東方他力録   作:黒檻さん/詩歌

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どうも、冷凍レンジです。
いつになったら妖々夢に突入させるか検討中。

それでは、お楽しみ下さい。


カレーはあらゆる人を魅了する

霊夢に肘からダイブされた友弥。

起きた時には既に夜だった。

 

「うぅ……ごめんなさい……」

 

「謝ればいいわよ。早く晩ご飯を作りましょう」

 

霊夢はお腹が減っているらしく、友弥を台所まで引っ張っていった。

 

「さあ友弥。今日の晩ご飯は何にするのかしら?」

 

と、目を輝かせて質問する霊夢。

その一方で、友弥はというと……

 

「なんでもいいさ〜れっつくっきんぐ〜」

 

まさかの無気力だった。

まあ、朝に沢山動いて、昼ご飯を食べず、しかも肘打ちをされた後ならば無気力になるのは当たり前だろう。

しかしそんな友弥の状態も気にする事無く、霊夢は謎の紙を見ながら材料を揃えていく。

 

「はい。材料は玉ねぎ、人参、豚肉、じゃがいも、あとは紫から渡された謎の物体よ」

 

友弥は謎の物体の正体が気になったのか、霊夢の手元を覗き込む。

すると霊夢が持っていた物は、友弥の元居た世界ではお馴染みの物だった。

 

「うわぁ……カレー粉じゃん……」

 

そう、カレー粉だ。

しかも友弥が幻想郷に来た日に、友弥が晩ご飯を作ろうとして買った物だ。

恐らく紫が友弥の家から持ってきたのだろう。

 

「……家に盗人が入られた時の気持ちってこんなんなんだね……」

 

そんな事を呟きながらも、手際良くカレーを作っていく友弥でしたとさ。

 

 

〜少年料理中〜

 

 

友弥は料理が終わり、熱々のカレーライスを三人分居間に運んだ。

何故三人分なのか気になる方もいるだろう。

理由は……

 

「あら友弥、しっかり三人分用意してくれたのね。一度カレーを食べてみたかったのよ」

 

ーーそう、紫だ。

ここで皆さんに一つの疑問が生まれたと思う。

『何故友弥は紫が来る事を知っていたのか』だ。

 

答えは簡単。

カレー粉が三人分だった、という気分の問題と、境界を操れる事によって空間にスキマが現れたのを察知し、それが紫のスキマだと判断したからだ。

 

「友弥……よく紫が居るって気がついたわね。こんな神出鬼没なのを……」

 

「あら霊夢酷いじゃない。カレーを食べてみれば、私がカレー粉を渡した事を心から感謝するわよ?」

 

「そもそもカレーってなんなのよ……」

 

どうやら幻想郷にはカレーは無いらしい。知ってた。

そして友弥と紫はカレーを前にして、ある事に気づく。

 

「「スプーンが無い(わね)」」

 

「スプーン?何なのよそれは」

 

霊夢が話について行けてないが、友弥と紫は気にせずに話を続ける。

 

「スプーンが無いとね……紫さんはスプーン作れる?」

 

「友弥、私を何だと思ってるの?私はスプーンを作るスキルなんて持って無いわよ」

 

当たり前である。

 

「不思議な女性。ついでに少し胡散臭いかな?まあいいや、ちょっとスプーン作ってくるよ」

 

そう言い残し友弥は外に出た。

 

朝切った木から綺麗な場所を探し、そこを四角くくり抜く。

後はそれを三つ用意し、スプーンの形にするだけだ。

 

「よっし、完成だね。」

 

すぐに完成した。

友弥は物作りが上手で、しかも手際が良いようだ。友弥万能説。

 

「ほーら、完成したよ。清潔だから安心してね」

 

二人に手作りスプーンを渡し、友弥も机の前に座る。

 

「ありがとう、流石ね友弥」

 

友弥を褒める紫、それに対し霊夢はというと

 

「友弥……人間よね?」

 

‘‘驚愕,,の一言で表せそうな顔をしていた。

それもその筈、スプーンを知らない霊夢でも、この短時間で作るのは困難だと理解しているからだ。

 

「人間ですよっと。さ、頂きましょうか」

 

「「「いただきます」」」

 

手を合わせ、恒例の挨拶を言った後、カレーを一気に食べ始めた。

ーーただ一人、霊夢を除いて。

 

「ねぇ、これは美味しいのかしら?」

 

「ええ、とても美味しいわよ」

 

紫はカレーを見たことはあるらしく、何の抵抗も無くカレーを食べる事が出来る。

しかし、霊夢はカレーを見たことも食べたことも無い。だから少し躊躇うのは当たり前だろう。

 

パクッ

 

霊夢が恐る恐るカレーを口に運んだ。

すると霊夢は目を見開き、

 

「美味しいっ!」

 

と叫ぶや否や次々とカレーを口に運んでいく。余程美味しかったようだ。

 

「それは良かったね」

 

友弥も自分の作った料理を『美味しい』と言ってもらうのは嬉しいようで、とても良い笑顔になっていた。

 

そんな中、紫は黙々とカレーを食べていく。

友弥は口に合わなかったかと心配したが、それは杞憂に終わったようだ。

 

「美味しい……友弥、私の家に来ない?」

 

まさかの勧誘である。

この勧誘に怒ったのは友弥ではなく、霊夢だった。

 

「ちょっと!友弥は私の神社の料理係よ!!」

 

霊夢の発言を聞いた友弥は少し苦笑したが、大切にされているという事を実感したようで、嬉しそうな顔をしていた。

 

「というわけで、紫さん。嬉しいお誘いですが、僕はこの神社に住むよ。なんたって料理係だしね」

 

「そう……残念だわ。気が変わったらまた呼んでね」

 

紫は少し巫山戯た表情でそう言うが、本気で勧誘しようと思っていたらしく、すぐに残念な表情になった。

 

「ま、まあ、とりあえずカレーを冷える前に食べようか」

 

友弥の一言で二人は再びカレーを食べ始める。それに続いて友弥もカレーを食べ始めたのであった。

 

 

 

ちなみにこの後、紫は友弥の足元にスキマを開いてお持ち帰りしようとしたらしいが、霊夢に阻止されたという。

友弥、霊夢がいて良かったね。




楽しんで頂けましたでしょうか?

友弥は頑張らなくても、スプーンくらいなら短時間で作れます。
万能な友弥君でしたとさ。
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