それと最初の※超注意は絶対に読んでおいてください。
とんでもないキャラ崩壊が随所で見られるので、本当に注意してお読みください。
File1
顔に付けた包帯が邪魔に感じるが…それよりも顔の傷が滲みて表情が歪んでしまう。
それでも《少女》は包帯を解いた。
露わになる醜い顔。
それでも《彼女》は、セリフを言う。
「見よ…禍々しいこの顔を…!この禍々しき獣は地獄の業火に焼かれながら…それでも私は、天国に憧れる…」
そして《彼女》は…屋上から飛び降りた。
ー2ヶ月後ー
「ねえねえ、綺世!私が紹介した三木先輩はどうだった⁈」
昼食を摂っている神津
「別に…至って普通。告白もされたけど、断ったわ」
それを聞いた周りの女子たちは「ええええええええええ⁈」と悲鳴のような声を上げた。綺世は面倒そうに顔を上げ、「何?」と呟いた。
「あんた!三木先輩って、ファンクラブがあるほどの超イケメンなのに断ったの⁈…流石というべきか…」
「興味なかったのよ、それにチャラチャラした人はそこまで好きじゃないし」
「ふーん、綺世も固物ねえ。どうして誰とも付き合わないの?」
その答えを綺世は答えずに、空になった弁当箱を片付けながら席から立った。まるで逃げるような綺世に女子たちは今度はこんなことを言ってきた。
「まさか、あの金田一はじめが好きだって訳じゃないわよね?」
その言葉に一瞬綺世は立ち止まるが、すぐに微笑を溢して「そんなわけないでしょ」とだけ伝えた。だが、教室を出てすぐ…彼女の頬はほんのりと赤く染まっているのだった。
ー更に1ヶ月後ー
フェリー乗り場の前でおずおずと待つ綺世。それもそのはずだ。綺世が呼んだ《彼》が未だに集合時間になっても来ないのだ。時計を何度も見る綺世に対して、演劇部の緒方先生が聞く。
「金田一くんはまだかしら?」
黒い長髪を靡かせ、妖艶な雰囲気を纏わせる緒方先生。普段から非常に優しい先生であるが、この遅刻を許してくれているのか…綺世には皆目見当が付かなかった。
「本当にごめんなさい、緒方先生。あいつにはきちんと来いって、伝えておいたのですが…」
「大丈夫よ。ただ、あっちに着いたらビシバシやっていいわよ?」
「ええ、元々そのつもりです」
その時。
「俺をどうするだって?」
漸く遅刻した主が姿を現した。
綺世よりも15cm近く高い身長、整った顔、服を来ていても分かる筋肉がついた身体。そう…この彼が浅見綺世の古くからの幼馴染:金田一はじめである。それと同時に演劇部の部員である日高織絵が黄色い声を上げた。
「え⁈金田一くんが来る⁈楽しい合宿になりそうね‼︎」
「そうね、退屈な合宿を華やかにしてくれる王子様…といったところかしら?」
同調して早乙女涼子も先程よりも元気が出たように見える。
それを見たはじめは綺世に聞く。
「おい綺世、俺はこの女子たちを喜ばせるためだけに呼んで来たんじゃねえだろうな?もうすぐ英語の試験があるのに呼び出しやがって…」
「良いでしょ、どうせ勉強しなくても100点取れるんだし。それに演劇部は今人手不足なの。いいから早く乗りなさい」
「ったく…扱いが酷いぜ…」
はじめは文句を垂れ流しながらも、フェリーに乗り込んだ。その後、出発時間から3分遅れて、フェリーは目的の島:歌島へとアクセルを全開にした。
はじめすぐに眠りに就こうとしたが、即座に綺世に叩き起こされる。
そして1つの台本を差し出される。
「……」
「いいから受け取りなさい!」
「…手伝いって、まさか演劇の?荷物運びとか、もっと別のことじゃないのか?」
「当たり前じゃない、演劇部の合宿でどうして演劇以外の手伝いであなたを呼ばないといけないのよ。この台本を読んで、どこで音響を鳴らしたらいいか覚えなさい。はじめちゃんなら余裕でしょ」
「全く…便利使いしやがって…。俺に自由はないのかよ」
「あったじゃない、昨日まで」
はじめは溜息を吐きながらも、台本を受け取る。
なんだかんだ文句を言いながらも、綺世の頼みを聞いてくれるはじめに綺世は大満足だ。すると、はじめは台本を軽く見ながら、彼の中で湧き上がった謎を聞く。
「で…どうして演劇部は人員不足なんだ?」
「え?」
「俺の知る限り、去年の学園祭で演劇部は卒業生を除いても20人はいたはずだ。なのに今はお前を含めても、9人…。何かあったのか?」
それを聞かれた綺世は髪の毛を弄る。
彼女が髪を弄る時は大体答えづらい時の癖だ。
しかし、その謎もはじめは大体想像がついていた。
「2ヶ月前…自殺した月島冬子だろ?だがそれだけでは…」
「はじめちゃん‼︎」
綺世は突然はじめの口を塞ぎ、周囲の状況を窺う。
楽しい話し声がフェリーの中で沸き起こっており、変化は見られない。
「その話はしないで。特に彼らには絶対に…」
「……訳あり、か。まあいいさ、俺には関係ない。俺はまだ眠いから寝る…」
「ちょ……台本は?」
「もー覚えた」
すぐにはじめは寝息を立ててしまった。
それを見た綺世は(全く…)と呆れながらも、自身の台本を見る。
すると、後ろの席から何やら視線を感じた綺世が振り返ると、寝ているはじめを見る日高と1つ年上の先輩:布施が覗き込んでいた。
「…何か?」
「金田一くん…寝ちゃった?」
日高は恐る恐る綺世に聞く。
「ええ、どうせ夜遅くまで勉強していたんでしょうね。ガリ勉だし」
「へえ…凄いなあ」
そう、はじめはこんな面倒臭がり屋な反面、成績はいつも上位…というかトップだ。その下にいつも綺世の名前があるため、順位表の前ではよく2人の喧嘩が見られた。
「でも、いくら要領のいい金田一でも、いきなり音響係は荷が重いんじゃないかな?彼には普通に荷物運びでいい気も…」
布施はそう言いつつ、軽々しく綺世の肩に手を触れる。
あんまり良い気のしない綺世は布施の方には視線を向けずに会話を続ける。
「最初はそう思いましたけど、彼…私よりも何もかも上手に出来るので」
「それなら…神津さんも舞台に立たないか?そのルックスなら全然申し分ないし…」
布施がそう言いつつ、更に自分の方に抱き寄せようとする。嫌悪感が更に増した綺世が彼の腕を振り払おうとしたとき、不意にはじめの声が聞こえた。
「布施先輩、そいつは無理な相談だ」
「お、起きてたのか…」
はじめが起きていたことに動揺して、瞬時に綺世から離れる。
「綺世は演技がちっとも上手くない…。あまりに正直すぎる性格で、自分を演技で誤魔化すなんて出来ない奴だ。ルックスだけで舞台に上げようと考え至るのは、ちょっと安直すぎねえか?」
その言葉に布施はむっとした表情を作り、そそくさと自分の席に戻って行った。
綺世は助けてくれたことに感謝していたが、それと同時に彼が言った『演技がちっとも上手くない』について、言及した。
「演技が上手くない?私だって少しくらい…」
「演技なんて、上手じゃなくても何が悪いんだ?逆を返せば、『絶対にウソをつけない』ってことだからな。ま、そういうところは嫌いじゃないからな、俺」
「はじめちゃん…」
「まあ、俺に対して口うるさいところは嫌いだけどな」
最後の一言に綺世の顔に青筋が立った。持っていた台本で思いっきりはじめの頭部を叩くと、周りの人に聞こえるくらい大きな声で怒鳴った。
「何よ!折角少しは見直したと思ったのに!!」
そのまま綺世は怒りのままに立ち上がり、後方の席へと移動する。
頭を摩りながらはじめは「なんだよ…あいつ…」と愚痴を零しながら、再び昼寝につく。
その様子を見る綺世は、小さな声で「バカ…」とだけ呟くのだった。
それから船に揺られること、数十分…。
はじめと綺世、そして彼らの高校の演劇部を乗せたフェリーは1つの島に到着しようとしていた。その断崖から姿を見せる洋館にはじめは視線を向けた。
(あれが…綺世が言っていたオペラ座館か…)
まるではじめたちを見下ろす形で
はじめたちは予想をもしてなかった。ここで、見るも悍ましい惨劇に巻き込まれるとは…。
補足1 『金田一はじめの設定』
もうありとあらゆる面で改変しています。まず高身長イケメンで文武両道、という風にしました。
補足2 『神津恭介の孫娘、神津綺世に関して』
原作の七瀬美雪に代わるヒロイン枠です。神津恭介は日本3大名探偵と呼ばれる1人です。なんか不意にヒロインも超が付く名探偵だったら、どんな展開になるかなあ…と思って執筆したに至りますw
まあプロローグ的な兼ね合いも含めてこんな程度で。
マジでひょんな思いつきから始めたものですが、ちょっとでも楽しめたら良いです。