続きを書くかは不明です。
ユーハバッハによる瀞霊廷侵攻、通称「霊王護神大戦」が集結して80年。
衰弱による浮竹十四郎の死、綱彌代時灘による反乱、大戦終結の10年後に起きた地獄とのイザコザその他大小さまざまな事件が発生したものの、死神達の不断の努力とその血肉により平和が保たれている今日この頃。
今は亡き山本元柳斎重国により護廷十三隊、鬼道衆、隠密起動の隊士となる人材を育成・発掘するために瀞霊廷内に設立された真央霊術院に彼の姿はあった。
彼の名前は平子真子。
現役の五番隊隊長にして、一度は藍染の謀略により尸魂界を追われながらも疑惑を晴らし隊長に返り咲いた傑物である。
関西弁や彼の言動から軽い印象を持たれることもあるが、大貴族には及ばないながらも中々の地位を持ち、度重なる戦いを生き延びた確かな実力を持っており、どっかの暗黒イケメンのせいで心を病んだ某副隊長をケアしつつ、隊長としての業務を日々こなしながら部下や仲間、現世の友人とのコミュニケーションも欠かさないナイスガイである。
尚、裏では「ソウルソサエティ☆パッツンスター」「女死神が選ぶ瀞霊廷で一番抱かれたい男」など様々な異名を持っているが本人は知らない。
さてそんな多忙な彼がなぜ真央霊術院いるのか?
それは今日が今年度の真央霊術院に入学した生徒たちの初授業であり、平子が急用で出席出来なくなった京楽総隊長から急遽代役を依頼されたためであった。
「それで・・・何で俺が此処に来る必要があったんや?普通総隊長が初授業といっても顔見せることなんてあり得へん。なんか
「さすがは平子隊長。実は今年度の新入生には色々
平子は自身の副隊長である雛森の言葉に首を傾げる
「ほーん。特別ねえ・・・。」
(特別言うても隊長格が・・・、それも元々総隊長が出張るほどのモンがあるんか?きな臭いわ・・・。)
「オイ雛森、その特別の理由は分かるか?」
「はい。資料によると、こちらは偶然ですが今年度の新入生には貴族・平民問わず中々優秀な人材が揃っており元々注目はされていたそうです。ただそれとは別に2名ほど総隊長が注目されるほどの人材がいたそうです。」
「その二人は?」
「えっと・・・一人は1年ほど前に尸魂界に来た青年で「更木」に送られた青年です。」
「更木かいな・・・運の悪いやっちゃな。」
「アハハそうですね。それで、ソレからすぐに更木の顔役に収まったらしいんですけど・・・今年度入学試験を通過して、ていう流れですね。凄いですね!」
「確かに凄いが、順調過ぎるわ・・・怪しすぎるわ。」
「もう一人はついひと月前に尸魂界に来た人らしいんですけど・・・すぐに複数の貴族の推薦を受けて入学してますね」
「ひと月で?こっちも胡散臭いわ、かー臭すぎて鼻が曲がりそうや。二人の名前は?貴族ってのは?」
「・・・すいません。名前は載っていません。どうも予備知識なしで確認してほしいそうです。」
「名前も分からんのにどうやって見極めるねん・・・。」
「“見ればわかる”そうです。また推薦者は“朽木家”、 “四楓院家”そして没落こそしていますが“志波家”、そして
「あ~~~~帰ってええ?」
「気持ちはわかりますが駄目です。」
苦労人属性な隊長と薄幸属性な副隊長は二人して肩を落とした。
丁度、新入生達は自己紹介をしているようで既に何人か紹介を済ましているようだ。
二人はそっと後ろ側から教室へと入室した。
「えっと・・・黒崎一護です。ついこの前
「なんでやねん!?お前何を学ぶっちゅうねん!?」
「!?よお!平子!久しぶり!どうしたんだよこんな所で!」
シュタッと手を上げる一護。
「こっちのセリフや!!アホォ!!」
ズンズンと教室の後ろから前のほうに歩いてくる平子。
それを見た一般生徒たちは歩いてくる平子の姿を見てざわめく。
それもそうだ。
彼らにとって隊士は理想の職業、席官はエリート、副隊長格でスター、隊長格など大スターかつ雲の上の存在である。
そんな人物が急に表れて自分たちのすぐ近くをズンズンと歩いてくるのだ。
騒めくのも仕方ないことだろう。
また同時に、そんな隊長と非常に親しいどころかタメ口を聞いている同級生「黒崎一護」とは一体どんな存在なのだろうか?
新入生一同は興味を掻き立てられていた。
「いや実はさ・・・俺が現世で死んじまったとき、平子たちも葬式に参列してくれたじゃん?
そのあとすぐに尸魂界に来てさ、親せきって分かった志波家に厄介になっていたんだよ。それで俺正式に死神になろうと思ったんだけど鬼道も知らないし、基本的な事も全然知らないことに気づいたんだよ。それで岩鷲とかに相談したら、トントン拍子で入学になっちまって・・・・あ!親父も志波家にいたぜ!死神に戻る気はないみたいだったけどな。」
「情報が多いわっ!理由は分かったがお前下手な隊長格より強いんやから学校の必要はないやろ!?」
一護から一理ある理屈を聞くが、なんか納得がいかない。
平子は一護の至近距離まで近寄り頭突きを繰り出す。
「顔が痛い!?」
平子は近場の新入生の机の上に置いてあった教科書を手に取ると、凄い速度でページをめくる。
そしてあるページで手を止めて一護の眼前に突き付けた。
「お前このページ見てみい。」
「えっと・・・・「大逆人藍染に続いて霊王護神大戦にて敵の首魁を打ち取った英雄、死神代行“黒崎一護”」っていや何か照れるなあ・・・ちょっとオーバー過ぎないかコレ?」
「真っ当な評価や!このアホ!?」
教科書の背の部分で頭を叩かれる。
「アイタッ!?」
「あの・・・平子隊長、まだ自己紹介をしていない生徒がいますので・・・その」
「そうですよ平子隊長。気になるのは凄く分かりますが、まだ自己紹介していない生徒もいるので少し待ちましょう?」
クラスの教員と雛森に声を掛けられて平子は気付く。
確かに今は授業中で、自己紹介を終えていない生徒もまだいる。
此処で自分が騒いで予定を消化でき体となれば教員はもちろん、生徒たちにも迷惑をかけてしまうだろう。
「スマン。このまま授業が終わるまでは後ろで見とくわ。一護!お前後で詳しく事情話せや!分かったな!」
「お、おう。」
平子は雛森と一緒に教室の後ろへ戻る。
ただこのことを知っていて黙っていた京楽には何か復讐が必要だろう。
雛森は真面目に自己紹介の様子を見て、自身の霊術院在籍時代を思い出してほっこりしていた。
「では、続いて“山田太郎”」
「はい!」
自己紹介が再開する。
続いては一護の隣に座っていた生徒の番のようだ。
関係ないが霊術院ではあいうえお順ではなく成績順で並ぶため、総合順位が近い者同士が近くに座る慣例がある。
「初めまして!山田太郎です。1年前に尸魂界に来たんですが、運悪く更木になりましてつい先日までそこにいました。縁あってここに入学出来ましたので努力して卍解に至り教科書に載る人物になりたいです!得意なのは白打と鬼道、一応斬術や瞬歩(飛廉脚)は人並みに出来ます。更木だけど怖くないので仲良くしてください!」
「へえアレが更木出身の
自己紹介が終わりひとしきりノリツッコミを行ったところで平子が虚弾を打った。
虚弾は見事に山田の顔面、なぜか黒鉄色に変色している、に突き刺さる。
「顔面が痛い!?」
「そんなけったいな防御する奴なんかジュダスしか居らんやろ!さっきの一護に関しては百歩譲ってええ!!でもお前はダメやろ!?お前滅却師やろ!?あと山田太郎ってなんやねん!?」
「現世で大往生した後気付いたら尸魂界にいたんです。他の滅却師はいないし、更木を〆て暇もて余してたら、黒崎一心さんに偶然出会って「暇なら通ってみたら?」って教えられたので。」
「なんでや!?大体お前もう教科書載ってるやろが!!」
再度平子が近くの新入生の教科書を手に取り、凄い勢いでページを開く。
そしてあるページを開き山田、ジュダスの眼前に突き付ける。
「えっと「霊王護神大戦にて黒崎一護と共に敵の首魁を打ち取った滅却師石田雨竜とジュダス」本当だ!」
「大体なんで山田太郎や!?せめて気合を入れて偽名を付けろや!!ついでに“山田花太郎”って似たような奴がもう居るんや!!紛らわしい!!」
「えっと平子隊長、本名だと横文字なので馴染まないかと思いまして・・・あと色々トラブルになりそうかなと気を使いまして。」
「はい!ダウトォォ―――!!?気を遣う部分が可笑しいやろう!?」
「えっとすみません。じゃあ本名の“ジュダス・ランパード”でお願いします。」
「そっか!やっと本名で呼べるな!ジュダス!」
「黒崎はさっきから何度も嚙んでたもんな。でも黒崎、正式に瀞霊廷という組織に所属したんだから、平子隊長を呼び捨てはやめろよ。」
「ああ!確かにそうだな!すみません!平子隊長!以後注意します!」
「・・・一護にそう呼ばれると違和感が半端ないわ。・・・まさか鏡花水月か!?」
「・・・落ち着いてください平子隊長。」
「ヒェッ!?」
雛森の回想は青春ともいえる霊術院在籍時代をから、藍染の副隊長をしていた黒歴史時代に突入して鬱になっていた。
そんな時に聞こえたキラーワードである鏡花水月。
彼女の目からハイライトが消え去った。
平子の胃がキリリと痛んだ。
現世で死んだ滅却師は尸魂界に行く人もいるという設定にしました。