ゲーマー兄妹はVRMMORPGを始めたそうです。   作:EDFストーム1

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前回のボス戦の続きです。今回でやっとボス戦も決着!

暑い八月になりましたね〜ってお気に入り1000突破!?えぇーまじかよー(クライン風)
応援してくれている読者さんマジ感謝です!!

それでは二十三話です、どうぞ!


決着!vsイルファング・ザ・コボルドロード

ディアベルが吹き飛ばされキリトはすぐにディアベルの元に駆けつけた。

ボスのことは空達がなんとか手を打つだろう。

しかしボスの攻撃を受けディアベルのHPバーはみるみると減少している。

 

「なぜ1人であんなことを」

 

俺は急いでポーションを出し、ディアベルに飲ませようとするが、ディアベルはポーションを受け取らなかった。

 

 

「お前も....βテスターだったら...わかるだろ....」

「...ラストアタックボーナスによるレアアイテム狙い。お前もビギナー狩りだったのか」

 

だからディアベルはあんな最後に1人で攻撃に出たのか。

ディアベルは苦笑いをしながらキリトに言う。

 

「頼む....ボスを...ボスを倒してくれ....みんなの為にも」

 

ディアベルは真っすぐな目で最後の言葉をキリトに託し、ポリゴン粒子となって消えた。

 

このデスゲームが始まった時俺は自分だけが生き残る事しか考えていなかった。

クラインの時もそうだった。

俺はあいつよりも自分の命を優先してしまったからだ。

だがディアベル、あんたはβテスターなのに他のプレイヤー達を見捨てなかった。

みんなを率いて、見事に戦った、俺が出来なかった事をあんたはやろうとしたんだ。

 

俺は立ち上がり、ボスのいる方を向く。

立ち上がる時に後ろで増援のルイン・コボルトセンチネル達をボスに近づけまいと必死に足止めしているプレイヤー達が見えた。

決意をきめた時、ボスと戦闘をしていたアスナが駆け寄る。

 

「私も」

「頼む」

 

短く会話をした後、俺達はボスに向かって走り出す。

 

「手順はセンチネルの時と一緒だ!」

「わかった」

 

そしてボスをなんとか足止めしている空と白にキリトは叫ぶ。

 

「空、白!攻撃するから道をあけてくれ!」

「お、やっと帰って来たか!わかった、思いっきりやってやれ!」

「キリト...ファイト」

 

キリトの声に空と白も反応し、空は右、白は左に移動し真ん中を空ける

イルファング・ザ・コボルドロードもキリトとアスナが正面から走って来ていることに気づき剣を構える、がやはり右目が潰されいて若干気づくのに遅れる。

イルファング・ザ・コボルドロードはソードスキルを放つも若干の遅れを許し、キリトに攻撃を弾かれる。

 

「スイッチ!」

 

弾いた隙にアスナが距離を縮め、一気に攻める。が、イルファング・ザ・コボルドロードは素早く反応し大きく剣を振り下ろす。

 

「アスナっ!!」

「っ!?」

 

咄嗟の叫びでアスナはローブが破れて消えたもののギリギリで回避し、”リニアー”放ちイルファング・ザ・コボルドロードを吹き飛ばす。

 

「おぉ.....」

 

ローブが破れ、顔が見えたがかなりの美人だった。

髪の結び方なども独特だし見とれてしまった。

 

「うおっ!?あいつあんな美人だったのかよ!スクショ機能はないのかよコンチクショー!!」

空がなんだか叫んでいたるのが聞こえるが今はボスに集中しないと。

 

「次来るぞ!」

 

俺は向かってくるイルファング・ザ・コボルドロードの剣を弾き、アスナとスイッチを交わしダメージを与え、アスナに攻撃を仕掛けようとした所に入り込み”バーチカル”を発動させるがイルファング・ザ・コボルドロードの発動させたソードスキルはフェイント攻撃の”幻月”。

 

(しまった!!)

 

キリトは後悔するがもう遅い、”幻月”は見事にクリンヒット、さらに後ろにいたアスナにも衝突して二人とも吹き飛ばされてしまった。

アスナはダメージを負ったキリトのHPを確認すると、キリトのHPバーは一気にイエローゾーンにまで下がっていた。

そんな隙をイルファング・ザ・コボルドロードも見逃さず、とどめをさすためにディアベルに殺した”緋扇”を放つ。

 

(押さえられるかわからないけどこのままじゃ!!)

アスナは細剣を構え”緋扇”を防御しようとしたその時。

 

 

「でぃああああああらああぁぁぁーーー!!!」

背後から両手斧ソードスキル”ワールワインド”を誰かが放ち、”緋扇”を跳ね返す。

その後に数人のプレイヤー達がボスに向かって行く。

”ワールワインド”を放ち”緋扇”を弾いたエギルはキリトに言った。

 

「回復するまで俺達が支えるぜ!」

「あんたは...でもセンチネル達は?」

「あいつらの事は心配するな。

 お前らのパーティのテトって奴とステフって嬢ちゃんが指揮とって押さえてくれているから俺達は援軍で来たって訳だ」

 

どうやらあの二人はセンチネル達を他のプレイヤー達と協力して押さえているらしい。

そう言い終わるとエギルも先ほどボスに向かって行った三人に続いてボスに向かう。

四人はボスに攻撃をするが全て受け止められてしまい四人とも逆に攻撃を受けてしまった。

しかし十秒程度の時間稼ぎのおかげでキリトはポーションで回復する事が出来た。

 

「危ないっ!!」

 

攻撃を受けた四人に対しイルファング・ザ・コボルドロードは大きくとび上がり”旋車”を放つ。

対してキリトは”ソニックリープ”を発動させ大きく飛び跳ねる。

 

「とどけぇぇぇぇーーーー!!!!」

 

キリトはイルファング・ザ・コボルドロードの背中に一撃を入れる事に成功し、イルファング・ザ・コボルドロードは地面に叩き付けられる。

キリトも着地して一気に畳み掛けようと走り出す。

 

「アスナ!最後の攻撃、一緒に頼む!」

「了解!」

アスナも走りだしボスに向かって行く。

まだ少し叩き付けられた時の煙が消えていないが二人はボスとの距離を縮める。

 

「「はあああぁぁぁぁーーーーー!!!」」

 

煙もちょうど晴れてイルファング・ザ・コボルドロードの姿が確認でき攻撃を仕掛けようとするがイルファング・ザ・コボルドロードの顔は笑っている、まるで勝ったと言うように。

 

 

「「えっ!?」」

 

 

煙が晴れてイルファング・ザ・コボルドロードが手にしていた武器は三段目のHPバーを削りきった時に投げ捨てたタルワールだった。

イルファング・ザ・コボルドロードはわざとキリトに吹き飛ばされ、煙を利用して捨てたタルワールと武器を交換したのだ。

まさに計画通りと笑いながらイルファング・ザ・コボルドロードはソードスキル”デス・クリープ”を放ち、キリトとアスナを殺そうと距離を一気に詰める。

しかし、キリト達は全速力で走っていたため急に止まることが出来ない。

 

 

(こ、ここまでか....)

 

NPCに読み負けてしまいもう手が無いキリト。

アスナも隣で諦めているような表情だった。

 

 

だがその時、イルファング・ザ・コボルドロードの右手を何者かが切り落とし、左目に誰かが攻撃を加えた。

 

『グオオオオオォォォォ————』

イルファング・ザ・コボルドロードも突然の自体に悲鳴をあげる。

 

「はぁ?たかだかNPCごときに俺達が読み負ける?そんなことたとえ天変地異があろうがそんなことありえねーつーの、なぁ妹よ」

「ぅん...ありえない」

 

ここで左右に待機していた空と白が打って出たのだ。

空と白は全て計算通りだった。

白が右目を攻撃したのも左目を潰していたら右腕を切り落とす空の邪魔になってしまうからである。

そしてキリト達が攻撃をする時も空は右腕を切るために右に移動し、白は残りの左目を潰すために左へ移動したのだ。

 

「もうこいつには抵抗する武器も視力も無い!今度こそこのまま決めろキリト!!」

「あとは...まかせる」

「あぁ...まかせろ!いくぞアスナ!!」

「了解!」

 

再び走る速度をあげるキリトとアスナ。

右腕を切り落とされ武器も無くなり、両目を潰されもうキリト達を認識すら出来ないイルファング・ザ・コボルドロードは抵抗する事すら出来なかった。

 

キリトが先に一撃を入れ、次にアスナ、三度目にキリトが切り、最後に”バーチカル・アーク”を放つ。

 

「うおおおおおおぁぁぁぁぁぁぁーーーーーー!!!!!」

 

叫びながらキリトは腰あたりから顔までを一気に切り上げる。

イルファング・ザ・コボルドロードも叫びながら輝き出しポリゴン粒子となって消滅した。

イルファング・ザ・コボルドロードが消滅したことによってルイン・コボルド・センチネル達も消滅する。

 

 

Congratulation!!と浮かび上がり、やったー!とプレイヤー達が喜び合う。

部屋の怪しげな光も無くなり元に戻る。

キリトは呼吸を整えながらラストアタックボーナスを確認する。

ボーナスアイテムはコートオブミッドナイトと言う漆黒のコートだった。

 

「お疲れ様」

「見事な剣技だった、Congratulation!!この勝利はあんたらのもんだ」

パーティだったアスナと途中で助けてくれたエギルが言う。

 

「いや....」

 

しかしキリトが言う前にまわりのプレイヤー達の拍手で遮られる。

最後を見ていたプレイヤーならわかるが見ていなかったプレイヤーからしたら最後にボスを倒したキリトが凄かったようにみえるがタルワールを空達が止めていなかったら俺は死んでいただろう。

それにボスにもっともダメージを与えたのは白なのだが身長のせいでまわりは全く信じていない。

 

 

「なんでやっ!!」

しかし全プレイヤーが喜ぶ中、数人違う感情を抱いている者がいた。

声の主のキバオウに全プレイヤーが視線を向ける。

 

 

「なんで...なんでディアベルはんを見殺しにしたんやぁ!!」

「見殺し?」

「そうやろうが!自分はボスの使う技知っとったやないか!

 最初からあの情報を伝え取ったらディアベルはんは死なずに済んだんや!

 それにボスが野太刀に変えた時も全然驚いとらんかったやないかい!」

 

そのキバオウの発言でプレイヤー達がざわめくが、エギルがキバオウの発言に抗議する。

 

「おい、それなら空が攻略会議で言っていただろ」

「そんなもん知っとっても嘘ついたらいくらでもごまかせるやないかい!」

 

そしてキバオウの隣にいた男も叫ぶ。

「あいつらレアアイテムを独り占めする為に情報を隠してたんだ!

 他にもいるんだろ、βテスター共出てこいよ!!」

 

その最後の一言で全員、他人がβテスターじゃないかと疑い始める

 

「とうとうこの流れになっちまったか....

 この流れを避ける為に色々情報を流したが俺達の行動で無駄になっちまった、あんとき嘘でも驚いときゃよかった」

 

「にぃ...このままじゃ」

「あぁわかってる白。おいテト、ステフ...こうなりゃ腹括るしかなさそうだ」

 

昨日話した最悪の事態になったときの作戦。

空もこんなことはしたくなかったがこの流れを変えないとマズイ。

 

「はぁ〜...こんなこと僕したくなかったけど...これはまずそうだね」

「あわわわ....本当にやるんですの空....」

「しょうがねぇだろ、俺も白もこんなことしたかねーよ」

 白も嫌そうな顔で頷く。

 

「じゃあ初めるぞ、覚悟はいいな」

 

空が白達に確認を取り作戦を実行しようとした次の瞬間!

 

 

「くはははははは!くはははははは!!!」

 

誰かが大声で笑い出した。

その声に全プレイヤーが視線を向ける。

 

声の主はボスを倒したキリトがにやつきながら立っていた。

 

 

 

 




艦◯れの5-5を一日で終わらせたせいで資源不足になりまくっているストーム1提督です。
イルファング・ザ・コボルド・ロードには原作以上に強くなってもらいましたがやっと討伐し終わりました!
キリト君のあのシーンは次回に持ち越しさせて頂きます。
今回に入れると字数がはんぱなくなりそうなもんで...

それではまた次回お会いしましょう!

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