とある一般聖兵の日常   作:チョコラBB

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今回で摸擬戦を終わらせるつもりだったけど終わらなかった。
後もう一般聖兵ではなくない?っと思う今日この頃。


8話

「ユーハバッハァァ!!」

 

何か致命的にズレている気がする。

今のところリルトットちゃんの呼び捨てに

陛下が怒ってないからセーフだけど不味いな・・・。

リジェ・バロさん当たりの米神がピクピクしてる。

リルトットちゃんがこれ以上睨まれないように早く決めなきゃ!

 

「サツバツ!(リルトットちゃん落ち着いて!)」

 

「クソ!」

 

リルトットちゃんを落ち着かそうと近づくが仮面のせいで変な声に変換される。

それでも近づくが何故か彼女は逃げてしまう。

 

「アイエエエ!?(なんでさ?)」

 

ガツン。

 

一応周囲にも注意していたのだが不意に視界が塞がれる。

咄嗟に視界をふさぐ何かを払いのけると一瞬ナイフを構えた爺さんが見えた。

だがすぐに消え去り、・・・アレ?何が消えた?

俺は確か・・・

 

稲妻が俺を撃つ。

先ほどよりも強力で俺は地面に叩きつけられた。

 

「グワアア!?」

 

上を向くと完聖体のキャンディスが俺に手を向けて――

 

電滅刑(エレクトロキューション)!!」

 

「ッ!?・・・・!!」

 

身体が灼ける。

身体が痙攣して呼吸が出来ない。

 

「キャンディス!!やり過ぎだ!ジュダスが死んじまう!?」

 

「ウルセエ!もう前のジュダスじゃねえ!それに見てみろ!アイツこの雷霆の中でもまだ動いてやがる!!」

 

(いや死にそうなんですけどおぉぉ!?電気に反応して勝手に筋肉が動いてるだけですけどおぉぉ!?)

 

「吊星!!」

 

鬼道により自分の身体を吊り上げ強制的に離脱する。

だが空中に何とか逃げたものの身体はボロボロの上痺れて満足に動かない。

 

「バーナーフィンガー4!」

 

次は炎か!

身動きの取れないまま霊子で路を作り上げ、最高速で回避。

索敵が出来なくなるのは痛いが見聞色の覇気のために周囲に散らした霊子を、キャンディスやバズビーが攻撃の為にばら撒いた霊子毎集め、肉体を再生する。

 

おや?

何か俺みたいに霊子を集めている奴がいるな?

・・・趣味の悪い柄の服を着た眼鏡男が攻撃に巻き込まれたのか火傷している。

アイツも霊子を集めて傷を再生しているのか。

 

俺は急遽眼鏡男へと進路を変えてそのまま痛む身体で突撃!

 

「シガン!(指銃!)」

 

胴体を穿ち、そのまま外殻静血装で眼鏡男の霊子の流れを調べながら拘束する。

振り向くと、バズビーとキャンディスの炎と雷は俺を逃がすまいと迫ってきていたので・・・

 

「ガードベント」

 

「ぎゃあああああ!?」

 

「!?また!」

 

ジェームズが居なくても勝手に治るのは良いが、如何せん初代(マスキュリン)に比べて二代目(眼鏡男)は耐久性に難があるな。

もっと耐久性のある三代目はいないかと周囲を見回すと引きつった顔の蒼都と目が合った・・・。

 

「ナズェミデルンディス!!(君に決めた!)」

 

眼鏡男を適当にリルトットちゃん達へ投げ飛ばし、その隙に蒼都へダッシュ!

・・・と見せかけて背後に潜んでいた独特なビジュアルの男、確かナナナ?へと霊子の床を滑らせる。

身体の動きは前方なのに霊子は後ろ向き、ムーンウォーク飛廉脚と名付けるか。

 

「はあ!?」

 

チグハグな動きに脳がバグったのか完全に無防備だったのでそのまま肘打ちから回し蹴りのコンボで普通に沈める。

 

このころにはほぼ傷は回復したので再度見聞色発動。

 

「ヒャッハー!(ああ!リルトットちゃんには悪いが、俺はどんどん成長してる!楽しい!)」

 

この時ジュダスは圧倒的に不利な戦闘の中で爆発的に成長していた。

今まで長い時をかけて練りこまれた圧倒的スペック。

濃密な戦闘経験。

星十字騎士団という素晴らしい参考資料。

そしてちょっと危ない感じの精神状態。

それら全てがジュダスのギアを際限なく跳ね上げていく。

 

雷で肉体を活性化し、炎で体を後押しして、

こちらに近づいてくるバンビーズの間を駆け抜ける!

 

「“火拳”、“千鳥”」

 

バンビーズの背後に控えていた蒼都と謎のロボットの懐へ。

蒼都の鋼鉄の守りは炎の拳に貫かれ、ロボットは抜き手を体内に突きこまれ内部から雷で蹂躙される。

 

「そりゃあ俺たちの能力じゃねえか!!」

 

「ハハハハ!!」

 

ジュダスは全力全開で雷と炎をまき散らす。

疲労は激しいが霊子を周囲から際限なく集めている限りすぐに回復するため、相手が防御に回らせざる負えない状況を作り、確実に一人づつ沈めていくつもりなのだ。

そして次の目標はジュダスの“死なすリスト”にマスキュリンと共に圧倒的ツートップを張る女、バンビエッタ・バスターバインを“分からせ”ることだ。

 

「調子に・・・のるなあああ!!」

 

先ほどと同様雷速でバンビエッタに飛び掛かるが、バンビエッタは自分の目の前全ての空間を爆破する。

他のバンビーズやバズビーなどお構いなしに吹き飛ばすあたり、彼女も焦っているのかもしれない。

・・・いや平常でもやる女か?

ジュダスはバンビエッタに目前で右掌で爆発を起こし左へ、そのまま再度両手で爆破を繰り返し、バンビエッタの死角から頭上へ高速起動。

 

「な、何で私の能力を私より使いこなしてんのよお!?」

 

バンビエッタが再度周囲全てを爆破するがジュダスは既に彼女の直上にいた。

確かにジュダスの方がバンビエッタよりも格段に使いこなしているが、それは彼の記憶の中に確固としてイメージがあるからである。

そもそも彼女の能力とは似て非なるものなので、最大威力はそこまで大きくはないが・・・お互いの息遣いすら聞こえそうな今の距離ならば関係ない。

 

「ハウザー!インッパクトー!!」

 

爆発を利用しての錐揉み回転体当たり。

とあるヒーロー見習いの技を模倣したものだがこちらには炎と雷、おまけで武装色の覇気も追加されている。

 

バンビエッタ毎地面へ激突。

彼女は白目を剥いて女の子がしちゃいけない顔で気絶していた。

ジュダスは彼女のアヘ顔を術を用いて器用に紙に焼き付ける。

後でこれをネタにバンビエッタを“分からせ”るとしよう。

 




「K」「U」は完全に忘れていた。

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