友「ねぇ、霊夢」
霊「何よ?」
友「この神社の名前って何なの?」
霊「博麗神社よ。まさか知らなかったの?」
友「うん。知らなかった」
二人「…………」
ーーそれはとある夜の出来事だった。
「さぁ!虫捕り大会の始まりよ!」
「「「おおー!!」」」
「何で私まで……」
レミリアの号令に反応したのは友弥、フラン、魔理沙だ。
咲夜はレミリアの後ろに微笑ましい物を見るような顔で立っていて、霊夢は四人に呆れていた。
しかし、そんな霊夢を無視してレミリアは大会のルールを話し始める。
「ルールは、二人一組で森の中を散策し、一番大きな虫を捕まえた組の勝利。制限時間は夜明けまでよ」
レミリアの説明が終わると同時に、友弥がスキマからくじ引きの箱を出す。
その箱の中には折られた六つの木の棒が入っており、木の棒の長さが同じだった人同士がペアになるようだ。
「はい、それじゃあ順番に引いてってねー」
霊夢、咲夜、レミリア、フラン、魔理沙、友弥の順でくじを引いていく。
そしてくじ引きの結果
「フラン、よろしくだぜ!」
「魔理沙よろしくね!」
魔理沙、フランのわんぱくペア。
「霊夢、よろしくね」
「咲夜、やるからには勝つわよ」
咲夜、霊夢の冷静ペア。
そして……
「ふっふっふ……友弥、私がいれば勝利は確定よ!!」
「あーうん。頑張ろうね」
友弥、レミリアのペアだった。
友弥がレミリアのテンションに少し引いていると、心配そうな表情の咲夜とフランが友弥に近づいて耳元で何かを話す。
「……お姉様をよろしくね」
「その……頑張って頂戴。くれぐれもお嬢様を泣かせないようにね」
何だか複雑な心境になった友弥であった。
しかしそんな友弥を無視して、レミリアは演説をする様に次々とルールを説明していく。
「場所は幻想郷全域、それじゃあ……始め!!」
レミリアの合図で咲夜と霊夢、魔理沙とフランは何処かへ飛んでいってしまった。
「さて、私達も出発するわよ」
「あいあいさー」
〜少年少女移動中〜
「ほら!あそこにカブト虫が居るわよ!」
「おお!凄く大きい!」
気がつけば友弥もテンションが上がっていた。
今レミリアと友弥がいる場所は、紅魔館の近くの湖の隣の森の中。
木に止まっている一匹のカブト虫を前にして、虫捕り網を持った吸血鬼と、虫保管用の籠を持った人間が静かに騒いでいた。
「レミリア、そーっと捕まえるんだよ?」
「分かってるわよ。ん〜、それっ!」
レミリアが勢い良く網を振ったが、網の中に入ったのは……
「……蛾、だね」
「それも凄く大きいわね……」
目的のカブト虫は、もう数cm上だった。
更に、間違って蛾を捕まえただけならよかったが、網を振った時の風圧に驚いたカブト虫は飛んで逃げていってしまった。
二人は仕方なく蛾を籠の中に入れる。
ちなみに、蛾の大きさは大体大人の掌の二倍くらいだ。
「……別のカブト虫、探そっか」
「……そうね、探しましょう」
とぼとぼと歩きながら別のカブト虫を探す二人であった。
〜数分後〜
「(何だかレミリアが涙目になってきた……。これが咲夜達の言ってた事なのかな?)」
森にしてはあまりにも虫が少なく、カブト虫は愚かバッタの一匹もいないのだ。
「(まあチルノの居る湖が近いから、虫も冬眠?するよね)」
何にせよ、この森は少し寒いのだ。
気温は秋の下旬くらい。
カブト虫が一匹居ただけでも奇跡だろう。逃したが。
「う〜……何で虫が一匹もいないのよ……」
そんなこんなで、結局夜明けまでに捕まえた虫は最初の蛾だけだったという。
ーその頃、霊夢と咲夜のペアはー
「ほら、そこにも居るわよ」
「霊夢……貴女凄いわね」
現在霊夢と咲夜は、博麗神社の近くの森の中を歩いていた。
霊夢の驚異的な勘と、咲夜の時を操る能力でかなりの量の虫を捕まえていた。
「ほらそこに……も?」
不意に霊夢が立ち止まる。不思議に思った咲夜が霊夢の視線の方向を向くと……
「どういう事なの……」
霊夢と咲夜はその存在を知っていた。
紅魔館や神社の物置に現れた黒い悪魔、別名「漆黒の堕天使」。
その大群が霊夢達の目の前にいたのだ。
夜だから普通なら見つける事は不可能だっただろう。
しかし、霊夢の勘はそれを許さなかったのだ。
二人は無言で戦闘態勢に入る。
いつ悪魔が飛びかかってくるかもしれない緊張感の中、真っ先に動いたのは霊夢だった。
ホーミング性能のある弾幕を次々と放っていく。
しかし、それを黙ってみている悪魔ではない。
悪魔の団体は一斉に羽を羽ばたかせ、次々と弾幕を避けていく。
咲夜もナイフを構え、恐ろしい速度で投擲するが、何れにせよ結果は同じだった。
このままでは埒が明かないと判断した霊夢と咲夜は、同時にスペルカードを発動する。
ーー夢符「封魔陣」
ーー幻世「ザ・ワールド」
大量の弾幕が悪魔の団体に押し寄せる。
これで勝った、と確信した二人だったが……咲夜が異常に気付く。
「何であいつらまでスペルカードを持ってるわけ!?」
前にやられた怨念か、復讐心かは知らないが、奇跡が奇跡を呼んで悪魔もスペルカードを持っていた。
悪魔達は再び一斉に羽を羽ばたかせ、スペルカードを発動する。
ーー蟲符「蠢く漆黒のカーペット」
悪魔達は、難易度イージーの二面中ボスの様な密度の弾幕を放つ。
しかし、これより密度の濃い弾幕を経験した事のある二人には効果が無く、あっさりと倒されてしまった。
「……何で奴ら、スペルカードを持っていたのかしらね」
「さあ……私は霊夢じゃないから分からないわ」
咲夜の言葉が少し貶す様に聞こえた霊夢。
「それはどういう意味かしら?」
お札を構え、咲夜を睨むと……
「ごめんなさい、別に挑発してた訳じゃないわ」
大人しく謝った。
流石の霊夢も戦う気が失せたのか、二人は再び虫を探し始めるのであった。
ーそのまたその頃、魔理沙とフランのペアはー
「見て魔理沙!カマキリが襲ってくるよ!」
「ああ、それは人喰いカマキリだぜ。丁度良い、これを持っていくとするか」
何事も無く平和に(?)虫を捕まえていた……
ちなみにこの大会の優勝ペアは、レミリア・友弥ペアだった。
優勝したのは嬉しいけど、何だか複雑な気持ちになったと二人は語る。
え?人喰いカマキリ?
まず籠に入らなくて諦めたそうですよ。
何故か小説を投稿していない日に200を超えるUA数がありました。
……何でですかね?(・・;)