そうだ、俺は、夢を見ていたんだ。
その夢は、古。
まだ心臓は動いていて、皆揃って幸せだった。
???『封印が解かれるのは約480年後』
その言葉が脳内で反復し、俺は目を覚ました。
うっすらと開いた目は陽光を反射し、視界には雑木林が移る。
日は・・・・・まだ低いか。
真冬にこんなにも早くに起きたのは久しぶりだった。
ゆっっくりと体を起こすと傍にある自分の刀を手に取り歩き始める。
肘位まで捲った白いシャツに黒いベスト。金色の髪に紅い瞳
この男、レイク・スカーレット。
彼をこれから多くの異変と人妖が取り巻いて行く・・・・が
外の世界と隔離された土地、幻想郷。
その幻想郷と、外の世界の境目にある神社、博麗。
参拝客が滅多に来ないこの神社にやってきていた吸血鬼、レイク。
近頃この地にやってきて目的が無かった彼は幻想郷の色んな場所を転々としていた。
彼は食料に困っていた為、ここならご飯を食えるし寝泊りもできる・・・・という貧乏神の紹介の元、
この神社に来たのだった
レイク「こんにちはー」
賽銭箱の前で言ってみたのだが人の気配はしなかった。
レイク「こんんちはぁぁーーーー」
今度はかなり大きく読んでみたのだが返事すら帰ってこない。
留守か。また今度顔をだしてみよう。異変を起こすなら博麗の巫女と顔を合わせておいた方が良いって聞いたからな。
ん?、誰かが異変を起こす前提?
まあいい。異変を起こすつもりは無いが一応顔を合わせといた方が良いだろう
そう思いその場から立ち去る
帰り道、冬と言えばアレ、という物が降ってきた。
レイク「・・・雪か」
まあ今は真冬だしな。冷える前に寝床を探さないとな。
昨日みたいに野宿したら今日は雪降ってるし風邪引くだろうな。
何て言う事を考えていた矢先、首に激痛が走った。
レイク「痛ってぇ・・・!」
咄嗟に首元を抑えるが今度はその首元を抑えていた手の甲に激痛が走った
レイク「・・・ってぇ・・!」
そして、降ってきた雪が指先に触れ、そこからまた激痛が来た
すぐに気づいた。原因は雪だ。
俺はすぐに来ていたベストを脱ぎ首が覆われる様に羽織る。
とにかく今は屋根がある場所に行かないと
飛んだ方が早いか?
いや、今は木の下とかを通って行くしかない
この異常な雪を何とかしないと。いやでもまずは安全な所に行かないと。
全速力で森林を駆け抜けているとやがて森を出た。
左手に見えるのは
レイク「やった。人里が見えてきた」
だが、体のあちこちにある痛みに耐える事にも気を使わないといけないため、
着々と疲労が溜まりつつあった。
~人里にて~
レイク「やっっとこ着いた」
人里に来た時には町の人が快く受け入れてくれて良かった
(羽を妖術によって隠しているから妖怪だと思われなかったと思ワレ)
町の人もこの雪によって大変困っているらしく、特に全然売れない傘屋の傘が売り切れていた時は物凄く驚いた。
更に永遠亭の先生によると、症状としては火傷に近いらしく、痛みは数日続くらしい。
冷やすと症状はある程度収まるとか。でも真冬のクッソ寒い時期に体を冷やすとか狂気の沙汰だ。
しばらく外を眺めているとある一人の人物が目に留まった。
レイク「あれは・・」
腕に包帯を巻き、もう片方の腕には鎖を付けている
そして頭にはナゾの飾り物を付けている、ピンク髪の女。
だがおかしい。
彼女の右腕からは生気を感じない。
それにあいつ何処に向かっているんだ?
あっちの方角は、確か博麗神社があったはず。
咄嗟に扉を開け、話しかける
レイク「おい」
女は振り返り、言葉を返す
華扇「はい、どうかしましたか?」
レイク「アンタ、博麗神社に向かっているのか?」
華扇「ええ、それがどうかしたのかしら」
レイク「え?、あ、いや、何でも、無いです」
よく考えずに聞いてしまった為、即会話が途切れてしまった
華扇「そう、私は急いでいるので、貴方も博麗神社に向かっているのかしら?」
レイク「うん、まあ、そうだな」
おいまて、俺は神社に行く気は微塵も無いぞ。いやでも、この異変を解決するにはこういうのに詳しい博麗の巫女の力があった方が手っ取り早いのか。
華扇「それに貴方、傘は持っているの?」
レイク「傘は持っていないぞ」
華扇「仕方ないですね。私が持っている予備を貸してあげます」
レイク「ああ、助かる」
~道中にて~
華扇「そうえいえば貴方、何で神社に行きたかったの?」
レイク「いきなりだな。理由か、何だと思う?」
華扇「・・・・では質問を変えましょう。貴方、人間ではありませんね?」
レイク「・・・・」
華扇「もっと言えば微かに鬼の気配も・・・」
レイク「さっきお前仙人とか言ったな。それ言っちゃえばアンタにだって人間とも仙人とも違う気配がするんだがが?」
華扇「・・・・」
レイク「・・・まあいい。お互い触れたくない所があるって事で手を打とう」
~神社にて~
レイク「お邪魔します」
神社に入って見ると中は案外広かった。中は明るいし人はいるみたいだな。
襖を開くと金髪で白黒のワンピースを着た女が居た。
魔理沙「よお、来たか、華扇と・・・誰だお前」
レイク「レイクだ。レイク・スカーレット。実は最近この地に来たばかりでな。それで突然この雪が降って来たからな。この仙人と一緒にここに来たってわけだ」
魔理沙「私は霧雨魔理沙。まあ、よろしく頼むぜ」
華扇「霊夢は?、何処へ行ったの?」
続けてピンク髪の女、華扇が話しかける
魔理沙「それがさぁ・・・・異変が始まった直後、私と霊夢は勿論異変の原因を探し回ったさ、でも全っっっっ然見つからなくてさ。一旦神社に戻って休憩してたら急に『出かけてくる』とか言ってどっか行っちゃってさ、今は霊夢が帰ってくるのを待ってるんだよ。まあゆっくりしてけって」
レイク「まあ、そんじゃお言葉に甘えて」
~こたつ~
霊夢「ただいま」
魔理沙「やっと帰って来たか。一体どこで何やってたんだ?」
霊夢「異変を解決しに行ってたのよ。まったく、
ただでさえ寒いのに皮膚に当たると痛い雪とか悪趣味にもほどがあるわ」
華扇「それで霊夢、異変は?」
霊夢「ああ、それなんだけど。異変はもう解決したわ」
レイク、華扇、魔理沙「「「はぁ?」」」
俺と華扇、そして魔理沙が慌てて声を上げる
魔理沙「そんなあっさり解決って、何があったんだよ」
霊夢「さあね。もう過ぎた異変の事なんていいじゃない。魔理沙、特に貴方にはね」
魔理沙「どういう意味だ?」
霊夢「さあね。・・・それに、雪はもう止んでるわよ」
魔理沙「本当か!?」
魔理沙は急いで外を見に行ってしまった
華扇「霊夢、あれはどういう意味を含んでいたの?」
霊夢「だからもう終わった異変の事なんでいいじゃない。それよりさっきからこたつでみかん食べてるコイツは何なの?」
レイク「ん、それって俺の事?」
霊夢「ええそうよ。貴方、名前は?」
レイク「レイク・スカーレットだ」
霊夢「スカーレットね、ふーん」
華扇「どうしたの?霊夢」
考え込む姿勢をする霊夢にむかって華扇が語り掛ける
霊夢「いや別に」
レイク「雪掻き位なら手伝ってやろうか?」
霊夢「そいつは助かるわね。じゃあ、先にやっといてくれるかしら。私は疲れたからあとから参加するわ」
そう言って霊夢は部屋から出て行ってしまった
レイク「んじゃ、雪掻きに行ってくる」
魔理沙、華扇「「よろしく~」」
~博麗神社の廊下にて~
霊夢「・・・・そこに居るんでしょ?、紫」
紫「流石にバレちゃうか・・・」
霊夢「それで、要件は何?」
紫「今回の件、やっぱり魔理沙たちには話さないのね」
霊夢「当り前よ。今話して拗らせたらどうするのよ。それに今はあの術を封じただけ、根本的な解決にはならない。それでもあの子のためには必要なのよ」
紫「ふふっ、貴方の熱意は伝わって来たわよ。そして、今回貴方はどんな風に事を進めたいかって事もね」
不適な笑みを残し紫は足元に作ったスキマに消えていった
霊夢「・・・・そのまま死んだら、魔理沙にも悪いだろうしね」
~博麗神社前にて~
数日後、謎の雪は止み、表向きには異変解決となったが、全貌を知らないレイクたちには何とも言えない歯がゆさが残っていた
ワイワイワイワイ
(*^▽^)/□☆□\(^▽^*) かんぱーい!
ガヤガヤガヤガヤ
文「霊夢さん、今回の雪の異変はどのように解決したんですか?」
マミゾウ「確かに。今回の異変では命蓮寺の面々や化狸もかなり困っていたらしいからな」
霊夢「別に、今話す事でもないわよ」
レミリア「何々?、私達には話せないような事だったりするの?」
霊夢「てかあんたもう相当酔ってるじゃない!。いきなり抱き着かないでよ!」
レイク「・・・・」
レイクが何故か屋根の上で飲んでいる事には理由は無い。が今日は屋根の上で飲む。そんな気分だった。
宴会全体を見渡し、一人で酒を飲んでいると、同族らしき少女を見つけた。
レイク「アイツ・・・・」
彼の視界に映る一人の吸血鬼。
紫色の髪に、紅い瞳
その姿が、レイクの記憶の中に居る少女と重なり、
僅かに彼を動揺させていた
レイク「レミ・・・リア・・・だとしたら、何で幻想郷に」
ふいに、口から出た言葉だった。
およそ480年前越しに、妹、レミリア・スカーレットらしき少女を見た。
それゆえか、急いで屋根を降りようとしたがすぐさま止めてしまった。
レイク「そうだったな。今更合わせる顔が無いんだったな。一度でもアイツの幸せを奪ってしまったんだからな。」
嫌な事を思い出してしまった。まあ、自業自得なのかもしれないな。
~博麗神社前、宴会の帰りにて~
レイク「さて、そろそろ戻るか」
しばらくは博麗神社に泊めてくれるらしい。何ともありがたい事だ。
下では皆々が帰り始めている、当然、レミリアらしき吸血鬼も。
咲夜「お嬢様、帰りますよ。ほら」
霊夢「ほらこれ、水」
咲夜「ありがとうございます。さ、飲んでください」
レミリア「うぅぅぅぅ、」
賽銭箱の前に居ると、ふいにレミリアらしき吸血鬼の少女と目があった
がしばらくすると少女は苦しそうに頭を抱え、その場に悶えている
レミリア「う゛う゛う゛う゛ぅ゛!」
魔理沙「大丈夫か!?、レミリア!」
レミリア?、って事はやっぱり本人なのか?
分からない。それでも咄嗟に聞いてしまった。
レイク「お前、レミリアなのか?」
霊夢「ええそうよ。この子はレミリア・スカーレット」
華扇「とりあえず神社の中に運ぶわよ」
~博麗神社にて~
あれからレミリアを寝室に寝かせ、俺と霊夢と魔理沙、そして華扇が交代で見る事になった。
何が原因でああなったかは分からない為、とにかく安静にさせる事で少しは落ち着いたがまだまだ苦しそうだった。そして今は華扇がレミリアの状況を見ている所だ。
そして、残りの面子はこたつでくつろいでいる。
魔理沙「そういえば、レイクとレミリアって同じ苗字だけど何か関係ってあんの?」
レイク「・・・・!」
魔理沙「あっ、いや、喋りたくないってんなら良いんだぜ?、ホラッ、無理して話す事ないしさ」
レイク「できれば聞かないでくれ。レミリアにも。あれは俺の事を知らない。アイツは俺に関する記憶を封印されている」
魔理沙「・・・分かった」
レイク「・・・そうだ。あいつが何処に住んでいるか、二人は知っているか?」
霊夢「知ってるわよ、霧の湖付近にある紅魔館に住んでいるわ」
レイク「明日にはその紅魔館に俺が返しておく」
魔理沙「そんじゃ、よろしくな」
華扇「ちょっ、そんな、無理しないで」
華扇の静止を振り切って、勢いよく襖を開けたのはレミリアだった。
魔理沙「レミリア、とりあえず今は安静にしとけって」
レミリア「何で・・・・貴方がここに居るの?」
レミリアは俺を指さし、そういった
レミリア「どうして・・・・・・お母様も皆殺した貴方がここにいるの?」
その震えた声は、どうしても俺の心に来るものがあった
魔理沙「はっ?、レイクがレミリアの母親を、殺した?、どういうことだよ?」
レイク「・・・・・・」
レミリア「何で、何で、何で・・・・・・・・・・・何で」
レミリアはそのまま気を失いその場に倒れてしまった
レイク「全て、事実だ。俺が何を言っても言い訳にしかならない」
後日、紅魔館のメイド長である十六夜咲夜が迎えに来てくれた。
レミリアはまだ気を失っている。
そして俺はレミリアと咲夜とともに紅魔館に行く事になった
この小説を読んで下さりありがとうございます。
実を言えばこの作品が私の出す初めての小説になります。
まだまだ続きます!
これからレイクとレミリアの関係(恋仲には絶対にならない)にご期待を!