ゲーマー兄妹はVRMMORPGを始めたそうです。   作:EDFストーム1

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今回は原作同様、SAOチュートリアルです。
今回が過去最高文字数となります!(アニメの第一話まで終わらせようとしたら長くなりすぎました)


それでは第十二話です、どうぞ!


始まりしデスゲーム

真紅のフード付きのローブをまとった巨大な姿。

 

 

GMは男性でも女性でもどちらでも必ずローブをかぶっていた。

運営が顔を用意できずにせめて姿だけでも出現させたのではないか?とまわりは騒いでいる。

しかし真紅のフードの下の空疎な間隙は、キリトにはいいようのない不安感を抱かせていた。

 

 

それは空達も同じであった。

 

このような気配をあちらの世界で僅かではあったがこんな感情が芽生えていた事があった。

だがこれから何が起こるかわからないがこれだけは言えた。

 

 

何かよくないことが起きる。

 

 

 

数多の数のゲームをしてきた「 」。

しかしゲームとはいえ数々の死線を超えて来た「 」としての感がマズイと警告している。

空と白は嫌な汗が出て来ているがテトはあのローブから目を離さないで

ただじっと見つめている。

 

 

 

 

右袖、左袖が動いたと思えば中から手袋が出てくるが肉体は全く見えない。

そして低く落ち着いた、通る男の声が遥か高みから降り注いだ。

 

 

 

 

『プレイヤーの諸君、私の世界へようこそ』

 

私の世界?

確かにゲームマスターならこの世界では神にも等しい権限を持っているだろう。

しかしそれを今更なぜそんな事を宣言しているのだろうか?

そんな事を考えているうちに真紅のローブの男が話を続けた。

 

 

『私の名前は茅場晶彦、今やこの世界をコントロールできる唯一の人間だ』

 

「な..........」

 

広場にいる全てのプレイヤーがあまりに驚愕故に誰も声がでなかった。

 

 

茅場ーー晶彦!!

 

俺はその名前を知らない訳が無い!!

俺は茅場晶彦のことを1人のコアゲーマーとして深く憧れている。

常に脳裏に、常に白衣をまとう茅場の怜悧な容貌がいやおうなく浮かび上がるほどにだ。

だが今まで常に裏方に徹しメディアへの露出を極力避け

もちろんゲームマスターの役回りなど一度した事が無いはずの彼がなぜこんな真似を!?

 

 

そんな中で空達はある言葉が引っかかった。

 

 

[今やこの世界をコントロールできる唯一の人間]

 

 

特にこの言葉の後からテトの表情が険しくなっていく。

コントロールできる唯一の人間、それはつまりこのログアウト事件は....

その後に発せられた言葉は空達の予想していた最悪の自体が見事的中してしまった。

そんな中、空達は今の内にとテトにある事を頼んでた。

幸い、広場の隅っこにいるため、全プレイヤーが茅場に注目している今ならばれる可能性は低いだろう。

 

 

 

『プレイヤー諸君は、すでにメインメニューからログアウトボタンが消滅していると気づいていると思う。しかしこれは不具合ではない。繰り返す。これは不具合ではなく<ソードアートオンライン>本来の仕様である。』

 

 

「し、仕様だと...」

 

クラインは割れた声でささやいた。

 

 

『諸君は今後、この城の頂を極めるまで、ゲームから自発的ログアウトすることは出来ない。』

 

城?その言葉にプレイヤー達はどこに城などあるのかと探している。

が、βテスト版でもっとも多くの層を攻略してきた空達三人にはわかる。

 

城とはこのアインクラットそのものである...と。

 

 

『...また、外部の人間の手による、ナーブギアの停止あるいは解除もあり得ない。 

 もしそれが試された場合...』

 

僅かな間......

 

一万人が息を詰めた、途方も無く重苦しい静寂の中、その言葉は発せられた。

 

 

『ーーナーブギアの信号素子が発する高出力マイクロウェーブが、諸君らの脳を破壊し、生命活動を停止させる。』

 

キリトとクラインは数秒間、呆けた顔を見合わせ続けている。

だが他のプレイヤー達は嘘か何かかと思い広場から出ようとする者がいた。

 

「どうなってんだ、でらんねぇぞ!?」

 

透明なカーテンのようなものがありどうやら広場からは出れないらしい。

 

そんな中、クラインが口を開く。

 

「はは、何言ってんだアイツ、頭おかしいんじゃねえのか?

 ナーブギアはただのゲーム機だろ、脳を破壊するなんで...んな真似できるわけねぇだろ。

 そうだろキリト!」

 

「いや待てクライン、信号素子のマイクロウェーブは確かに電子レンジと同じ方法だ。

 ナーブギアでもリミッターさえ外せば脳を焼く事も...」

 

「じゃあよ、電源をきれば...あ」

 

クラインもナーブギアの構造を思い出したのか目を大きく見開いている。

 

「あぁ、ナーブギアの重さの三割の内蔵バッテリーがある。」

 

「でもよ...無茶苦茶だろそんなの!!瞬間停電でもあったらどうすんだよ!!」

 

クラインが言う事も一理ある。

確かに瞬間停電でも起きたらバッテリーが持っていたとしても回線が切れてしまう。

だがその質問に茅場品彦は答えた。

 

 

『より具体的には、十分間の外部電源切断、二時間のネットワーク回線切断、ナーブギア本体のロック解除または分解、破壊の試みーー以上のいずれかの条件によって脳破壊シークエンスが実行される。

この条件は、すでに外部世界では当局およびマスコミを通して告知されている。

ちなみに現時点で、プレイヤーの家族友人等が警告を無視してナーブギアの強制除装を試みた例が少なからずあり、その結果』

 

『ーー残念ながら、すでに二百十三名のプレイヤーが、アインクラット及び現実世界からも

永久退場している。』

 

 

「二百...十三人もだと...」

 

キリトは脳では茅場の言葉を受け入れまいとした。

しかし体が裏切り、不意にガクガクと脚が震えていた。

『既に二百十三名のプレイヤーが死んだ。』

その部分だけが頭の中で何度となく繰り返される。

 

 

「信じねぇ...信じねぇぞ俺は!!」

 

クラインも目をつぶりながら首を振っていた。

 

 

空と白は予想してい最悪の事態になってしまい流石に焦り始める。

もう既に二百十三名も死んでいるなんて...

だがテトの方に振り返ると様子が違った。

あの目つきは俺達が16の種族とともにテトに挑んだ時の目。

<本気>の目、遊戯の神としてテトが見せていた目だ。

その様子から見てテトは茅場品彦に対してとてつもない感情をぶつけていた。

 

テトが怒る理由はただ一つ。

十の盟約のなかにもある最後の約束。

 

十.皆、なかよくプレイしましょう。

 

 

 

こちらの世界ではテトは唯一神ではない。

ディスボードも十の盟約だってない。

 

だが、遊戯の神として、1人のプレイヤーとしての意地が、プライドがあった。

この茅場品彦の行動は完全に遊戯の神の逆鱗に触れてしまったのである。

 

 

 

 

 

「諸君が、向こう側に置いて来た肉体の心配はする必要は無い。

現在、あらゆるテレビ、ラジオ、ネットメディアがこの状況を、多数の死者が出ていることも含め、繰り返し報道している。

諸君のナーブギアが強引に除装される危険はすでに低くなっていると言って良かろう。

今後、諸君の現実の体は、ナーブギアを装備したまま二時間の回線切断猶予時間のうちに病院またはその他の施設に搬送され、厳重な介護体勢のもとに置かれるはずだ。

諸君には、安心して..ゲーム攻略に励んでほしい。』

 

 

「な........」

 

そこでとうとうキリトの口から叫びの声が迸った。

 

「何を言っているんだ!ゲームを攻略しろだと!?ログアウト不可能の状況で

 のんきに遊べってのか!?」

 

 

そう言い放ち俺は真紅のフーデッドロープを睨みつけ、なおも吠えた。

 

 

「こんなの、もうゲームでも何でも無いだろうが!!!」

 

 

 

『しかし私はこのソードアートオンライン発売前からちゃんといっていた。

「これはゲームであってゲームではない」と。

しかし、諸君にとって<ソードアートオンライン>は、もうすでにただのゲームではない。

もう一つのの現実と言うべき存在だ。

今後、ゲームにおいてあらゆる蘇生手段は機能しない。

ヒットポイントが0になった瞬間、諸君のアバターは永久に消滅し、同時に』

 

続く言葉はもう大体予想出来ていた。

 

『諸君らの脳は、ナーブギアによって破壊される』

 

 

その瞬間俺はあることを考えてしまった。

今、俺の左上にある青く輝くHPバー。

この250/250という数字が0になてしまったら?

俺は本当に死ぬーーマイクロウェーブに脳が焼かれて即死してしまう。

そんな事を考え始めてしまい俺は倒れ込んでしまった。

 

 

 

俺はβテスト中に恐らく百回近くは死んでいる。

<黒鉄宮>という名の建物の中で軽く笑いながら蘇生し、また戦場に戻っていた。

RPGとはそういう物なのだ。

何度も何度もやられては、学習しプレイヤースキルを高め、作戦をたてて敵に打ち勝つ。

それが出来ない?一度の死亡で本物の命も失う?

そのうえゲームを止める事もみとめられないだって?

 

「....馬鹿馬鹿しいにもほどがある」

 

そんなことを言われて危険なフィールドに出る馬鹿がどこにいると言うのだ。

プレイヤー全員が安全な圏内に引きこもり続けるに決まっている。

 

 

だが茅場はその思考すら読むかのように淡々と語り続ける。

 

『諸君らがこのゲームから解放される条件はただ一つ。

このゲームをクリアすればよい。

現在、君達がいるのはアインクラット最下層の第一層である。

各フロアの迷宮区を突破しフロアボスを倒せば上の階に進める。

第百層にいる最終ボスを倒せばクリアだ。

クリアした瞬間、生き残ったプレイヤー全員が安全にログアウトされることを保証しよう。』

 

しん、と減った9787名のプレイヤーが沈黙した。

 

俺達はようやく茅場が言っていた、<この城の頂きを極めるまで>という言葉の真意をようやく悟った。

 

この城とはこの空に浮かび続ける巨大浮遊城アインクラットのことを指していたのだ。

 

「クリア...第百層だとぉ!?」

 

突然クラインが立ち上がり喚いた。

 

「で、できるわけねぇだろうが!!βテストじゃろくに上がれな...いや待てよ...」

 

ここでクラインがあることに思い出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい!「 」と♠♥♦♣だ!!あいつらは何処だ!?」

 

 

 

 

その言葉に全プレイヤーがざわめき始める。

 

「 」はありとあらゆる全てのゲームを極めて来た伝説のゲーマーだ。

つい最近のネットの記事に「 」と最近話題になっている♠♥♦♣が参戦していると

ネット中で話題になっていた。

あの「 」と♠♥♦♣ならなんとかしてくれるのではないかっ!?という感情が現れたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが広場に「 」も♠♥♦♣のアカウント名はどこにも存在しなかった。

 

 

 

そう、これが空達がテトに頼んだ事。

つまり、アカウント名の変更である。

空達はこのまま行けば間違いなく俺達の名前を思い出すだろうとよんだ。

それこそ俺達を血眼になるほど探すだろう。

そして俺達に責任を押し付けるに決まっている。

しかしこのソードアートオンラインはそれほどまで甘くない。

正直、俺達だけでクリアする事は可能だろう、ただし制限時間無しでの話だ。

数十年くらい掛ければクリアは出来る、だが現実世界の肉体ははたしてどうだろう?

当然数十年もベットの上だ、必ずしも安全という訳ではない。

だからこのゲームは全員で団結し合わなければ制限時間に間に合わず皆なかよくあの世行きだ。

 

しかし、この皆が混乱している中でそれを言った所で意味は無いだろう。

最終的には俺達を脅迫する可能性だって充分にある。

 

もし俺達がそれを否定し武力行使でも行ったらそれこそ団結など不可能。

仲間同士の殺し合いなど空達も絶対に避けたかった。

なのでテトの力を借りアカウント名の改竄をしたのである。

 

しかしここである問題が発生した。

それはテトの力が急激に落ちたのだ。

茅場が何かしたのか、それとも別の何かかはわからない。

テト曰く「もうこれで一年以上は魔法つかえないかも」だそうだ。

だがそのお陰で内部分裂という最大の危機は回避出来た。

 

 

 

 

『それでは、最後に、諸君にとってこの世界が唯一の現実であるとう証明を見せよう。

諸君のアイテムストレージに、私からのプレゼントが用意してある。

確認してくれたまえ。』

 

 

「 」達の話題でこちらの話がそれてしまったが、プレイヤーたちは

アイテムストレージにある表示された一番上にるアイテムを確認した。

 

アイテム名はーーー<手鏡>。

 

 

なぜこんな物を、と思いながら俺は手鏡をタップしてオブジェクトボタンを選択。

たちまち。きらきらという効果音とともに、小さな四角の手鏡が出現した。

 

おそるおそる手に持ってみたが何も起こらない。

ほかのプレイヤー達にもなにも変化はなく皆頭に?を浮かべていた。

空達でさえも?を浮かべながら手鏡を見ていた。

 

すると突然、クラインや周りのアバターを白い光が包んだ。

と、思った次の瞬間、俺も白い光に飲み込まれ視界がホワイトアウトした。

 

「おい、大丈夫かキリト?」

 

「あ、あぁ特には何も...」

 

そう言いながら声が聞こえた方に振り向く。

 

しかし目の前にいたのはクラインではなかった。

 

装備や頭にまいてあるバンダナ、つんつんとした赤い髪はもとのクラインのままであった。

しかし顔だけは全くと言っていいほど変貌していたのであった。

 

 

俺は今の状況が理解出来ずとりあえずこの言葉が自然と出た。

 

「お前...誰?」

 

そして全く同じ言葉が、目の前の男からも出た。

 

「おめぇこそ誰だよ?」

 

そして先ほどの手鏡で自分の顔をのぞいてみるとそこには現実世界の俺の顔が映ってた。

 

となりでクラインも手鏡を見ながら「うおぉ!俺じゃん!!」など言っている。

 

 

俺達はもう一度互いの顔を見ながら同時に叫んだ。

 

 

「お前がクラインか!?」 「おめぇがキリトか!?」

 

 

 

 

 

そんなころ空達も...

 

 

「うおぉ!これ現実世界の俺の顔じゃねぇか!やっぱアカウント名変えて正解だったな」

 

「....................」

 

「僕は何っにも変わってないけどね♪」

 

そう言いながらお互いの顔を合わせる。

しかし白だけは胸に手を当てながら固まっている。

 

 

「ナーブギアは顔全体を覆った形してたのはこのためだたのか...」

 

「体型は・・・キャリーブレーションで・・・計測したデータで出来てる」

 

キャリーブレーション、それは装着者の体表面感覚を再現するため

<手をどれだけ動かしたら自分の体に触れるか>の基準値を計る作業だ。

つまりそれは自分のリアルな体格をナーブギアにデータ化させるための作業である。

 

 

あの茅場は現実の証明と言った。

この現実そっくりなアバターとHPは両方はどちらも”本物の命”と強制的に認識させる為だろう。

 

 

「ま、なんでこんなことをしたのかはすぐ答えてくれるだろうがな」

 

そういいながら空は茅場晶彦の方に顔を向けた。

 

 

茅場は空の想像通り、数秒後また茅場の声が降り注いだ。

 

 

『諸君は今、何故、と思ているだろう。

何故私はーーSAO及びナーブギア開発者の茅場晶彦はこんなことをしたのか?と

私の目的は常に達している。

この世界を創り出し観賞するためにのみ私はソードアートオンラインを作った。』

 

 

「茅場っ...」

 

キリトは小さく怒りをこめてつぶやく。

 

『そして今、全ては達成せしめられた。』

 

そう言い終わると真紅のローブが少しずつ歪み始める。

 

『以上を持って<ソードアート・オンライン>正式サービスのチュートリアルを終了する。

プレイヤー諸君のーー健闘を祈る』

 

 

真紅のローブは分解されシステムメッセージに吸い込まれていった。

それと同時に空を埋め尽くしていた、システムメッセージも消えた。

 

 

 

 

この世界は現実だ。

ナーブギアを開発し完全な仮想空間を作り出した天才、茅場晶彦。

そんな彼に魅了されてた俺にはわかる。

彼の宣言は全て真実だ。

俺は本当に死ぬ。

そう思いながらキリトは拳を強く握りしめた。

 

「クライン、ちょっと来い!」

クラインを連れて行き俺達は広場を出て行った。

 

 

 

 

 

この世界は俺達「 」にとってはいるべき場所だ。

だが俺達の生きる現実はここではない。

ましてやルールも目的も決まって無い70億ものプレイヤーがいるあの世界でもない。

俺達の現実はあの盤上の世界だ。

なにより俺達は「 」だ。

こんなところでで立ち止まってるわけにはいかない。

そう思いながら空は白とテトを連れて広場から出ていった。

 

 

 

 

 

俺達二人は細い横道に入りクラインにこれからの説明をしていた。

 

「いいかよく聞け、俺はすぐ次の村に向かう。お前も一緒に来い。」

 

「え?」

 

「アイツの言葉が全部ホントならこの世界に生き残っていくには

ひたすら自分を強化しなくちゃならない。

VRMMORPGが供給する理想数、つまり俺達が得られる金や経験値は限られている。

はじまりの街周辺のフィールドはすぐ狩り尽くされるだろう。

効率よく稼ぐには今のうちに次の村を拠点にしたほうがいい。」

 

マップを指しながらクラインに淡々と解説していく。

 

「俺は道もポイントも危ない場所も全部知っているからlv1でも安全にたどり着ける。」

 

解説をし終えてキリトはマップを閉じクラインに顔を向けた。

 

 

「で、でもよぉ、俺は他のゲームでダチだった奴らと徹夜で列んでこのソフトを買ったんだ。

 あいつら広場にいるはずなんだ...置いては行けねぇ...」

 

そんなクラインの視線には人情を感じた。

この男は陽気だがいざとなったら仲間を助けたりする面倒見のいい性格だろう。

そんな男が仲間を見捨てて1人で俺についてくるなんて事は無いだろう。

 

 

(クラインだけなら...だがあと二人..いや、一人増えたら...)

 

「わりぃ、オメェにこれ以上世話になる訳にぁいかねえよな。

 だから気にせず次の村に行ってくれ。

 俺だって前のゲームじゃギルドの頭張ってたからな、おめぇに教えてもらった

 テクで何とかして見せらぁ」

 

笑いながらクラインはキリトの誘いを断った。

 

 

「そか...ならここで別かれよう...なにかあったらメッセージ飛ばしてくれ」

 

少し悲しそうな目でクラインに言った。

 

「おうよ!」

 

「それじゃ、またなクライン」

 

そしてキリトはクラインに背を向けて目を伏せながら歩き始めた。

 

数歩歩いたとき「キリトっ!」とクラインが叫んだ。

 

その声に一度止まるがまた歩き出す。

 

 

「おい、キリトよ!!おめぇ本当はカワイイ顔してやがるな!結構好みだぜオレ!」

 

 

その言葉に俺は振り向き苦笑いしながら言葉を返した。

 

 

「お前もその野武士面の方が10倍にあってるよ!!」

 

こうしてこの世界ではじめての友人に別れをして走り出した。

一度振り返ってみるがそこにはもうクラインの姿はなかった。

そして俺は泣くのをこらえ街のゲートに向かって走り出す。

はじまりの街の北西ゲートをくぐり俺は広大な大地を走る。

目の前にモンスターが出現し剣を走りながら抜く。

 

俺は......俺は......

 

ソードスキルを発動しモンスターが消滅する。

 

「うおおおおあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーー!!!!!!」

 

 

生き延びて見せる!! この世界を!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「テト〜早くしろ〜早くしないとここら辺のモンスター狩り尽くされちまう。

 早く次の村にいくぞ」

 

「テト・・・早く」

 

空達も出発する準備はととのいあとはテトを待つだけである。

 

 

「うん、すぐ行くよ〜」

 

そう言いながら真上を見上げこうつぶやいた。

 

 

「君が僕達にゲームを仕掛けるのはかまわないさ。

 でも君の命は僕達1万人の命と釣り合うのかな?

 ま、いいさどうせ勝つのは僕達なんだから♪

 だけどこれはゲーム、なら僕はここに誓いを立てよう」

 

 

こちらの世界では意味などない。

だがテトは右手を上げこう呟く。

 

 

 

 

                 

 

 

 

 

 

                 「盟約に誓って!」

 

 

 

 

 

 

その言葉を誰かに呟いた後、空と白の向かう北東ゲートへとテトも向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 




凄いぞ!なんと7500文字越え!!
いつもは2000弱なのに一気に三回分の投稿www
ですがこれでやっとSAOが始動した感でますね♪

次回とうとうあの子が登場!?
それではまた次回にお会いしましょう!

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