とある一般聖兵の日常   作:チョコラBB

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4話

「すいませんキルゲ先生少しの間泊めてもらえないでしょうか?」

 

「構いませんがどうしたのですか?」

 

ジュダスはバンビエッタによる審問会から逃亡し師であるキルゲの元を訪ねていた。

他はともかく付き合いの長いリルトットは自分の人間関係など全て知られているのでほとぼりが冷めるまで身を隠したとしてもすぐに見つかってしまうだろう。

だが唯一キルゲについては彼女が星十字騎士団員として昇進する前後の多忙な時期に知り合ったため彼のところならば大丈夫だろうと考えたのだ。

 

「少し自分の無力を自覚する機会がありまして・・・改めて鍛えなおそうと思いまして。」

 

「ふむ。何があったのか聞きませんが・・・己を高めんと努力する姿勢には好感を持てますね。・・・良いでしょう!幸いこのキルゲ・オピー、丁度まとまった休暇を頂いてきたところです!敬愛する陛下に会えないと沈んでいましたが可愛い教え子に協力を求められたのならば!全力で協力しましょう!」

 

「いやそこまでは言ってないんですが・・・・でも協力していただけるなら助かります。」

 

「まあ今日のところは食事でもとってのんびりしましょう。丁度良いブランデーが手に入ったんですよ。」

 

「ええ・・・。俺も先生も酒に弱いじゃないですか。ワインとかならともかくブレンデーは不味いのでは?」

 

「大丈夫です。二人とも弱いのは自覚しているのですから注意していれば問題ないでしょう。なあに多少酔っても明日も休みなのですから寝坊しても誰に迷惑をかけるわけではないのですから!」

 

そして思い出話に花を咲かせながら夜は更けていく。

普段自分かリルトットくらいしか味あわない料理の腕をキルゲに堪能してもらった。

彼のお気に入りは塩唐揚げである。

 

「・・・そこで俺はリルトットちゃんは可愛いって言ったんです!そしてそれと同時に飛廉脚改良版とバンビエッタ様の爆発の模倣で逃亡に成功したんです。」

 

「なるほど。素晴らしい!私もあなたとのディスカッションを経て飛廉脚改良版こそ会得しましたが血装はあなたの足元にも及ばない。特に聖文字の能力の模倣など・・・驚愕を通り越して恐怖を感じるほどです。」

 

「またまたあ!先生持ち上げすぎですよ!模倣って言っても触れたものを爆弾に変えてるんじゃなくて霊子そのものに“爆発する”という性質を付加しただけですよ。ただ・・・最近行き詰ってまして、血装も飛廉脚も一応は完成と言っても良いんですが・・・新たに何を鍛えようかと・・・悩んでまして。」

 

「ふむ。難しい問題ですね・・・。あ、もう1杯どうぞ。」

 

「ありがとうございます。どうぞ返杯です。」

 

「ありがとう。ありきたりですが基礎を鍛えるというのも一つの道ですが・・・貴方には不要でしょう。基礎鍛錬という点においてあなたに勝る人間はいないでしょう。

そもそも最近の星十字騎士団員は陛下より与えられた聖文字の能力にばかりかまけて基礎が疎かになっています。もちろん一般の聖兵に比べれば優れていますが・・・能力ありきの戦闘となっています。万が一能力が通用しない場合、途端に弱体化する。私の「J」の能力が滅却師に使用できないからと言って舐めた口を利いてくる輩が多いし。ちょっと強い力に目覚めただけの俗物があ!!」

 

「溜まってますねえ。どうぞハイボールも唐揚げに合いますよ?」

 

「コレも中々。どうぞ秘蔵の日本酒です。確か・・・DASSAIでしたか。」

 

「結構いい酒じゃないですか!うん旨い!そこで基礎錬はもちろん続けるんですが何か他にパワーアップするのにいいアイデアは無いですかね?乾杯!」

 

「乾杯!う~ん基礎錬により君のスペックは下手な星十字騎士団員より上です。特に頑強さには目を張るものがありますし・・・そうだ!貴方には経験が足りません。ここは実戦形式でシンプルに体術を鍛えてみたらどうでしょうか?ウォッカで乾杯!」

 

「hooo!!乾杯!そうすっね!では問題は何の体術にするかですが・・・中国拳法?」

 

「何故中国拳法?」

 

「いやなんか格好いいし、凄い強いイメージなんですよね。老酒ロックで乾杯!!」

 

「ロックで乾杯!!中国系と言えば蒼都君ですが・・・彼はあまりそういうぶじゅくに通じているという話を聞いたことはないですねえ~。」

 

「先生呂律が回ってないですよ~。一周回ってブランデーを直飲みしちゃう~!」

 

「まったく中国拳法を使えないなんて中国人の風上にも置けないですねえ」

 

「ははは!それ言ったら俺だってジュードーもケンドーも出来ませんよ?ニンジツは少しできますけど!」

 

「ふふふふふふふ何を言ってるんですかジュダスはヨーロッパ?系でしょう?乾杯!」

 

「いやあ俺の前世は日本人なんですよかんぱい。」

 

「フハハハ!冗談がつまらないですよ乾杯&乾杯!」

 

「あはははは!あ!!そういえば現世でDVDを買ってきたんですけど見ません?」

 

「ほう映画ですか。何がありますか?チー鱈は正義ですね。」

 

「ビールジョッキ!」

 

「テキーラ!」

 

「タイトルは「ぐらんぶる」「リベリオン」「逃げるは恥だが役に立つ」の3本ですね。どれ見ます!?」

 

「all for one! One for all!」

 

「つ~ま~り~?」

 

「今夜は徹夜ですべて見ます!」

 

「yeeeee!!」

 

夜も更け・・・机の上、床の上、キッチン。

全ての場所に多種多様の酒瓶が転がり、キルゲとジュダスは完全に出来上がっていた。

空気そのものがアルコールに侵され、まさに致命的だ。

 

「ガンカタかっけええ!!」

 

「・・・ふむ新○結衣ですか・・・。この気持ちは恋?」

 

「先生それは恋です!だから時代は二丁拳銃ですなんです!!」

 

「二丁拳銃は格好いいに決まっています。どうせならガンソードにしてスタイリッシュに乾杯!武器を作りませんか?もう一回乾杯!」

 

「見えざる帝国には海がないからな・・・新○結衣・・・どん兵衛の妖精?・・・狐?・・・お前だったのか、ごん。」

 

「聞いていますかあ!?もっしも~~~し!!」

 

「目があ!?アルコールで消毒だ!」

 

「「乾杯!!」」

 

「拳銃を使ってる人っていましたっけ?」

 

「拳銃ならロバート殿、銃というくくりならリジェ・パロ殿もですかねえ?」

 

「あ~・・・ああ爺さんとジョジョ6部とかに出てきそうな人か。」

 

「フハハハは!6部!?フハハハ!6部!ウーロン茶で乾杯!」

 

「PaB式ウーロン茶で乾杯!」

 

「ほかに何を鍛えますかねえ!」

 

「ん~二人でギブスを~つけて~ムキムキになりま~す!そしてとりあえず爺さんに拳銃をガンカタを教えてもらいます!」

 

「CANKATA!ああ!そうだ霊子そのものをどうにかしてどうにかなりませんかね~!」

 

「唐突に閃いた!霊子を周囲に巻き散らかして~・・・何か攻撃してみて「オラア!!」は~や~い!なんちゃって見聞色の覇気!」

 

「素晴らしい!」

 

「腕の筋肉一本一本に霊子を通して~筋力アップ!さらに皮膚に霊子を通して硬質化!ついでに神経にも通してクロックアップ!!おら!武装色の覇気だコラア!?」

 

「ウボア!?私の全力の静血装をあっさりと抜くとは・・・。――――――――あれ?蒼都君の上位互換では?」

 

「一発芸マーライオン行きまっす!」

 

「安心してください。履いてますよ!」

 

「「乾杯!!」」

 

 

 

 

 

 

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛頭が割れるように痛い・・・。オロロロロ!?」

 

「・・・・・・は、覇気が出来てる。・・・どういう理屈で出来てるんだコレ?」

 

次回

ガンカタ編に続く。

 




アルコールを摂取した勢いで執筆。
この小説でぐらんぶるネタを書きたいな。

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