side狭間玄乃
ニューヨークに出張中だった飛電其雄さんから、連絡が入った。
新造されたスタークタワーから光が伸びて、空に穴が空いたこと。
報告を受けていた事態が起き始めているという内容だった。
飛電其雄さんはヒューマギアではないれっきとした人間の其雄さんである。
そもそも、俺が飛電インテリジェンスに送ったのはゼロツープログライズキーで、あのアイテムは、記憶を注入せずとも、内部のAIが判断して、過去に飛電インテリジェンスが打ち上げた衛星アークに自らを接続し、起こり得た未来と、自分達の子供が、大変なことになっていることを知ったそうだ。
この世界の現時点では、飛電是之助さんの息子夫婦は存命していて、飛電インテリジェンスはAIの開発は発展しているが、ヒューマギアの開発は行っておらず、主にペットロボットやサービス産業に使用されるロボット等の製作が主な産業だ。
あの旅館の出来事に参加していた飛電是之助さんから、新設されたSPIRITSに参入したいという申し出があったことで、飛電其雄さんの参加が決まったのである。
しかし、飛電其雄さんは、SPIRITSのメンバーであると同時に飛電インテリジェンスの次期社長でもあるため、さまざまな活動を精力的に行うスーパー社員であり、息子の未来を思う頑張り屋のお父さんでもあるのだ。
あの人は、SPIRITSのメンバーになるにあたり、ゼロツープログライズキーからもたらされた技術を用いて、サイクロンライザーと、ロッキングホッパーゼツメライズキーを作り出していて、仮面ライダー1型に変身することができるようになっていた。
それと、俺の目の前にいる4人である。
今回の戦闘は海外ということもあり、希望で参加をお願いしたところ、警察組は海外ということもあり協力を渋っていたが、記憶を取り戻していてもあらゆるデメリットで変身できずに燻っていた人たちがようやく戦う力を得る、又は決心することで、戦うことができるようになり、立候補してきたのである。
沢木哲也さんは、記憶喪失になっておらず、アギトの力も得てはいないが、姉も存命で婚約者だった津上翔一と結婚していた。
記憶を取り戻し、いくつもの違和感に悩まされたそうだが、SPIRITSができて、氷川誠と再会するも、アギトになれずに守られる立場に納得がいかずに、新設されたG3Xの装着員に立候補して正装着員になるべく、氷川誠と競っていたそうだが、俺が警察組織にあずけたゼクターのうち、いつの間にか、ザビーゼクターが彼を選んだことで、G3Xの装着員は氷川誠に、ザビーゼクターの所有者として、沢木哲也さんがなっていたのだ。
これにより、ゼクターの所有者となった彼は、天道総司や、神代剣といった自由人達と同じくSPIRITSに所属しても、警察組織の人間ではなく、ある程度自由に活躍できるようになったのがつい最近で、ニューヨークに行くことを最初に立候補した人でもある。
次に、紅渡さんだが、彼に送ったのはブラッディローズというバイオリンで、本来ならば、世界に一つしかないとされていたものが二つになって、彼は、海外にいる自分の父親に相談すると、送ってきた人の役にたてられるぐらいの恩を受けたことになると言われて、あの旅館に合流したとのことだった。
彼の父親の紅音也はこの世界では、麻生ゆりと結婚していたことで、本来ならば彼が生まれることはなかったのだろうが、なぜか麻生恵(今の世界では紅恵)が姉で、彼も生まれているということになっていて、姉は嶋財団の社員であり、紅渡はバイオリン職人を目指しているそうだ。
記憶を取り戻したことで、キバットがいないことを悲しんでいたところを俺が嶋護に送ったイクサシステムの装着員にならないかと勧誘を受けて、嶋財団に所属後、最近になってSPIRITSに加入することになった。
嶋財団では、姉に見守られながら、名護啓介(現在でも妖怪ボタンむしり)の弟子だった記憶を元にトレーニングを重ねて、イクサの正式な装着員として、ニューヨークの戦いに行きたいと言ってきたのだ。
そして、日高仁志さんだが、彼が記憶を取り戻し、あの旅館に合流した後、彼は何度も無茶な修行と称したトレーニングを繰り返していた。
SPIRITSに参加している滝澤みどりさんに言われて、俺も病院で彼に何度も顔をあわせており、鬼として戦えないことを悔やみ、あの旅館で見た映像が頭から離れず、悩む日々が続いたという。
ついには、SPIRITS本部に直談判をしに来て、土下座をしながら、戦う力が欲しいと頭を下げてきたのだった。
そんな時、急に勝手にオーロラが出現して、土豪剣激土が土下座をしていた彼の前に突き刺さったのだ。
さすがにその時は、狼狽した。
サウザンベースも、ノーザンベースもないこの世界では、当然、全知全能の書の争いもないこの世界と時系列を加味して、聖剣関係は先送りにしていたし、クラインの壺の中には、光剛剣最光が唯一なかったことで、半ばセイバー関係は諦めていたのだが、聖剣は使用者を選ぶということだろうが、尾上亮ではない人が選ばれることになろうとは考えてもいなかったので、言葉を出せないでいた。
俺がいろいろと考えているうちに、立ち上がった日高仁志さんが、土豪剣激土を地面から抜いていた。
仕方なく、俺は使い方を教えると、彼は鬼の弦の修行を参考にして、トレーニングを積んできたようで、今この場にいたのだった。
そして、最後は、野上良太郎さんである。
彼は、あの旅館でしきりに涙を流しながら俺に感謝をしてきた。
ライダーパスを送ったことで、時間の荒野にはいけるようになったけど、デンライナーも、イマジンの影すらない世界で、思い出に浸りながら、SPIRITSの話をたまに聞きに来るような人だった。
そんな彼には、ディエンドのライダーカードを使えば、モモタロスに会わせられるという話をしてはいたが、彼は保留にしていて、そのまま時間が過ぎて行く一方だったのだが、何がきっかけかはわからないけれど、再びモモタロスに会う決心がついたらしく、ニューヨークに行く人員に立候補してきたのだ。
ヘリキャリアでは、フィル・コールソンの命を救うことができた。
だけど、その影で消えていく命があるということに見向きもしていなかった自分に腹が立つ。
今、ニューヨークではアベンジャーズと、チタウリの戦いが起き始めている。
チタウリを撃退して、地球を救うことも大事だが、一人でも多くの人たちを救うことも大事な事なんだということを、俺は忘れていた。
ああ、無性に腹が立つ。
だけど、この苛立ちは、発散できる。
チタウリの連中とロキに八つ当たりだ。
俺達5人は、各々の思いを持って、オーロラをくぐり抜けた。
side五代雄介
空の穴から出てきた空を泳いでいる恐竜のようなアレは、チタウリの輸送機のようなものだったらしく、側面からビルに向かって、チタウリが飛び出してオフィス内を攻撃しているような悲鳴が聞こえてきた。
「ユウスケ!先ほどの男性は?」
「SPIRITSの仲間です。
民間人の救助に行きました。」
「変身していたように見えたが。」
「こいつがユウスケなのか?バイクは同じだが、いつの間に赤い装甲を纏ったんだ?」
「それが、彼の能力なのよ。
前に見たのは紫だったり青かったりだったけど。」
「はい!この姿の時はクウガでお願いします。」
スティーブさん達は、放置されたタクシーのそばで聞いてきてチタウリの動向を注視している。
「スターク!見てるか!?」
『見てる。目を疑ってる。
バナーは?まだ来ないのか?』
「バナー?」
『来たら教えろ。』
時折、スタークさんの声も、スティーブさん達のインカムから聞こえてくる。
「こいつらやりたい放題だ。
ミスターハザマもまだ来ないのか!?」
「本部に連絡はいっているので、もうそろそろだと思います!」
「キャプテン!ビルの中に市民が大勢、取り残されてる!」
すると、上からチタウリが降りてきて、光弾を放ってくる。
「キャプテン!ここは任せて。
行って。」
「持ちこたえられるか!?」
「キャプテン。
望むところだよ。」
「スティーブさん!俺が二人の盾になります!
だから、行ってください!」
ビートゴウラムを二人の前で横向きに止めて、バイクから降りて、チタウリに向かって行く。
side狭間玄乃
オーロラの先では、キャプテンアメリカが、警察に指示を出しているところだった。
「ミスターハザマ!
来たのか。彼らが?」
「遅くなりました。
はい、SPIRITSのメンバーになります。
彼らには、人命救助を優先してもらいますので。」
「あなたが、キャプテンアメリカさんですか。
よろしくお願いします!」
「よろしく頼む。」
沢木哲也さんが、キャプテンアメリカに近づいて頭を下げ、正面の惨状を見ながら言う。
「行こう。ザビーゼクター!
変身!」
HENSIN
六角形の装甲が展開していき、ザビー・マスクドフォームになる。
そして、その横に日高仁志さんと、紅渡さんが並び立つと
「よっと。」
日高仁志さんが背中の大剣、土豪剣激土を地面に突き刺して、ポケットから、ワンダーライドブックを取り戻す。
玄武神話
かつて四聖獣の一角を担う強靭な鎧の神獣がいた…
「変身!」
玄武神話
一刀両断!
ブッた斬れ!ドゴ!!ドゴ!!土豪剣激土~
激土重版、絶対装甲の大剣が北方より大いなる一撃を叩き込む!
装甲そのものが六角形の亀の甲羅にも、西洋中世の騎士鎧にも見える重量級の剣士、仮面ライダーバスターに変身した。
そして、紅渡が、いつの間にか手に持っていた白いベルトを巻き付け、右手にイクサナックルを持ち、左手に打ちつける。
イ・ク・サ レ・デ・ィ
腕を水平に移動、そしてベルトに装着する。
「変身!」
フ・ィ・ス・ト オ・ン
太陽の騎士、又は聖職者を思わせる白い装甲の仮面ライダーイクサに変身する。
KAMENRIDE
「変身!」
DI…END!
「ミスターハザマも変身できたのか。」
「そうえばキャプテンに見せるのは初めてでしたね。
ああそれと、これから呼び出すのは、敵ではないですし、無駄な事をしているように見えるでしょうが、必要なことなので。」
「何を言っているのかはわからないが、敵対しようとしない限りは手は出さないさ。」
KAMENRIDE DEN-O
「こういうこともできるのか。」
FINAL FORMRIDE DE DE DE DEN-O
「変わった!?」
「俺、さんじょ…いてぇ!?
おい、てめえ、この泥棒野郎!毎回毎回痛てぇんだよ!」
電王に関しては、ファイナルフォームライドをすれば、それがモモタロスになる事を知っていたが、こうなる事もわかっていた。
案の定、俺を海東大樹さんだと思い込み、突っ掛かって来た。
そしてキャプテンは俺が呼び出した電王がモモタロスに変わったのを見て驚く。
「も、モモタロス。」
「ああ?
…良太郎じゃねぇか、どうなってんだ?」
「僕が、お願いして、モモタロスを呼んでもらったんだ。」
「んん?
普通に呼べばいいじゃねぇか。って、良太郎との間にパスを感じねぇ…どうなってんだ?」
「モモタロス、もう一度、僕と契約して欲しいんだけど。」
「…どうせ、前と同じ内容だろ。
しゃあねぇな!」
「彼の中に入った!?」
野上良太郎との再契約のために、良太郎に憑依すれば、キャプテンが驚きの声をあげ、野上良太郎の瞳と、前髪が赤い色に染まった。
「なんかよく見りゃあ、電王の出番っぽいな!」
野上良太郎の声は、モモタロスと共有できるのだろうやり取りの後に、ベルトを取り出して装着し、ライダーパスを取り出した。
そして赤いボタンを押すと、軽快な音楽が流れはじめる。
「変身」
SWORD FORM
「俺、今度こそ参上!
よくわかんねぇ状況だが、いくぜ!いくぜ!いくぜ!」
「SPIRITSの皆さんは、今の彼の事も含めて臨機応変にお願いします。
できる限り、人命救助を優先してください!」
そう言うと、各人から了承の声が上がった。