「ユーハバッハの目的、それは簡単に言えば平和の実現だ。」
「平和だと?!これのどこが平和だ!?瀞霊廷に侵攻して!死神だけでなく多くの一般市民の命も奪っておいて何を言っている!!」
端的にユーハバッハの目的を説明しだすと細かい内容を説明する前にソイポンが噛みついてくる。
気持ちが分からないでもないが説明する前に話の腰を折らないでほしいものだ。
まあ他の死神たちも声こそ上げないまでもその顔にはソイポンと同様の表情を浮かべている。
「少し落ち着いてくれ。平和といってもユーハバッハにとっての平和だ。アンタの考えるそれとは違う。」
「何だと?では奴の言う平和とは何だ?」
「そうだね。教えてくれるかい?」
「ああ京楽総隊長殿説明させて貰うから、とりあえず最後まで聞いてくれ。っとその前に・・・」
「そうだぜ。せっかくジュダスが説明してるんだから途中で割り込まないでほしいな。」
「そーだよね。ボクたちも知らないからね。・・・ジュダスは以前から調べてたみたいだけど。」
「そーなの?」
「そーなんじゃない?」
リルトットちゃんがソイポンにイラついたのか軽く皮肉を言う。
またそれに同調するかのようにジジが俺が勝手に動いていたことに釘を刺してくる。
実際は原作知識なので何もしていないのだが、ユーハバッハの目的など聖十字騎士団でも知らないことを俺が知っているため、そう思われるのも仕方のないことだろう。
尚、最後のはバンビエッタとキャンディスのセリフである。
説明もいいが、そろそろ時間が無くなる。
もう少し媚を売るとするか。
俺は倒れている浮竹十四郎の遺体に近づくと、彼の身体を霊視する。
彼の身体に触れて霊圧を読み取り、的確に流し込む。
「ゴホ!?ゴホッゴホッ!?」
「浮竹!?」
「浮竹隊長!?」
蘇生に成功したが疲弊が激しい。
そもそも肺を患っていたのを霊王の右手の力で保っていたのだ。
一時的に復活してもすぐに浮竹の命の火が消えてしまうだろう。
「更に・・・・ホイサァ!!」
藍染の黒棺で潰されなかった黒い泥のようなナニカを捕縛する。
6匹程度しか生き残っていなかったが仕方ない。
まあ多少は持つだろう。
「ギイ!?ギイィ!?」
「えい」
白目向いて痙攣している浮竹の口の中にナニカを詰め込む。
ポイントは武装色の覇気でナニカの浸食を阻み、霊子を操作して力の塊に変換すること、
後は浮竹がどんなに抵抗しても容赦なく口に詰め込むことだ。
「何やってるんだ!?」
「浮竹隊長が痙攣してるぞ!?」
「うわあ」
「あ、ああ、あああああ地獄、神掛って何さ?・・・・止めてくれ!俺は頭剣八じゃない!!はっ!?」
ナニカを全て詰め込むと白目をむいていた浮竹が意識を取り戻した。
何か未来を先取りしていたようなことを言っていたが気にしない。
「目が覚めたか?浮竹十四郎」
「滅却師!?・・・いやここは?」
「俺が蘇生してやったんだ。感謝してくれ。」
「そうなのか・・・?だが何故・・・・いやまずはありがとう。感謝する。えっと・・・?」
「ジュダスだ。(蘇生はしたが霊王の右手・・・ミミハギ様の力の残滓しか無かった。悪いが半年程度保てばいい方だろう。)」
「!(いや・・・・十分だ。)そうか。よろしく。」
思ったよりも平静だな。
これが隊長か。
「では改めて。奴の目的を説明する前に少し霊王について説明させてもらう。・・・・まあ死神諸君には少し刺激が強い話であるが最後まで聞いてくれ。」
俺の言葉を聞いて浦原は顔を顰め、藍染は愉悦を浮かべている。
うむ、少し不謹慎だが霊王の現状を聞いて死神の方々がどんな曇り顔をしてくれるか、凄く楽しみだ。
「ではまず今の世界の形になる前、現世も、尸魂界も、虚圏もなかった原初の世界の頃、人々には死も生もなかった。だがそんな世界でも人々を襲う虚は存在し、その虚を狩り人々を守る神のごとき超越者がいた。それが現在でいう霊王という存在だ。」
「霊王は完現術・死神・滅却師全ての力を持つ存在だったらしい。あ!完現術者ってのは霊王の魂魄の欠片を自身の魂魄に宿しているために特殊な能力に目覚めた存在でな、最近でいうと月島や銀城とか、後はそっちの織姫嬢やチャド氏だな。」
「どういうことだい?」
「それは~」
しばらくの間俺は原作知識で得た情報、滅却師の見えざる帝国にあった資料からの情報、俺の考えを基に話し続けた。
完現術師の話では霊王の力の欠片程度で月島や銀城ほどの異能が得られるのかと驚き、更に原初の世界での霊王の活躍を聞いて死神たちは自分たちのトップ(笑)の偉大さに敬意を露わにする。
ソイポンなど素晴らしいほどのドヤ顔をしていた。
可愛いね、真実知って泣けメスガキが!
そこから原初の世界を今の三界の形にするために五大貴族の祖先が霊王を人柱にしようとして志波家の祖先が説得しようとしたこと、綱彌代家の祖先が霊王を恐れ、水晶に封じ、更に無抵抗だった霊王を達磨にして生も死もない状態に陥れた上で、臓腑を抉り取り力を削ぎ落として彼らにとって都合のよい、一切の反抗もせずに世界を留め続けるための人柱にしたこと、結局それを良しとして他の五大貴族もそれを継続したことを伝えた。
このあたりから話が進めば進むほど死神達の目から光が消えていき、半比例して藍染の笑みが深まっていく。
滅却師はドン引きで「滅却師滅ぼされた恨みかと思ったけど霊王の復讐とかか?」とか「死神達滅ぼされても残当では?」など囁いていた。
それを聞いて死神のモブ隊員達の脚が折れた。
「ついでにいうと零番隊はもちろん死神の上層部とか四十六室も一部は知ってて今まで隠してたんだろうね。」
京楽と朽木白夜の顔色が紙のように白い。
ルッキャさんが「お労しや兄様。」とか言いながら心配顔している。
少し同情するがまだまだ行くぜ!(愉悦)
「つまりユーハバッハの目的は楔となって生かさず殺さず状態の霊王を介錯して“死”のない原初の世界に戻すことで全ての人間を死の恐怖から開放すること、後次いでに死神たちの絶滅かな!」
ドサ!ドサ!
隊長・副隊長格の心も折れたな。
卯ノ花、剣八は難しい顔をしているが変わらず。
どうせ「死なないならずっと斬りあえるのでは?いやそれじゃあツマラナイか?」
と考えているのだろう。俺は詳しいんだ。
「あ!話は脱線するけど綱彌代家は完現術師の魂魄に内包されてる霊王の欠片を集めるために騙し打ちして皆殺しにして、その罪を銀城に擦り付けたんだよ!銀城からしたら仲間だと思っていた死神たちに殺されかけた上に仲間を殺されて、しかもその罪で追放とか恨んで当たり前だよね!
浮竹が血反吐吐いた。
「ついでに東仙要の友人を謀殺したのも綱彌代家と綱彌代時灘って人間の屑でね!彼が闇落ちしたのは綱彌代家とそれに従って隠ぺいした他の貴族や四十六室共のせいだよう!」
檜佐木と謎の野犬が崩れ落ちる。
ああ・・・俺にはそんな気はないのに・・・なんて素晴らしい顔を見せてくれるんだ。
「ってことでこのままだと虚と死神たちは全滅、滅却師は道具として使い捨てられて、死のない世界で暴君ユーハバッハが碌な事しない未来になるよ!」
空気がお通夜だ。
まだユーハバッハと親衛隊連中のチート能力の説明があるのだが・・・・休憩が必要だな!
ちん〇ん亭語録って意外と難しい。
そもそも更木とか治安の悪い地域とか潤林安とか極端すぎない?
生前どんな善人でも更木送りになれば悪人になるだろうし、逆に悪人が潤林安とか行ったらどうなるのだろう?
四十六室や貴族たちは無能すぎない?
この後死神たちの反乱とか起こっても仕方ないかもしれない。