「その反応!本当にいるのか!?」
予想外な質問に変な声を出してしまったせいでセルカに詰め寄られる、しかしクレナの事は誰かにバレちゃいけない筈だからな。どうにかして誤魔化さねば。
「いないいない!いる訳ないだろ?」
「うーむ、何かこう神の加護の的な神々しいものを感じたんじゃが」
セルカはこめかみを人差し指で抑えながら口をへの字に曲げ、なんだか抽象的な言い方をする。
「そんなもの、あったら嬉しいぐらいだよ」
本当にあったら嬉しいけど、俺が困るのを見て楽しむようなあのクレナがそんなものをくれる訳がないしな。
「というかコウイチは今まで見てきた人とはどこか根本的に違う感じがするんじゃよな」
それはまぁ、そもそも生まれた世界が違いますし。
「そんなことより、俺に合う武具分かった?」
「それなんじゃが…」
セルカは少し言いづらそうに言葉を溜めてから、
「分からん」
「なんで!?」
『真贋の魔眼』とやらで見てくれるんじゃなかったんですか?
「いやー、なんか分からんがコウイチはあたしの魔眼で見てもよく見えないんじゃ」
「それは、どうなの?」
「あたしもこんなの初めてじゃからな〜。びっくりじゃ」
ははは、ととぼけた笑いを飛ばしながら頭をかくセルカ。「びっくりじゃ」じゃねーだろ
「じゃあ俺の武具どうやって決めればいい?」
「コウイチの適正教えてくれ」
「普通に聞くんかい!」
そんなわけで、魔眼で武具を決めるもクソも無いただ適正を教えておすすめの武具を持ってきてもらうという、普通の武具選びをする羽目になった。
「それじゃあ、これとかこれなんかどうじゃ?」
「お、これは…」
セルカが持ってきたのは指の部分は動きやすくするためか布の様なもので覆われて、金属部分は青色に染められた籠手と俺の持っている短刀よりやや長めの刀身を持った短刀だった。
そういえば、店に来る前シャバラにも籠手をおすすめされていいかもって思ってたんだよな。
「この籠手ってどういう特徴があるんだ?」
「普通の籠手じゃな。一応塗装で魔術耐性を少し高めてはいるが」
俺の時だけ説明内容薄くねっ!?
「こいつはシャバラに言われて作った量産ができる籠手じゃからな」
こいつ、自分が作りたくて作ってないからあからさまに愛着ねーじゃねーか。
「じゃ、じゃあもしかしてこっちも?」
なんとなく嫌な予感を感じながら短刀の方を指差して聞いてみると、
「うむ、量産可能なやつじゃな。でも本来の短刀より刀身を少し長くすることで剣と短刀のハイブリッドって感じに仕上げた扱いやすいタイプじゃな」
やっぱりか。さっきクゥのかっこいいマジックロッド見た後だからどうしても見劣りしちゃうけど、まぁ魔眼で見てもらえないんじゃしょうがないか。俺も自分に合った武具とか欲しかったけどなぁ。
「じゃあその籠手買うよ。後、この短刀の修理とかってできる?」
籠手の代金は量産できるので銀貨5枚と比較的安かったので支払いをしつつ、自分の持っている短刀をセルカに見てもらうことにした。
この短刀はゴートに貰った物だし大事にしたいのだが、ここ最近度重なる戦闘ですでにボロボロになってきていたので修理できるならしてもらいたい。
「ふむ なかなかいい短刀じゃな。これぐらいなら修理できるぞ」
「ほんとか!じゃあ頼んでもいい?」
「もちろんじゃ。修理代は銀貨2枚でいいじゃろ」
「それと、修理してる間はさっきの短刀を貸しといてやるから持ってっていいぞ。壊したら弁償じゃが」
セルカにお礼を言いつつ修理代を支払い、短刀を借りることにした。壊したら弁償なので、できれば使いたくないが無いと心許ないから腰に差しておくだけになりそうだな。
「いやー、久しぶりにこんなにお客さんが来たし、今日はいい日じゃ。コウイチの短刀も腕によりをかけて修理しておくから楽しみにしとくんじゃぞ」
今日の買い物で支払った金貨や銀貨をにやけた顔で見ながら喜びを隠せないセルカに別れを告げて、俺達は『骸狩り』の情報収集をするべく、探索者ギルドに足を運ぶことにした。