皇帝から三冠を奪ってみる   作:光らないタイプのモルモット

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気づいたらあけてましたおめでとうございます。

なんか違うなー変だなーと書いたり消したりチャンミ負けたり。どーしよっかなーと思ったけど、別に上手く書けなくてもええやんと気づき脳死で書いた。文章力も想像力も足りないのがチャームポイントってことにしよう。なお本編に使わない設定だけは増えていく模様。フシギダナー



実質スカウト成功だからヨシ!

 

 スカウトに失敗しても、全く堪えてないトレーナーがいた。

 

「うーん、スカウト失敗しちゃったな。でも新人はそんなもんって言ってたし、そもそも諦める気もないしいいか。粘ってればそのうち成功するはず」

 

 こいつである。これは反省してませんねぇ。

 

 

 選抜レースが終わった次の日。午前の授業が終わり、放課後。大体の生徒はトレーニングの時間です。くっそ広いグラウンドの中から即座にABCを発見、声をかけるトレーナー(笑)がいた。

 

「やあ、モブ娘ABC。今日もスカウトにきたよ」

 

 前回の学びを活かしていない、否。前回で距離感が縮まったと思っているからこその行動である。一度決めたことを曲げない、素晴らしい人物ですね。

 

「またモブ娘って……昨日お断りしましたよね」

 

「礼儀は大事って言ったはずですが、分からない人みたいですね。ほんとにトレーナーですか?」

 

「こんにちは〜」

 

 完全に呆れてものも言えないA、一応敬語の体をなしているものの口の悪さが出ているB、そして何も気にせずにちょうどいい位置にある頭を撫でながら挨拶するC。三者三様の対応だが、やはり歓迎はされてない様子。

 

「こんにちは。スカウトのチャンスは一度きりなんて決まってないし、トレーナーバッジもちゃんと付けてるよ。あとカナシーサダメは俺よりちょっと背が高いからって撫でるのは止めようか」

 

 不意に撫でられるのも二回目となれば落ち着いた様子。実際は小さい頃から撫でられることが多く慣れているだけである。

 

 主情報。徳井城太郎、現在16歳153cm。本人は155だと言い張っているため、多少気にしている様子。ただしここ1年で伸びたのは1cm。つまり今後は……。

 身長順にするとA<主<B<<Cである。どうでもいい。

 

「気にせずどうぞ〜」

 

「何度こられても一緒です。トレーナーとしての能力も分からないですし、信用出来ません。そもそも名前すら聞いてないですし」

 

「そういえばそうか。俺は徳井城太郎、前も言った通り今年トレーナーになったばかりの新人だから実績は何も無いね。トレーナー以外にも使えそうな資格は色々持ってるけど、まぁ普通のトレーナーかな」

 

 Cの言葉通り気にしないことにして話を続ける。AやBは幼馴染だから慣れているだろうが、なぜこいつは流せるのだろうか。

 

「礼儀のないトレーナーはいないと思いますけど」

 

「礼儀というか、親しみを込めての名前なんだけど。ウマ娘とトレーナーは仲の良い方がトレーニングも捗るだろうし。何より二人三脚で頑張る、というのはロマンがあるし」

 

「それはある程度親しいからこそ成立するのでは? 現状ただの無礼な人ですよ」

 

「…………あ」

 

 こいつはアホである。ついにトレーナーとして育成が出来る、ウマ娘を強くして仲を深めることが出来ると舞い上がり、実際にウマ娘をスカウトするということに気合いを入れ過ぎた訳である。気持ちが先走った結果がこの馴れ馴れしい態度であり、スカウト失敗という事柄に繋がった。何故その事に気が付かなかったのか、それはこいつがアホだからである。ただのポンである。

 

 それに加えてスカウトといえば拉致、という特殊な例が頭に残っており普通のスカウトとはどういったものか分からないまま勢いで突撃していた。つまりスカウトに失敗するのは必然だったということだ。

 

「気づいてなかったのね……」

 

 心底呆れた、という視線で見つめるA。気まずくなったこいつは咳払いして仕切り直す。

 

「それじゃあ改めて。エートコナシ、ビミョーケッカ、カナシーサダメ。君達をスカウトしたい。目標はシンボリルドルフの三冠を阻止すること。どうかな?」

 

 少し気取って言葉を発しているが、Cに撫でられていることを忘れてはいけない。Bは笑いをこらえている。だが真面目な話というのは簡単には終わらないものだ。

 

 話が長くなりそうだから、とグラウンドの隅に移動して続ける。

 

「私達である理由は? それも、一人じゃなく三人共なのはなんでなの?」

 

「んー、まぁ簡単に言うとちょうど良かったからかな。順当にいけばシンボリルドルフは来年デビュー、そのまま再来年のクラシック三冠を取るだろうから。それはなんというか、つまらないし、勿体ないからさ」

 

 基本アホであるが、こいつはトレーナーであり天才と呼べる程度に優秀である。前世───というほど記憶は残ってないが───がなくてもシンボリルドルフの強さは分かる。来年デビュー予定のウマ娘の情報を見て、これは確実かなと予想がつくくらいには。

 

「っ、それで? どうして私達になったわけ?」

 

「どうせならシンボリルドルフの三冠を阻止したい、と思った訳で。できれば三つ全部、ついでにライバル関係になればさらにいい。かといって、そんな簡単に阻止出来るなら既に三冠ウマ娘が多く存在するはずだよね。めぼしいウマ娘は既にスカウトされてるし、そもそもどれか一つは勝てたとしても三冠はまず無理だ」

 

 既に三冠を期待されているシンボリルドルフのやばさが分かる。流石シンボリ家の最高傑作。と小さく呟きながら、話を理解しているか目で促す。

 

「だから、三人スカウトすることにした?」

 

「その通り。そして幼馴染ということなら冠を分け合っても争いになりにくく、距離適性も分かれている。才能こそ中央基準だと平凡だけど、クラシックならどうにか誤魔化せる範囲だろうし」

 

 まぁそうなるとライバル関係は流石に無理だけど、と続ける。AとBは不満そうにむっ、としたが、もはやCが抱き締めているレベルだったので矛を収めた。真面目なのにシュールである。

 

「その話だと、自分の腕に随分自信がありますね? 誰も担当した事の無い新人なのに」

 

 裏には礼儀すら忘れる程の新人なのに、と皮肉まじりのBの疑問だがアホにそれは効かない。

 

「これでも中央のトレーナー試験には受かってるから、最低限の能力はあるよ。あとはちょっとした特技、かな。ウマ娘のステータスが見えるんだよね。それにとっておきもあるから、G1だったとしても勝負の舞台には立てると思うよ」

 

「どれだけのウマ娘がメイクデビュー、そして未勝利戦で勝てないまま引退するかを分かった上で、ですか?」

 

 中央のトレセン学園に入学出来る時点で才能がある。しかしそれは前提条件だ。そこからさらに突出した才能、努力、あるいは執念。現実は残酷であり、半数以上のウマ娘は未勝利のまま引退していく。

 

 もちろんトレーナーになっている以上、こいつもよく知っている。この子いいな、と思ってもその後レースには出なかった、なんてよくあることで。その度に自分がトレーナーならどうしていたか、どう変えられたか、あるいは既にその子のトレーナーは最善を尽くしていてどうしようもなかったのか。もしもを考えるのは仕方のないことだろう。

 

 それもあって、こいつはハイスペックボディをフル活用して様々な特技を身につけたトレーナーになったのだから。

 

「当然。その上で断言しよう。俺は君達をG1の舞台に上がらせ、勝負の土俵に立たせる。0でしかない勝率を1か2までは引き上げる。君達ならそれを掴み取れると思ったからスカウトを決めた」

 

 実際、選抜レースで負けた時に諦めの色があれば別のウマ娘を探すか、諦めて別の事を目標にしていただろう。こいつはそういうやつだ。

 

「それで、どうかな? スカウト、受けてくれる気になった?」

 

 内心ドキドキで、ハグしているCに心臓の音が聞こえるんじゃないかと思いながら、自信満々に問う。今更ながらどうして抱き締められてるのか疑問に思いながら。

 

「私はいいと思います〜」

 

「えっ、カナ? というかあんた最初からこいつのこと気に入ってるけどなんでなの?」

 

 うんうん、と肩付近に何かの感触があることに気がついたこいつも頷く。なぜ理由も知らないままされるがままだったんですか? 

 

「それはほら〜こう、なんとなく〜? 良い人だなぁって感じたから〜。それにちっちゃくて可愛いし〜」

 

「小さくないが? これからが成長期だが??」

 

 完全にあやされてる子どもにしか見えないのはどうしてだろう。たまらずBも吹き出している。

 

「ふふっ、でもまぁ私もカナちゃんに賛成かな。無礼な人だと思ってたけど、ただの間抜けだったみたいだし。話の全部を信用した訳じゃないけど、嘘はつけなさそうだしね。少しでも勝てる可能性があるならそれに賭けようかな」

 

「ミケまで? わ、私は受けないわよ、こんなお子様。大体、親しみを込めた名前がモブ娘ABCでひとまとめなんてありえないでしょ」

 

「センスの塊なんだけど? 名前と絡ませつつ平凡なウマ娘を表すのにこれ以上無いくらい適した呼び方だが? やっぱちんちくりんだから懐も狭いのかな?」

 

 スカウトしたいウマ娘を煽るトレーナーが一体どこにいるというのだろう。だからこいつは天才(笑)でしかないのである。

 

「はあ? 中一の私とほぼ変わらないのに何言ってるの? むしろカナに抱き締められてる分あんたの方が小さく見えるわ。お子様ランチでも違和感ないんじゃない?」

 

「これから伸びるんだわ。男子の成長期は遅いんですぅ。やっぱ正真正銘のお子様にはちょっと話が難しかったかなぁ〜? 」

 

 流石は最年少トレーナー、ただのお子様である。さてはスカウトのこと頭から抜けてるな? 

 

「お子様はそっちでしょ! 本格化が終わる頃には見下ろしてあげるわ!」

 

「仮にもトレーナー相手に言っていい言葉なのかなー? もしかして一人でも勝てるなんて思ってるのカナ? あんな負け方したのにぃ?」

 

「うっさいわねこのチビ! あんたみたいなのがトレーナーになれるなんて、世も末ね!」

 

「実力ですけど〜? 君みたいな平凡ウマ娘でも勝ち目を作れるくらいには頑張ってきたんだわ。やっぱり才能が足りてないから器も足りてないのかな〜?」

 

 こいつウザすぎる。人をイラッとさせる天才か? トレーナーの人材不足が進んだ結果こんなのが受かったんですかねぇ。

 

 そしてグラウンドの隅の方とはいえ、騒げば目立つ訳で。耳の良いウマ娘の中には迷惑そうに見てくる子もいます。

 

「よ〜しよし、落ち着いてくださいトレーナーさん。深呼吸深呼吸〜」

 

「エーちゃんも、目立ってるから。担当になるかもしれない人なんだから、抑えて抑えて」

 

「こんな人担当にする訳ないじゃない。聞いた? 完全に私達をバカにしてきたわよ」

 

「事実言っただけだし」

 

 深呼吸の次の瞬間には煽りよる、こやつ反射だけで言葉を吐いてるぞ。

 

「トレーナーさ〜ん? そろそろ落ち着きましたか〜? 向き変えます〜?」

 

「いえ、ナンデモナイデス」

 

 流石のこいつもセクハラで退職は避けたい様子。あるいは顔を見ずとも言葉の圧を感じ取ったか。

 

「まあ、エーちゃんの気持ちもわかるよ。それならこうしない? 一週間お試しでトレーナーしてもらうの。徳井さん……トレーナーでいいか。トレーナーの指導を体験してから、その後担当してもらうか決めようよ」

 

「私は〜どっちみち担当してもらいますが〜。エーちゃんの気が済むならそれでいいんじゃないでしょうか〜?」

 

「正直私もそこまで信用した訳じゃないしね、余りにも酷い様だったら私も考え直すし」

 

「む、ミケがそう言うなら……じゃあ明日、は土曜だし月曜から一週間だけね。言っとくけど、私は乗り気じゃないから何も変わらないと思うわよ」

 

「じゃあ決まりだね。トレーナーもそれでいいよね?」

 

「俺の意見は聞かないんだ。もちろん良いけどね! エートコナシは一瞬で手のひら返すことになるけど、恥ずかしくないの?」

 

 勝手に決まった話だろうと何も気にしない、それでこそだ。で、なんでわざわざ煽るんですか? 

 

「随分自信あるわね、それが嘘じゃないといいのだけど」

 

 もはや受け流せる様になったA。煽り耐性付くの早い……早くない? 

 

「はいはい、煽らないの。じゃあトレーナー、私達はトレーニング再開するんでまた月曜に」

 

「そうだな、月曜にここのグラウンドで集まるか。正式にトレーナーになるわけじゃないから自分達で使用申請はしてくれ。あとは……一応連絡先も交換しとくか。あ、てかLANEやってる?」

 

 うーん、ネタとも取れるが普通に言いそうでもある……30点。

 

「じゃあ私と交換しときますか〜」

 

「よし、何かあったら連絡よろしく。何も無いとは思うけど」

 

 なおこいつのLANEは家族以外にも中学の友人やクラスメイトが登録されている。お前陽キャなんか? 

 

「それじゃ俺は戻るから。頑張れよー」

 

「さようなら〜」

 

 

 その後、既に勝った気でいるこいつはたづなさんに三人分の担当ウマ娘申請書類を貰いに行き、何故新人なのに複数の担当しようとしているのかと問い詰められた。まだ一人以外は確定じゃないことを知られると困惑と呆れも混ざった。何故事前に確認をしていないのか、せめて相談して欲しかったと説教になっていたところを、見かねた理事長の助けで解放された。

 理事長、あなたが神か。一生ついていきます! 無事やよい呼びの許可を受けLANE交換をした。ちなみにたづなさんとは既に交換していた、ただし業務連絡用。

 




周囲から見た主(徳井)の印象。
一般トレ「若いのに礼儀正しく向上心もある」「経験を積んだら素晴らしいトレーナーになる」「歴代最年少かつ歴代最高得点で合格は天才としか言えない」
黒沼トレ「初見で驚きこそあれすぐに距離を詰めてきたのは肝が据わっている。面白いやつだったから教育係に立候補した」

学園ウマ娘
肯定派「ほぼ同年代なのにトレーナーになってるのはすごい」「優しそう」
否定派「若すぎて能力に疑問」「所詮新人だし信頼出来ない」
???「かわいい」「抱き枕にしたい」「トレセンで同年代の男性は珍しいしワンチャンないかな」「私の弟です」「私が姉になります」「hshs」「背伸びしてて可愛い」「あと数年早ければ私の担当だったのに」「男は狼、あの子は子犬、どちらもウマ娘には敵わないでしょう」
A「新人の癖に自信過剰、しかもお子様。ABCとまとめて呼ぶのありえない」
B「嫌な奴かと思ったらただのアホ、からかい甲斐がある。モブ娘と呼んだのは根に持つ」
C「初対面で親愛度12。運命なので連れて帰ってもいい?」
謎のCB「面白い子がいるね」(本編に関わらせたい感はあるが、キャラ崩壊する未来しか見えないのでおそらくない)

たづなさん「将来有望なものの問題児感が滲み出ている。何故か最初から微妙に警戒、あるいは畏怖されている……まさかバレて」
やよいちゃん「貴重ッ! な歳の近い男性とは仲を深めておきたい。とはいえ最優先は生徒でありウマ娘。トレーナーとして期待している」

次は……どうするか悩み中だからまた遅くなるかな
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