運命に見放された少女   作:哀上

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プロローグ

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【RTA】“クリエイト アイドル”金トロ取得RTA【トーニの実況】

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 こんちゃっちゃー、トーニです。

 今回は『クリエイト アイドル』のRTAを走っていきたいとー、思いまぁ~す!

 

 Q,『クリエイト アイドル』とは?

 A,名前の通りアイドルの育成ゲームである!

 

 アイドル育成と一言に言っても、クラスのアイドルや〇〇界のアイドルなんていうそれってちょっと意味違くね? って存在から王道の歌って踊るアイドルまで育成可能!

 その自由度の高さから人気が爆発、今では様々なRTAが存在します。

 今回はその中でも一番オーソドックスな、いわゆる金トロ取得RTAに挑戦して行きます。

 

 金トロとは、金トロフィー『トップ オブ ザ アイドル』の略称です。

 このゲームで設定されている一応の目標であり、取得するとエンディングが流れます。

 

 エンディングは流れますが、それだけです。

 育成方針によってはそもそも縁がなかったり、取得後も普通に育成は可能なので一応の区切りでしかありません。

 どっかの黒いドラゴンみたいな存在ですね。

 クリエイト繋がりかな?

 

 レギュレーションは、自キャラの誕生で計測開始、金トロの取得でタイマーストップ、バグ利用禁止の転生なしで行きます。

 王道ですね。

 走者が多く、先人ニキたちが大量のチャートを遺してくれているので初心者にも安心安全です。

 

 今回の配信の目標は完走です。

 本当はベストタイムの更新といきたいところですが、リアルでちょっと用事が……

 走り切るのが何より大事って、それ一番言われてるから。

 

 早速キャラメイクといきましょう。

 

 ~~~~~

  厳選中

 ~~~~~

 

 うーん、なかなか良い初期値の子が引けませんね。

 まだタイマーが動いてないので、いくらやり直してもタイムには何ら影響を及ぼしません(やるだけ旨味のボーナスステージ!?)

 ただ、そのせいでかえって妥協が許されずリセマラの沼に落ちるという……(走者の鑑)

 

 ……お?

 

 容姿、器用、歌、運動

 文句なし。

 王道アイドルに必要な初期ステが軒並み高水準ですね。

 

 性格:天才

 !?

 最高です。

 成長で高乱数を引きまくるので、RTAでこれ以上の性格はありません(TASさんは自力で高乱数引けるので必要ない)

 

 成長タイプ:大器晩成

 ……どうしよう。

 幼い頃は成長にマイナス補正がかかりますが、年を重ねるごとに成長にプラス補正×成長乱数と成長制限の限界突破が発生します。

 

 高乱数引きやすい天才と、限界突破のある大器晩成の組み合わせはマジでやばいです。

 一般プレイならこれ以上ない当たり、というか今までプレイしてきてここまでの子引いたの初めてかもしれないです。

 転生でもこのレベルは滅多に出ませんし。

 

 ただ、圧倒的にRTAに向いていないっていう……

 幼い頃の成長にマイナス補正って、そこでどれだけタイム縮められるかに掛かってると言ってもいいのに。

 

 いや、初期値は高いわけだし性格天才ならマイナス補正加味してもいけるのか?

 後半では大器晩成の補正も受けれる訳だし、なんならこのRTAで一番の難所これの補正で安定して突破出来たり?

 道中が不安定すぎて安定も何もあったもんじゃないと言われればそれまでなんだけど、あそこ安定するなら正味プラスなのでは?(試走で何度負けたか……)

 

 行けるか? 

 よし、このキャラで行きましょう!

 

 大丈夫です。

 いざとなれば得意のオリチャーが火を吹いてくれるはず、未来の自分に期待しましょう。

 

 名前は入力速度を考慮して『ゆり』です。

(まだタイマー動いてないけど)

 

 ゲーム開始前の設定はここまで。

 ここからはガバの許されない、厳しい世界です。

 

『ゲームを開始する』を選択して、

 

 タイマースタート!

 

 さぁ、ゆりちゃんが誕生しました。

 生まれは……一般家庭ですね。(セフセフ)

 転生以外は基本一般家庭生まれです。

 親ガチャって基本排出率悪いんですよねぇ。

 

 それ以外ならリセしましょう。(n敗)

 毒親はもちろんアウトですが、有利かと思われがちな芸能家系もトップまで上り詰めるのには邪魔なしがらみも多いので。

 だから、一般家庭である必要があったんですね。

 

 キャラが誕生したら、忘れずに夢を設定しておきましょう。

 ゆりちゃんの夢は、もちろんトップアイドルです。

 

 私、トップアイドルになりたい!!

 

 エゴ?

 うるさいです!

 ゆりちゃんは自分の意思でアイドルになりたいって思ってるんですよ。

 

 まだ0歳ですけど……

 

 これ設定すると、キャラの目的が明確になってルートが固定されやすくなるのでロールプレイとRTAには必須です。

 フリープレイなら邪魔にしかならないので空欄でオケです。

 他道に逸れないし、夢に必要ない余計なイベントはキャラが自己判断で断ってくれます。

 選択画面が減って旨味ですね。

 まぁ、TASさんは乱数使ってそれやるんで夢設定する時間ロスだとか言ってこれ飛ばすんですけどね(さすが化け……じゃなくて13歳の金髪ロリ美少女)

 

 RTAなので当然倍速とスキップを多用して攻略していきます。

 テキストはほぼ読めませんが、選択肢は基本『はい』で大丈夫です。

 読んでる時間とかありませんし、夢の設定さえ忘れなければよほどクソの乱数引かない限りステの変化はそう変わりません。

 

『幼稚園入園』

 

 体を目一杯動かさせましょう。

 部屋の中で遊ぶな、外行け外。

 あとは、音楽には積極的に食いついておきましょう。

 そうすれば習い事などで経験値旨味です。

 

『小学校入学』

 

 体育の授業と音楽の授業に集中、他はどうでもいいです。

 落ちこぼれると習い事消えたり塾増えたりかなりのマズ味ですが、天才なので問題ないです。

 あとは卒業までにイベント踏めるかですが……

 

『ゆりはアイドルのオーディションの張り紙を見つけた』

 

 お?

 まじか!

 このタイミングでオーディションです。

 

 ここから、親の乱数次第でオーディションイベに進めるのですが……

 

『興味あるなら受けてみる?』

『いいの!?』

 

 っしゃ!!

 

 これ、かなりの上振れですね。

 この時期だと確率そんな高くないんですが、ステータスの初期値高かったからか本人も親も自信を持ったのでしょう。

 親バカ万歳!

 まぁ、ゆりちゃんの場合親バカとかではなく本物の天才ですからね。

 当然の結果です。

 

 それにしても、本当に早いですね。

 大器晩成で初速これは、自己ベスト狙えるのでは?

 後半はもう圧倒的ステの暴力で蹂躙できますから。

 

 うん?

 友達誘うの?

 いいねぇ。

 

 さすがゆりちゃん、もう百合に目覚めたようです。

 名は体を表すとはこのことですね。

 だから、名前を『ゆり』にする必要があったんですねぇ(笑

 

 くだらない冗談は置いといて、このイベはデメリットとかほぼ存在しないのでガチ旨味です。

 

 友達が落ちても、芸能界で必要な精神力に補正かかりますし。

 もし受かったらそれはそれで旨味、練習に補正がかかりますし精神力の消費が減ります。

 もし才能のある子なら幼馴染ユニットとかで訴求力アップ、売れるまでの速度にバフをかけれます。

 

『オーディション』

 

 はい、ゆりちゃんの将来の掛かった運命のオーディションですが……

 突然として始まる音ゲー。

 アイドルのオーディションだからってゲーム変わりすぎでは?

 

 この音ゲー、ライブだとか収録だとかのたびに発生し難易度が結構高いので厄介です。

 オートでも出来ますが、自キャラに経験がない状態でやると単純にステータス参照して乱数ですのであまり期待できません。。

 比較的高ステータスなのでそれでも通る可能性もありますが、ここは安全策をとりしょう。

 

 いくらゆりちゃんが天才とは言っても大器晩成ですしお寿司(ロス?ガバ?)

 その代わり後半安定するのでここでのロスはガバじゃないです。

 ないったらないです。

 

『パーフェクト』

 

 走者ならパーフェクトぐらい取れて当然だよね?

 初回パーフェクト取ったら、あとはオートで倍速です。

 自キャラに経験があるとステータスでの乱数に経験で補正を掛けてくれるので、

 

『総合評価:S』

 

 当然の評価S!

 

 だから、操作してでもパーフェクト取っておく必要があったんですねぇ。

 このままアイドルになっても売れるレベルとの評価なので、合格確定です。

 さすが天才&初期値最高、大器晩成のデメリットをものともしてません。

 

 素晴らしい、ゆりちゃん。

 君は天才だ。

 この大器晩成、天才のおかげかゆりちゃんの運命力のおかげか晩成(若い頃に成長しないとは言ってない)になってますね。

 

 あれ?

 画面の倍速が急に……

 

『オーディションの結果が返ってきた』

『結果は……落選だった』

 

 え??

 落ちた!?

 ……なぜ?

 

 この評価、このステータスで落ちるわけ、

 

『少女はテレビをみてため息をついた』

 

 あ、これはまさか……

 

『そこには一緒にオーディションを受けた友達が映っていた』

『「友達に"一緒にオーディション受けよう"って誘われて付き添いで受けたら私だけ受かっちゃって……」』

『“アイドルの友人A”を取得しました』

 

 マジか、これ踏んだのか……

 ゲームオーバー食らったんだが?

 

 このパターンってことは、オーディション『さくら』とかち合った?

 いや、友達ってことは……ゆりちゃんが誘った友達ってさくらかよ。

 まさかラスボスと同じクラスで、しかも自らラスボスをオーディションに誘っちゃうなんて……

 どんな確率だよ。

 

 さくらとオーディションで出会った子は、圧倒的な才能差を見せつけられて心が折れちゃうんだよなぁ(謎設定)

 ここからでもプレイは続けられますが、ステータスにとんでもないデバフが掛ってまともに王道ルート歩めません(トラウマ定期)

 解除するにしても、金トロの取得条件満たすのに時間が掛かり過ぎるのでこのRTAではリセですね。

 

 オリチャー挟む余地すら与えないとか、このラスボス走者に厳しすぎでは??

 

 ある程度アイドルとして成功した後も会うたびにガンガン精神削ってくるし……

 このさくらとかいうキャラ、ほんとに人間か怪しいものだ。

 こいつなんてUMA?(APPとかも多分人類の限界値超えてると思われ)

 

 ゆりちゃんも負けないぐらいの才能を持ってて、なんならもう少し育てば圧倒できるぐらいの天才なんだけど……磨かれる前の原石とカットされた宝石の違いかな。

 やっぱ素人目には見え方がね。

 まぁ、RTA走ってて自キャラが金トロ目指せる時期には既にトップに立ってるキャラだからね。

 天才とはいえ大器晩成が幼少期にラスボスに会ったら、そらそうなるって。

 

 仕方ないね。

 

 RTAしてたのにクリアすら出来ないとか、RTAやめちまえよ。

 まぁ、今回は運が悪かったってことで。

 切り替えて行こ。

 

 時間早いし、もう一回走るで!!

 

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「ゆりちゃん、明日のレッスン一緒に行こうよ!」

 

「え?」

 

「お母さんに聞いてないの? 昨日手紙が来て、合格者は明日からレッスンだって書いてあったってよ」

 

「……」

 

「たのしみだなぁ。私、誘われるまでアイドルにあんまり興味なかったんだけど、ゆりちゃんと一緒ならとっても頑張れちゃうきがするんだ」

 

「ごめん、さくらちゃん。……わたし、落ちた」

 

「え?」

 

「オーディション、落ちたの。だから、1人で行って」

 

「……」

 

「あ、もう時間。帰らないと……」

 

「待って、ゆりちゃん!」

 

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