仮面ライダーになった男は戦いたくない   作:岩鋼玄武

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集結

side狭間玄乃

 

この後に、ドイツでロキが現れるのだろうけれど、このまま、五代さんを行かせていいのだろうかと、考える。

 

やはり操真晴人がウィザードになってしまった一連の出来事がまだ自分の中に残っているのだろう。

侵食の速度が遅いとはいえ、変身する度に確実に侵食は進んでいるのだ。

 

園咲琉兵衛さんに言われて実行したこととはいえ、行動したのは、自分の責任だからだ。

 

だけど、だからといってこのまま自分のディエンドの能力を使用すれば、闇の手だけではない、SHIELD にも、ましてやその中に巣くうヒドラの連中にも目をつけられてしまうのは明白だ。

 

オーロラ能力による次元移動、無限収納

 

ライダーの召喚能力という即戦力

 

 

海東大樹さんは、あえて、ああいうキャラクターを振る舞い、のらりくらりと柳のように動いていたのだろうかと時々考えてしまう。

 

こういう時には、決まってユグドラシルコーポレーションにお願いしている戦極ドライバーの量産を早めてもらうことはできないのかと考えが脱線してしまう。

 

海東大樹さんの収集癖なのか、基本的にガイアメモリからのレジェンドライダーのアイテムがコンプリートしてくれていたのが幸いして、比較的害のない変身ベルトの戦極ドライバーならば、記憶を取り戻した人たちで、さまざまなデメリットによって変身できない人たちの無茶な行動を押さえられるのではないかと踏んでいるが、いかんせん、戦極凌馬の行いが読めないのだ。

 

戦極ドライバーを量産することで、それを手土産に裏切らないとも限らないのが、あの男だ。

 

なぜだか壇黎斗とよく話が合うらしく、SPIRITSの施設でよく議論をしているところが見られていた。

 

後々にとんでもない事態が起きやしないかと、不安が募る一方だ。

 

 

…また、思考がとんだな。

 

とにかく、俺は覚悟が足りないという自覚があり、そして、覚悟を決められる出来事が目の前にあるのに、それから目を背けようとしている自分がいるということだ。

 

 

 

そうこう、思考が二転三転していたら、端末に連絡が入る。

 

ドイツのシュツットガルトにロキが堂々と現れたらしく、確保を手伝えとのことだった。

 

俺は、ゴウラム、ビートチェイサーと、クウガの武器生成能力用の装備一式を点検していた五代さんに声をかける。

 

「五代さん、ロキを見つけたそうです。

場所は、ドイツのシュツットガルト、堂々と現れたらしく、おそらく何らかの罠の可能性もあります。」

 

「ドイツですか…わかりました。

今回はチームですから、役割分担すれば、例え罠でも何とかなると思います。」

 

「そのことなんですが…今回のチームアップは、急造により、連携のとりようがないと思われます。

SPIRITSのように、警察組織がフォローしてくれる訳でもなく、あくまで個人個人の集まりのようですから、当然、我も強く、協調性を期待しない方がいいと思います。」

 

「本当に一言多いわね。」

 

「ナターシャさん!?」

 

俺の発見に反応したのは、いつの間にか近くにいたエージェント・ロマノフだった。

 

「フューリー長官に見てくるように言われて来てみれば。

しかも、本当のことだからなおさら。

フォロー中心の私が思っていることを、はっきり言うのは好ましいけれど、同時に嫌悪感を持たれるわよ。」

 

「はは…あなたには、何度も言われていますが、これは俺の性分ですので。」

 

 

「いいわ。それで?

SPIRITSは、どうするの?」

 

「参加しますよ。

ですが、俺も行きますから。」

 

 

「そうなんですか!?」

 

「いきなり五代さんを一人投入するわけにはいきませんし、ゴウラムにも、活動限界があります。

同じSPIRITSのメンバーとしてフォローするのが、俺の役目ですよ。」

 

「あなた、戦えたの?」

 

「今、言いましたよね。

俺もSPIRITSのメンバーなんですよ。」

 

「まあいいわ。

ついて来て。」

 

そう言って、俺達を案内したのは、キャプテンアメリカを乗せて来た飛行機と同タイプの飛行機だった。

 

「クインジェットよ。

主な移動はこの機体になるわね。」

 

後部が開き、乗り込むと、エージェント・ロマノフはそのままパイロットとして運転席に移動して、機体を操作し始めた。

 

そして、青いバトルスーツを着こんだ男が、乗り込んだ。

 

「遅いわよ。」

 

「悪い。

出発しよう。」

 

「了解、キャプテン。」

 

 

 

 

 

side五代雄介

 

クインジェットと呼ばれた飛行機が出発して、青いアメリカの星条旗を模しているらしいスーツ姿のスティーブさんが、機体後部座席に座りながら、聞いてきた。

 

「ミスターハザマも同行するのか?」

 

「エージェント・ロマノフにも言いましたが、俺もSPIRITSのメンバーですから。

キャプテンの言いたい事もわかります。

非戦闘員に見えるでしょうが、俺も戦えますので。」

 

「ユウスケはいいのか?」

 

「俺からすれば、狭間さんが一緒に戦ってくれるなら、心強いです。」

 

スティーブさんなりの気遣いなんだろうけど、狭間さんもライダーだから、一緒に戦ってくれると、戦いやすくなると思い、そう答えた。

 

そのまま少しの間、静観していると、ナターシャさんから声がかかる。

 

「そろそろよ。準備して。」

 

「後部ハッチを開けてくれ。」

 

スティーブさんはそう言うと、頭にAの文字の目立つマスクを被り、傍らに立て掛けてあった、真ん中に星の目立つ円形の盾を持って立ち上がった。

 

「そのまま行くんですか!?」

 

 

「問題無い!」

 

 

後部ハッチが開いて、強い風で声が聞きづらくなるなか、スティーブさんがパラシュートも背負わずにそのまま飛び降りてしまった。

 

「五代さん!ひとまず、クインジェットが降下するまで待機をお願いします!」

 

狭間さんが後部ハッチを閉めるように言う声と共に、風の音に負けじと、大声で言ってきた。

 

「どうしてですか!?」

 

仮面ライダーとは違って、ほとんど生身に近いスティーブさんを行かせて、自分たちだけが残るのに、納得がいかなかった。

 

「今さっき、端末に人型大の飛行物体が向かっているという連絡が来ました。

恐らくは、アイアンマンでしょう。

ロキ以外の戦力を確認できない以上、我々まで行くのは過剰です。

そして、恐らくは、彼は威嚇行為のみでおとなしく捕まると思います。」

 

そこまでわかるのかと、不思議に思ったけれど、ナターシャさんのクインジェットによる威嚇と、赤い金属スーツで有名なあのアイアンマンに恐れをなしたたのか、本当にあっさり捕まってしまったようだった。

 

「なんだ?キャプテンやエージェント・ロマノフだけでなく、他にもいたのか。

活躍できなくて残念だったな。」

 

『トニー様、彼らは日本の警察組織SPIRITSのメンバーのようです。』

 

「SPIRITS?大層な名前だな。

まあいい。さっさと、このトナカイ君を連れて行こうか。」

 

 

どうも皮肉的な口調で、俺や狭間さんが無言だったのをいいことに、その場を仕切り出して、結局、ロキを乗せて、そのままアイアンマンを一緒に乗せてクインジェットは飛行し始めた。

 

 

「はじめてまして。

俺は…」

 

「ああ、言わなくていい。

君たちのことは資料で見た。

日本のスーパーヒーローと、その付き人だろう?

日本も大変だな、アメリカに媚びを売るのに必死みたいだし。

ああ、キャプテン、あんたも、年のわりには元気だな。」

 

 

この人は周りを敵に回さないと気が済まないのだろかと、体が反応しそうになると、狭間さんに腕を捕まれた。

 

「この人の軽口にいちいち反応してもしょうがないですよ。

それより、ロキはやはり、おとなしく捕まりました。

先ほどのフューリー長官の連絡で、早急に帰還するようにとのことでしたから、フューリー長官も罠であることに気づいているようですね。」

 

「スターク、君もチームに?」

 

「フューリーは色々隠しごとをするからな。」

 

どうやら、スティーブさんはアイアンマンがチームメンバーであることを知らなかったみたいだ。

 

 

「ねえ、さっきから雷がひどいんだけど!」

 

「雷が怖いのか?」

 

窓の外に見える稲光にそわそわと、落ち着かない様子のロキを、スティーブさんが聞いていた。

 

「雷の後に来るやつが嫌いでね。」

 

ロキの言葉がただの強がりかと思ったその時、機体の上部に何かが当たり、機体が揺れ動いた。

 

そしてそれに即座に反応して、スティーブさんとアイアンマン…スタークさんがそれぞれに脱いでいたマスクを被り、スタークさんが勝手に後部コンソールを操作して、後部ハッチを開いた。

 

 

そして、開いた後部ハッチに、機体の上に降り立った物体、それは鎧を纏ってハンマーを持った、金髪の男性だった。

 

「うわ!?」

 

「ぬお!?」

 

 

スタークさんがその人物に向かって、手を向けると、その人物がハンマーで、スタークさんを殴りつけて、そのスタークさんが倒れてくるのに、スティーブさんはよろめき、俺も狭間さんもがクッション代わりの下敷きになってしまった。

 

その隙に、その男性が、ロキの襟首を掴んで、機体から飛び降りて行ってしまった。

 

「お、重い!?」

 

「早く退いてくれ!」

 

『おっと失礼。』

 

 

スタークさんがすぐに起き上がってくれたが、さすがの重さに、こちらもすぐには起き上がれなかった。

 

 

『また一人増えたみたいだな。』

 

「またアスガルドからよ。」

 

「あれは味方か!?」

 

『関係無い、やつがロキを逃がすか殺せばキューブは失われる。』

 

「それなら、計画を練らないと!」

 

『計画ならある。戦う。』

 

 

スタークさんは、そう言って、両手両足のブースターで、空に飛んで行ってしまった。

 

それを見たスティーブさんも、さすがにこの高さからはパラシュートが必要みたいで、壁に積んであったパラシュートのリュックを背負おうとしていた。

 

「止めた方がいいんじゃない?」

 

「そういう訳には行かない。」

 

「待ってください!

俺が運びます。」

 

すると、隣で息を整えていた狭間さんが言う。

 

「運ぶ?

どうやって?」

 

「五代さん変身を。

相手は、神を自称する通り強力な力と、見てわかる通り雷を操るようです。

紫の金のクウガが最適だと思います!」

 

「わかりました。

超変身!」

 

ようやく起き上がった俺は、両手を前腰に当てて、アークルを出現させると、右手を水平に走らせて、構え、紫の金のクウガに変身した。

 

「ユウスケ、それが君の?」

 

「はい!クウガです!」

 

そして、狭間さんは持ってきていた荷物から警棒を取り出すと、渡しながら言って来た。

 

「これから、彼らが戦闘しているでしょう付近にゲートを開きますので、くぐり抜けてください!」

 

狭間さんは、後部ハッチの辺りに銀色のカーテンのようなものを出現させると、俺達に頷いた。

 

「行きます!」

 

と、俺はそのゲートをくぐり抜けて行った。

 

 

 

 

 

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