金田一少年と神津少女の事件簿   作:GZL

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File6

早朝3時半に叩き起こされ、食堂に集められた一同だが…その表情は眠い、イラつき、怒り、戸惑いと十人十色であった。だが、はじめはそんな視線は一切気にしない。

 

「…こんな朝早くに起こして悪かった。だけど、この吹雪が止む前に事件の真相を明らかにする」

 

「犯人はニセ氷室で事件は終わったんだろ?」

 

大門の言葉にはじめは真っ向から否定した。

 

「いや、水沼は自殺じゃない。彼もまた真犯人に殺された1人だ!」

 

それを聞いた明智は深い溜め息を吐いた。

 

「待ちなさい、金田一くん。事件の真相は()()解いたのですよ?賭けに負けたからって、デタラメ言うのは子供以下ですよ?」

 

上から目線でしかない明智に綺世が立ち上がり、再び抗議をしようと思った時、はじめの冷徹な声が響いた。

 

「うるせーな…クソ刑事」

 

普段…いかに面倒でもほとんど怒りや罵倒、蔑視といった言葉を見せないはじめに、綺世は思わず息を飲んだ。

 

(…本当に怒っている)

 

「テメエはまだそんな低次元な話しか出来ないのかよ?」

 

「…何ですと?」

 

「これはお前が楽しむためのゲームじゃねえって言ってるんだよ‼︎黙って聞いてろ…」

 

ここまで言われたからには、明智もはじめの話を大人しく聞くことにした。だがそれでも明智ははじめを見下していた。はじめの自信に満ちた表情が焦り、喪失するところを見てみたいという低欲な願望が渦巻く。

 

「…良いでしょう。聞きましょう。まず…何故水沼が犯人ではないと言えるのです?」

 

「簡単な話だ。彼が右手にペンを持っていたことだ」

 

はじめの発言に全員の頭上に(ハテナ)が浮かぶ。

 

「何を言うんです?水沼が右利きなのは周知の事実。それがどこがおかしいですか?」

 

「それを説明する前に…明智さん、このハサミで紙を切ってみてくれ」

 

明智に手渡したハサミは、綺世が氷室の部屋で見つけたものだ。

それを受け取る明智は「くだらない、こんなことで何が…」とまで呟いたが、そこで言葉が止まる。どうしたのか…と全員が覗き込むと、明智が何度も紙に刃を入れても、全く切れないのだ。刃が錆びている訳でもないのに、何故かと思っていると…明智は気付いた。

 

「…!これは、左利き用のハサミ!」

 

「そうだ。右利き用と左利き用では刃の合わせ方が異なる。だから右利きの明智さんにはそのハサミは使えない。因みにこのハサミは、氷室の部屋で見つけたものだ」

 

「…それが何だと言うのです?氷室画伯の部屋にあったのなら、本物の氷室画伯の持ち物でしょう?」

 

「…それがなぁ、これを氷室画伯が買うことは絶対出来ないんだ」

 

「!何だと?」

 

はじめはハサミが収まっていた箱を明智に投げる。

それを受け取った明智の表情が…見る見るうちに変わっていく。

 

「バカな…」

 

「何?どういうこと?きちんと説明して、はじめちゃん!」

 

「この箱には商品の値段ラベルがあってな…そこには『消費税10%』と書いてあるんだ」

 

それを聞いた綺世は漸く気付く。

はじめが初めてその箱を見た時、表情を一変させた訳を…。

 

「それがどうかしたの?今だって消費税はあるし…」

 

「玲香ちゃん、今の消費税は?」

 

「え…10%だよね?」

 

「そう…。今は10%だ。だけど…10%が施行されたのは今から4年前の2019年。その6年前に死んだはずの本物の氷室が買えるわけがないんだ‼︎」

 

全員がその事実に気付き、表情を変える。

 

「つまりこのハサミは水沼が買ったことになる。だが何故左利き用なのか…。答えは単純だ。水沼も左利きだったからだ!」

 

驚愕の表情を貼り付けた明智に、はじめはとある写真を見せた。そこには剣持に頼んで入手した水沼の学生時代の写真だった。そこに写る水沼は左手にグローブを付けていた。

 

「本当だ!でも…どうして彼は右利きの振りを…

 

「水沼自身があの肖像画を見て、本物の氷室が右利きだと思い込んでいたからさ…。だが、真犯人もそんな水沼を見て…彼を右利きだと勘違いした」

 

はじめの口から語られる真実…これは明智の推理を根本から覆す結果ばかりであった。今まで構築してきたものが崩れる…初めての感覚の渦に、明智は巻き込まれていた。

 

「真犯人は、ニセ氷室犯人説にミスリードするために、ワザとあのタイミングで絵を奪い、10年前の飛行機事故に結び付けた。要するに…明智さん、あんたの推理は犯人の計画通りだった」

 

「私の…推理は…犯人の計画の内だと!?」

 

「ああ…犯人の悪魔の知恵が、あんたを上回っていたんだよ」

 

「だ、だけど…ニセ氷室は密室で死んでたんだぞ!?誰も殺せるはずがない!」

 

棟方の焦った声が今度は響く。

 

「あれも簡単なトリックだ。だけど、そのせいで犯人を当てることも出来る」

 

「どういうことです?」

 

「…明智さんが扉をぶち破り、全員の視線が水沼の死体に向く。それと同時に柔らかいフローリングに鍵を落とせば良いだけだったんだ。つまり…犯人は部屋に最後に入り、鍵を見つけた者…それは…」

 

はじめはゆっくりと歩み寄り、犯人が座る椅子に手を置いた。

 

 

 

 

 

「あんただろ…綾辻さん」

 

 

 

 

 

それを告げられた綾辻の表情が一瞬強張る。

 

「綾辻さんが!?」

 

「そんな…何かの間違いよ‼︎綾辻さんには、比留田さんたちを殺す動機なんて…!」

 

玲香の必死の声に、はじめは冷たく言い放つ。

 

「信じられないかもしれないが…これは事実だ。それに、動機はある」

 

はじめは懐から小さな紙を取り出した。

そこには例の飛行機事故の生存者リストが書かれていた。

 

「氷室一聖の名前の下に、久世真里奈とあるよな?これ…あんたのことだろ?」

 

「綾辻さんが…あの事故の生存者!?」

 

綺世の声に驚きが混じる。

それを言われ…今まで沈黙を貫いていた綾辻が漸く口を開いた。

 

「確かに…私はあの事故の生存者よ。()()にもね。だけど…金田一くん、大事なことを忘れていない?」

 

「………」

 

「確かに彼女は加納殺しの時、車で別館へ向かっていた。仮にロープで向こう岸に行けても、車は無理だ。それに彼女は時間通りに別館に到着している。アリバイは完璧だ」

 

「聞かせて、金田一くん。どうやって私が、加納さんを殺せるというの?」

 

綾辻の声はあまりに落ち着いていた。

それが更に綾辻の怪しさを増長させていたが、実際…綾辻のアリバイに関しては誰よりも完璧なものだった。

明智もこれではじめも万策尽きただろうと思ったのだが…。

 

「…そこまで言うなら仕方ない。今からそのアリバイを崩してやるよ」

 

「‼︎」

 

綾辻の表情が一気に曇る。

はじめは防寒着を羽織り、全員を例の谷が急激に狭くなっているところへと移動させた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

外は既に明けてきており、朝日が上がるのももうすぐだった。

 

「何をする気かね?金田一くん」

 

「別に…ただ、向こう岸に渡ろうと思ってるだけだ」

 

その言葉に全員が耳を疑った。

この谷には何も掛かっていない。ロープもないようだった。

だが、全員が狼狽えている中、はじめは恐れを知らずに谷の方へと歩みを進める。

思わず明智たちが止めるように声をかける。

 

「やめさない!金田一くん!推理に手詰まったからといって、自殺するつもりですか!?」

 

「はじめちゃん、止まって‼︎そのまま進んだら…‼︎」

 

だがはじめは止まらない。

むしろ手を振って、余裕の表情を見せる。

そして、はじめが崖から足を踏み出し、玲香と綺世が駆け出した瞬間…信じられないことが起きる。

 

「え…」

 

「な…!?」

 

スタスタと…空中を歩いていたのだ。

はじめは谷の間の虚空を歩き、中間で止まり「な?大丈夫だろ?」と得意げに言った。

 

「もうすぐ日が昇る。よーく見ろよ!これが綾辻さんが使ったトリックだ‼︎」

 

太陽が山間から顔を出して、はじめたちを照らした時…()()は見えた。暗かったことで今まで見られなかったが、朝日が照らしたのは本館と別館を繋ぐ巨大な氷の橋だった。

 

「これは…氷の橋…‼︎」

 

「そう、これで本館と別館を往復するのに10分と掛からない。そうだろ?綾辻さん」

 

「っ…!」

 

綾辻の表情が誰にでも分かるくらいに歪む。

 

「でも金田一くん!どうしてこんな橋が出来るって分かったの?」

 

「玲香ちゃん、出来たんじゃない。作るんだ!」

 

「ええ!?」

 

「まず…この谷の間に幾本ものロープを張り巡らせる。そのロープの上に飼い葉を置き…上から水をぶっかける。水はこの寒さで一瞬で凍りつき、頑丈になったらロープを切ればいい。そうやって…この橋が出来たんだ!だけど…この橋を目撃した人がいたんだ。それが最初に殺された明石さんだった」

 

「明石さんが…」

 

「その最中で明石は殺され…事切れる瞬間に飼い葉を握ったんだ」

 

「川で見つかったロープ、明石さんの握っていた飼い葉、一瞬で水が凍る極寒がヒントになったのね、はじめちゃん」

 

「ああ!」

 

明智はただ茫然としていると、今度はクラクションを鳴らして剣持が現れた。

 

「どうせあんたのことだ。この橋が車の重量に耐えられるか…知りたいんだろ?良いぜ!オッサン!」

 

「ああ!任せろ‼︎」

 

剣持はそれなりに慎重になりつつ、ワゴン車を橋の上へと移動させる。

少し強張った表情のまま、剣持が橋の上で車を停止させたが…氷の橋は全く崩れることはなかった。

 

「すごーい!ワゴン車が乗ってもビクともしない‼︎」

 

「……こんなことが…」

 

「驚くのはまだ早い。これから最後の仕上げだ」

 

ワゴン車を元の岸に戻すと、はじめと剣持は余った飼い葉を橋の上に大量に置き、その上にガソリンをぶち撒ける。そして…はじめは剣持からライターを借りて、飼い葉に火を放った。

ガソリンの影響で激しく燃える飼い葉。それは巨大な炎となる。

 

「みんな、よく見てろ…」

 

最初は何事もなかった橋だったが、炎の熱で溶け出し、基盤が緩む。更に下の方で湿った飼い葉が重しとなって、氷の橋は崩れた。

その崩れる瞬間は正に…巨大な炎の塊だった。

 

「これがあの夜見えた…【鬼火】の正体だッ‼︎」

 

「鬼火…!」

 

崩れた橋は川に流され…跡形もなく消えた。

 

「この濁流ではロープも飼い葉も見つからないと踏んでいたんだろうが…生憎、ロープ1本は見つかった。しかも焦げ跡もあったから、この氷の橋のトリックを解くには重要なヒントになったぜ。…これでもまだ自分ではないと言い張るかい?綾辻さん」

 

「……」

 

綾辻ははじめに視線を向けたまま、ピクリとも表情を変えない:。

 

「…何故だ?飛行機事故の取材に来ただけの彼らを殺す必要があったんだ?10年前…一体何が…」

 

「…フッ」

 

その時、彼女が見せた不気味な笑みに…全員がゾッとした。

 

「別に…あんなゴキブリ共は死んで当然よ‼︎」

 

更に吐き捨てた言葉には、後悔は全くない。

 

「ねえ、金田一くん…地獄の夢って…見たことあるかしら?」

 

「………」

 

「10年前…私は激しい轟音と共に気絶して…すぐに起きた感覚だったわ。隣にいたはずの父も母もおらず…周りは機体の残骸と焼けた肉と腐った肉の臭いが蔓延る地獄の場所だった。それでも私は…諦めずに両親を探した。そして…母親は見つけた。お母さんは…瓦礫に足を取られて動けず…真上の瓦礫もいつバランスを崩して落ちてきてもおかしくない…。…それでも、私には何も出来ず…ただじっと見ていることしか出来なかった。そんな時…()()()()が来たのよ‼︎」

 

その時…ふと声がした幼き綾辻は母を助けてもらおうと必死に声を上げた。だが、彼ら…比留田たちは何かに夢中で、全く綾辻の願いを聞き入れてもらえなかった。

挙句に吐かれた言葉に…綾辻は呆然とした。

 

 

『退いてろ‼︎ガキはどっかに行ってろ‼︎』

 

 

まるで人間が言ったとは思えないものだった

 

「あいつら…まるでゴミの中を這いずり回るゴキブリそのものだった。私は諦めて、崩れ落ちる瓦礫を必死に支えた。だけど、母は私を助けるために突き飛ばして…死んだ。その時、私の中で復讐の炎が沸き起こった!何年かけても…必ずゴキブリ共を根絶やしにしてやると…‼︎…あれから親戚に引き取られた私は、毎日のようにあの時の光景を夢で見たわ。忘れたくても忘れられない…母親が瓦礫に埋もれていく悪夢をね…」

 

綾辻は全てを吐き終えると、剣持の前に立った。

 

「さあ?捕まえるなら捕まえてください。私の生きる目標は達成した。人生に…もう悔いなんてないわ」

 

剣持は複雑な心境で、綾辻に手錠を掛ける。

それと同時に警察が応援で寄越したヘリが到着する。ヘリに乗る間際…綺世は叫んだ。

 

「綾辻さん…!」

 

その声に綾辻は足を止める。

 

「私も…悪夢を見たことあるわ。私は…大切な人を失いかけた」

 

綺世が見た悪夢…それは、はじめが死んでしまう夢…。

あの学園七不思議ではじめが重症を負った際のことだ。

 

「綾辻さんみたいに失ったわけじゃない、対等に話せるとは思っていない。だけど…綾辻さんのお母さんは、こんな生き方を望んでいなかったと思うわ!」

 

その言葉に綾辻の身体がピクリと揺れる。

 

「生き延びて…幸せになって欲しかったはずよ?今からでも遅くない、きちんと罪を償えばやり直せる!」

 

「…お説教なんてごめんだわ!」

 

綾辻はそのままヘリに乗り込む。

しかし…それと同時に涙を一筋流しつつ、ひどく小さな声で呟いた。

 

 

 

「綺世さん…ありがとう…」

 

 

 

その声は綺世には届かなかったが、はじめの耳には聞こえていた。

 

「私の言葉程度じゃ…彼女の心を変えられない…か」

 

「そんなことねえよ、お前の言葉は、きちんと彼女に届いていたさ」

 

ヘリがこの場から消え去るところを見送ると、はじめは未だに自身が負けたことに動揺を隠せずにいる明智に言い放つ。

 

「…あんたの誤算は、自分が()()()()()()と勘違いしていたことだ。まずはその自意識過剰な部分からゆっくりと直すことだな」

 

はじめはそのまま本館へと戻っていく。

同じようにはじめの後を追う綺世も、「ふん…」と明智を蔑視する。

最後に剣持が近寄り、明智の警察手帳を返した。

 

「俺は賭けに乗ったが、警視を破滅させるつもりはありません。それにこれで借りを作ったとも思わないでください。俺たちは…ただ犯人を突き止めただけです」

 

明智は「…そうですね」と呟き、警察手帳を拾い上げる。

 

「確かに…今回は思わぬ失態を見せてしまったようです。しかし…」

 

(次は負けませんよ、金田一くん!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー2週間後ー

はじめと綺世は同じコタツに入り、テレビを付けていた。

そこには速水玲香が映っており、本日…バレンタインデーに関して話していた。もちろん、綺世も用意しているが…はじめは毎年要らないと突っ返して来るため、未だに渡せずにいる。

 

『玲香ちゃーん、チョコはいくつあげたのぉ?』

 

『…1個です!本命の人に‼︎』

 

爆弾発言にテレビの中はシーンとしてる。

はじめは「へえ…本命ねえ…」と暢気に呟くが、綺世はコタツに入っているのにも関わらず冷や汗全開だった。

 

(まさか……まさか…よね?)

 

冗談であって欲しいと願っていると、はじめの家の呼び鈴が鳴る。

 

「わ、私が出てくるよ!」

 

今の表情をはじめに見られたくないため、綺世が応対する。

すると…宅配が渡してきたものに、綺世は衝撃を受ける。

 

「こ…これ…はじめちゃん宛のチョコ?」

 

しかも手紙が添えられており、

 

 

『金田一くん  君を想う  R.H』

 

 

と書かれている。

誰かなんて…考えなくても分かる綺世は、即座に握り潰そうかと思ったが…。

 

「………」

 

綺世ははじめのところに戻り、彼に2つのチョコを渡す。

 

「…何だこれ?」

 

「今速達で来たの、2つとも…本命らしいよ?」

 

「えっ!?」

 

寝惚けていたはじめも今の話で目が覚める。

だが、途端にはじめから衝撃的な言葉が出る。

 

「…お前のは?」

 

「へっ?」

 

「綺世は作ってないのか?」

 

「作ってないよ!?だって、いつもあげても要らないって言うから…!」

 

焦りに焦る綺世だったが、はじめは「ふーん」とだけ言うと、綺世のチョコに手を伸ばす。そして、それを口に入れると…。

 

「このチョコ、綺世のとそっくりな味だな」

 

「!」

(何で分かるの!?)

 

「この…あまりに甘すぎて、クソ不味いところとか…」

 

「え…?」

 

「いやな、俺がお前のチョコ貰わない理由…実は、不味くて食えるものじゃなかったんだよ」

 

突然知らされる真実。

綺世はポカンとするばかりだったが、徐々に恥ずかしさと怒りが膨れ上がっていく。

 

「お、こっちのチョコは美味いな。…R.H?誰だ…?」

 

はじめがもう片方のチョコを食べた途端…綺世の拳骨がはじめの脳天を貫いた。

 

「いでっ!?な、何するんだよ!?」

 

「もう知らない‼︎バカぁっ‼︎」

 

綺世はそのまま家から飛び出してしまった。

 

「…何怒ってるんだ?あいつ」

 

自宅に戻った綺世は、キッチンに入りチョコを再び作り直す。

だが…何度作り直しても…その味は改善されることはなかった。




はい、『嘆く雪夜叉は吹雪を血に染める』、完結です。
補足から言うと…かなり完成度は低くなってしまいました。まず、そもそも書くつもりはありませんでした。しかし、速水玲香と明智警視をこれから出すに至っては、避けられないと思い、執筆しました。

それと…自分の勝手ですが、本作では既に『悲恋湖伝説殺人事件』は起きた後だとさせてもらいます。まあ理由ですが、ただ単にいつき陽介を登場させたいだけです。なので、いつきとはじめが仲良しでも、不思議と思わないで欲しいです。



次章予告『神津少女の殺人』
フリーライターいつき陽介から、とある大物作家の原稿探しを手伝ってくれと依頼されるはじめと綺世。だが、その別荘で殺人事件が発生。容疑者はなんと、神津綺世。綺世の無実を証明するために、はじめは綺世を連れて共に逃亡を図る。
だが、徐々に警察の包囲網に逃げ場を失い…はじめはとんでもない行動に出る。

「綺世…死んでくれ」

「え…」
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