突如出現した"お姉さん"であるニート大阪に、私達は知略を駆使して戦いを挑む。
勝利するのはどちらだろうか…。
この地、大阪は変わった。
数年前、内なる悪を抱えた"お姉さん"が発掘されたからだ。
自分を偽って命を奪っていたことから、悪人として有名だった。
余談だが、ニート大阪の語源は、殺人が職業として認められていないため。
殺人犯(=無職)であった。
だから、ニート大阪。
さて、余談はこのくらいにして。
今回、ニート大阪を潰そうと思ったのは、私の同僚である「八丁レモン」がその魔の手の犠牲となったからだ。
その報復として、私のチームの中でも最高の頭脳を持つ「トイレカルテル」を連れて、軍団を結成し、討伐に乗り出した。
「さて、ニート大阪はどのような攻撃を仕掛けてきたのでしょうか?」
「ああ...。」
なんとか命を取り留めたレモンが、その時の様子を詳しく教えてくれた。
ニート・大阪の能力
ソニックアタック(いびきのような振動をする、音波攻撃)
酔拳攻撃(酒を飲むことでパワーアップする)
ターゲット固定(すべての攻撃が同じターゲットに集中する)
などなど......。
「ひどい内容です、日本の授業には道徳の授業があるようなものです、出席しなかったのでしょうか?」
「まあ、道徳の教科書を燃やして暖を取るような人だから...。」
談笑をしていたら、当の本人が現れた。
私達はばれないようにこっそりと尾行し、暗殺の機会をうかがうことにした。
そして、その様子からすると、彼はこの広場を通るようだ。
そこで、先回りして三方向から包囲することを謀った。
「それでは、ご武運をお祈りします。」
...
............
........................
「おい、よくも私たちの八丁レモンにそんなひどいことをしたもんだな、ニート大阪。」
「ここで死を以て償うがよい!」
私の宣言で、レモンと私は飛び出し、それぞれの攻撃を開始した。
私は刀で侍スタイル、ドブは銃でガンスタイルで攻撃した。
最初に切り込んだのは私で、抜いた刀はニート大阪を確実に捉えていた。
しかし、彼女の判断の早さにより、一振りを避け、逆にカウンターの音波攻撃を受ける。
「な、なんだこの音は!」
「このままでは鼓膜だけでなく、全身が粉々になってしまう!」
音が形となり、衝撃波のような攻撃で全身が激しく揺さぶられる。
すでにこの一撃で重傷を負っているが、ここまでは予想通り。
私の本当の目的は...。
「安心しろ! お前はもう俺の射程内だ!」
私がヘイトをとっている間、レモンはしっかり射程圏内にいるようだ。
距離にして30mほど、威力は十分だろう。
ドブは背後からニート大阪に向けて2発の弾丸を放つが、私はダメージを受けた反動を利用して既に射線から外れている。
「これでお前も終わりか!?
この距離で回避するのは無理だ!」
そして、弾丸が見事にニート大阪の頭蓋骨をぶち抜こうとした瞬間である。
彼女はハッカー並みのスピードで振り向き、弾丸を掠め取った。
「まさか...お前...生身の人間が弾丸を止められるはずがない!」
ニート大阪は下品な笑いを披露し、弾丸を投げ捨てた。
そして、唖然としている我々に、彼女は残酷な事実を告げた。
「ふふふ、忘れたの?
私の能力はターゲットを固定すること......。」
「君が病院で治療を受けている間に、私の能力は成長し、一人の人間の動きを完璧に把握できるようになったのです。」
「捕らえた相手が剣や銃を使っていても、その相手から発せられる動きにはすべて対応できる......。」
なるほど、だからレモンを無視して攻撃してきたのか。
私が切り込んだとき、すでに彼にはターゲット固定が使われていたのでしょう。
するとニート大阪は勝ち誇ったような顔でレモンに向き直った。
「この侍はもう動けない。
あとはお前を仕留めるだけだ。」
「しかし、お前の攻撃はもう全部見切っている。」
このままではレモンが殺されてしまう。
残念だが、彼にはまだ生きてもらわなければならないのだ。
私は出来るだけ大きな声で叫んだ。
「レモン!今すぐ道を開けろ!
やつに近づきすぎたら、私たちにチャンスはない!離れて機会を伺え!」
さて...敗戦はまだ決まっていない。
私は、彼が運命を全うすることを神に祈った。
...
...............
レモンはそのまま逃げ出した。
彼は侍忍者としての素養から、完璧なボディコントロールで衝撃波の攻撃を回避していた。
確かに、ニート大阪は執拗に狙ってくるが、能力自体に攻撃力はない。
よって、逃げるという選択は強ち間違いではない。
「しかし...このままでは、いずれ追いつかれてしまう...。」
カモフラージュは効きません。
標的は決まっている...。
やつは自分の居場所を知っている...。
「あきらめたら?
そろそろ疲れてきたんじゃない?」
ニート大阪は容赦なく音波で標的を攻撃する。
レモンも鉤型のロープをビルに引っ掛けるという特徴的な回避行動をとった。
しかし、それすらも見抜かれ、次弾で壁に大穴を開けられ、彼は落下してしまった。
「やばい...落下ダメージが洒落にならない!」
しかし、地面に叩きつけられる寸前で、彼の体が浮き上がり始めたのだ!
「間に合ってよかった。
準備に予想以上に時間がかかってしまった。」
その声は、他ならぬ「トイレカルテル」のものだった。
トイレカルテルだったのだ。
地面とレモンの体の電気を操り、反発力を生み出していたのだ。
「これは...友達か?
自殺志願者が一人増えたのか?」
この結果にニート大阪は激怒しているようだ。
すぐさま残虐な笑いを浮かべながら、トイレカルテルに音波攻撃を仕掛けた。
しかし、カルテルは冷静に立ち向かっていた。
レモンは慌てふためいて叫ぶ。
「危ない! 避けないと、てんかん患者のようになるぞ!」
しかし、彼がその音を聞いた頃には、同じく音速で飛んできた音波がトイレカルテルに直撃していた。
「カルテル......冗談じゃない......。」
レモンは悲しみに包まれたが、塵も積もれば山となるで、トイレカルテルは靄の中から姿を現した。
「いや...なかなか強烈な攻撃でしたね。」
「まあ...所詮は音だけなんですけどね。
あなたがわめき散らしている間に、私はあなたの音声特性をフーリエ変換してみたんです。」
「あなたがドジを踏んでいる間、サンプリングと計算をする時間がたっぷりあったんです。」
「それで、攻撃はこれで終わりですか?
では、我々の番です。」
トイレカルテルはパワーをチャージし、容赦なく仕留める気満々だ。
しかし、ここで死ぬようなニート大阪ではなかった。
再び下品に笑うと、持っていた酒を飲み始めた。
「それは...まさか!
カルテル! 攻撃を止めろ!」
レモンが警告を終えた頃には、すでに覚醒したニート大阪が凶悪な顔でトイレカルテルを睨んでいた。
「こんなに殺したい相手は久しぶりだ...。
さあ...ここで死んでください。」
ニート大阪はそう言い終わった瞬間、突進してトイレカルテルを弾き飛ばした。
「なんだこのパワー...これがアルコール依存症か...。」
「おい、眠いこと言う前に一回抜いてるんだよ!
カルテル!?」
レモンは知っていた。
ニート大坂は、酒を飲めばその残忍な性質にさらに拍車がかかることを知っていた。
そうなるともうおしまい、暴言や暴力は飛躍的に増える。
したがって、彼女をまともに相手にすることは、犬死にに等しい。
今やるべきことは、どうにかして逃げ出し、アルコールが抜けるのを待つことである。
「おい、カルテル! 追いつかれるぞ!
早くしてくれ!」
「いや、まだ尻に力を入れて走ってるよ!」
トイレカルテルは知っていた。
持久走が幼い頃からの弱点であることを。
少しずつ、少しずつ、ニート大阪との距離が縮まっていく。
賢い頭脳は、このままではボロ布になると告げていたのだ。
そして、ついに破壊の腕がトイレカルテを捕らえる。
"当たってくれぇ!!!"
レモンは広告のヒモを拳銃で撃った。
広告は支えを失って倒れ、トイレカルテルとニート大阪を見事に分断した。
「弾丸は確かに自分が撃った......。
しかし、その弾丸によって倒れた広告は、もう俺には関係ない....。」
標的を定めても予見できない妨害に、ニート大阪はなすすべもなく足元をすくわれた。
その間、トイレカルテルとレモンはなんとか距離を保っていた。
「くっ...なんとかなったか...。
でも、まだ狙われてるんだ。
奴を排除しない限り、俺に勝ち目はない。」
「そう...絶対に勝たなければならないのだ。
ところで、僕がなぜ遅れたかわかるか?」
...
...............
「ニート大阪、もう逃げも隠れもしない。
ここで...お前と決着をつける!」
「癲狂院闇は死んだ......。
だが、供養のために、お前の首を差し出す!」
「やってみろ...。逃げも転びもしたお前らに勝ち目はない!」
ターゲット固定はすでにレモンに。
よって攻撃はトイレカルテルしか効かない。
彼が同時に死ねば、それは我々の敗北を意味する。
そのため、レモンが撃って、ニート大阪に能力を発動させるという作戦である。
彼女の能力により、常に弾丸を避けなければならないので、隙ができる。
その瞬間、トイレカルテルは電撃で彼女を殺す、という手はずだ。
「くたばれ!」
レモンの放った弾丸は予想通りニート大阪の手に収まる。
しかし、2発目の凶弾である電子光線は見事に命中した。
「くそったれ、生意気な小僧どもめ!」
「しかし...覚悟を決めたのはお前らだけではなかった...。」
そして、ニート大阪は堂々とそれを見せつけた。
「なんということだ...。
僕の感電を予測して、絶縁体を滑り込ませたのだろうか!!」
そう、防弾チョッキではなく、ゴム製のベストだったのだ。
そしてニート大阪は、自分たちの勝ちと言わんばかりに、トイレカルテルの方へ踵を返している。
「それだけなのか......?
それなら、じっくりと近づいて、大きな一撃をお見舞いしてやる。」
「随分と苦労させられましたね...。
でも、ほんの少し生き延びた気分はどうだ?」
「さて、お二人のお世話になりましたが、最後に一言お願いします。」
ニート大阪は、トイレカルテルに詰め寄るように聞いた。
カルテルは何も言わなかった。
しかし、レモンは違った。
「最後の言葉......か。
それが最後の言葉だ...地獄に叩き落としてやる!」
彼はそう言うと、再びニート大阪に向けて銃を放った。
「無駄だ。
背中を向けても、目をつぶっていても、お前の弾丸をかわすことは余裕でできる!」
「バカな抵抗しやがって、この学習能力のないクズが!」
ニート大阪は余裕があるようだ。
当然、もう何も心配することはない。
完全に詰んでいる。
その事実は覆らない......はずであった。
だが、突然に彼女の腹部に鈍い痛みが走った。
「なんだ、これは?
俺は確かにお前から銃弾を受けた......。」
「まさか!?」
ニート大坂は、先ほどとは打って変わって青ざめた表情で振り向いた。
「お前、まさか!?」
「そう、私です。
結構長いことやっているので、暇を持て余してたんです。」
ありえないことだった。
生きているはずがない。
しかし、癲狂院暗黒はそこにいた。
「死んだはずなのに...。
なんで生きてるんだ?」
「それは、この瞬間のために、ずっと死体に化けていたからだ。
心肺停止を確認しなかったお前の責任。」
「質問は終わりですか?じゃあ...」
"私の養分になれ"
...
............
「4ダメージで1キルだ
いいものを見せてもらったよ。」
「あ......ところで、なんであいつに近づいたんだ?レモン。」
「それは...お姉さんが好きだから...。」
「そっかー...。」
正直、レモンのお姉さん好きは困ったものだが、今回は良しとしよう。
次回はこうならないようにお狐様をお連れするとしようか。
お久しぶりの登場です。
今回、初めてこのようなバトルを書いてみましたが、とても面白かったです。
登場人物の会話を作るにあたり、日本の小説サイトや5chを参考にさせていただきました。(ただし、不十分だと思います)
続編を作るつもりなので、もし間違いがあれば報告していただけると幸いです。
展開がやや陳腐で、他作品と重なる部分があるかもしれません。(自主制作ではありますが)
その場合は、削除させていただきます。
ご迷惑をおかけしますが、こっそりお知らせください。