない。
だ、駄目だ……予想される反応が恐い……。
「そしたら」
「やめろ、聞きたくない」
「そしたら『まあ、彼が婿なら文句は無いよ。むしろウチのリョウちゃんを前に、ここまで我慢した時点で僕らは聖人みたいに思ってたし』って」
「ひぃいいいい!!」
思ってたのと違う方向で聞きたくなかった!
親の公認なんて貰っても何も嬉しくはない。
以前の両親や虹夏たちに伝播したような誤解ではなく事実なのは確かだが、将来を見据えた熱量を有しているかと問われると困る。
……何だろうか。
関係性をハッキリさせた上で周知させる事で未然に面倒事を避ける方策だったのだが、逆にリョウの手で外堀を埋められている気がしてならない。
人間関係が複雑になるのは、リョウが最も望まない事だ。
詳しくは訊いていないが、辞めたバンドでも一悶着あったのは大体様子を見ていて想像がつく。
特に今回の『結束バンド』に懸けるリョウの気持ちは強い。
これまでの言動は、狙っていた?
いや、気の所為だ。
その場の空気、脊髄反射で物事に当たっているような思考をしているリョウなのだから、そこまで深い意図は無いハズ。
「ねえ、一郎」
「あ、え?」
そうだ、きっと。
「そろそろご飯は?」
無い筈だ、絶対に。
♪ ♪ ♪ ♪
バイト帰り、暗澹とした気持ちで帰途につく。
周囲は既に暗闇だが、きっと今の俺の方が濃い闇として景色を歪めている筈だ。
「ライブ、行きたかったな」
今日は『結束バンド』のライブだった。
聞いた時は楽しみにしていたのだが、ライブの日がバイトと重なっている事に絶望感を覚えた。代わってくれそうな休みの人を探しはしたが、誰も彼もその日は旅行だったり外せない予定が入っているそうだった。
断念、せざるを得なかった……。
因みに、虹夏や喜多さん、ひとりからもチケットを売られたが、全て断るのは大変だったな。
特に、ひとりの時は胸が張り裂けそうだった。
くふ……帰り道は一人だし泣いても良いよな。
「――痛ァッッッ!?」
「いたっ、何か飛んできた」
沈み込んでいたら、何処からか飛来した物体が俺に衝突して跳ね返る。
目の前で倒れた物体は、人の形をしていた。
外見から察するに、小柄な二十代前半の女性だ。地雷系と呼ばれるであろう目に刺激の強い色と装飾で彩られた服装は、俺の周囲にも中々いない迫力だ。
それにしても、随分と軽いな。
衝突に際して、運動部ほど鍛えてはいない人間の体幹をあまり脅かさず自身が跳ね返されるというのは不安になる重量だ。
「大丈夫ですか?」
「あ、はい!こんなもんへっちゃらですよ!」
「怪我が無いようなら何よりです……ん?」
尻餅を突いて痛がる女性に手を差し伸べようとして、ふと足元に落ちている物に視線が吸い寄せられた。
名刺だ。
郁人さんに貰った物よりも、多色のデコレーションを施されたカラフルなデザインのそれに思わず注目してしまう。相手から渡されたワケでも無いのに確認してしまうのは個人情報的にもアウトかもしれないが――ん??
「……ぽいずん♡やみ、14歳……?」
…………。
俺の観察眼が誤っていたのだろうか。
だが、どう見たって14歳には見えないし……名刺を持ち歩く14歳というのが想像付かない。無理のある年齢の詐称、地雷系、夜中の遭遇………。
俺はそっと、名刺を地面に置いた。
そして。
「それじゃ、失礼しました」
「ちょっ、急にドライじゃん!!?」
「離して下さい。警察呼びますよ」
「さっきまでの真摯な対応はどうした!?」
最悪だ。
相手に怪我をさせたかもしれないと申し訳ない気持ちがあったから、落ち込んでいても相手へ丁寧な対応を心がける事ができた。
だが、生憎と目の前の人物がメンタルも体力も損なわれた現状で相手取るには不利にも程がある爆弾ならば話は別だ。
「失礼な人ですね、全く!」
「すみません。たしかに、自分を若く見せたいっていうのは普通の心理ですよね」
「フォローに偽装した攻撃やめてくれない?」
会話が続けば余計なストレスが増える。
……それにしても、香水の匂いが凄いな。
「無事なら良いんですよ。俺も前を見ずに歩いていたので謝罪します」
「っもう、何なのよ!こっちはギターヒーロー様を見つけて凄く良い気分だったのに!」
「ギターヒーロー……?」
「あっ、アンタ知ってる?」
「ええ、まあ。動画観ますし」
何故ここでひとりの事を?
それより、ギターヒーローを見つけて……という事はまさか、この毒♡闇なる女性は『STARRY』で『結束バンド』のライブを観て来たというのか!
う、羨ましい。
俺は観れなかったのに……またストレスが……。
「そう!その人がバンドやってたの!」
「はあ」
「でもね、周りには秘密にしてたみたいで。高校生バンドなんだけど、確かに高校生にしては上手いけどギターヒーロー様を埋もれさせとくには勿体ないレベル」
「………はあ」
「今まで色んなバンドを観てきたから分かる!絶対にあの人は他のバンドに紹介して、真の実力を発揮して貰わなくちゃ!」
………。
随分とひとりの技量を買ってくれているようだ。
そこは素直に喜ばしくも思える。
ただ、『結束バンド』がそれを縛り付けているという毒♡闇の反応には、今一賛同しかねる。
ひとりは人見知りだからバンドで実力を発揮できないだけだ。何処に紹介されたって、恐らくそれは変わらないだろう。
技を見ただけで本人の気質までは見えてないようだ。
「一応、忠告はしたんだけど……あの様子じゃねぇ」
「忠告?」
「そっ。バンドメンバーに大人として忠告した。『ガチじゃないなら、ギターヒーロー様の足引っ張るのはやめろ』って感じの」
「……………なるほど」
この人、きっと『結束バンド』にわかだな。
俺が思わず笑みをこぼすと、毒♡闇が不快げに眉根を寄せる。
「何が可笑しいのよ」
「いや、そりゃそうでしょ」
「……?」
「俺もそのバンドを知ってますし、ギターヒーロー張本人も把握してます。ただ、結成して未だ数ヶ月ですから、人見知りで他人と合わせるのが苦手な彼女では環境をいきなり変えても無駄骨ですよ」
「そんな事無い!ギターヒーロー様のポテンシャルなら……!」
「バンドなんて本人たちが如何に楽しむかでしょ。今はまだワンステップ踏んだだけのヒヨッコ状態の彼女らにそこまで要求するのはキツいと思います」
「そんな甘い事言ったって」
「あと」
毒♡闇が何か言いたげだが、構わない。
この後が、俺の一番言いたかった事だ。
「後藤ひとりは、ギターヒーローであるのを事情があって隠しています。それも精神的な部分が大半を占める理由です。気付いたにしても、それを暴かれた挙げ句に彼女が大切にしていた同じバンドメンバーを貶めるような事を言う人間から受けた紹介に応じますかね??」
ひとりは、常々不安だと言っていた。
ギターヒーローは上手だと世間に持て囃されている。
だが、それはソロに限っての話。
孤独な世界で努力し、積み上げてきた力だ。
それが複数人での演奏になり、協調しようとした途端に唯一性が崩れてしまって、むしろその不安定さが下手だと低評価を受ける原因となっている。
ギターヒーローの名を喧伝しながら、バンドでは人見知りで十全に演奏できないなんてなれば、ファンを失望させる上にバンドメンバーにより酷な思いをさせる未来を危惧していたのだ。
事情を知らなかったとはいえ、幾らギターヒーローを評価する人間とはいえ、忌憚ない感想を述べる貴重な観客だったとはいえ――流石に踏み込み過ぎだ。
「毒♡闇さん」
「え、毒……闇……?ぽ、ぽいずん♡やみなんですけど??」
「貴方が14歳と若く見られたいが為に年齢を隠そうとするように、彼女にもまた秘密にしているなりの事情があるんです」
「………」
「『結束バンド』のファンの一人として、彼女を知る人間として、どうかそこを配慮した上で彼女らに接してあげて下さい」
毒♡闇は何かを言おうとして、しかし直ぐに口を閉ざして頭を掻いた。
「た、確かに知らなかったとはいえ言い過ぎたかもしれない。悪かったと思う……ケド!」
「ん?」
「あたしは色んなバンド見てきて、アレで本気とは思えない……高校生バンドって状況に甘んじて遊んでるだけに見えた」
「はい。貴女の意見はまた貴重な物に変わりないと思います。だから、次からは言い方を変えて欲しい……それだけです」
「……ふん、アンタはあのバンドの何?」
「ファンですよ。……今日は……今日はバイトで行けなかった……」
「うわ、急にジメジメしないでよ!?」
あー、思い出したら気分がまた落ち込んできた。
取り敢えず、ずっと腕を掴んでギターヒーローの素晴らしさを語り始める毒♡闇の手を優しく振りほどいた。
「では、夜は危険だから気をつけて帰ってくださいね。一応、14歳って体裁なので補導されない内に」
「アンタ本当はあたしの事キライでしょーー!!?」
ギャンギャン吼える自称14歳から逃げるように走り、俺は家まで何も遭遇しないよう祈った。
家に帰って、ご飯を食べて、さっさと寝る。
そして、ストレスをリセットして――。
「――なに、この匂い?」
帰ったら、不機嫌なリョウがいた。
玄関で俺を迎えた彼女の顔はやや暗かったが、その鼻が何かを感じ取った瞬間、一変して険しい眼差しを俺に投げかけてくる。
匂い、とは。
飲食店に務めているが、基本的にバイト中は店の制服だから学生服には付いていない。ともすると、もしかして俺が汗臭かったのだろうか。
自分の袖を嗅いで確認する。
う゛……キツい香水の香り、まさかあのぽいずん♡やみなる凶悪な生き物の残り香か。
まずいな。
別にこれくらいは洗濯で落ちるので生活に支障は無いが、問題なのはリョウに嗅がれたことだ。
きくりさんのとき然り、コイツは噛み跡だったり他人の匂いがあると攻撃して来る。ここ最近は無かったから、すっかり忘れていた……。
「……バイトじゃなくて女遊びだったんだ、ロックだね」
毒♡闇、次会ったら覚えてろ。
現状、この中で最も強いのは?
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