Knockin' On ***'s Door 作:moco(もこ)
最後の最後まで、自分の意志で扉をたたくんだ。
その先が天国か地獄かは、知らないけれど。
※
「フランカ、また一人で突っ走ったのかい」
執務机に頬杖をついて嘆息するジャネット・ロックフェロー博士に対して、つーんとそっぽを向く。
「だってジャネット、誰もあたしの言うこと聞いてくれないのよ?」
「あんたがそういうことを繰り返すからだろう」
いつも通りのやり取り。頭が固いやつらばかりのブラックスチール・ワールドワイド(BSW)において、自身の考えに対して是と頷いた人は誰もいなく。
「いい加減一度くらいはあたしの立場になって考えてくれてもいいんじゃないかしら」
「年を取るとね、保守的になるんだ。あと一応人の上に立つという立場もある」
「つまらない話ね」
「残念ながらね。いつまでたってもあたしらの話が平行線なように、あんたにつきあえるパートナーを見つけるのは難しいよ。少しくらい折れたらどうだい」
「イ・ヤ」
そうして組織内で一番近しい人物であるはずの、目前の、自慢のロマンスグレーの髪をなでながらこちらを見上げる女性ですら、あたしのことを理解できないでいた。
「ん」
「……なによ」
「あんたの仮決定のパートナーだ。安全保障部から異動してくる」
「聞いてないわよ」
「言ってないからねぇ」
目の前にずいと出された書類を見る。保守的なBSWの要素を全部取り出してこねてまとめたらこんな顔になるのでは、と思えるほど写真からもわかる生真面目そうな顔。
「あんたもこの子も戦闘スタイルのクセが強すぎる。反発も喧嘩も結構、うまくいかなくて当たり前。ながーい目で見てあげるよ」
「はぁ?」
「フランカ、いいかい」
通達しないで勝手に話を進められたことにいら立ちを募らせながら、ジャネットを見やった。
「人は、一人では生きていけないんだ。だからあんたも組織の一員として生きる方法を模索しなさい」
ジャネットは上司で、あたしは部下。それは変えられない。だから拒否権はなく、口をつぐむしかなかった。
「あなたが、フランカさん、ですか。わたしの、これからのパートナーになるという」
そうやって引き合わされた彼女──リスカムは、写真だけではわからなかったが、華奢と呼ばれるヴァルポである自分よりも一回りは背丈が低い、小さな体躯の少女だった。
少し訛りのある
「リスカムと申します。よろしくお願いします」
このパートナー契約に納得がいっていないような顔だった。笑えばかわいいだろう顔をむすりとさせ、それでも一応握手をしようと差し出した手。
写真で彼女の頭部にある立派な角を見たとき、サルカズにしては実直そうなやつだ、と勘違いした。辺境にある、政府の支配下に置かれたヴイーヴル連合管理区の出身であるという彼女は、人種のるつぼと言われるクルビア出身のあたしでも知らない存在だった。
「……?」
いまだに手を取らないことを不審に思ったのか、小首を傾げた彼女──リスカムににっこりと笑いかける。
「足を引っ張らないでくださいね、リスカムさん?」
「……は?」
どうせうまくいかない。適当なところでケチをつけて解散させてもらおう、そう思っていたから爽やかに喧嘩を売ってやった。怒った姿は人の本質を表すというし、そもそも馴れ合うつもりもないし。
「あたしは、優秀だから」
割れ鍋にとじ蓋とあてがわれた二人なのだから。どうせ、短いつき合いになる。パートナーを解消するのが先か、はたまた戦場で永遠のお別れを告げるのが先か。
あたしの言葉にカチンときたらしい彼女が食ってかかり、それを適当な言葉の応酬でやり過ごす。その軽薄な態度が気に食わなかったのか、ますますヒートアップしたリスカムを適当にからかってやれば、ジャネットが頭が痛そうに額に手を当てた。
ああ、控えめに言ってもいい出会いではなかった。BSWにおける爪弾き者同士、もともといい印象は持っていなかったし。コンビを組んで三日目で任務中に口論になるし。
「──フランカ!」
そう思っていたはずなのに、どうしてこうなってしまったのだろう。
彼女が怒り心頭といった様子でロドスに乗り込んできたとき、心底思ったものだ。
どうしてこいつとこんなに長いつき合いになってしまったのだろう、と。ため息に微かな苛立ちを乗せて。
※
『BS01、前に出過ぎ。戻ってきて』
「あーらら。いっつの間に」
レイピアについた鮮血を一振りで払いながら、耳元で響いた堅物の声で戦場の熱にうかされていた意識が現実へと引き戻される。
敵の数、残り一、二、三……十をこえたところで数えるのをやめ、ぐるりと周囲を見渡す。これは、完全に囲まれてるわね。
『ちょっと、聞こえてるの、BS01』
「
了解だけを相棒に告げ、次の目標を定める。あの指揮官っぽいやつを落とせば場が混乱するだろうと予測して地を蹴る。
遠距離狙撃手が隠れられる場所のない、開けた土地だからこその暴挙。接近戦は得意じゃないけれど、肉薄すれば同士討ちを気にして術師などの中距離攻撃を得意とする敵が攻撃をためらうだろうから致し方ない。
敵の指揮官がなにやら喚きながら拳銃を取り出した。そんなものが当たるとでも思ってるのかしら。
命を賭けた戦場。生命の危機を察した脳が活性化し、普段ならあり得ないことを可能にする。
まっすぐ自分に向けられたものを避けるのは容易い。火を噴いた銃口が放つ蒼白い閃光。それが見えるのだから避けられない道理はない。相手の正拳突きを避けられるのだから、これをかわせない道理はない。
相手に向かって走りながら、顔の位置をずらし、体をひねり、すんでのところで銃弾をかわしてゆく。かする程度は気にも止めない。致命傷を避けながら、頭は冷静に敵の武装を分析する。
あれはリスカムと同タイプの銃ね。なんであいつらが持ってるのかは知らないけれど、なら話は早い。
地を跳ねるように駆け抜け、相手に肉薄して銃のスライド部分を片手で思いっきりひっつかみ、銃口を自分から逸らす。驚いた敵が一発あらぬ方向に発砲してくれたおかげで耳が痛くなったけど、こうすればジャムを起こして二発目を撃てないことを知っていた。驚愕で固まっている敵の腕を捻り銃を奪い取り、鳩尾に膝蹴りを入れて沈める。
素早く操作して弾倉を落とし、ついでに一応安全装置もかけてくるくるとトリガーガードに指をひっかけて拳銃を回していたら、仲間をやられて怒り狂った敵がつっこんできた。
レイピアを軽く握り直す。微かな振動と共に刀身が灼熱色に染まる。勢いよく剣を振り下ろした彼に対して火熱したレイピアを鋭く斬り上げた。甲高い音を立てて真っ二つに折れた剣先が回転しながら後方に飛んでいくのを確認しながら、まさか貧弱なレイピアに、しかもよりによって華奢なヴァルポの女に競り負けると思っていなかったのだろう、すれ違いざまに呆然とした表情の敵の側頭部をレイピアの柄の部分で殴打して昏倒させ、止めを刺した。
瞬間、ぞくりと悪寒に襲われ、反射的にその場を飛び退く。
岩場にまだ一人隠れてたか。的確に脚を撃ち抜こうとしてきた熟練の腕に冷や汗が背を伝う。戦場の勘はやはり馬鹿にならない、本能に従って避けてなければ詰んでいたと思いながら体勢を立て直そうとしたところでまた一人飛びかかってきた。
舌打ちをしながら咄嗟に左腕で防御する。腕一本くらいならいいだろうと冷静にダメージ交換を考えていると。
「フランカ!!」
聞きなれた声が耳に鋭く届いた。反射的に身を引くと、目と鼻の先、すれすれのところにぶん投げられた重盾衛士の黒々とした盾が回転しながら突き刺さる。同時に、突っ込んできていた敵兵士が盾にぶつかる鈍い音と、乾いた銃声。ずるりと盾越しに崩れ落ちる音を聞いて、どうやらリスカムがやったらしいと視界の端で捉えた。
リスカムが走りながら三発、先程の弓兵へと銃弾を撃ち込みながら目の前に滑り込む。走りながらの射撃を当てるのは本来難しいはずなんだけれど、リスカムは走りながらでもぶれのない重心移動で敵の心臓を的確に撃ち抜いていった。
リスカムが前に出ると同時に手榴弾が投げ込まれた。それをぐらりと倒れる盾の下に潜り込み、ハンズフリーで盾を運搬できるように取り付けられたスリングを引っ張って十キロ近くある防盾を軽々と起こして器用に防いで見せる。至近距離で炸裂したというのにびくともせず、背中で盾を支えて耐えていたリスカムと目が合った。
「これが終わったら
「あら。いいじゃない、間に合ったんだから」
「よくない。声音で絶対わかってないと思ってわたしだけ飛び出してきたんだから」
「さっすが相棒」
「殴るわよ。盾で」
軽口を叩きながらもリスカムがこちらを守るように、どの位置から攻撃されてもこっちに跳弾してこない場所に盾を突き刺した。再度盾を背に手元の銃のスライドを引いてストップレバーを操作し、空の弾倉を下から抜き取って放り投げ、新しいものに交換する。流れるような動作で初弾を薬室に装填し、ちらりと盾の小さなのぞき窓から敵の位置を確認して振り返りざまに三発。この距離、止まって撃つとなればさすがの腕前で、綺麗に敵の上半身を撃ち抜いていった。
「優等生の射撃ね~」
「軽口叩いてる暇あったら止血して!」
リスカムの銃のエジェクターから排出された薬莢が、甲高い音を立てて足元に転がってきた。それがこつんとつま先にぶつかって止まると同時に、ぽたり、と血が腕をつたい地に華を咲かせる。そういえば既に左腕はひどい状態だったっけ。アドレナリンが出ていたから今まで痛みを感じなかったけれど、指摘されれば意識が向くわけで。ついでに言うと、さっき無理矢理銃のスライドを掴んだせいで手のひらも痛いし。
「接近戦苦手って自分でも言ってるのに、一人で突っ込まないでって言ってるでしょう!」
「でも、こうでもしないと突破口は開けなかったじゃない」
「ああ、もう! こちらBS02! 重装兵部隊、前へ! 敵勢力を無効化します!」
銃を地面に落としてレイピアで突き刺し軽く壊していると、リスカムがポケットからこちらに止血用の軟膏の入った小さな容器を放り投げながらインカムに怒鳴った。レイピアを銃に串刺したままフリーになった右手でそれを受け取り、片手で蓋を開けてぴ、と傷の深い場所に素早く塗って容器を適当に放り投げる。
「ちょっと、捨てないでよ!」
「ケチくさいこと言わないの~。いいじゃない、どうせみんなが追いつく前に終わらせるんだから。全部終わってからゆっくり回収すればいいでしょう?」
ゆるりとレイピアを引き抜いてあたしが発した言葉に、リスカムがハッとした顔をする。リスカムとのつき合いも長くなる。短い会話でこちらの意図するところを瞬時に察したらしいリスカムが制止の声を発する前に、勢いよく助走をつける。
数メートルあったリスカムとの距離が一気に縮まる。驚いている彼女の頭を手で押さえて盾ごと飛び越え着地、からの加速。一人敵陣へと突っ込んで行くと、リスカムが吠えた。
「フランカ!!」
「フォローよろしく~」
「っ、この!」
戦場にヴイーヴル語の罵倒が響く。
これが、ロドスに来てから。いや、BSWで初めてパートナーとしてリスカムと組んでからずっと続く日常だった。
※
クルビア傭兵団を前身とし、一般的な護衛対象の警護から暴動の鎮圧、天災後の物流の確保や支援、救援と様々な分野で活動する国際的な大手警備会社、ブラックスチール・ワールドワイド(BSW)。入社した頃は鉱石病による感染者の暴動などが表面化しておらず、生体防護処置班員(B.P.R.S)はまだ設置されていなかった。
それでも当時、国家を覗けばトップクラスの戦力を有するほどの大企業だったBSWに入社したのは、ふらふらと戦地を渡り歩いて生活の糧を得ていたあたしにとってひとつのターニングポイントであったのかもしれない。
そうやって辿り着いたBSWであったけれど、どんなに実力があったとしても分け隔てなく新入社員として扱い、画一的な訓練を施すところは肌に合わなかった。そうすることで集団として扱いやすい個人を育てたいのだろうが、自分にとってはいささか退屈で窮屈な環境だった。それは生来奔放なクルビア人である同僚も同じだったのか、娯楽がわりの噂話に花を咲かせる者達も多かった。
入社してしばらく経った頃、ある噂がよく耳に入ってくるようになった。曰く、辺境出身の、常識すら知らない奴が入社してきたと。
当たり前のように周囲にある機器を一々驚きながらまじまじと見る。銃を渡せば小首を傾げながら銃口を覗いて周りに慌てて止められる。閉塞的なここに、面白いおもちゃが入ってきたと言わんばかりにみんなが話題にしていた。
華奢と言われるヴァルポよりも線が細く、なんなら彼女の体は他のみんなよりも一回りは小さいらしい。面白がっていつ辞めるかなんて賭けをしている同僚を冷めた目で見ながら、誘われたら人好きのする笑顔でもって断っていた頃、事件が起きた。
訓練を終え、着替えを済ませて帰ろうかというときだった。爆発音と共に揺れる訓練棟。敵襲だろうか、と身を潜めて様子を伺っていたら、ばたばたと慌ただしくなっていった。
あの馬鹿、ここまで常識知らずとは、など断片的な会話から、どうやら訓練中の誰かが問題を起こしたらしいことを悟り、気配を消して興味本位で彼らについていく。
ひょこ、と人垣からとある訓練室を覗き込むと同時に怒声が響く。
「力加減ってものを知らんのか!」
そう怒鳴った人物は、傷にでも響いたのかうめき声をあげながら床をのたうち回っていた。そしてその死屍累々の先に。
「すみま、せん」
一人の少女が立ち尽くしていた。彼女を中心にして、まるで爆心地のように焦げつき、抉れ飛んだ床。パリ、と空気が揺れた気がした。いまだに状況を理解できていないのか、呆然としながらぽつりと謝罪を述べた彼女の角が燐光を放っている。アーツを使った証拠だ。肘から下が炭化している彼女の右腕の先には、訓練用のアーツユニットが握りこまれていた。
「どけどけ、担架持ってきたぞ!」
「源石は壊れてないだろうな!?」
彼女を中心に停滞していた空気が、人垣をかき分けて足を踏み入れた救急隊員によって動き出した。その喧騒から外れ、火傷もあそこまでいったら神経やってるから痛みはないわよねぇ、などと他人事のように思いながらその場を後にした。
思えばあれが一方的な初めての顔合わせだったように思う。膨大なアーツを一気に源石に流し込めば暴発するということは、アーツに慣れ親しんだ者ならば子供ですら知っている常識だ。それすら知らないとなると、あの子が噂の子かぁなんてぼんやりと思いはしたけれど、その記憶はすぐにすっかりと抜け落ち、リスカムに直接出会うまで思い出すこともなかった。
この事件をきっかけに、これではいつ事故を起こすかわからないと戦々恐々とした上層部は、急遽辺境からやってきたヴイーヴルの少女のために常識という名の特別授業を実施したようだった。これは余談だが、リスカムという先駆者がいたおかげで、後にバニラがBSWに入ったときには皆慣れたものだった。なんなら一々びっくりしている彼女を微笑ましく見守る隊員すらいた。
面倒事しか起こさないヴイーヴルの少女をなぜクビにしなかったのか。それは、ひとえに彼女のポテンシャルの高さと、ひいては極度の人手不足が理由だった。つまるところ、彼女は運がよかった。
BSWはクルビアに本社を置いているだけあって不況になれば容赦なく人員を切るが、あたしたちが入社してしばらくして、新たに鉱石病による感染者の暴動鎮圧や鉱石病の感染拡大を未然に防ぐための専門部署、通称生体防護処置班員(B.P.R.S)を設置したことによって一時的な人離れが起こっていた。そんなものに従事して感染でもしたらたまらないと、多くの人員が逃げたのである。
おかげさまで楽々とB.P.R.Sに所属できたし、そんな周りの様子を気にすることなく黙々と訓練をこなしていたリスカムに対しても、逃すものかと必死になってくれたわけだ。そうしてリスカムという人物は、かけられた分の期待には努力で応える人だったらしい。
電気というBSWに過去にたった数人、現在は誰一人もいないアーツに適性を示し、その小さな体躯からは思いもしないほど強烈な打撃が放たれる。上層部は彼女に常識を叩き込んだ後、今度はアーツコントロールを中心とした特別授業も行ったなんて風の噂では聞いていたけれど、その頃にはみんな彼女の陰口を言わなくなっていた。それは彼女が認められたことを意味すると同時に、別の部署で働き始めたあたしの記憶からも彼女の存在が忘却されたことを意味する。まぁ、覚えてたとしても、あの控えめに言って最悪の顔合わせが好転することもなかっただろうけども。
※
鋭く放たれたリスカムの拳を、一歩右へと踏み込むことによって紙一重で交わす。微かに驚く気配を感じながら彼女の重心を置いていない後ろ足を軽く払ってやった。見かけによらず頑丈で体捌きも安定しているリスカムではあるけれど、こういった、いわゆる正攻法以外の汚いと称される攻撃の類には打たれ弱い。
よろけた拍子に地面に右手をつき、払われた左足をそのまま後ろに引いて腰を捻って右足と共に回転させたリスカムを見て、一、二歩の距離を取る。
右手、両手、左手と体を支える重心を移して独楽のように足を回し、勢いよく左足を蹴り上げる。リスカムの爪先がチッとたなびく髪を掠めていった。これはそもそも届いてない、から。これは本命じゃない。とんとん、と軽快にさらに数歩距離をあければ、振り上げた左足の下を通って、先ほどまで自分がいた場所にリスカムの右足が鋭く地を這うように滑っていった。あれが当たっていたらバランスを崩していただろう。
よく回る腰だと半ば感心しながら、ブレイクダンスのなりそこないのようなキックをお見舞いしてきた彼女を見て、誰かが面白半分に教えたなと軽く嘆息する。
リスカムは頑固で融通がきかないが、人に教わったことは素直に覚えて実践する。それが人を陥れるような汚い手段に変わることはないけれど、単調で読みやすい彼女の攻撃に一種のスパイスを加えるという点においてはなかなかのものだ。犯人に当たりをつけながら距離を取って訓練用のレイピアを引き抜いた。
「く、そ!」
ざざざ、と着々した左足を滑らせながら勢いのまま体を起こしたリスカムの呼吸が乱れる。まぁ、今のは少しだけ面白かった。
盾を失った場合を想定した、得物を持った敵への無手での対処法という名目での訓練。普段は重い盾を引っ提げて戦場を駆けているから意外と知らない人も多いのだが、なにも持っていない彼女は案外身軽だ。
口の端が無意識に上がってしまうのは、果たして。絶体絶命と顔に書いてあるリスカムにどういたずらをしてやろうかと心踊らせつつ、一歩踏み出した。
全8話になります。お付き合いいただけたら幸いです。
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