皇帝から三冠を奪ってみる   作:光らないタイプのモルモット

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ほぼ説明回。
不自然にならずに書く方法が分かんねぇ……設定はある程度考えてるけど絶対どっかで矛盾するよなぁ。


トレーナーになりたい。なった。

 

 ある日目が覚めるとおぎゃっていた。

 何を言ってるのか分からないと思うが、俺にも分からなかった。分かったのは、おそらく転生したんだろうことと、母親にウマ耳が付いていたことだけ。

 はい。ウマ娘の世界に転生しました。

 

 

 ウマ娘はアニメくらいしか知らないが、せっかくだからトレーナーになってウマ娘と仲良くなりたいと思うのは自明の理。幸いにも転生特典なのかチート能力なのか、なんちゃってステータス画面が見えるし、記憶力も高い。

 幼い頃からコツコツと知識を集め、中学生の時、過去のレースを見てふと気づく。

 

(あれ、もしかしなくても知ってる娘いなくね? 世代違うのでは?)

 

 知っているウマ娘でレースで見かけたのはマルゼンスキーのみ。もちろんクラシック三冠は走れていない。

 

 とはいえ小学校中学校と周りにウマ娘が存在し、親友とまではいかなくともそこそこ親しくなった子もいる俺は知っている。作中に登場しなかったウマ娘も、全体的に見た目が整っていると。

 

 それとは特に関係はないが、トレーナーにならない理由もない。何故か告白されたこともあったが、子供の頃は多感だから気の迷いもあるよねと涙を飲んで断った記憶もある。

 

 そして、せっかくなら強いウマ娘を育ててみたいと思うのが男の本能(知らんけど)。

 伸び悩んでるウマ娘を華麗にスカウトし、立派に育て上げ、GⅠを勝った暁には抱き合って喜ぶ。それが今の俺の夢である。ちなみに、この抱き合うには胸部装甲は関係ないことを明記しておく。喜びに水を差すようなことを考えてはいけない(戒め)。

 

 

 さて、そんなこんなでトレーナー試験にも無事合格し、中央トレセン学園の面接。確かアプリ版にはちびっ子理事長がいたような気がするが……

 

「では、自己紹介をどうぞ」

 

 なんかそこそこ厳しそうな女性の方なんですけど? 話が違うじゃないか!

 

 

 どうにかこうにか面接を合格し、トレーナー寮に引越しも完了。理解のある両親に感謝しなくてはならない。転生したせいか多少年相応に精神は引っ張られるものの、実質倍の精神年齢で比較的大人びた子供だというのも大きかったかもしれない。

 

 さて、今は3月。来月トレセン学園に入学する新入生とは違って、トレーナーには式の様なものはない。試験の合格率が低く、新しく入るトレーナーは少数なことが大きい。また、様々な要因で数年程度で辞める、あるいは地方に行くトレーナーが少なくないことから簡単な説明と職員への紹介だけされるらしい。

 

 

「歓迎ッ! 将来有望なトレーナーと聞いている! ウマ娘達のため、存分に働いてほしい!」

 

「こちらは先日から理事長を務めることになった秋川やよい理事長です。私は秘書の駿川たづなです」

 

「失礼ッ! 自己紹介を忘れていたな。これからよろしく頼むぞ」

 

 何故か理事長が猫を乗せたちびっ子に変わっていた。驚いて反応出来ずにいると、緑のあく……たづなさんが説明してくれた。たづなさんはアニメでチラッと出てきたとはいえ、確か色々とヤバい人っぽいイラストを見かけたので注意しよう。

 

 さて、そんなハプニングはありつつも学園の説明はスムーズに終わった。とはいえ流石中央のトレセン学園。すごく……大きいです……いやほんとに。実際に見て回っていると、昼前になったので、食堂が混む前に昼食をいただく。冬とはいえ動き回ったのに、たづなさん全く疲れた素振りを見せないしご飯も意外と量食べるんですね。

 

 食堂の職員さんに挨拶も済ませ、和やかな雰囲気で昼食を終える。いつ食べてたんだろうこの人……話しながらだったのにいつの間にかお皿の上から消えてたんだけど。

 

 

 さて、今度はトレーナー方に紹介される。とはいえ、今年は同期もいないらしく紹介もベテランの方々のみで済ませるらしい。おや、アニメで見たスピカやリギルのトレーナーがいない……やっぱり世代が違うのか、あるいは世界線が違う? と思っていたらリギルトレ……おハナさんは見かけた。見た感じそこそこ若いので、若手〜中堅くらいで紹介されなかったのか。

 

 マルゼンスキーしか知ってるウマ娘がいないし、おハナさんが若いってことはアニメのある程度前ってことは分かるんだが……まあいいか。

 

 ちなみに今夜、時間のあるトレーナー方が歓迎会兼交流会を開いてくれるらしい。先輩方と仲良くなって損はないだろうし、上手く交流できるといいな。

 

 

 職員方への挨拶も一通り済ませ、たづなさんと別れる。まだ夜までは時間があるが、学園を見回っても寮に帰ってもいい自由な時間らしい。あまりウマ娘達と関わるのは推奨されなかったが。所詮は新人、まだ深く関わるには早いってことかな。

 

 とりあえず学園を探索する。迷子にはなりたくないから片っ端から道を覚えて回り、時折トレーナーと出会えば挨拶をしたり。いやあ、ヤの付く人かと思ったらブルボンのトレーナーやんけ! ってなったのは驚きだった。実際会うと割と怖いけど思ったより優しそうでよかった。転生してなかったらまず震えて声はかけられなかった自信がある。

 

 高いと自負する記憶力で、夜までになんとか学園全体の道や位置関係を覚えることが出来た。それとも夜まではかかったと広さを称えるべきか。

 なんにせよ、少し楽しみな気分でトレーナー寮に向かう。寮にいれば迎えが来てくれるらしい。他の人達は現地集合、代金はある程度は経費で、足りない分はベテラン勢が払ってくれるらしい。流石トレーナー業、実質ただの食事も経費で落とせるなんて。

 

「トレーナー資格、それも中央で働けるライセンス持ちってのは少ないからな。待遇自体はかなり良くなってるさ。ちょっとした理由さえあれば、ある程度お目こぼしされるってことだな。その分業務は中々にハードだが」

 

 迎えに来てくれたベテランの方と話しながら店に向かう。トレセン学園の周りには、店が多い。基本はウマ娘向けの店が多いが、トレーナー狙いの料理店もそこそこあるらしい。トレーナーは給料が良いからか、高級志向の店もいくつかあるらしい。

 

「とはいえ今回はお前さんがメインだ。まだ未成年、それも歴代最年少のトレーナーってことで一部で話題になってるぜ。成人してれば多少高級でも良い酒で歓迎してたんだが、今日は普通の居酒屋だな。料理が美味いとこだからガンガン食ってけ」

 

 出来る限り早くトレーナーになろうとしてたとはいえ、まさか最年少だったとは。一般的にはどれだけ早くても高校卒業してから試験、それも一発合格は中々なく結局成人してからトレーナーになる人が殆どらしい。試験は難しいとはいえ記憶力があって幼少から勉強してたからそこまで感じなかった。

 

 

 寮からそこそこ近い場所に店はあった。既に始まっているのか、中からは喧騒が聞こえてくる。

 

「本日の主役がやってきたぞー。明日も仕事とはいえ、存分に楽しめよー」

 

 通い慣れてるのかスムーズに入ったベテランに続き店に入る。これ貸し切りしてるじゃん……やはりトレーナーは高給取り。とりあえず今は何も考えずに楽しむか。いつも大して何も考えてなかったわ。

 

 

 これが全員ではないらしいが、50人くらいは集まっていた。ちなみに中央にトレーナーは書類上は100人以上いるらしい。色んな人と話し、美味しい料理も食べて楽しんだ歓迎会も夜も更けてから解散。大体は揃ってふらふらと寮に帰り、何人かは部屋を借りて一人暮らし、あるいは家族持ちらしい。

 

 気になったことと言えば、スピカトレが見当たらなかったことだな。あとは壁際でゆっくり酒を楽しんでいたブルボントレが似合い過ぎてたことと、カノープストレが色んな人に酒を注いでまわりながら自分もかなり飲んでいたはずなのに全く顔色が変わらずにいたこと。やっぱり南坂トレーナーは超人なのかな?

 

 

 明日からは通常業務を覚えること。とはいえ担当を持つか先輩トレーナーのサポートとして経験を積むまでは、学園にいるウマ娘のリサーチかトレーナー業に関する学習がメインになる。担当が出来た場合の一部練習場所の使用申請やレース書類等の、トレーナー試験では分からない部分も先輩方が教えてくれる。

 担当が出来ない場合、というより基本的には先輩トレーナーのサポートとして経験を積んでからスカウトすることが多い。知らないことも多い中でウマ娘を育てるのは厳しいものがあるからだ。もちろん俺はすぐにでもスカウトする気だけど。

 

 新人トレーナーの場合、早くても入学式が終わってから担当探しを始めるらしい。とはいえ新入生がすぐに選抜レースに出ることはあまりなく、基本は在校生の選抜レースから見つけるとのこと。初めて契約する新人トレーナーは中々苦労するとも言われたが、誰かいいウマ娘が見つかるといいな。

 




転生の必要性は2つだけ。
(チートも特典も)ないです。主人公は純粋なハイスペックアホ。
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