えー、今回非常に長いです。非常にというか異常に。時間がある時に見ましょう。トレーナーがチョコを配った。という一文で終わるのに何故か3万文字あります。おかしいだろ。つきましては見直しが甘いです。あと書いてる間隔が空きすぎて自分の思考があやふやでしてよ。しかも話の内容ペラッペラ過ぎますわ。もはや何を書きたかったのかすら分かんないし。その他おかしな点があっても広い心で見守って下さいな。
ぱかチューブのゲーム実況全部好き。まさかシビエスの供給があるとはこのリハクの目をもってしても……。愛を囁いてた場面、エースの反応込みでマジで好き。
バレンタインとは! 細かい事は置いといてとりあえず好きな人にチョコを渡して告白するチャンス! 結果は保証されません。生徒全員が思春期ウマ娘である(諸説あり)トレセン学園において当然一大イベント。本命こそ一部ですが友チョコ交換は頻りに行われ、寮はもちろん敷地内全体がほんのりチョコの匂いに包まれます。興味の無い子もいますけどね。
もちろん徳井トレーナーとアルファベット担当も楽しんでいます。今回はトレーナーになってから三度目のバレンタインですね。
当たり前にバレンタインとはチョコを渡す日であると知っているアホの子。
一度目はトレーナーになって最初のバレンタインという事もあり、手間暇かけて気合いを入れたチョコを用意しました。ナメられたら終わりなので威厳を見せる為にも初回でインパクトを与えましょう。厳選したチョコをそれぞれの目標レースのトロフィーに成形する(手作業)というもの。細部こそ完全再現とはいきませんが、薄目で見れば実物と見紛うクオリティでした。
お世話になった先輩トレーナーにやよいちゃんやたづなさん、その他学園スタッフの分も簡素ではありますが用意して配り歩きました。その際すれ違った一般通過生徒にも渡しており、一部生徒の間で密かに話題になっていました。なぜか男性トレーナーがチョコを配っているという点に疑問を抱いて。
二度目は担当の分は気合いを入れつつもどちらかといえば見た目より味重視、それぞれの好みに合わせて配分を変えてみた板チョコ(もどき)を作成。一度拍子抜けさせてからの食べてみるととても美味しいというパターンで不意打ちを狙います。
他の面々には前回と同様ある程度簡素に、若干多めに準備してみましたがその程度。多少余る想定でしたがやけに生徒と出会ったため途中で手持ちが尽きてしまい、トレーナーとしては珍しくウマ娘の期待に応えられない結果に。不甲斐なし。不思議に思ったトレーナーでしたがチョコを配っている事が話題になっている、と聞いて納得。来年は余るくらい用意してやろうと決意しました。話題になってる界隈は主にトレーナーの事が気になっている(語弊)グループですね。
そんな訳で三度目の今回。トレセン生全員に配るくらいの気概で準備してきたトレーナーは早朝から気合十分です。荷物持ち兼抜け駆け見張り要員のCをお供に、まずは理事長室へ。
コココンガチャッ「やよいちゃんいる〜?」
ソワソワ「来たか! 待ってたぞ!」
「「ハッピーバレンタイン!」」
まだ薄暗い時間にも関わらず既に待っていたやよいちゃん。隣にはたづなさんもいます。いつも早朝から深夜までいる社畜な訳じゃないよね? 今日は早めに来て待ってたんだよね? そうだと言って?
「はいこれ、今年は少し凝った仕掛けに挑戦してみたよ。ちょっと大きめだけど、一口で食べてね。たづなさんにはちょっとだけ大人な味で作ってみました。少し苦めかも?」
噛むと中から違う味のチョコが溶けだすギミック付きチョコ。少し脆かったりちょっとだけ形が歪んでたりしますが、その拙さもまた手作り故。気持ちのこもったチョコですね。
「感謝ッ! 私からはこれだ! 綺麗に作れたと思うぞっ!」
いつも持っている扇子、の形のチョコ。ほぼ実寸大で綺麗に出来ており、丁寧に作ったのが伺えます。
「ありがとうございます、私からはこちらを。色んなチョコを食べると思いますので、小さめのものを。それとその甘さに合う少し苦めのお茶です。あまり癖がなく苦味も程よいものを選んだので徳井トレーナーも美味しく飲めると思いますよ」
たづなさんは小さいチョコのセットとお茶の葉、これはこれで良いものですね。トレーナーがその気遣いをちゃんと受け取れるかは疑問ですけど。
「二人ともありがとう! じゃあ俺ちょっとやる事あるからまたね!」
「うむっ。そうだ、カナシーサダメにも渡さないとな。確かここに、あった、ハッピーバレンタイン!」
「ハッピーバレンタインです〜」
やよいちゃんが取り出したのは、トレーナーに渡したもの程大きくはないが丁寧に作られた蹄鉄型チョコ。恐らくは出会った生徒達に渡す用のもの。対してCは毎年作っているガトーショコラ。割と手軽に作れて美味しいからね。ちなみにたづなさんとは目だけ合わせて必要ないですよね、という雰囲気で通じあった模様。通常、生徒とたづなさんってチョコ交換する程の仲でも無いし……。やよいちゃんが距離近いっていうかぁ……。
サッと交換が終わると退室しました。いくらCでも、やよいちゃんの事をトレーナーみたいに子供扱いはしないようです。ほんとに?
「徳井トレーナー、気合いを入れて結構な量を作ってたみたいですが大丈夫でしょうか。あまり騒ぎにならなければいいのですが」
「今日くらいは見逃してもよいのではないか? もちろん、節度は大事だがなっ」
「理事長は徳井トレーナーに甘いですよ、私が言えた事でもありませんが……。そろそろですかね、では私はいつも通り校門で登校する生徒の皆さんに挨拶してきますね」
「うむっ! いつも通り、だな!」
「ええ」
妙ですねぇ、本来はこんな早い時間からはしていません。登校してくる生徒が増えてきてからのはずですが、なぜ今日に限って朝早くから行うんでしょうか、不思議ですねぇ。
賄賂げふんげふん、チョコを渡し理事長室を出たトレーナーとCは一度食堂へ向かいます。量が量だった為、事前に説明とお願いをして食堂の一部スペースを借りていたのですよ。
準備していたチョコに問題が無いことを確認し、チョコが苦手な子の為のクッキーも確認。あらかじめ数個ずつ包装していたので、それを大きい袋に割れない様に気をつけながらまとめ、Cと共にいくつか持って移動。その前に既に仕込みを始めていた食堂スタッフにも渡しておきました。
周りを確認しながら進み、途中でたづなさんを発見。見つからないように尾行します。もちろん気付かれてますが振り向かないのでバレてないという事にしましょう。
校門に着くと既にそこそこの人数の生徒が集まっていました。しかし学園に入ろうとはしない様子。現れたたづなさんを見て徐に動き始めます。正確にはたづなさんの後ろにいる人物を見て。なぜか一列に並びながらたづなさんの横をすれ違っていくウマ娘達。もちろん元気に挨拶しています。
そしてそのすぐ後ろで、バレバレにも関わらず、しーっと人差し指を立てながらチョコを用意しているトレーナー。なんなら普通にハッピーバレンタイン! とか言ってるので隠れる気あるの? という感じ。生徒一人一人にチョコを手渡しています。
そう、真っ先に理事長室に行ったのはたづなさんに見逃してもらう為の作戦でした。無くても許されそうという話もある。休み時間であれば自由にしてよし、ただし授業中に取り出したら没収、みたいな。
早い時間帯とはいえ、特にトレーナーとは関係なく普通に朝練をしようと登校する生徒ももちろんいます。謎の列がある事に疑問を抱き、チョコ手渡し会が行われている事に困惑し、それが徳井トレーナーという事で納得してそのまま登校したりUターンして列に並んでみたりします。
もちろんトレーナーが渡すだけでなくチョコを貰う事も多々ある、どころか大体は交換してる感じです。いつの間にか隣にいたCBもCと共に手伝います。貰ったチョコをまとめ、ある程度溜まったらトレーナー室に持っていき、渡す分のチョコが無くなりそうなら食堂に取りに行き……と完全に裏方作業。なんならCBに渡す子もかなりいます、やっぱ人気なんですね。Cもちょこちょこチョコ貰ってます。
そうして列を捌いているといつの間にか時間が経ち、気付けば普通に生徒の多い時間に。その頃にはトレーナーのチョコ配布を元々知っていて迷惑にならないよう早め早めに準備していた子は大体交換が終わり、後から知った子が好奇心で並んでいる状況。トレーナーのファンだったり、トレーナーの事が気になってる子達が早い時間からスタンバってたんですね。その願いは叶わな……いや手段選ばなきゃワンチャンあるねんな……まぁCとCBが言外に私のモノと主張してるので余程の剛の者しか割り込めなさそう。
チョコが貰える事とは別で、大きな実績があり実力も認められてるトレーナーとほんの少しでも関わりが出来れば、という下心から並ぶ子もいました。担当のクラシックが終わるまで余所見している暇はない(要約)と言った事があったので、今ならワンチャンあるのでは? と当たって砕けろ作戦の子が割といましたね、まぁ時間の都合上あくまで印象に残ってほしい、程度ですが。そもそも大体の生徒の顔と名前、場合によっては脚質やらレース戦績まで覚えてるので意味があったかはうーん。極一部の性癖に従った子とかもいますね。
意外と、というか実績考えれば意外でもなんでもないんですが、生徒から注目されてるし人気もあります。普段の言動もまぁウマ娘が絡まなければ外向きは比較的常識的だし。トレセンにいてウマ娘が関わらない事あるかと言われるとノーコメント。まぁ最初からかなり目立ってたけどね。私は最初から気づいてましたよ? 的な古参オタクもいるくらいにはトレセン学園的にもレース史的にも大きい存在になってますし。でも多分その古参オタク面してるのって何とは言わないがョタコンの人では。
話がズレましたがともかく、想定より人数が多かったものの無事生徒達に配る事が出来ました。手伝っていたCとCBも教室へ向かい、撤収作業をしていた最後の最後、遅刻寸前で慌てて来た子にへいパース、と投げ渡してターンエンド。わっわっとテンパりながらどうにかキャッチして、勢いを止めないまま大声で感謝を伝えながら教室に向かっていきました。
生徒には渡し終えましたがまだまだチョコは残っています。ひとまず職員室へ向かい、仕事の邪魔にならない様に気をつけつつ出入口近くに置きます。ご自由にお取りくださいと貼り紙をして、中にいる人達にも是非どうぞ〜と言うだけ言って退室。事務室でも同じ事をします。きっと休み時間にでも食べてくれるでしょう。
お次はいつも見てくれている警備員の元へ。いつものおじさんに良かったらと渡し、デッカイウマ娘ちゃんにも渡します。いやっほぅとテンションMAXになる数人の警備ウマ娘でしたが、ここぞとばかりに代表特権を使い直接受け取った挙句渡す分も用意していたまとめ役に非難轟々。一時は騒がしくなりましたが結局お返しに色んなお菓子を貰ったトレーナーでした。なお、トレーナーが出て行った後に大乱闘が行われ、あわや業務に支障が出る寸前だったとか。勝者は一つ多く食べられたとか。それでいいのか大人達……。
その後も整備の方や清掃員などなど、トレセンで見かける人達には大体渡せたかなという所。たくさん用意したチョコがほとんど無くなりました。前々から準備しないといけないくらいには大量に用意しましたからね。主にたづなさんや食堂スタッフの方の伝手を頼って。無事にバレンタインを完遂しました、本命以外は。いやまぁ本命というか特別なやつですね。
ふぃ〜とトレーナー室で一息ついた時にはお腹が空いており、ちょっと早めの昼食に向かいます。常に甘い香りがしていたので変な感覚がしますが普通に食べました。
前日、なんなら前々日くらいから準備で忙しかった事もあり程よく心地よい睡魔に襲われますが、今寝たら終わると耐えました。忘れない内に特別枠も渡しに行きますか。
まずは生徒会長。なんだかんだ頼ってるし仲良くしてるし遊んでます。
「やっほー、ハッピーバレンタインー」
「ん、ハッピーバレンタイン。意外と遅かったね、私の事は後回しだったのかい?」
「そんな事は〜あるかも? ちょっと数が多かったし、多い所から順に終わらせてったからな」
「そうかそうか、君の中で私はその程度だったんだな」
「もー、別にいいだろ、ちゃんと用意してるんだから。そんな事言うなら渡すのやめるか〜?」
「ふふふっ、悪かったね。朝から気になってあまり集中出来なかったんだ、このくらいの意地悪はさせてくれ」
「は〜俺の事好き過ぎか? 仕方ない許す。はいこれ、一口で食べるんだぞ」
「ありがとう。ふむ、やや大きめな事以外見た目は普通だが、中に何か仕掛けがあるのかな? では私からはこちらを。高級感あるだろう?」
「大事なのは値段じゃなくて気持ちだろ。ん、いや待てよ? この感じ……まさか」
「おや流石だね、こんなに早く気付くなんて。そう、それは実は」
「お前の食べかけじゃね?」
「そんな訳ないだろうぶん殴るよ? ああ、君がそっちの方がお好みならしてあげようか。流石に口移しは無理だが齧るくらいなら問題ないさ」
「小粋なジョークに決まってるじゃん。何が悲しくてわざわざ関節キスするんだよ」
「へぇ、私とは嫌なのかい。いくら君でも私の様なお姉さんは少しハードルが高い様だね」
「どちらかというとおば」
「聞こえなかったよ、もう一度言ってくれるかな? なに、きっと大した事ではないだろう?」
「やっぱ会長って綺麗だから緊張しちゃうなー。口が滑りそうだったわ」
「ほぉう?」
「そう、これ見た目は高級品だけど、多分手作りだろ? わざわざそれっぽい包装までしたの?」
「正解に免じて見逃してあげようか。せっかくだから作ってみたんだ、これまではあまり時間も取れなくて既製品だったからね。なかなか上手く出来たと思わないかい? 味にもこだわったんだよ」
「ふむふむ、ん、美味い。95点」
「減点の訳を聞いても?」
「手作りなのが俺にバレたから。せっかくなら分からない様にして、後からネタばらしした方が面白いだろ」
「なるほど、なら実質満点かな。これでもかなり頑張ってみたんだけどね。勘のいい君を誤魔化すのは流石に厳しいか」
「クックックッ、まだまだ甘い。首を洗って出直してきな」
「首じゃなくて顔を洗おうか」
「顔を洗って待っていろ」
「それは首だね。ただの洗顔になるよ」
「明後日待ってろ」
「一昨日来やがれかな。ただ予定立ててるだけだね」
「一昨日カツラ」
「えぇと、三日坊主かな? 少し納得感は薄いけど」
「百々目鬼」
「うぅん……いや百々目鬼は流石に無理だね、降参で」
「はい俺の勝ち〜。こんなん一つ目小僧に決まってるよな〜」
「あぁ……そういえば百々目鬼って女性だったか、言われてみればまあ。ルール説明もなしに頑張った方じゃない?」
「俺達の仲に言葉は不要、だろ」
「そうだと嬉しいけど、ルールは把握しないとゲームにならないだろう? 単純なものでも意外と気付かない事もあるんだから」
「今のところ伝わってるし問題ないな」
「分かっているのかな、はぁ。ふふふっ、まぁ君が楽しそうでなにより。私も楽しいよ」
「ふっ、より一層笑顔に励むように」
「何様なのか。っと、そろそろ皆が来る頃かな。君も会っていくんだろう?」
「んーでもなー、庶民がやけに突っかかってくるじゃんねー。自分が会長好き好き言う割に壁作ってるだけの癖にな〜。だが俺は寛大なのでちゃんとチョコを用意しているのである。渡してから戻るかな〜」
「庶民じゃなくて庶務だね、ここに貴族は居ないよ。あの子も君を嫌ってる訳じゃないと思うけれど、少々私を神格化しているところがあるからね、そんなところも可愛いじゃないか。少々夢見がちな所もあるがそれもまた年頃のウマ娘らしいね」
「それってつまり、おっと俺は賢いので二度も同じ間違いはしないんだった。あいつも会計くらいの寛容さを持てばいいのにな〜」
自分は年頃とは到底言えないって自白した様なうわなにするやめ
「あの子も少し特別だと思うけどね」
「そもそも生徒会に入ってる時点で全員ちょっとおかしいごほんごほん、漫画の登場人物みたいな感じだしな〜」
それオブラートに包めてる? 皮むいてない?
「トレセン学園にいる子は皆才能の原石だからね。その中でも個性豊かな子達が集まっても不思議じゃないだろう? なにせ、学園を支配する生徒会なのだから」
「支配はしてないだろ。してないよな?」
「する訳ないだろう何考えてるんだ君は」
「言ったのお前ぇー。しかも出来る訳ないじゃなくてする訳ない、じゃないですかヤダー」
「おや、そんな事言ったかな?」
「とぼけるのも大概にsayよ」
「きっと気のsayだよ、疲れてるのさ。少し休むといい」
「納得いかぬ。まぁ全部渡し終わったら流石に休む気だったけどなー」
眠気で判断力が落ちてるんだよ。じゃないと普段からこんな変な遊びしてるバカみたいじゃないですかー。そうだね。
ここで新しく3名ログインしました。
「会長ー! ハッピーバレンタイン……なんで部外者がいるんですか出てけー! 無礼者ー!」
「なんだコノヤローせっかく人がチョコ持ってきてやったのにそんな態度が許されると思ってるのかぁ? 無礼者はどっちなのかって話。お前は要らないって事だなよし」
「まぁまぁ落ち着いてフブちゃん。徳井トレーナーも許してあげてね? せっかくのバレンタインですし。もちろんチョコも用意してますよ。ほら、カー子も」
「私は貰う。ハッピーバレンタイン。徳井はいつも美味しい」
「ハッピーバレンタイン。どこぞのお子様と違って素直でいいね、はい。ほれお子ちゃまにもやるよ、感謝したまえ」
「いらないんですけどー! ありがとうございますぅ! 仕方ないからこれくらいはあげますよ! 私は大人なので! 心が広いですから!」
「感謝。お返し。トレーナーと作った。今後もよろしく」
「ありがとうございます。私からもどうぞ、今度感想くれると助かります。長ければ長い程良いとされていますよ」
えー、唐突に3名増えましたがまぁなんとなく雰囲気は分かったでしょう。今後登場の機会もないと思うので説明は割愛しますかね……。
「ふふっ、急に賑やかになったね」
「うるさい奴が一人いるからだろ」
「すぐ人の悪口ですか許せませんね! あたし達はこれからお昼ご飯ですから無関係な人はどっかいってください! かえれー!」
「言われなくても。もう用は無いしな」
「残念だな、私と会うのは用が無いと嫌なのか」
「そうは言ってないし結構頻繁に用もなく来てるだろ。じゃあまたな、ちゃんと野菜も食えよ〜」
「またね、次も楽しみにしてるよ」
「私は良い子なので好き嫌いしてませんけど! 余計なお世話ですぅ! さよーなら!」
「いつでも歓迎。差し入れを忘れずに」
「感想文はデジタルでも受け付けますよ〜」
手を振りながら退散。濃い人達でしたね。なんだか随分時間を使ってしまったので駆け足で進みましょう。
お次は黒沼トレ。お世話になってる先輩トレーナーは何人かいますが、代表して出演してもらいましょう。
どこにいるのかな〜と学園を歩きます。昼休みになって生徒が自由に行動しているので、目立つのを避ける為生徒が集まりやすい場所にはいないはずです。既に昼食を食べたと仮定すると、可能性として高いのはやはりトレーナー室。もしくは今日のトレーニングに使う環境の確認、大穴で担当ウマ娘と一緒にいる、でしょうか。学園から仕事を頼まれている可能性もありますね。
とりあえず黒沼トレのトレーナー室にやってきました。我らが徳井トレと同様、少し辺鄙な場所(過言)にある分余裕のある広さです。
話し声はしませんが電気がついている……気がします。担当ウマ娘からチョコを貰うイベント発生中では無さそうなので突撃! はしません。他人の部屋に入る際はノックをしましょう。
「徳井でーす。黒沼さんいます〜?」
「ああ。入っていいぞ」
「お邪魔しま〜す」
どうやら担当の事を考えていた様子。トレーナーっていつもそうですね。担当の前回のレースを観ながら改善策を考え、メモを取っていた形跡があります。ところで黒沼トレの口調覚えてないんですけど……そもそも喋った回数自体少なかった気がする。サイゲは責任持ってアニメトレーナー達がトレーナーを志すきっかけから試験に合格するまでを描写するべき。
「あ、邪魔でした?」
「いや、考えが行き詰まっていた所だ。気分転換と思えば丁度いい」
「それならいいんですけど。ハッピーバレンタインです、どうぞ」
「いつも悪いな、ありがたく貰おう」
「担当の子からはもう貰いました?」
「今日はまだ会ってないな。貰えるかは分からないが」
「流石に用意してますって。まぁ放課後の方が時間ありますし、夕暮れ時くらいが雰囲気もいいですよね」
「そういうものか」
「ですです」
「ところで徳井、少し時間はあるか?」
「大丈夫ですよ〜なんかありました?」
「良ければ意見を聞きたい。このレースを見てほしいんだが、第三コーナーの、今、ここだ。やや外に膨らんでいるが、練習では綺麗に曲がれていたし他のコーナーは問題ない。色々原因を考えたがどれもあまり納得がいかなくてな。本人もあまり記憶にないらしく、改善しようにも手詰まりだ。何か考えはあるか、何でもいい」
「ふむふむ、うーん……とはいえ俺が分かる事くらい黒沼さんなら分かりますしね、担当の事ならなおさら。そうだなぁ、バ場の荒れ具合はどうです?」
「当然考えたが、多少影響が出たとしてもここまでではない。より荒れたバ場も想定していたしな」
「レース本番の緊張や疲れという線は」
「当日気になる事は無かったな。完璧とまでは言わないが好調だった。レース後にも故障や不調は無い」
「う〜ん……あー、あ」
何度もレースを見返して何かおかしな点が無いかを探します。真面目ですね、当たり前だろウマ娘に関わる事なんだから。
「あ〜、あるかもな。多分なんですけど、前の子いるじゃないですか、内側の。この子が一瞬ですけどふらついてるんですよね、脚を滑らせかけたか、ちょっと踏み込みがズレてたか」
「ほう……確かにそう、だな。だがギリギリ確認出来るかどうかの些細なものだぞ、走りにもほとんど影響が出ないレベルの」
「まぁはい、そうですね。ただ、視界に入ってたんでしょうね、反射的に避ける必要があるかどうかの迷いが出て走りに若干の揺らぎがあります。といってもこれだけなら何も支障は出ない範囲ですね。先頭以外なら誰しも無意識に行ってますし、影響はまずないです」
「そうだな。前が垂れたら咄嗟に避ける、くらいなら思考を割くまでもなく行うだろう。それで、わざわざ言うという事は他にも何かあるんだろう?」
「次見てほしいのは隣の子ですね。この子は前からコーナーが苦手で、その分直線の走りは目を見張るものがあるんですが、それは今は関係ないですね。少し膨らんでるの分かります?」
「ああ」
「それで少し釣られちゃったかな? という程度に寄ってますね」
「だが、まだ理由としては薄いだろう?」
「思い付いたのはあと二つですね。すぐ後ろについてるこっちの子なんですが、あー、なんと言うか、雰囲気ありますよね。威圧感というかオーラというか」
「確かに何か持ってる側のウマ娘だな、と感じた。実際、このレースでもここから2着まであがっていたはずだ」
「やっぱそうですか。その子、というかむしろその子以外の走りを見ると分かりやすいと思うんですけど、丁度膨らむ直前くらいで今から全員ぶち抜く、みたいな無言の主張をしてると思うんですよ。その圧に無意識に身体が動いたという可能性はありますね。あくまで状況証拠に過ぎないですが、まぁそんなに外してはないかなと」
「…………なるほど、確かに同じタイミングで前方の何人かの走りに影響が出てるな。それで、最後の理由はなんだ?」
「これは根拠もない妄想程度なんですが、顔の近くに砂が飛んできたんじゃないですか? 目にさえ入らなければ気にせず走ると思うんですけど、タイミングが重なった事でつい避けようとしてしまった、というのはあるかなと。この映像だと分かりづらいですが」
「むぅ……可能性はあるな」
「まぁ全部有り得るとかかもしれない、くらいの推測なので実際どうなのかは分かんないですけどね。色んな理由が組み合わさったから印象に残ってなくて覚えてなかったのかな〜と。もし合ってるとしたらタイミング悪過ぎて相当ツイてないですし、全く違う理由があるかもですね」
「いや、参考になる。少しでも可能性があるなら考慮するのが役目だからな。俺には無い発想だ、助かった」
「力になれたなら良かったです。また今度合同トレーニングしましょうね」
「ああ。やはり徳井は優秀だな、気付かされる事が多い」
「こちらこそ、先輩の経験や知見には助けられてますし。少しでも学んで良いトレーナーを目指さないと」
「そうだな」
「それじゃあまた。お互い頑張りましょー」
手を振りながらどたばたと出て行きました。珍しくずっと真面目モードでしたね。まぁ黒沼トレの前では割と素を出してるから結構気楽にしてるんだけど、それはそれとして先輩だし尊敬もしてるからある程度は敬語を意識してるという。まぁ猫被ってそれがバレバレだとしてもあえて指摘する事でも無いし……人によって対応を変えるなんて当たり前だからね。大人の対応が求められます。
ところで何故バレンタインの話のはずが男性トレーナー二人の会話を書いてるんですか? 不思議な事もあるものですね。ちなみに書いてる事は何もかも適当に考えたでっちあげなのでそんなん走りに関係ねぇだろ! は無しで。だって会話させようと思ったら必然的に担当の話しだすんだもん……。でもレースの事なんて分かんないし……何も考えずに書いた。反省はしていない。
さてさて、一旦お世話になっている先輩トレーナー達にも渡した事にしましょう。いよいよ残すは担当ズですね。程々に時間も経ってるので、ぼちぼち放課後になりそうです。いつもより活気づいてきました。休み時間にも盛り上がってましたが、やはり時間や先生の目を気にしなくていい放課後は全体的にチョコが飛び交ってます。ほんとに空飛んでるチョコ混ざってない?
本日はトレーニングをお休みにしていますが、特に気にする事なくトレーナー室でどんと構えてます。担当全員が絶対に来るという自信がありますね。
おっと、最も早く到着したのはB。これはやはり人脈の差でしょうか、あまり成果物も持っていないようです。
「私が来ましたよ〜っと、ちょっと寒くないですか?」
「お、ミケが一番乗りか。貰ったチョコが溶けると困るからな、多少は我慢しろ。エーとカナは一緒じゃないのか?」
「エーちゃんはクラスメイトと話してましたねー。カナちゃんはどうだろ、気付いたらいなかったので知りません。てっきり先に来てると思ってました」
「ほーん、んでお前はぼっちだからチョコも貰う事なくここに来たって訳だ」
「あーあー、そんな事言っていいんですか〜? せっかく可愛い担当からチョコ貰うチャンスだったのになー。それに見てくださいこれを、私だっていつまでも人付き合いが苦手な訳じゃないんですけど?」
掲げたるは本日の戦利品。AとCはどうせ後で会うからとまだ渡してないにも関わらず、なんと五つものチョコが存在感を放っています。
「なん、だと……去年より増えてるな。内訳を話してみろ」
「まず去年も貰ってるのは同じ部屋の子と、隣の席で意気投合した友人、それとクラス全員に配ってる子ですね」
「ふむふむ、そこまでは同じだな。後の二つはどうやって手に入れたんだ、ズルしてないよな?」
「する訳ないでしょこんな事に。二つとも慕ってくれてる後輩からですよ。こちとらダービーウマ娘ですよ? ファンの一人や二人くらいトレセンにもいます」
実際はもっといるんだけど、いかんせん微妙に影が薄くて気付かれなかったり見つからなかったりするのがね。あと大体トレーナーかACと一緒にいて近寄り難い。まぁ積極的に話しかけるタイプでもないし、交友関係が狭いのはある。
「それでも五個か、所詮は雑魚だな」
「そういうトレーナーは何個なんですか」
「そりゃもちろんそこに置いてある段ボールに「朝配ってる時の交換はノーカンで。それこそズルですよズル」その程度想定内だ、こっちを見よ。やよいちゃんとたづなさん、生徒会の面々に、わざわざ昼休みに渡してくれた子が何人か。朝の分を抜いても十個以上あるな」
「ふーん。まぁ別に競う事でも無いですし、そもそも大事なのは気持ちですよ気持ち。せっかく貰うんですから真摯に受け取りましょう。数で競うなんて最低です」
「それはそう。とはいえこの量は大分想定外なんだよな、悪くなる前に食い切れるか……?」
部屋の隅を段ボールが陣取ってます。ええ、部屋の一角を陣取るくらいにはありますとも。トレーナーとCBの分で分かれてますが、それぞれデカい段ボール数個分。チョコが多いですが、他にも多種多様なお菓子達がいます。お店でも開くんか?
「いざとなったら私も手伝いますよ。もちろんトレーナーに食べて貰う為に渡してるはずなのでトレーナーが食べる方が良いんですけど、捨てるよりはマシですし。一口だけでも食べて感想が言えれば最低限じゃないですか? いっぱい貰ってるのも分かってて渡してるでしょうし、他の人が食べるのも考慮してますよ」
「まぁ最終手段だな。気をつけて保存してれば多少猶予はあるし、時間を見つけて少しずつ食べるか。というかヤバいのCBなんだよな、なんだかんだ俺と同じくらい貰ってるし。カロリー計算どうすっかな」
「あー。私とカナちゃんはもう気にしなくていいですけど、エーちゃんとシービー先輩はそういう訳にもいかないですからね。特にシービー先輩は大人気ですし、会う生徒全員から貰ってても不思議じゃないですよ」
「それは過言だろ、と言い切れないレベルなんだよな……最悪カロリーだけならどうにか調整するんだが、あんま食べ過ぎると体調崩す可能性がなぁ。去年も苦労したが、今年はそれより多い気がするんだよな……」
「人気者は辛いよってやつですか。やっぱり人気って程々で十分ですね」
「そこまで言うか。まぁ人気があって損は無いと思うが、それはそれとして人によってふさわしい程度はあるだろうな。何事も過ぎると毒ってやつだ」
「なんですか私には人気者になれる格が無いって言うんですか、否定はしませんけど。シービー先輩みたいにはなれる気がしないですし。それはそれとして殴りますね」
ゆーてレースで何万人に見られる中いつも通りの走りが出来る時点でかなり凄いのでは? 多少は慣れもあるかもだけど、人の目、視線ってかなり主張激しいからね。そもそもBは比較対象がCBとトレーナーなのが良くないと思う。
「暴力反対、そんなものには屈しないぞ! あと例外を例にあげるな、基準が狂う。大抵の人は数人の期待でも重いだろうよ。それも子どもが一身に受けるってなると、お前もかなり上澄みだよ安心しろ」
「そうですか。ほぼ子どもに子ども扱いされるのムカつきますね」
「立派な大人なんだが?」
「カナちゃんと並んでたら親子扱いされるのに?」
「それは全面的にカナが悪い」
「まぁ母性というか、溢れ出る優しさとか寛容さがあるのは分かります。それはそれとしてトレーナーの子どもっぽさも原因ですよね」
「この誰もが模範とすべきエレガントな大人のどこが子どもっぽいと言うんだ」
「そういうところですね、あと見た目。真面目な感じを全面に出してれば多少はマシなんですけど、まぁ無理ですよね」
どう贔屓目に見ても高校生……普通に中学生でも通りそうな背と顔。これがもうすぐ成人ってまじ? 生徒によっては同世代にしか見えないね……。まぁ極端な若作りも可能だしちょっと幼く見えるくらいなら誤差かな、誤差だね、誤差です(断言)。
「こんなにも真面目にトレーナーとして仕事をしている俺のどこがふざけてるって言うんだ」
「真面目なトレーナーは頻繁にたづなさんに呼び出されませんし、そもそもバレンタインだからって朝からチョコ配って校門に列を作りませんよ」
「ただ生徒に笑顔になってほしいと願うのはトレーナーとして普通の事だろ?」
「起こす行動が何にも普通じゃないんですよ。クラスメイトが話しててちょっと恥ずかしかったんですけど?」
「人の善意からの行動を恥ずかしく思うその性根こそを恥ずかしがるべきではなかろうか」
「好意的に思われてるのが余計恥ずかしいんですよ。徳井トレーナーからチョコ貰えた〜って喜んでる子も多かったですし。担当なのは知れ渡ってるんで無関係も装えないですし、こっちまで話題が振られるんですよね」
「別にいいだろそのくらい」
「私的には良くないんですぅ。なんでこんなトレーナーのくせに人気なんですか、このっこのっ」
「ふっ、これが、実力、だなっ、つつくな」
「そうでしょうね知ってました。納得いかない……」
なるほど、これは私の方がトレーナーの良い所も悪い所もいっぱい知ってるのに、的な嫉妬でしたか。ちょっと判断に困るので直接的に表現してもらえます?
「ようやく世界が俺の素晴らしさに気付いてきたって事だな」
「そんな話はしてません。過大評価され過ぎなのでどうにかして真実を広げないといけないって話です」
「そんな話もしてないが?」
ちなみに現在座っているトレーナーの膝上にBがうつ伏せで乗っかって脚をばたばたと遊ばせてる体勢です。途中でトレーナーに近づいてうりうりとちょっかいかけた後に流れでそのまま横になりました。距離感……。
「来たわよー、あらミケだけなの? てっきりカナも来てるかと思ってたわ。何やってるの?」
「あ、エーちゃん。今はトレーナーの悪評を広める方法を考えてたとこ」
「考えるなそんな事」
「心配しなくても元から変人扱いされてるわよ」
「そっかーそうだよねー」
「そんな訳ないだろ」
「「え……?」」
「これ程までに優秀かつパーフェクトな品行方正トレーナーのどこに変人要素があるんだ」
「カナちゃんと抱き着いて移動してますし」
「シービー先輩にお姫様抱っこされて運ばれてたわよね」
「たづなさんと鬼ごっこして引きずられていったり」
「生徒会長と遊んでたら副会長に叱られたって聞いたわ」
「むしろ変じゃない要素がどこにも無いんですけど……」
「イベントの度に何かしら騒ぎを起こすじゃない」
「なんでそんな息ぴったりで交互に言えるんだよ。逆に考えるんだ、俺の周りが変だから俺まで変に見えるんだ、と」
「なんなら私達の方がその被害受けてるんですけど」
「変な騒ぎになってる時は大体トレーナーが絡んでるせいで、何か知ってる? って視線が来るのよ。担当だからって知る訳ないでしょ」
「だが、俺は基本的に誰かに楽しんでもらおうとして企画する訳だ。迷惑もたづなさん以外にはほとんどかけてないだろうし、俺は悪くない」
「なんでたづなさんなら迷惑かけていいと思ってるのよ」
「なんだかんだ許してくれるし……」
「それでなんでトレーナー続けられてるんですか」
「やはり持つべきものはコネ……! ありがとうやよいちゃん……!」
「うわー」
「まぁそれはそれとして。割とトレーナーって実績さえ出してれば自由度高いぞ、外部が絡まない範囲ならかなり寛容だしな。流石にトレセン外を巻き込んだりするとガチ目に怒られるみたいだが。そもそもが狭き門、ただでさえ人が少ないからな、優秀な人材は出来る限り手放したくないんだろ」
トレセン学園のトレーナー、としての評判を下げなければ学園内で変な事してようとまぁ程々にね? で済む優しい世界。個性豊かな生徒(マイルドな表現)が揃っているので慣れているとも言うし、類友で生徒に負けず劣らずのトレーナーが集まるとも言うし、生徒数に対して深刻なトレーナー不足とも言う。トレセン魔境過ぎないか?
「優秀な人材……まぁそうですね、人格と能力は別ですもんね」
「限度はあるでしょうけど、シービー先輩の担当ってだけでもうどうしようもないわよね」
担当との関係が悪いならともかく、どう見ても超絶仲良しだからもしトレーナーがいなくなったらどれだけ影響が出るかを考えるとねぇ……並大抵の事は目を瞑ってくれそう。一応未成年だし。
「つまり俺は最強無敵! 余程のやらかしが無ければスルーされる、はずだ」
「でも説教はされてますよね」
「それは仕方の無い犠牲ってやつだ。たづなさんヤバいくらい忙しいからな。説教と言いつつちょっと小言貰った後は手伝いしたら許されるし、それも踏まえてイベントみたいな感じもある」
「あまりにもダメ人間すぎる……」
「むしろ最近はため息だけで許される範囲が大体分かってるせいで小言すら少ないからな、どこか寂しくもある」
またか……の諦めのため息では?
「拗らせすぎじゃないですか」
「そんな忙しいたづなさんの癒しにほんの少しでもなりたい。そう思うのはいけないことだろうか」
「ただ仕事増やしてるだけよね」
「そんなバカな。たづなさんもニコニコで対応してくれてるというのに」
「それ威嚇の笑顔じゃないですかね……」
「大切なのは今だからな、過ぎたことはいいさ」
「絶対今後もやる気じゃないですか……」
基本的には学園内で遊んでたらちょっと盛り上がり過ぎたり、人が集まり過ぎたり、イベントの時間が押したりとかだから禁止する程でもなく、とはいえ放置は出来ないくらいの規模だしいいんじゃないすかね……勝手に空き教室使ったり備品壊したりはあんまり多くないので……。
「そんな事よりだ。Cズはまだ来ないのか? そこそこ話し込んでると思うが。まぁシービーは人に集られてるんだろうが、カナはなんでだろうな?」
「遅くなりました〜。思っていたより寮が混んでいて、持って来るのにちょっと時間かかりました〜」
「お、噂をすればか。んでそのでかい箱は、まぁいいか。そろそろ俺も準備しないとなー」
「ただいまー、ちょっと遅れたかな。皆気合い入れて準備してくれてたみたいで、受け取るだけでも時間かかっちゃった」
「おかー。お前はとりあえずそれ全部置いてからにしろ、話が入らなくなる」
「うわっ、先輩前見えてます? 手伝いますから、気をつけて置きましょう」
両腕に複数の紙袋を引っ提げ、両手で抱えた段ボールに積み重なった推定チョコ達。えぇ……。
「ん、ありがと。朝に結構貰ったから放課後は油断してたよ。去年はここまで多くなかったはずだけど」
「ダート勢の差じゃないか? もしくはクラシック三冠を観てから入学してきた新入生か」
「確かに後輩が多かったかな。高等部だから後輩の方が多いのは当たり前だけどね」
「とにかく、これで揃ったな。ではこれより、チョコ交換を始めるぞー!」
「「「「おー」」」」
「じゃあまず誰からだ?」
「先に私から終わらせていいかしら、特に面白みもないし。はいこれ、一応デコには気合い入れたから手抜きじゃないわよ?」
普通にチョコを溶かして容器に入れて固めたやつ。それにチョコペンで絵を描いたりカラースプレー、ラメ、アラザンなどなど使える物全部使ってデコレーションに力を入れてます。まぁシンプル故に確定した美味しさではあるのでね。見た目も楽しいしいいんじゃなかろうか。
「誰も手抜きなんて言ってないだろ。まぁ面白みは無いが、別にそれは悪くないからな。味も保証されてる様なもんだし」
「綺麗でいいね」
「やっぱりエーちゃんセンスあると思う。これとかすごく可愛いし」
「そう褒められるのもそれはそれで恥ずかしいわね。ほら、次は誰?」
「あ、じゃあ私出すね。まぁいつも通り店売りのやつなんだけど、今年はちょっとお小遣いに余裕あったからちょっと高級なのもいいかなって。じゃじゃーん、板チョコじゃなくてタブレットって言うんだよ」
バレンタインはいつも普段は手を出さない、気になっていた物を試しに食べてみて一番気に入った物を渡しているB。ダービー勝利以降お小遣いが増額しましたが、とはいえお金持ちではなく。この為に貯めていた分もあるとはいえ、普通の板チョコより0が1つは多い物を色々買える程ですかね。
「言い方変えても板チョコは板チョコなんだな、まぁ美味いが。これちゃんと良いやつじゃないか? 毎年自分で食べて選んでるみたいだが、まさかとは思うが食い過ぎてないよな……?」
「まさかそんないやいや。高いな〜と思いつつ買ってみたら思ったより美味しくて止まらなくて予算がなくなったから他の種類を試せなかったなんてそんな事ある訳ないじゃないですか〜」
「おい」
「もしかしてミケが肌荒れ気にしてたのって……」
「うぐっ……はい。誘惑に負けて買い漁って食べた愚か者は私です……貯めてたお小遣い無くなっちゃった……」
余裕があるとついつい使っちゃうタイプだ……気付いたら思ったより減っててあれ? ってなるやつだ……。
「お前が甘い物好きなのも分かるしこの時期は多めに食べるのも分かる。それはそれとして限度はあるよな?」
「違うんです、私は我慢しようとしたのに体が勝手に」
「はい今月末までトレーニングと食事制限な。健康志向でいくぞ」
「いやだぁぁぁぁ」
「でもほんとに美味しいわねこれ、ミケがついつい食べるのも分かるわ」
「ホントだ、美味しいね」
「でしょ! だから私が食べ過ぎたのも仕方ないんですよそうですよ」
「来月まで期間延ばすか」
「反省してますほんとですだからせめて今月だけで許してください」
「全く。まあいい、食べ物に罪は無いからな。美味いものは美味い。お前に足りてないのは自制心だな」
「くそぅ、反論したいのに今回ばかりは何も言えない……ほ、ほら、もう私はいいから次! カナちゃんは何を持ってきたの?」
「私はこれですよ〜」
Cが部屋に来た時から見るからに存在をアピールしている大きい箱。箱の中身はなんじゃろな。
「それは分かるが、中身何なんだ?」
「綺麗にするのに少し苦戦しましたが〜、チョコレートケーキです」
パンパカパーン。箱を開けるとそこにはムラなくチョコがコーティングされたケーキの姿が。ふつくしい……ところでこれザッハトルテでは? あ、ジャム入ってないのね。ほなチョコケーキか。
「「おお〜〜!」」
何故かトレーナー室なのにお皿もナイフもフォークもありますので準備をします。お土産におやつ、日によっては弁当と、割と飲食してるんすよね。ちゃんと掃除もしてるのでセーフ。
「切っていいか? 切るぞ? いいよな?」
「ちょっと待って、写真撮っておきましょ。……はい、いいわよ」
「でも慎重に綺麗に切ってくださいよ。せっかくカナちゃんが上手に作ってるんですから」
「分かってる皆まで言うな。真ん中はこの辺だよな、真っ直ぐ、いくぞ!」
スっと沈み込むナイフ。慎重にしかし大胆に、綺麗に切り分けていく。そこそこ大きい事もあり食べやすいサイズの八等分に。しかしここには五人、故に二つ食べれるのは三人しかおらず……うん、Cはいらないね。じゃあ四等分で良かったじゃねえか。流石にでかいか。残りは後日食べましょうね。
「うまうま」
「美味し〜」
「それなら良かったです、頑張った甲斐がありました〜。次は〜シービー先輩〜?」
「ん、アタシだね。カナちゃんの後だとちょっと見劣りするけど、ちゃんと出来てるはず」
「これはマフィンですか? 綺麗ですね!」
「ほー、よく形を整えれたな。結構割れやすいと思うんだが、上手いな」
「そこはほら、たまにトレーナーも言ってるよね。試行回数こそ正義って」
失敗作は全部食べればいいんだよォの精神。味は変わんないし。それでも見た目にこだわるのはやっぱ気分的な問題だよね。どうせなら綺麗な物をあげたいよねっていう心持ち。愛です、愛なのです。
「理解〜、美味い。ところで食事制限はいるか?」
「必要無いのはトレーナーも分かってるでしょ?」
「そりゃそうだ。誤差で済ますの上手いな、分かってるのかミケ」
「はいはいどうせ私は自己管理出来てないですよー。別に私も太った訳じゃないですしぃ」
「口の減らないやつめ、トレーニングメニュー増やしてやろうか」
「横暴だー、たづなさんに訴えてやる〜。担当をいじめてまーす」
「甘いな、チョコの様に甘い。その程度でいじめとするなら多くのトレーナーのスパルタ指導がアウトになるぞ」
「トレセン学園は闇が深かった……? というかそれは夢や目標があるから頑張ってる訳ですよね? じゃあ私には関係ないので、やっぱりただのイジメですよ、なんなら体罰ですね」
「仕方ないな、なら目標を立てるか。そうだな、ジャパンカップとかどうだ?」
「無理に決まってますよねふざけてますねそうですね」
「あ、ミケちゃん出るならアタシも出ようかな」
「ただでさえ無理なのに可能性が完全に消されてるんですけど? そこの所担当としてどうなんですか」
「まぁどっちが勝っても俺の功績だし……」
「最悪なんですけど本当にトレーナーとしての自覚あります? というか誰も出るとか言ってないですよね? 走りませんよ?」
「「えー」」(走らないの? の顔×2)
「えーじゃないんですよ無理なものは無理です。そもそもダービーの時もなんとかギリギリ薄氷の勝利だったのに、その時より能力に差がある人達に勝てるわけないでしょ。自分で言ってて悲しくなるんですけど?」
「今から死ぬ気でやれば万が一くらいは勝率あるんじゃないか? いやまぁシービーも出るならちょーっと厳しいが、やってやれない事も無きにしも非ず」
「それはもう無いって言うんです。勝てないと分かってて走りたくないです、せめてなんとかなりそうな目標にしてくださいよ」
「なんだよつまらんやつだなー。じゃあ5キロ減とかにしとくか」
「落差ひっどいですね。というか太ってないんですけど」
「何言ってんだ、夏頃から考えると10くらいは増えてるだろお前」
「なっ、一体何の根拠があってそんな事言うんですかデリカシーなんて無いですよね知ってました」
「根拠というか見れば分かるだろ、トレーナーをなめるなよ? まぁ正直、一般的にはむしろ今くらいが丁度いいとは思うが。走る機会自体はあるのにそんなたるんだ身体でいいのか?」
「あーもー分かりました私が悪かったでーす、ちゃんとトレーニングしますぅ。乙女に対してたるんだなんて酷い事言えるもんですねほんと! こうなったらジャパンカップでも何でもかかって来いって感じですよもう!」
B、キレた! いやこれめんどくさくなって投げやりなだけでは。一応Bの尊厳を守る為に言っておくと、普段のトレーニング自体は参加してるよ。ただまぁ最低限の維持が目的で強くなる気も必要も無いから軽いメニューで、なのに食事量は変わってないから少しずつ増量しちゃっただけ。というか元々が最適化され過ぎてただけという。今の方がちょっと可愛いまである。
「なるほど、じゃあ目指せ凱旋門賞だな」
「バカが伝染るので口閉じて貰っていいですか?」
「何でもいいって言ったのはお前だろ」
「言葉のあやでしょそのくらい考えれば分かりますよね」
「はぁー? このシービーの顔見ろよ、こんなにわくわくした目で見つめてるってのに期待を裏切るのか?」
「それは卑怯でしょ、言い出したのトレーナーだから私の責任じゃないんですけど。もう、エーちゃんとカナちゃんも何とか言ってやってよ」
なおこうして無駄話が盛り上がっている間、卓上のチョコを各々好き勝手食べているのである。お菓子パーティーみたいなもんだね。
「ふぇ、私? ゴクン、まぁジャパンカップに出るのはいいんじゃない? せっかくだし。ミケも走るの好きでしょ?」
「え、うんまぁ好きだけど、でも勝ち目薄いレースに出るのは嫌じゃない?」
「んー、まぁ結構期間あるからそこは言い出したトレーナーが何とかするでしょうし。やっぱりレースって楽しいじゃない? やるだけやってみてもいいと思うわ。気楽にいきましょ」
「むむむ……カナちゃんはどう思う?」
「後悔の無い方を選べばいいと思いますよ〜。自分のしたい事をしたい時に、笑顔で幸せなのが一番ですから〜」
「深いような単純なような……あぁもうなんか考えるのが面倒くさくなってきました。どうせ引退なんて言ってないですしいいですよ走りますよぉ。きっと世間の人はもう私の事なんて忘れてますし、強固に思い出させてやりますよ」
「よっ、その意気だ!」
「やるからには勝ちますからね、言い出したからには何か策とかあるんですよねぇ?」
「ふっふっふっ、あると思うか?」
「そうですよね考え無しの大バカですもんね、いつも適当に喋ってますし脳みそ入ってるか確認した方がいいんじゃないですか?」
「誰の頭がダチョウ並だ失礼だぞ」
「ダチョウには勝てると思ってるのが傲慢ですよね、謙虚さの欠片もありません」
「それはダチョウを舐めすぎだろ、ダチョウがどれだけ駄鳥なのか知らんのか。なんで生きてるのか疑問な程奇跡的なまでの頭の悪さと反比例する身体能力を持つ不思議生物だぞ。人間じゃ同じステージにすら立てんわ」
「ダチョウを褒めてるのか貶してるのか分かんないんですけど。なんなんですか好きなんですか?」
「そりゃあ好きだろ。ダメな子程可愛いって言うし」
「じゃあ私は可愛くなくて申し訳ないですね」
「めちゃくちゃ可愛いが? 可愛すぎて困るが?」
Bが凄すぎる、トレーナーに好きと可愛いを言わせる策士だ。孔明の名を贈ろう。CBが天才か? って顔で驚いているよ。君は素直に言えばいいんじゃないかな……。
「ハイハイそーですか。もー何の話してたか訳分かんなくなってきました。そういえばトレーナーのチョコまだ出してないですよね、今年はどんな変なの作ってきたんですか」
「あ、忘れてたな、持ってくるから待ってろ。ちょっとカナ手伝ってくれ」
「は〜い」
少々移動に難アリなのでCに手伝ってもらう事に。トレーナーの部屋に取りに向かいました。
残された人々はというと。
「あぁぁもぉ〜、なんなのトレーナーはほんとにもうさぁ」
深呼吸一つして冷静になったBが突っ伏しました。これはもう起き上がれないかもしれませんね……。
「ミケは可愛いわよ、良かったじゃない」
「それじゃなくてぇ、いや走るのもレースに出るのも割と楽しみだから別にいいんだけど、なんか当然の様に無理難題言ってくるし、そのくせ勝ち目はほぼ無いとか言ってくるしぃ」
「なのにお前なら出来るって信頼してくる?」
「それ! なんなのほんと絶対何も考えず喋ってる癖に本気なのもムカつくしそれでまぁいいかなって思う単純な自分がアホすぎて腹立つー!」
「可愛いって言われてちょっと嬉しかった自分にも?」
「ほんと腹立……いや待ってくださいシービー先輩それは語弊があるというかちょっと違うというか別にトレーナーに言われたところで価値が低いしそもそも煽りだから褒め言葉じゃないしあんな直で太ったとか言ってくる奴の言葉が嬉しい訳なくて」
「うんうん、そうだね。ところでジャパンカップどうしよっか、アタシも出ようか悩むな。去年は出なかったけど中々楽しそうなレースだったからね」
「あの、絶対分かってないと思うんですけど、あの、先輩? その目やめてくれませんかちょっと勝手に共感しないでくださいほんとに違いますからね」
「諦めなさいミケ。担当を続けてる時点で嫌いじゃない事は分かってるのよ、否定してもそのうち墓穴掘るだけよ」
担当トレーナーが嫌いでも実力だけはあるから渋々担当を続けているという可能性はないのですか? ちょっと想像つかないね、トレーナーとかいう人種有能多くない? そりゃそうか、だから数が少ない訳だし(自己解決)。
「いや別に嫌いとは言ってないよ? ただほら、こう、分かるよね?」
「まぁそうね、トレーナーにも非はあるわ。というか大体の事はトレーナーが原因だから。そういうものとして受け入れるしかないわ」
「そうだよね、だから私は悪くないんだよ。トレーナーが悪いって事にしておこう」
「ファイナルアンサー?」
「急ですね、ファイナルアンサー」
「残念、不正解!」
「何がですか!?」
「好きになった方が負け、惚れた弱み、つまり悪いのは好きになったミケちゃんだね」
「だからそういうことじゃないって言ってますよね!? しかもその理論でいくとトレーナーって大体のウマ娘に負けてません?」
「そうだね。浮気かな? 処す? 処す?」
「処しません。どこで覚えたんですかそんなノリ。トレセンだとトレーナーくらいしか言わないですよたぶん」
じゃあトレーナーが言ってたんじゃないですかね(凡推理)。
「でもトレーナーも人気者だからね。どこのウマの骨とも知れない人に取られない様にしないと」
「担当契約って別に付き合ってる訳じゃないですよね? トレーニングには付き合ってますけど。まぁトレセンだと、というか世間的にもトレーナーとシービー先輩距離近過ぎとは言われてますが」
「ミケも大概よね」
「エーちゃんもなんだかんだ許してるじゃん」
「カナに比べたら全然よ」
「それは流石に私もかな……」
「皆違って皆好き、それでいいと思うよ」
この場合おかしいのって担当達じゃなくてトレーナーという説があってぇ……仲良くなれば誰とでも距離感近くてぇ……パーソナルスペースとかいう概念が存在しなくてぇ。一度気を許すと距離感消失するバグ報告したけど修正まだですか?
「王の帰還である! 疾く迎えよ!」
「トレーナーが王だとして、王は王でも無王でしょ」
「だぁれが無能じゃワレェ。トレーナー室に入らん、訳でもないが今は物が多いからな、ちょっと外に出てこい」
「どんだけ大きいの作ったんですか……」
Cがコロコロと台車を押してやってきました。高さ2mには届かないかな、程度の箱が載せてあります。箱、というか役割的にはあの料理に被せる蓋みたいなやつ(クローシュ)なんですが。
「うわでか……」「本当にチョコでしょうね?」
「ふはははは、よぉーしお前ら覚悟はいいか? あー、ハシゴか段差か……まぁいいか、カナ、肩車だ。我が作品の威光に恐れ慄きひれ伏すがよい! ごまだれ〜」
トレーナーがカナの力も借りて倒さないようにどうにかこうにか真っ直ぐと蓋を持ち上げました。現れたるはもちろんこの姿。ABCBは唖然とするしかありません。
「おぉ、いやまさか、うわー」
「……等身大チョコ像?」
なんとびっくり、トレーナーが2人に分身!? いいえ、ただのチョコですね。大きさの都合か下手に決めポーズが出来ず、腕を控えめに開いて手のひらをこちらに向けているポーズです。風が吹いてたり、支配者だったりしそうですね。
「これこそは俺が一昨日ほぼ丸一日かけて削り整え作り上げ、溶けないように部屋ごとキンキンに冷やした事でリビング出禁になった成果! どうだ参ったか!」
何やってんだこいつ。誰と何を競ってらっしゃるの? なお昨日はこれ以外のチョコなどを作るのに費やした模様。バレンタインの為に2日捨ててるの中央トレーナーの恥だろ。
「これは、スゴいわね。細かい所までよく出来てるし才能あるんじゃない?」
「流石に凄いと言わざるを得ないんですけど、どう考えても個人でやる事じゃないですよね。動画配信とかしてます?」
「……どうやって食べるの?」
「はっはっはー、そう褒めるな、いやもっと褒めろ。いくらでも褒めて崇め奉れ。それにより私は次のステージへと向かう……!」
「明後日の方向に行ってますよね、トレーナーならトレーナーとして進んでください。ところで写真撮っていいですか?」
「いいぞいいぞ、なんならこの偉業を世界に広げる事も許す。ツーショットとかどうだ?」
「SNSなんてほとんど投稿してないのに急にこんなのあげたら意味わかんないですよ。それはそれとして一応ツーショットはしておきます、とりあえずトレーナー横に立ってください」
「俺かよ。だが並べる事により更に完成度の高さが実感出来るというもの、撮るがよい!」
いそいそとCから降り……降ろそうとしないCを説得してから降り、台車分ちょっと高さが違うのがなぁと気になりながら横に立って同じポーズ。所々欠けているものの、かなりの再現度です。
「おー、比べるとやっぱり似てますね。トレーナーがそのままチョコになったって言われても信じる人いるんじゃないですか?」
「型を取ったと言われたらそうでしょうねってなるわね」
「ふははっ、気分が良いとはこの事か。地味にかなり苦労したが、やはり俺が一番だな!」
なお苦労したのは塊のチョコの用意とそれを削れる道具と環境作り、そして削ったチョコを集めて溶かし自分で処理した事。再現度の高さは、まぁ器用だし模写の類いはかなり得意分野という事で。削っている間と保管時の衛生管理は細心の注意が必要だったので(トレーナーには珍しく)精神的疲労が溜まっていたり。
「で、どうやって食べるんです? というか味は良いんですか?」
「普通のミルクチョコだな。程々の美味しさだ。え、これ食べるのか?」
「自分が作ったんでしょ、食べ方くらい考えてなさいよ」
「チョコなんだから食べない選択肢ないですよね」
「じゃあなんかいい感じに分割してくれ」
「なら四等分……は無理ですね。何か希望ある人〜」
「アタシは顔貰おうかなー」
「そういう感じ? バラバラシタイみたいになんの俺?」
「なら私は腕にしようかしら」
「じゃあ足かな〜。カナちゃんはそれで大丈夫?」
「はい、残りの胴体は私が〜」
「なんでそんなにすんなり受け入れて選んでんの? というかどうやって解体するんだ? 道具とか持ってきてないんだが」
「アタシに考えがあるよ」
チョコ像の後ろに立って一呼吸。せいっ、と掛け声一つ延髄チョップ。素手による首チョンパ成功! ハンドパワーです。ほぼ等身大の首の太さのチョコを平気で折るな。結構冷えててカチカチだぞ。いやまぁトレーナーは痩せてる、というか引き締まってるし全体的に幼めだからそんなに太くはないけど。これがウマ娘の力か、人体破壊に使われなくて良かったね。
「いてて、思ったより硬かったね。でもほら、とれたよ」
頭を片手で持つCB。シルエットだけ見たらくっそ怖いかも。
「ぎゃー首が取れたァ! ぐわーいたいよー」
「なんで感覚が繋がってる設定なんですか。もっと他に言う事あるでしょう」
「手は大丈夫か? 痛みは? 冷やすか? せめて何かでカバーしてからやってほしかったな」
急に冷静になるな。いややっぱちゃんと心配しろ。
「このくらいなら平気、軽くぶつけたくらいの感じ。それより何か入れ物ない?」
「あー、でかいタッパーあった気がするな、ちょっと待ってろ」
「……いやいやいや! 普通にスルーしかけましたけどよくそれで壊せましたね!? 割と硬そうな音しましたよ? 腕とか足ならいい感じに折れるかなーって思ってたら首を刎ねるとは思わなかったんですが」
多少強引なら腕と足は折れるだろうけど、まさか力で解決するとは。というか言葉が物騒なんですけど? 表現の仕方考えて?
「いける気がしたから」
「なんでそういう所はトレーナーに似てくるんですか……怪我が無いならよかったです。腕とか足もいけそうですか?」
「余裕だね、任せて」
若干の手持ち無沙汰についついチョコ頭を眺めてしまうCB。再現度高いよね。何考えてらっしゃるの?
「一応あった中では一番でかいやつ持ってきたんだが、腕か足でも関節折ればギリギリ、頭と胴体は無理そうだよな。てな訳でラップも持ってきたからとりあえず包んどけ。そしたら冷蔵庫に入れとけば大丈夫だろ」
「はーい。じゃあその前に味見を……」
軽く舌なめずりをしたCB。その口が向かう先はもちろんチョコ頭、その口元へと向かい……。
「おいこらキスするな、舐めるな、無駄な演出を付けるなぁ!」
「えぇ〜、チョコなんだから食べるのは当たり前だよね? ちょっと硬いから舐めてただけだよ?」
「その最中にこっちの反応伺ってる時点でその言い訳は通用しないんだよ、普通に食え普通に」
「仕方ないなぁ」
トレーナーをからかって満足したのか、ちょっと溶けかけた口の部分をガリッと噛み砕く。口が抉れてるの結構ホラーな絵面だね。
「躊躇ないのもそれはそれで複雑だな」
「うん、普通のチョコだね、おいしいよ。ちょっと硬いけど、冷蔵庫に入れて固まったって感じでそんなに気にならないかな」
「なら一安心だな。完成した後はつまみ食いなんて出来ないし少し不安だったんだが。ちょっとオーバーに冷やしてはいたが、まぁ溶けて崩れるよりは全然いいか」
「じゃあ解体するよ。落とさない様に持っててね?」
「まず腕からか、落とすなよ?」
「そんな勿体ない事しないわよ」
Aが腕を掴んだ事を確認してまずは右腕。肩の部分から垂直に切り落とします。手刀で切り落とすな。少しくらい断面が汚くあれ。
「一旦ラップに包んでと、次お願いします」
そのまま左腕もストン。まぁストンというよりは硬質な音が鳴るんだけど。念の為ゴム手袋を着用しています。ゴム手袋ごしで切り落としてんの? ちなみにCB以外はビニール手袋着用。衛生管理は大事だね、じゃあ外でそんな事するな。
「ありがとうございますシービー先輩」
「おいおい、まさか食べないまま仕舞う気か?」
「せっかくだしひと口は食べるわよ」
やや迷った後、持っていた左腕の指にロックオン。ガブ、と人差し指の根元まで咥え、ガッガッと何度か歯を立ててからガリッと噛み切る。
「ガリッボリッ硬いわね。何の変哲もないチョコだし。トレーナーに対してストレスが溜まった時にいいかもしれないわ」
「それじゃあ一生食べ終わらないだろ?」
「……」ガリッゴリッ
「無言の主張に使うな。俺の指が無くなるぅ」
親指と中指も食べられて順調に減っていきます。でも腕は流石に口に入らないし結局ちまちま削って砕いて食べる事になりそう。
「じゃあ次は胴体と足だね。このままだと少し難しいかな、持っててくれる?」
「私が足持つから、カナちゃんは胴体支えててくれる?」
「わかりました〜」
首なし腕なし像をCが上、Bが下を持ちました。水平チョップより垂直チョップの方が安定するみたいですね。
「よーし。二連続でいくよ〜」
恐ろしく早い手刀。傍目には一撃にしか見えない……ほどでは無いけど。両手に一本ずつ足を持ってるBは何も出来ないからとトレーナーに手伝わせます。逆になんでCは胴体を片手で安定して持てるんだよ。
「……なんかこれ足舐めてるみたいで屈辱的ですね、選ぶ部位間違えたかもしれません」
「そう言いながら噛み砕くな怖いわ」
「流石にトレーナー室の冷蔵庫に入りますよね? これ寮に持って帰りたくないんですけど」
「まーいけるんじゃないか、そんなに詰め込んでないしな。大きさ的に胴体は怪しいか?」
「……冷蔵庫開けたらバラバラになったトレーナーが入ってるの絵面がヤバいわね」
「チョコだからな? 猟奇殺人みたいな言い方やめろよ、被害者俺じゃねえか」
「いつかやられると思ってました」
「それは容疑者と親交があったやつだろ、こちとら被害者じゃ。いや被害者じゃないが」
「八方美人というか勘違いさせてそうというか、まぁ刺される下地はあるわよね」
「何なの? 夜道に気を付けないといけないの?」
「大丈夫だよトレーナー、そうなってもずっと一緒だから」
「いやそうなる前に助けて? なんでやられる前提なんだよ」
「トレーナーさんがやられる時は〜既に私がやられた後ですね〜」
「守りきれなかったのかよ。ウマ娘の力で守れないならもう無理だろ」
「犯人はウマ娘という説が濃厚ですね」
「そもそも架空の事件で俺を殺すな。恨みを買うような事はしてねえ」
「可愛さ余って憎さ百倍とも言いますし」
「じゃあ犯人この中にいるだろ」
「というか必然的にシービー先輩になるんですけど」
「え、アタシ? 仕方ないなぁ」
「仕方ないなぁでやる事じゃねぇだろ」
「チョコも人も壊す難易度そんなに変わらないでしょ」
「怖い事言うなよ本当は怖いウマ娘じゃねぇんだぞ。そういう事が出来るという事実から目を逸らして生活してるんだから」
力加減をミスられたら大事になる様な相手と近い距離でいるのって信頼関係大事だよね。そういう事故が無い様に幼少期から学校で学んでるんですね。急激に身体能力が上がって制御しきれない的な人もいるけど。覚醒した力に振り回されるタイプのやつ。
「変に力が入る事ってほとんど無いですけどね。動揺してる時とかでも全力は出さないでしょうし。大丈夫ですよ、トレーナーが余程変な事しない限りは」
「そうじゃなかったらもっと危険生物みたいな対応になるだろ。程々の力加減が上手いのは知ってるし心配してねぇよ。それはそれとして割と頻繁に種族差は感じるが」
ちょっとした力作業、日常の僅かな価値観の違い、そもそも走りが別次元だしそりゃそうじゃ。
「というか何の話してんだよ、やる事終わったしそろそろ室内に戻るぞ」
「そうですね、少し冷えてきましたし……いや別にトレーナー室暖かくないですよね」
「風を凌げるだけでも違うだろ、チョコが無くなるまで暖房禁止だからな」
「快適じゃないトレーナー室に価値は無いんですけど。早く食べ切ってくださいね」
「お前はトレーナー室をなんだと思ってんだ。量が量だからな、いつになるかは分からんな」
ぐだぐだ言いながら冷蔵庫に仕舞って着席。チョコパーティー再開です。
「こうしてくっつけば〜暖かいですよ〜」
トレーナーを挟んでいたCとCBの距離がゼロになります。トレーナー潰れちゃった……。
「カナちゃんとシービー先輩はそれで良いかもですけど。でもトレーナーは湯たんぽにするには冷たくないですか? 体温的な問題で」
「まだまだ素人だねミケちゃんは。心が温まれば自然と寒さなんて気にならなくなるんだよ」
「密着して物理的に暖かいだけだろ。言っとくが俺は既に暑いからな」
「……もうちょっと詰めてください、私もそっちに座ります」
「え、なら私も」
反対側のソファに座っていたAとBも移動してぎゅうぎゅう詰めに。今こそ目白押しの使い所さんでは?
「おいこら、そもそもそこまで寒くないんだからわざわざ移動する必要なかっただろ」
「いやー心が寒くてー、イベントってこういうノリ大事じゃないですか〜」
「私だけ仲間外れは嫌じゃない」
「寂しんぼめ。ソファの悲鳴が聞こえてくるぞ」
「ソファとしての本懐を果たせて喜んでますよ。嬉しい悲鳴ですね」
「なるほど、本懐と音階をかけたのか、ソファだけに」
「思い付きもしなかったんですけど? ダジャレ扱いしないでもらえます?」
「あくまで偶然と言い張るか。しかしそれもまた才能」
「要らないですそんな才能」
「努力で勝ち取ってこそ真のダジャラーとは志が高いな」
「変な造語やめてください。誰が目指すんですかそんなの」
唐突に出てきた知らない単語で地味にCBがツボって笑いをこらえてます。トレーナーと一緒にいる時間が長くて感性が寄ってきてるのあまりにも可哀想。被害届出す?
「なんだと、言ってやれエートコナシ!」
「なんでそこで私に振るのよ。そんなにパッと出てこないわよダジャレなんて」
「見たか。振るとパッと、つまりバットと掛けてるんだな。こんなに滑らかに言えるんだぞ」
「なんで即座にこじつけれるのよ」
あーだめですお客様。CBがお腹を抑えて震える置物になってしまったのでトレーナーをCが独占してます。漏れ出る息がセンシティブ。
「これトレーナーが連想ゲーム強すぎるだけですよね。ダジャレと言っていいのか微妙ですし。布団が吹っ飛んだくらいシンプルなやつにしましょうよ」
「ふん、その程度で満足なのか?」
「良いじゃないですか、アルミ缶の上にあるミカンみたいな王道の方が分かりやすくて」
「既存に頼らず新規に作ろうとは思わないのか? 自分の内側から溢れ出る想いを言葉に込めるんだ」
「意味分かんないんですけど。というか普通に苦手なんですよねこういうの…………うーん、思考停止した始皇帝死した……とか?」
「なんで一発目で始皇帝なんて単語が出るんだよ。ひねくれ過ぎだろ」
「必死に絞り出したんですけど? 今日の授業で出たんですよ、それでなんとなく頭に残ってました」
「なるほどな、まぁ中々悪くないんじゃないか? てっきり俺はミスったCBくらいのクオリティを想像してたからな。若干分かりづらいが同音を上手く使ってるし、むしろもっと単純で良かったぐらいだ」
「わざわざ考えたのに。なんでそこまでダジャレに真剣に向き合わないとダメなんですか。まぁくだらない方がダジャレっぽさあるのは分かります」
「どれだけくだらないかを争う競技だからな」
くだらないって単語ならいいけど文章中にあると絶妙にしっくり来ない感覚あるの分かりませんか。くだらないでも下らないでも違和感しか無くて二度と使わないと決心しました。今後はラモーヌを見習ってつまらないでいこうと思います。以上、下らないを使わないつまらない人でした。う段始まりない終わりで間があ段連続の言葉全組み合わせ存在する説あるな。
「そんなルール初めて聞いたんですけど……」
「今決めた、俺がルールだ」
「もう知りません勝手にやっててください。チョコって甘いのも苦めのも美味しいんですけど、ずっと食べてるせいか一旦口をリセットしたいですね。いい感じのやつないですか?」
「急に話をリセットしてくるな。お茶でも飲め」
「あ、アタシコーヒー飲みたいな、トレーナーの淹れたやつ」
「何だ急に、仕方ねぇな」
「私のはミルクも入れて頂戴」
「お前も飲むのかよ」
「あ、立ったついでにポテチ取ってください、うすしおで。たぶんありますよね?」
「自分で取れよ、たぶんあるだろ」
「確かドライフルーツとかもあったわよね? 少し酸味のある物が欲しいわ」
「少しは自分で動く気を見せろ、沈み込むな」
「担当の面倒を見るのもトレーナーの役目ですよね」
「そんな役目はない」
ほんとでござるか〜?
こんな感じでだらだらと放課後を過ごしましたとさ。めでたしめでたし。
まぁもうちょっとだけ続くんじゃが。お菓子パーリーも解散し、本日は帰宅。珍しく……かはちょっと分かりませんが、トレーナーの部屋に帰ったのはトレーナーのみです。当たり前では?夜ご飯も程々にして、だらーっとしていた所に、コンコンッとノックの音。
「開いてるぞー」
ガラッと開いたのはドアではなく窓。しかし人影はなく、一つの紙袋が浮いているのみ。
「意外と遅かったな。大丈夫だったか?」
虚空に話しかけるトレーナー。とうとう疲れで幻覚を……な訳がなく、もちろんその正体はカフェのお友達であるSS。……今考えるとオトモダチって名前にするのありだったな……。わざわざトレーナーにプレゼントを届けに来ました。
「ん、お疲れ。ちょっと待ってろ、今出すから」
いそいそと冷蔵庫に入れておいた包装済みチョコを取り出し、念の為保冷バッグに入れて渡しました。そして浮いていた紙袋を受け取ります。
「ハッピーバレンタイン。カフェ用とSS用で分けて入れてる。わざわざ来てくれてありがとな。それで、これがカフェのチョコか? はいはい、お前も手伝ったんだな。どれどれ……おぉ、綺麗だな。写真も撮っとくか、お前じゃないどいてろ」
開封すると中には綺麗なトリュフチョコが。受け取った証明として写真に残そうとすると、ぬぅっと下からチョコに重なる様に出てくるSS。邪魔だからどいてろと手で払っていますが、カメラには写ってません。無視して撮る事をしないのは遊びだと分かっているからでしょうね。
「それじゃあ早速一つ……うん、美味い。あーもう分かったって、それで何を手伝ったんだ? レシピ見ながら、カフェが作るの見てただけ? それは手伝いに入らねぇだろなんで得意気にしてたんだよ。あぁそうだな、カフェに連絡しとくか」
『SSから受け取ったから早速食べたぞ。めっちゃ美味い、ありがとな』(写真付き)
数秒と経たずに既読がつき、すぐに返信がくる。
『お口に合ったなら良かったです。お友達も元気そうですね』
『少し休ませたらすぐ帰らせる。ちゃんとチョコも渡してるから期待していいぞ。夜遅くなりそうだし、先に寝るといい』
『せっかくなので起きて待ってます。楽しみにしてますね』
『そうか? 眠くなったら無理せず寝るんだぞ。ハッピーバレンタイン』
『ハッピーバレンタイン』
「これでよし。という訳でカフェも待ってるしさっさと帰れ。疲れたなんて理由にならねぇんだわ、カフェに夜更かしさせる気か? あっこら、このっ、起きろってっ」
恐らくはまだ動きたくないと駄々をこねるお友達を無理矢理立たせようとしてる……んでしょうね。上手いパントマイムに見えますね、いや見えませんが。力比べで勝てる訳もなく、逆に引き込まれてしまいました。
「まったく、少し休んだらちゃんと帰れよ? 耳をたたむな聞こえてんだろ。なんだマッサージか、してもいいが別にそこまで疲れてないだろ。いや若干冷えてるな、外は寒いしな。はいはい、寒空の下頑張って来てくれたんだろわかったわかった。一回離せ、そして寝っ転がれ」
少しの間UMAハッグしていたSSでしたが、マッサージしてくれるという事で渋々解放してぐでーんと横になります。元々横にはなってましたが。
「上からほぐしていくぞー。全然凝ってないな健康体じゃねーか。この辺とかどうよ、痛くないか? あ、そう。ん〜、やっぱどこも問題ねえな。次は脚だ。流石にちょっと疲労がある……気がするな。一応一通りはやるけど。気持ちいい? ならようござんした。気になる所とか……うん、無いな。寝ようとすんな、帰ってから寝ろ。…………はい、終わったぞ」
SSからの意思表示を受け取り、時には無視しながら恙無く完了。幽霊に肩こりとかあるんですかね。健康な霊って意味分かんないね。
「ほら休憩は終わりだ、駆け足で帰れ。終電はまだまだ先だしそもそも使わねーだろ。忘れ物は無いな? 防寒着とか要らないのか? 平気ならいい。事故……は気をつける必要ないのか、人目には気をつけろよ。ネットで話題になったら困るだろ」
さっさと帰そうとするトレーナーに抵抗して、終電無くなっちゃったね……とか今日は帰りたくないな……等の戯言を繰り出すSSでしたが効果が無いようだ。
「じゃあまたな、カフェにもよろしく。ん、そうだな。無事帰ったら連絡してくれ。気をつけて帰れよ〜」
ばいばーい、と手を振ってお見送り。もちろん窓から。SSは渡されたチョコとその他もろもろのお土産を両手に持って走る……訳でもなくなんかふよふよと浮いて帰っていきました。多分スピード出したくなったら走るんでしょうね。
数時間程経ち、寝る直前くらいの睡魔に襲われうとうとしていたトレーナーにLANEが。カフェからのようですね。
おそらく待ち疲れて座ったまま寝落ちしてしまったカフェと、トレーナーが渡したチョコの袋が写っています。SSからの連絡ですね。
『待たなくていいって言ったのに……寝顔は可愛いけど、ちゃんと布団に寝かせてあげろよ。風邪引いたり身体痛めたりしたら大変だろ』
『( ˙꒳˙ )v』
ちゃんと布団に移動させて、肩まで布団を掛けている写真も送られてきました。
『流石に言わなくても分かってるか。SSも今日は疲れただろうし、ゆっくり休め。ちゃんと暖かくして寝ろよ』
『( ゚ー゚)ウ ( 。_。)ン』
『おやすみ』
『(-_-)zzz』
トレーナーも眠気が限界だったのか、ほぼ寝ぼけ眼で寝る準備をして爆速スヤァしました。
次の日の朝。
『気付いたら寝てしまってました。お友達からちゃんと受け取りました。ありがとうございます』
『おはよ。遅くなったSSが悪いから気にするな。風邪とか心配だから、寝る時はちゃんと布団で寝ようね』
『普段はちゃんとしてますよ……? 昨日は、楽しみだっただけです。このチョコは夕方に食べようと思います。感想送りますね』
『急がなくてもいつでもいいからな〜。SSは元気そうか?』
『えっと……二度寝しました』
『カフェはちゃんと起きて偉いのに、SSはダメダメだなぁ』
『昨日は頑張ってくれましたから……』
『まぁ今日くらいは許すか。カフェは今日も学校だよな? 遅くまで起きて眠いかもだけど頑張れ』
『はい。帰った後のチョコを楽しみに頑張ります』
『期待を上回るといいんだが。何かあったら連絡するかSSに言うんだぞ』
『はい。ではまた』
『またなー』
どうやら夜のSSとのやり取りは残ってなかった様子。気付いた時には何も無かった事になってました。ともかく、これでバレンタインは終了ですね。チョコを渡すという任務を完遂しました。後は沢山貰ったチョコ等を食べたり、感想を伝えたりもありますが、まぁいいでしょう。
ちなみにトレーナーが最も優しく接するのがカフェ、最も雑に接するのがSSです。カフェに対しては優しい言葉遣いにした方がいいのか……? でも違和感あるな……という多分カフェ側は何も気にしてない事を悩んでます。良いお兄ちゃんだと思われたいという欲がありますね。SSに対してはまじで何してもいいと思ってるし、なんだかんだで許されるだろうという前提で行動してます。トレーナーが両親以外だと一番甘えてると言ってもいいくらい。雑な扱いは親愛の証。
後書きが書ける事にウキウキしてる作者でございます、何書こうかな〜。前書きとか後書きで雑談したいならもっと早く書いて更新すればいいのに…。とりあえず投稿してない間のガチャ結果はなんかまぁ総合的に見て若干良い。上振れも下振れもあるけどまぁ確率的にこんなもんかなって感じ。多分平均取ったら確率超えてるのでかなり運が良い方でした。確率通りは実質上振れ。
えー、一旦この作品のジャパンカップのお話。どっかの前書きか後書きで書こうと思ってたのに完全に忘れてたんだよね。史実だとCBとルドルフとエースが走ってエースが勝ったレースですね。って一言で済ませるのが勿体無いタイプのやつだけど本筋から外れるし皆も調べよう。実馬の史実調べるの結構楽しいぞい。
なんですけども、残念ながらこの作品だとローテの都合上CBは走りませんでした。てか史実通りならそもそもJBCスプリント存在しないしその他色んなレースないし、それが面倒でアプリ準拠にしてましたねそういえば。それはどうでもいいとして。まぁやろうと思えば走れたんだけど別にそこまでして走る理由もないしなーで走りませんでした。トレーナー的にもCB的にも。
一方で、ルドルフとエースはもちろん出走してます。まぁどっちも既に史実から離れてるからもちろんと言っていいのかは怪しいけど。
ルドルフは既に3敗、だからこそ覚悟も決まってるし能力的にも飛躍してますね。敗北こそが強くなる糧となるのだ。敗北フラグ全回収したから売り切れなだけかもしれない。
そしてなんと本文で影も形もないエース。いやどっかでちらっと書いた気もするけど本文か後書きか分かんねぇ。実は裏ではちゃんとエースしてました、という事にしましょう。担当トレーナーもついてます。CBのライバル……になる予定でしたが、ここのCB共同通信杯出てないんすよね……という事はつまり、エースの育成シナリオに存在する宣戦布告が出来ておりません。これ多分前も書いたな。でもきっとCBの走った弥生賞を見に来てたんです。CBに会おうともしました。トレーナーを抱えたままマスコミに囲まれているCBに対し、今しかないと……話しかけられませんでした。ここで意識させるべきだと、そう感じたにもかかわらず、その一歩が踏み出せませんでした。あーあ。
その後、三冠レースで健闘はしました。しましたが、CBの背中ははるか遠く。なんだかんだとCBに話しかけるタイミングを逃し続けていたら、気付けばCBの興味はダートにありました。眼中にも無いんだと、そう感じてしまったんですね。実際どうなのかは別としても。
片やクラシック三冠バ、その破天荒さで実績と人気を重ね続け。片や重賞で好成績は残しているものの、飛び抜けた活躍はなく。いや待てよ、大阪杯と宝塚記念勝ってるんじゃね?……まぁいいや。どうするエース、ここで終わるのか?そんな訳ありませんね、なんたってエース先輩ですから。とても信頼してます。だってあのエースパイセンだよ?諦める訳ないじゃん。割と好き、だから贔屓……したかった。でもアプリトレ程のトレーナーはいないし……仕方ないね。友情、努力、勝利!エースパイセンには根性でなんとかしてもらいましょう。担当トレーナーもきっと優秀だと思われますし、なんとかなれー。
という訳で、どういう訳で?ジャパンカップの結果なんですが。……どうしよっか。ルドルフが負ける気はしないんだよね。既に心技体揃ってるまである。敗北って大きなキッカケなわけだし。この時点での強さにバフはかかってるんだよね。
とはいえエースの仮想敵は常にCB、しかも魔改造されたここのやつ。素で化け物なのに出来る範囲で強化されてる、常に上振れしてくるやべーやつ。それを想定した上で、通用するだろうと自信を持った大逃げでしょ?いや普通の逃げかもだけど。ここのCBにも勝ちうる様な仕上がりに対して、そんじょそこらじゃ相手にならんよなと思う訳で。いやでもルドルフなんだよな……もうわかんにゃい。え、その他の海外ウマ娘達ですか?話題のCBが出ないの?なーんだ。みたいな感じで舐め腐ってましたし。まぁどうなったかはご想像にお任せしますね……。
ちなみになんですけど、ここのCBはアプリ版に比べて他人への興味?理解度?が高めなんですね。アプリのバレンタイン見直して、いやでもここのCBは違うな……って思って結局あんま参考にならなかったし。まぁ育成シナリオとバレンタイン期間の特別チョコだとまた少し違うんだけどそれは置いといて。徳井トレとのやり取り、経験があるから、返事とかその後報われるかどうかに関係なく渡す事に意味があって自己満足出来る、などに共感が出来る子に育ちました。
あと徳井トレがトレセン生に詳し過ぎて作戦会議の精度が高くて、ちゃんと聞いてるCBも同じレースを走る子についてある程度知ってる。ので、エースの事もちゃんと認識してるし、良いなって意識してる子の一人かもしれない。レースの格は元々気にしてないけど誰と走るかを楽しみにしてるからね。それを直接言わないのはそれが圧になるのが嫌だから。だからまぁ逆に言われたらテンション上がるんですけど。宣戦布告されると、気に入った。ぶちのめしてあげる。ってなる。なのでエースはとても勿体無い事をしてるんですねぇ……実績とかもちろん気にしてないし、なんなら能力よりも気概とか覚悟を重視する所あるし。どこまでも対等に接してくれる、ライバルであり続けてくれるエースなんてそりゃあ非常に相性がいいんですよ。なんで話しかけないの?いやまぁ劣等感とまでは言わずとも、実績が違いすぎると引け目を感じるのはあるのかもしれない。初手で言えなかったのが痛すぎる、それでもエースならやってくれるはず。信じてるからな。まぁどのみち本文には出てこないんですけど。徳井トレと絡む事は無い気がするし。
裏で絡まれても徳井が出ないと書きづらいんですよぉ……ABCも一応交友関係あるけどその子達が徳井トレと絡むかというと全然だから、特に寮の同室との話とかあるけど書けないし。書いても薄味だからそんなに書く甲斐なくて面白みもないからいいんだけどね。いやむしろ徳井出ない分無駄な遊びが無くなって簡潔になるし一話にまとめて書けるという説はある。
……結局何の話してましたっけ。CBが魔改造されてる分、負けじとエースも強化されてるだろうから流石だなぁって話か。あ、ジャパンカップの結末いいのあったら教えてね。流石にエースが勝ちそうだなって思いとルドルフが負けるの想像つかないなって思いがあるぅ。
更新遅くなったのって書いてない時期があるのはそうなんだけど、長くなり過ぎたせいもあるじゃん?文字数って難しいよね。意識した所でキリよく終われるわけは無いから割とどうでもいいんだけど。そもそも読みやすい様に書いてないし……自分が楽しけりゃいいんだよぉの精神を忘れるな。故に書き始めてから何年経ってもエタる気が無いのだよ。エタって困るのは自分だけだと考えるのじゃ。ちなみに書いてる時に文字数見て思うのは、五千超えたらもうどこで終わってもいいな〜、一万超えたらまぁまだ好きに書いててもいいか〜、二万超えたらそろそろ終わりかな〜、三万超えたらなんでこんな長ぇんだよふざけるな、でした。ちゃんとした思考を挟まずに書いてるから長くなるんだよね。脳死で落書きしてるだけとは言うまいな。
もう新シナリオの更新か、楽しみだけど早くない?育成に慣れて細かい部分で差をつける頃に変わる気がする。半年毎で良かったんだけどな、それだと収益が微妙だったのかな。技能試験はもちろんタキオン。なお微妙な成績。シナリオに慣れるのに時間かかるし、切れ者厳選する前に期限来るんだよね。いつも程々で諦めてる。切れ者前提かつ上振れさせるの流石に正直めんど…。
他にも色々書こうと思ってたはずなんだけど忘れたのね……鳥頭……。これまでに何を書いたのか、何を書いてないのかすら分からない……。次回の更新は年内無理そうなのでいつになるかわかんね。何書くのかもわかんね。おそらく春のファン感謝祭。だがしかし徳井が変な事してる所も書きたいねんな、バカな企画考えた時に手伝ってくれる腹心みたいな生徒も複数いるし、色んなトレーナーも巻き込んで騒いでてほしい。お前はただ楽しそうにしていろ……。
最近割と精神的に終わってる。元々情緒不安定気味、というかあんまり表に出さないだけで感情のブレが激しいんだけど、だーいぶsageな感じがある。あまり強い言葉で責められるとまじヤヴァイため優しい言葉を心掛けましょう。何が言いたいか分かるな?感想をヨコセー。嘘ですこんな長いだけの話に感想なんてある訳ないのでいつか書く可能性が微レ存の真面目回までとっておいてくだしあ。