エヌとの生活!   作:破損

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相も変わらず下手くそです
許して!

感想とかくれたら自分はプリバディのようにチョロいので死ぬほど喜びます


エヌと一緒にプール!

「最近は本当に暑いな...エヌはその格好で暑くないのか?」

 

「はい!私なら大丈夫です!あと先生、朝ご飯ありがとうございます!」

 

とある休日の朝、私とエヌは朝ご飯を一緒に食べながら最近の気温について話していた。

前線基地にも厳しい夏がやってきて最近は外に出るだけで溶けそうな気温と化していた。

勿論ある程度軍人として、前線に出る指揮官として鍛えてはいるが流石にこの暑さは堪える。そんな中でもいつもと変わらないエヌの元気さを若干羨ましく思いながらも他愛のない会話を続ける。

 

あの日遊園地でエヌと恋人同士になってからこうして休日は二人きりで一緒に過ごすことが多くなっていった。とはいえまだ恋人らしいことと言えば買い物デートと指揮官室で一緒に過ごすこと、そして手を繋ぐぐらいの事しか出来ていないが、これから先ゆっくりと色々なことが出来たらなと思っている。

 

「今日は何かしたいことはあるか?」

 

「う~ん...今日は特にありません!昨日は先生と沢山お買い物できたので満足です!」

 

「それもそうだな、今日一日どうしようか」

 

このまま何もせず一日エヌとのんびり指揮官室で過ごすのも悪くない、そう思った時ふとこんな日にいい物を貰っていたことを思い出した。机の中を探してみるとそれはすぐに見つかった。

 

「そういえば最近ヘルムからアークにあるプールのペアチケットを貰ったんだがエヌ、一緒に行くか?」

 

そう言って机の中にあったプールのペアチケットをエヌに見せた。

なんでもヘルムはそこの常連でプールの運営から何枚か優待チケットを貰ったはいいものの微妙に余らせていたらしい。そこで普段のお礼にと言う事で先日私にプレゼントしてくれた。

 

「本当ですか!でも先生、私まだ水着を持っていません...」

 

「私も持っていないからついでに水着を買ってから行かないか?」

 

「そうですね!わかりました、先生!」

 

そう答えるエヌの表情は私と一緒に出掛けることが出来るからか、プールという初めての体験が出来るからか、いつもの数倍増しで嬉しそうだった。

 

 

 

 

 

こうして私たちは近くにあるショッピングモール内にある水着売り場にやってきた。やはり夏真っ盛りと言う事もあってか様々な種類の水着が所狭しと並んでいる。

エヌはこのショッピングモール自体には来たことがあってもこの売り場には初めて来たようで目を輝かせていた。

 

 

「一旦自分の水着を選ぼうか」

 

「はい!そうしてみます!」

 

私とエヌは自分の水着を決めるために一度別れることにした。

 

 

しかし別れたはいいものの別に私は水着にこだわりなんて無い。エヌと別れて1分も経たない内に無難な黒のショートパンツタイプの水着に決めてしまった。

 

こうしてあっさりと自分の水着は決まってしまった為ついでにニケ用の浮き輪も買い物カゴに入れつつ時間つぶしも兼ねて店内にある水着を見て回った。中には誰が着るんだ?と問いたくなる布面積の水着もあったり、これを買う人間が1人しか思い浮かばないようなド派手な水着もあったりしたが意外と見て回るのは楽しかった。

 

しばらくしてからエヌの所に戻ってみるとどの水着にしようかまだ悩んでいるようだった。

水着を両手に手に取りうーんうーんと頭を悩ませている。

 

「エヌどうだ?水着は決まったか?」

 

「う~ん…中々決まりません…あ!それなら折角なので先生に選んで欲しいです!」

 

そう言ってエヌは私の横に並ぶと同時に手を繋ぎに来た。

エヌに頼られるというのは嬉しいことなのだがとても困った。エヌの水着を選ぶとなるとどれも似合いそうで一つに決められそうにない。店内を巡りながらエヌはあの黒のビキニが似合うんじゃないか?いや、あっちのワンピース型の水着もいいな、だがこの花柄のショートパンツとレースのトップスもいいんじゃないか?と自分の水着を選んだ時間の軽く十倍以上の時間を掛けてようやく

 

「この水着はどうだ?」

 

そう言って私は白のフリルが付いたビキニ型の水着を手渡すことに成功した。

 

「うわぁ!先生、ありがとうございます!それじゃあ私はこれにします!」

 

「でも一応試着とかしなくて良いのか?」

 

「サイズは大丈夫だと思います!それにここで見せると先生の楽しみが無くなっちゃいます!」

 

「ああ、楽しみにしてるぞ」

 

「はい!」

 

 

 

 

 

ショッピングモールで会計を済ませてから私とエヌはアーク行のエレベーターに乗り込んだ。そしてアークに着いてから更に移動すること数十分、灼熱の太陽(もどき)に焼かれながらも私とエヌは目的地のプールに着いた。やはり最近の暑さもあってかプールの周りには大勢の客たちが集まっていた。

 

「わぁ~!先生、人が多いですね!」

 

「まあ皆もこの暑さに耐えかねているんだろうな。さすがにこの暑さはキツい」

 

そんな雑談も挟みながらも入場のための受付を終わらせる。

 

「じゃあ、また後でなエヌ。足元には気を付けるんだぞ」

 

「はい!」

 

そうしてそれぞれ更衣室に向かった。

 

 

水着に着替え外に出てみるとまだエヌは着替え終わっていないようでエヌの姿は見当たらなかった。

ただ待つのも暇なので奇跡的に空いていた入口から比較的近い日陰に荷物を置いて買ってきた浮き輪を膨らませながらエヌの事を待つこと数分

 

「先生!お待たせしました!」

 

そう後ろから声がした。振り向いてみると先程買った水着を着ていつも着ているパーカーを片手に持ったエヌが満面の笑みを浮かべて立っていた。

余りにも可愛い、可愛すぎる。その白く透き通る様な肌に白のビキニがよく映える。

 

そのあまりの破壊力に声も出さず思わず見惚れているとエヌがほんの少し不安気な声で話しかけてくる。

 

「先生、この水着似合いませんでしたか?」

 

「いや、余りにも可愛すぎて見惚れてただけだ。とってもよく似合ってるぞ、エヌ」

 

「えへへ、ありがとうございます!」

 

「それじゃあここに荷物を置いて行こうか」

 

「はい!」

 

そう言ってエヌと手を繋いでプールに向かった。

 

 

「先生!気持ちいいですね~!」

 

エヌと私はそれぞれ浮き輪にすっぽり嵌りながら流れるプールをどんどん流れていく。強い日差しで火照った体に冷たい水が掛かり非常に心地よい。

ここ最近は地上での任務にシュエンのワガママ、中央政府上層部の対処や前哨基地での厄介ごとの解決など疲れの溜まる出来事が多かった。プールではしゃぐのもいいがこういう風にただ流されるだけというのもいいな、と思いながら私とエヌ時々会話も挟みながら流れるプールで流れされていった。

 

結局私たちは流れるプールを3周もしてしまった。

 

 

そんなこんなでまったりしていると少し小腹が空いてきた。中央の時計台で時間を見てみるともうお昼の時間になっていた。

 

「いったんお昼休憩でもするか」

 

「そうですね!私もおなかが空いてきてしまいました!」

 

一度荷物置き場に戻り荷物を一度纏めながら辺りを見回す。

確か今いる位置から向こう側に飲食スペースがあったはず、そう思いプール中央の橋を渡って向こうに行こうと歩を進める。しかし中央の橋は皆同じ様な考えをしているようで向こうの飲食スペースに行こうとする人や一度更衣室に戻ろうとする人でごった返していた。

 

流石にあそこを通り抜けるのは難しそうだと思いもう一度辺りを見渡してみるとどうやら向こうの茂みのある方は遠回りになるからかあまり人が居ないようだった。

 

このあたりはプールから少し離れた位置にあるからかプールの方からその喧騒が聞こえてくる程度で

そして茂みの横を抜けようとしたときエヌがいつもより少し小さな声で話しかけてきた

 

「先生、あそこの茂みの向こう側に誰かいませんか?」

 

「どうした...?」

 

そう言われて茂みの向こうをちらりと見てみた。確かに誰かがいるようだ。こんな所で何をしているんだろう?そう思って目を凝らして見てみた。

するとそこでは水着姿のカップルだろうか、その二人が抱き着いてそしてキスをしている真っ最中だった。

 

エヌにその事実をぼかしながら伝えようと思ったがエヌもその姿をしっかり見てしまったようで顔を真っ赤にさせている。

 

「先生...あれって...」

 

「エヌ、邪魔したら悪いしこっそり離れようか」

 

「は、はい!」

 

そう言ってこっそり、少し駆け足で私たちはその場から離れた。

 

 

飲食スペースについてからもさっきの光景の刺激が強かったのか、エヌはどこか上の空で私からの呼びかけにも反応が薄かった。しかし時間がたつと落ち着いてきたのか、いつもの様な笑顔と反応を返してくれるようになった。

 

「先生!このサンドイッチとてもおいしいですね!」

 

「本当だな、マイルドコロッケとどっちが美味しいと思う?」

 

「う~ん、このサンドイッチもとてもおいしいんですけどやっぱりマイルドコロッケが一番です!」

 

「そうか、次の休みの日にまた食べに行こうか」

 

「わ~い!嬉しいです!」

 

お昼休憩が終わった後私とエヌは再びプールに入った。

しばらくはさっきと同じように流れるプールを楽しんでいたが

 

「先生!一緒にあれに行きませんか?」

 

そう言ってエヌはウォータースライダーを指さした。今はお昼を少し過ぎたタイミングと言う事もあってか来た時よりかは空いていそうだった。

 

「よし、それじゃあ行こうか」

 

「はい!」

 

ほんの少しの待ち時間を経て私達の順番が回ってきた。

 

「一人乗り用のボートと二人乗り用のボートとございますがどちらにされますか?」

 

そうスタッフの人が笑顔で問いかけてきた。

 

「二人乗りでお願いします」

 

「はーい!わかりました!ではこちらにどうぞ!」

 

そうしてスタッフの人が用意してくれた小さなボートにエヌと私と向き合うような形で乗り込んだ。

 

「先生、ドキドキしますね!」

 

「そうだな、楽しみだ」

 

時々水の飛沫が掛かってひんやりとする。

 

「それでは、いってらっしゃい!」

 

スタッフの人が声を掛けると共にボートが押し出された。スライダーを滑るボートは徐々に速度を付け飛沫を上げながら右へ行ったり左へ行ったり、そしてあっという間に一番下のプールにたどり着いた。

 

「先生!とっても楽しいです!もう一度やりませんか?」

 

「ああ、今なら空いているしもう一度行こうか」

 

そうして私とエヌは何回もウォータースライダーに乗り込んだ。

 

ウォータースライダーを楽しんだ後も初めの流れるプールだけでなく温水プール、普通のプールをエヌとを楽しんでいるうちにあっという間に時間は流れ、気づけば夕方になっていた。

 

 

 

 

 

「先生、今日はありがとうございました!とっても楽しかったです!」

 

「エヌが楽しんでくれたなら良かったよ」

 

プールからの帰り道、アークから前哨基地に向かうエレベーターの中で私とエヌは今日の思い出について振り返る。

思い出を語るエヌのその表情から今日のプールをとても楽しんでくれたことがすぐに分かった。

一通りの思い出を振り返ったところでエヌが

 

「そういえば先生、一つ聞きたいことがあるんです」

 

「どうしたんだ?」

 

「先生、恋人同士になった人っていうのはキスをすることが普通なんですか?」

 

そんな言葉がエヌから飛び出してきた。

あの昼の出来事を目撃した後しばらくエヌがどこか上の空だったのはこの事を考えていたからなのだろう。

あの遊園地での告白の後から私達の関係はあまり進んでいないと言ってもいい。恐らくエヌはその事実に焦っているのかもしれない。だが少し悩んで私はこう答えた。

 

「確かに恋人同士になればキスだったりあるいはそれ以上の事をするのが普通なのかもしれない」

 

「でも無理にエヌがそうしようとする必要はないさ。私達には私達なりの関係の深め方があるからな、エヌが思うようにすればいい。私はそれに応えるようにするだけだから」

 

確かに私もエヌともっと深い関係になりたいと思う事はある。しかしそれはエヌ本人の意思を無視してまでするべき事ではないとも思っている。例え無理やり深い関係を迫って、それがきっかけでエヌが傷つくなんてことがあったら私は私自身を許せないだろう。だから私はそう答えた。

 

「えへへ、先生はやっぱり優しいですね」

 

エヌは笑った。

 

「先生、目を瞑って少ししゃがんでもらって良いですか?」

 

「これでいいか?」

 

エヌに言われたとおりに目を瞑ってしゃがんだ。エヌが何をしているかは見えないがどうやら目の前まで近づいてきているような気配を感じる。

そして...

 

チュッ

 

頬に柔らかく、少し湿った感触が伝わる。その感触に驚いて目を開けると

 

「えへへ、やっぱり恥ずかしいですね!先生」

 

そんな事を言うエヌが目の前に立っていた。

 

 

 

そこでエレベーターは前哨基地に辿り着いたのか動きを止めた。エレベーターから出ると昼間のあの暑さが嘘のような涼しさになっていた。

 

「先生、明日は何をしますか?」

 

「明日は前哨基地で訓練だな。ラピやアニス、ネオンも一緒だ」

 

「ほんとですか?頑張ります!」

 

私とエヌは来た時と同じように手を繋いで歩き始めた。私とエヌの関係性はあまり変わっていないように思えるが少しずつ、確実に深まっているのだろう。

 

「またいつか先生と一緒にプールに行きたいです!」

 

「そうだな、またいつか行こう。後はもし地上をいつか奪還出来たら、その時はプールじゃなくて本物の海に行こうか」

 

「とっても楽しみです!先生!」

 

「これからも沢山思い出を作りましょうね!先生!」


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