ほとんどレース前のゆるゆる会話。レースくそ短い気がするけどでもやりたい事は書いたしまぁいっかなって。
投稿間隔短いと書くこと無いね、普通書かなくていいというか無い方がいいんだけど。前書き本編後書き全てで自我を出していくスタイル、これが落書きクオリティの秘訣ってワケ。
前書きのスペースが余ってる()ので書く事絶対無いだろってレベルのどうでもいい設定でも書くか。
徳井トレーナーのひみつ
実は寝てる時抱き着き癖がある、ので抱き枕を導入してみたがCに没収された。
さぁやってまいりましたJBCスプリント。天気は快晴、レース日和です。なんだかんだでずっとCBが一つの目標にしてきたレースでございます。まぁレース自体に思い入れはなくてダート短距離のGIだから選ばれたんですけどね。そのノリで選べるの余りにも強者過ぎる。
そういえば、Cが勝った菊花賞の前にしれっとスプリンターズS走って勝ってたウマ娘がいるんですよね。ミスターシービーって言うんですけど。ギリギリだったとはいえ元々の短距離適性低いはずですよね貴方? 夏合宿でどれだけ短距離適性上がったかの試金石でGI勝たないで貰えます? 一般通過短距離ウマ娘が泣いてますよ?
まぁ過ぎた事はいいよ。大事なのはこれから始まるレースですからね。じゃあいつも通り控え室を覗いてみますか。そこには衝撃の光景が!
なんとウマ娘とトレーナーが抱き合っているではありませんか! え? いつもの事? それもそうですね。
「ギブギブ、離して」
「えー、どうしよっかなー」
違いましたね。抱かれてるだけですね。
「もう結構経っただろ、満足したなら離せよ」
「じゃあ離さないよ。満足してないから」
これはトレーナーが悪いね。こう返してねっていうお手本みたいな練習問題だわ。
「なんだとぉ……勝負服にシワがついたらどうすんだ」
「そんな細かい事気にしなくていいのが勝負服でしょ?」
「まぁそうだな、異常な程に完璧な勝負服としての形を保つからな。特別な素材なのか職人の技術なのか未だに知らないんだが、なんか知ってるか?」
何回着てもどれだけ汚れても洗うだけで新品同様に。と思ったけど複雑な構造のやつとか謎の金属部分とか大量の装飾とか考えると勝負服専門クリーニングありそうだよね。もしくは洗濯等しなくても時間経過で勝手に綺麗になるとか? 耐久性は多分ウマ娘とリンクしてそう。心折れるまでは常に最高の自分を保つ、的な。
「アタシが知ってると思う?」
「そういうの気にしないか。気に入ってるのは勝負服と勝負服を来て走ったレースだろうし、製作過程とかどうでもよさそうだな。まあ俺もふと気になっただけだが。コストがかかるから基本的にはGI出走者にしか与えられないってのは知ってるが、実際いくらかかってんだろうなこれ」
デザイン案自体はデビュー後に考える様言われてて実際にGIに出るあるいは出走条件を満たした子は詳細を詰める、みたいな感じかな。製作期間とか考えると、弥生賞勝ったので皐月賞走れます! でも勝負服間に合いません……は有り得るのでは? 重賞を走れる時点で勝負服作ってても不思議じゃないか。でも職人が徹夜で爆速で仕上げる説もいいと思います。
「うーん、どうなのかな。予備持ってる子も少ないみたいだし、本当に高いんだろうね」
「まぁお前は予備どころか三冠とって年度代表ウマ娘に選ばれたから2着目もあるもんな。結局あれ着て走ってなくね?」
「いつも領域使ってるでしょ? 勝負服が変わると、何故か効果が変わる……というかいつものが使えなくてさ。とりあえず今日までは慣れてる方で走ろうかなって。そのうち気分転換で着ようかな」
「あ〜、前試しに着てた時なんか違和感ある表情してたのそれか。お前領域無くても強いし気分で選んでると思ってたわ。あいつらと違って領域頼みの必要ないし。ちなみにどんな風に変わるんだ?」
「知らない」
「えぇ……」
「使う機会なかったしね。それに、今の領域って全力でぶつかり合えて楽しいし」
「まぁそうだな、わざわざそういう風に調整したんだしそりゃ好きだろうよ。ところでそろそろ離さないか?」
「トレーナーはアタシと触れ合えて嬉しくないの?」
「別にいつもの事だしいででで、ベアハッグのサバ折りエンドは人生エンドなんだわやめてくれ。あーほらあれだ、美人は3日で飽きるって言うし2年半くらい経ってるしぐぁぁ締まってるぅ中身飛び出ちゃうぅ」
「まだアタシへの褒め言葉が飛び出てないよ」
「そろそろ色気出すお年頃じゃないのかよこれじゃあ出るのは内臓だろいでで。そうやって顔と身体の良さに胡座かいて精神的な魅力を磨かないと大人の色気は出てこなうごご。別に今のお前に魅力が無いって言ってる訳じゃないだろむしろそのくらい茶目っ気ある方が可愛ぐはぁ。なんでだよ今褒めてただろぐえっ」
「褒め方がなってないね。というか見た目は努力したから良くなったんだよ?」
「俺がだよな? バランスの良い食事といい風呂上がりのケアといいお前はされるがままなだけだよな?」
「トレーナーってアタシの事好き過ぎるよね」
「その耳は飾りか? 何がどうしてそうなった? まあ好きだが」
「アタシも好きだよ」
「CBって俺の事好き過ぎるよな」
「そうだけど?」
つよい。
「くそっ、羞恥心は存在しないのか」
「好きな気持ちを恥ずかしがる必要なんてないよね」
「そりゃそうだ。それに思いは口にしないと伝わらないしな」
「トレーナーには何回言っても伝わらないけどね」
「はいはい好き好き大好き愛してる」
「でもキスもその先も許してくれないじゃん」
手を繋ぐとかハグどころか混浴と同衾も済ませてるけどね。なんか順序おかしくない?
「それとこれとは話が別だろ。そーゆーのは好き合ってる人がするもんだろ」
「じゃあいいよね?」
「それとこれとは話が別だろ。そーゆーのは付き合ってる人がするもんだろ」
「じゃあいいよね?」
再放送かな? いや間違い探しか。
「いつから付き合ってる事になってたんだよ」
「アタシはトレーナーが好き。トレーナーもアタシが好き。実質付き合ってるよね」
「それだと俺Cと二股かけてるじゃん」
「たぶん他にもいるけど……まぁいっか。じゃあ今日のレースで勝ったら付き合うって事で」
「それ実質確定じゃん。そういうのよくないと思うなー」
そういう細かい言動が良くないんだと思うっす。忌憚ない意見ってやつっす。
「仕方ない、キスで許してあげるよ」
「それならまぁ……いや待てそれあれだろ、ドアインザフェイスだろ。危うく騙されるところだったわ」
「チッ。分かった、ぶちおかすね」
あーいけませんお客様、積極的にラインを越えようとしないでくださいませ。せめてもの抵抗にひらがなにしておこう。
「何も分かってないし悪化してるんだが? てか今舌打ちしたよな? キャラ崩壊って知ってる?」
「ワタクシ何もご存知ないですわー」
「3秒クオリティお嬢様。いや誤魔化せないからな? 女の子が言っちゃダメな事言ってたからな? よくないぞそーゆーの」
「チッ、反省してまーす」
「わぁお何にも反省してないセリフだぁ。今からイメチェンするの流石にキツくないか?」
あのですねお二方、今レース前なんですよね……そろそろ入場してもらっていいですか? 無限に遊ぶのやめてもろて。
「あ、時間だね。いってくるよ」
「やっと解放された。俺を抱いたまま走るかと思ったわ」
「アタシはそれでもいいけどね。勝負服の一部みたいな扱いで無理かな」
「生物は一発アウトだろ。流石にそこまで自由じゃないわ」
流石にいない……いないよね? 固有ありなら割といるけど。だが待ってほしい、キー君は勝負服の一部なんじゃないか? フラスコの中のキー君的な。いやでも生物じゃなくて植物か……ナマモノではあるんだけど。
「残念。次のファン感謝祭でやろっか」
「まぁ提案はしてみるか。感謝祭は結構みんな好き勝手やってるし意外と通りそうだな」
「まぁ誰が相手でもトレーナーを抱いたアタシが勝つから、レースにはならないけどね」
抱いた(意味深)。いやだがキング母という前例がある以上必ずしも悪影響を及ぼすとは限らないのでは……? まぁ企画として考えるならお姫様抱っこかおんぶだね。黒沼トレをお姫様抱っこするブルボン……ありか? 沖スズ? ありに決まってんだろ。
「そこはまぁ誰かが考えるだろ。というか遅刻するぞ、さっさと行ってこい」
「はーい」
「あ、その前にちょっとこっち来い」
「どうかした?」
ちょっと背伸びしてほっぺにちゅっ。
「先払い。勝つだろ?」
「あはっ、当然」
なんだこのトレーナー。そんな事してるからCBがおかしくなるんですよ、反省してください。深刻なキャラ崩壊の原因お前だからな(責任転嫁)。
という訳でいつも通りABCと観戦。なおCは松葉杖、ではなく車椅子。人多くて危ないからね、念の為。故障してからはいつもの様にトレーナーに抱きつけなくてちょっとだけ不満そうなのでした。なお割と治ってるのでそろそろ普通に歩けそう。走れるのはいつになるかな……。
「やけに人多いわね、やっぱり先輩の影響かしら?」
「ダービーの時と同じくらいいません?」
「流石にそこまでじゃないが。まぁCBの影響でダートも人気出てきたしな。盛り上がるのは良い事だろ」
人気なのはダートではなくCBでは? まぁきっかけ一つで沼る人もいるからね。結構な数沈んでそう。
「確かに観客が多い方が気分も上がる……いやどうですかね。その分緊張とかプレッシャーも増えますよ」
「そこは慣れだろ。ほれCBを見ろ、呑気にこっち見てるぞ」
「いや周囲からめちゃくちゃ敵意向けられてるのに楽しそうにしてるし、こっち見る余裕あるのはシービー先輩くらいですよ……」
「観客がいてもいなくても緊張とは無縁だと思うわ」
「例外ですね〜」
「揃いも揃ってCBをなんだと思ってるんだ。まぁ俺も緊張でミスる姿は想像つかないが」
「トレーナーも同じじゃないですか」
「信頼だよ信頼。レースに関してならCBはマジの天才だしな。実力が発揮出来れば勝ってくれるだろって信頼してんだよ」
「まぁそうですよね。いっつもそこから届くの!? って驚くくらい凄いですし」
「いやよく一緒に走ってんだから分かるだろ。まぁ俺もハラハラするが。最後にごぼう抜きするのが観てて面白いのも人気ある理由だろうしな」
「あのくらい強かったらどんな走りでも人気出ると思いますけどね」
「そりゃそうか。見た目もいいしな」
「いつも思うんですけど、トレーナーってシービー先輩の見た目好き過ぎません? 確かにいいと思いますけど、他の子も整った見た目してますよ?」
「あー、んーなんだろうな、顔がいい、としか表現出来なくないか? パッと見で分かる面の良さというか」
「あーなんか分かるわねそれ。圧倒的にビジュが強いわ」
「エーちゃんまで……カナちゃんはどう思う?」
「みんな違ってみんないいですよね〜。ミケちゃんも可愛いですよ〜」
「あ、ありがと……じゃなくて、いや確かにすごいかっこいいし綺麗だし可愛さもありますけどぉ、なんか腑に落ちないなー」
「あれだな、お前らも普通に可愛いし、そもそもウマ娘はみんな可愛いんだがオーラが違うな。ガチ恋距離の強さの格が違う」
多分この世界ウマ娘じゃなくても可愛いと思うんですよね(名推理)。男性含めて全体的にビジュ良さそう、ウマ娘因子によって顔面平均が上がってそうだし。少なくとも身体能力は上がってるね。そうでもないとドロップキックは死ゾ。
「むむむ……まぁそうですね。GI勝ってる娘はなんか皆雰囲気がありますし、特にシービー先輩はいっぱい勝ってますし。……あれ、何回勝ってますっけ?」
「うーん自然に自画自賛したな。少なくとも俺にはお前にその雰囲気があるようには見えないんだが。CBは芝GIは5勝だな。あとダート2勝」
レースとグレードはアプリ準拠です(確認)。そうじゃないとそもそもJBCスプリント自体存在しないし……。グレード制は……まぁ生徒会長が整えてくれたんやろ。なのでグランドスラムには大阪杯も必要なのじゃが……オペラオーならいけるいける。CBは興味が出ないとやんないだろうね。ルドルフがわんちゃんやってくれるよ、強さ示してから凱旋門賞に行くんじゃね知らんけど。
「うわー改めて聞くとやばいですね。あとで付け加えていいレベルでもないですし。国内GI制覇でもする気ですか?」
「いや知らんが。まぁGIの方がレベル高くて楽しいんだろうな」
「本当に格が違いますよね。レース中もすごく楽しそうで引き込まれちゃいますし、魅了される人が多いのも分かります」
「見ていて気持ちいいよな。ま、ダービーの時のお前も結構似た感じで良かったぞ」
「そ、そうですか……んんっ、というか無駄話してましたけどもうレース始まりますよね? そろそろ応援する準備しないと」
「私とカナはバッチリしてるわよ」
ABCに比べるとCBのレース数が多い分、応援のネタ切れしたトレーナーによって作成された様々な応援グッズ。ペンライト、うちわに始まり、帽子やタオルなどが存在。そしてトレーナーが現在着ているのはフルグラT。当然全て非公式の非売品なので通りすがりのファンは一瞬驚いてから顔を見て納得する。でも作成にCBが関わってるし公式だろ。というかそもそも応援のネタ切れってなんだよ普通に応援しとけ。
「途中から話に参加してないと思ったら、2人だけずるい」
「ちょっと荷物から取り出すだけじゃない。そこのと違ってフル装備する訳でもないんだから。はいこれ、ミケの分のうちわ」
「ありがと。……やっぱり周りから浮いてるよね? 熱心なファンと思われてるのかな」
「まぁ誰かさんのせいでいつも目立ってるし今更よ。それに、わざわざレースを見に来てる人なら同じ担当なのは知ってるだろうから、トレーナーに巻き込まれたと思うんじゃないかしら」
「そうかなぁ」
違いますよね? あなた方もクラシック一冠ずつとってるんだからそりゃ見られますよね? GI勝ったら有名人で、加えて散々話題になったんだからレース場まで来る人ならほとんどが知ってるでしょうよ。トレセンとかその周辺地域だと特に対応変わらないってだけで、感覚マヒってますよ。まぁ身近に異常者がいたら基準がおかしくなっても仕方ないか。
「んじゃ気合入れて応援するぞー」
「まぁ気合入れるのはシービー先輩なんですけどね」
「その気合を入れるために気合を入れるんだろ」
「分かってますよ。実際応援は力になりますし」
Cは実質トレーナーの応援で勝ったようなもんですし。やはり応援が大事……じゃけんチアコスしましょうねぇ。
「うむ。よし、準備はいいな? そろそろゲートインだろ。正直出走メンバーの中じゃスタート遅い方だからな、最初から全力応援だ」
まぁ追込だし結局後ろに控えるからスタートダッシュそこまで重要じゃないし仕方ないよね。というか短距離GI出るだけあって全員スタート上手いから相対的に下手に見えるだけですし……距離短い程スタート大事だもんね。流石に練度の差はあるはず。
「「「「頑張れー! シービー(先輩)!」」」」
ゲートで笑顔になった……かもしれない。
さてさて、スタートと共に全員ほぼ横並びのスタートダッシュ。逃げの娘が最初からぐんぐんと飛ばしていきます。ぴったりつける娘や好位置を狙う先行の娘達が続いて、差しの娘達はCBを意識しつつの位置取り。追込、というか最後方にCB。流石にCBと同じ土俵で勝てると考えた娘はいなかった様子。先頭が早いのもあって比較的縦に伸びていますね。
1200mという事もあってかハイペースで進みます。短距離という事を踏まえてもかなり早いペース。逃げの娘のスタミナ保つかな? それとも最初から最後まで全力じゃないとCBに勝てないと踏んだかですね。
半分の600mで先頭がおおよそ33秒、爆速でレースが終わりますね。順調に飛ばしてきた先頭の娘、流石にペース配分を間違えたか、既に疲労の色が見える。しかしまだまだ衰えない。最後までこの勢いで頑張れ。
気付けば最終コーナー、仕掛ける娘が出てきました。とはいえ早めに仕掛けた娘は出来る限りリードを広げておきたいと焦ってるかもしれません。全体的にウマ娘同士の距離が詰まってきました。
ずっと先頭を走れば一着理論で頑張ってきた先頭の娘が、後ろから圧をかけられながらもどうにか先頭を維持して最終直線に入ろうかというところ。残り400mを切った辺り。おや? CBの様子が……。
「あは、あははははっ! さあっ、勝負だよ!」
そう宣言して、脚を踏み出した瞬間。出走ウマ娘全員の見る景色が変わる。どこまでも続く様な平原、初見の娘は驚きながらも走りやすいなら好都合だとスパートに入り、経験済みの娘は当然気にせず走る。
「やると思ってました!」
その中でも、CBの様子をずっと窺っていた中団にいる一人が、息を吸い込む。
「ユキゲシキッ!」
気合を込めて技名を叫ぶ様に、名乗りを上げる。
はらはらと視界に雪が映り込む。しかしその見た目と反して、瞬きの内に雪が積もっていた。
「雪の中走った事はありますか?」
足から伝わる感触が突然二度も変化したからかペースの乱れた娘が複数いる中、しかしCBは衰えるどころかどんどん速くなる。
「残念ながら、今日が初めてだよっ! 貴重な体験ありがとう!」
「っ! これだから天才は! それでも私が勝ちますからっ」
その言葉通り、慣れた様子で積もった雪の上を走り先頭集団に迫っていく。既に直線に入っていた。しかしこの二人以外にも場の状態など関係ないと走る娘も複数。
「うおおおおぉ! 努力は裏切らない! ど根性ぉぉぉ!!」
あるウマ娘は燃える様な熱い気持ちで、なんなら実際に燃えながら周囲の雪を溶かして走り。
「自分のペースを守って、確実に堅実に、信じられるのは自分だけ……」
あるウマ娘は一切の影響を受けていないかの如く、自分の世界に入り込み。
「嫌だっ、わたしが先頭だもんっ! 先頭は渡さないっ! 絶対負けない!」
またあるウマ娘は最初から飛ばしてスタミナが尽きたにも関わらず、息も絶え絶えになりながらほとんど意志の力だけで先頭を守り抜く。
しかし皆の健闘むなしく、脚を溜めていたCBは絶好調。既に私だけにチュウされてますからね。一人、また一人と追い越しながら先頭との差を縮めていく。スピード自慢のスプリンターあるいはマイラー達が呆気なく抜かされている様は、まるでCBが元々短距離向きだったかのよう。ダートという事を忘れる程の速度で直線を駆けていく。
「くそっ、化け物かよ」「なんなのマジで!」「むりぽ。でもまだ終わってないし……!」「はやっ、うそやん」「こんなのデータに無い! もうデータなんか知らない!」
なんかデータキャラ混じってなかった? いっつもデータ捨ててんな。
残り200m時点で、前に残るはたったの数名。あっという間にリードが消え失せていた。それでも全員が前を向き、勝負を諦めていない。観客席では興奮した人々が熱狂的な声援を送っている。
残り100m。驚異的な粘りを見せていた先頭狂がとうとう限界を迎え、まともなフォームすら保てず逆噴射。むしろここまで耐えたその意志は敬意どころか畏怖を覚える程。今にも吐きそうな顔で走って(?)いる。誇れ、1000mならCBに勝てる逸材が覚醒した日である。
これで終わり? そんなまさか。
「油断大敵! でござるにん」
最後の最後、ぬっとCBの影から現れた……様な出方をした娘は。
「残念、うちの後輩の方が上手いよ」
哀れ、どっかの誰かのせいで驚かれる事すらなく出オチ。そのままCB一着でゴールイン。終わってみれば圧倒的でしたね。タイム? うんまぁ、ちょっと遅めの芝みたいなペースだったからね、そりゃそうなるよねって。
観客全員叫んでんのかってくらい万雷の拍手喝采を浴びながら、息を整えたCBが振り返る。限界を超えた走りで誰も立っていない娘達に向けて、とてもいい笑顔と弾んだ声で。
「すっっごく楽しかった! また走ろうね!」
ギリギリ動ける面子がのろのろと立ち上がって、ビシッと指差して応える。
「「「次は私が勝つ」」」
「楽しみにしてるね」
背景にエフェクトが見える程ご機嫌のまま、ファンサしながらトレーナーの元へ歩くCB。気合で立ち上がった面子は、あ、無理、とまた倒れた。先頭狂ちゃんは既に気絶済み。脚に異常はないのであんしーん。
ひゃっほーいさっすがシービー! とひとしきり喜んだ後にんんっ、と咳払いしてまぁ分かってましたけど? みたいな澄まし顔を始める手遅れ頭。それをいつもの事だと気にすることなく凄かったね……と余韻に浸る取り巻き。
「いぇ〜い、見てた〜?」
「愚問だろ。よく勝った流石だな、お疲れ様。どうだった?」
「それこそ愚問だね、見てたなら分かるでしょ? すっごく良かった」
「それは何より。見た感じだいぶ消耗してるしゆっくり休め」
「はいはーい。やっぱり短距離はペースが早いからね」
「それお前が速いだけじゃ……競い合ってより強くなるのはいい流れだな。よし、無事勝ったし今夜も焼き肉だな」
いつも祝勝会してんなこいつら。
「やったー!」
「B、お前最近太ったから食事制限な」
「なんですか? 聞き捨てならない言葉がありましたね」
「太った」
「その後です」
そこじゃないんかい。
「食事制限」
「それですよ! 私もう走らないんですしちょっとくらい良くないですか? ほら、少しくらいぽっちゃりしてる方が健康的ですよね?」
「だがダメだ。トレセン生徒たるもの、常に自分を律して最高の状態をキープしろ」
「えー。それで本音は?」
「肉体のバランスが崩れるとしっくりこない。美少女から微少女になりたいなら別にいいが、俺が好きじゃないな。あと別に脂肪がついても胸にはつかんぞ」
バシィッ。
「別に気にしてませんけど?」
「ならなんで叩いた」
「殴りますよ?」
「もうやられてんだよ」
余計な一言つけるから……いやでも平手打ちはやり過ぎでは? まぁ音だけ派手で痛みはあんまない様にやってますけども。あ、仕返しにほっぺぐに〜ってしてる。喧嘩の仕方が……お腹の肉つまみましたね。戦争か?
そんなじゃれ合いを横目にしつつAはCBに感想を、Cは用意していたタオルと飲み物を渡しています。レースの高揚が抜けてないCB以上にレースを見て興奮したAがいますね。やっぱ最後にまとめてぶち抜くのが一番盛り上がるからね(個人の感想です)、応援に熱も入るよね。
ちょっとだけのんびりした後、トレーナーを担いでどっか行きました。たぶんウィナーズサークル。もしくは控え室。控え室で何が始まるんですか? うまぴょい?
CBの領域の効果は、全員のバ場・距離適性をSに固定。ついでにちょっと速度上がって、自分はほんのちょっと加速も上がる。条件はレース終盤まで最後方を維持。うーん単純明快。もはや利敵。その上で勝ってるのやばいと思う。まぁCBだしこんくらいはいいでしょ。
おそらく今後出番無いけど領域バトルしてた子達についてちょっとずつ解説。
雪景色ちゃん。
積雪地帯の東北出身。幼い頃、雪が積もった一面の銀世界の綺麗さに心を奪われた。その上を走り回って足跡を付けることが好き。フェブラリーSでCBの領域にやられてから、どうにか対抗手段をと頑張ってたら使える様になってた。わんちゃんあるかなーと思ったけど甘くなかった。まぁ分かってたから普通に走りで勝とうとしてたけど、シンプル負け。先行差しどっちもいけるけど、今回はCBの様子を窺いやすい差し。
脳筋ちゃん。
全て根性で解決するストロングスタイルの熱血系。幼い頃は私ってば可愛すぎ…?ってタイプだったのがいつからか、私の筋肉美しすぎ…?になって筋肉を鍛える私輝きすぎ…?になって最終的に筋肉は全てを解決する…!になった脳筋ちゃん。なのに最後に頼るのは筋肉じゃなくて根性。なんで?
自己中心ちゃん。
レース展開に関係なく、自己ベストを出せば勝てると考えるタイプ。より早いタイムを目指して、戦うのは常に自分自身。猛特訓の末、今の私ならレコード更新も出来る!と練習通りの完璧な走りをこなした。レコードのはずが何故か負けた。
先頭狂ちゃん。
最初から最後まで先頭なら一番!を地で行く生粋の逃げウマ娘。レース途中で抜かれる事も気に入らないので競り合いになるとスタミナを消耗してすぐ垂れてしまうのが弱点。特筆すべきは粘り強さで、先頭だとかなりの距離を耐える。その反面、一度でも追い越されると身体が限界に気付くのか突然勢いが落ちる。ほぼ毎レース限界を超えているのでスペックだけ見るとかなり高い。耐久性〇。距離が短い程強いので、たぶん200mなら誰にも負けない。
忍者志望ちゃん。
父親が忍者オタクの外国人で、偏りのある知識と留まることを知らない情熱を受け継いだ忍者マスター(自称)。最後に不意をつくことに関してCBがBの方が上手いと評したが、実際ダービーを観戦して何度もレース映像を見直した結果なるほどこれが影に生きる者!とBを勝手に師匠扱いして勝手に真似てるので合ってる。領域とかじゃなく、最終直線でわざとCBに抜かれて後ろにピッタリくっついてただけのフィジカルのごり押し。スリップストリームありきとはいえかなりの無茶をしてるので、気配隠しが甘かった。そんな事するより普通に走った方がいいんじゃ?とも思うけど、本人の情熱故か普通より速くなるので好きにさせた方がいい。
なんかこう、こういう今後出番ないキャラって必要ないと分かってるし別にそんなに考えてないのに勝手に設定が出来上がってるんだよね。愛すべき無駄だと信じて私は突き進む。考えてて、書いてて楽しければよかろうなのだ。
次回は予定では元同室ちゃん。CBがダート目指すきっかけの話も含めて書く気でいる。完全に別の視点書く様なものだし、徳井トレ&ABCと全く関係ない話だよなぁと思いつつもCBの設定考えてた時にあ、この娘書きたいわってなった娘なので書きたいから書く。まぁずっと書きたい事をやりたい放題してるし今更か…。長くなる予感がするから遅くなりそうだし、場合によっては息抜きお茶濁し投稿するかも…。