side狭間玄乃
「…これで、ニンジャじゃない方の爆弾人間を殲滅ぐらいはできるはずだ。
すみません!」
門矢士に連絡を入れ終えて、空港を出てタクシーに乗り込む。
「アイアンマンの家が公表されたでしょう!
そこまでお願いします。」
「お?兄ちゃんも見に行こうってのか。
観光かい?」
「仕事です。(…ス◯ン・リーに似ている。
この世界では、よくある顔の人なんだよな。)
できれば、急いでください。」
「はいよ。」
運転手は、アイアンマンが、自分から住所を公表したから、これから観光客がわんさかくるんじゃないかっていうことを何度も言われながら、それをあいまいに答えていると、遠くの方に、それらしき建物が見えた。
運転手には、ここで下ろしてもらい、金を多めに払って、帰ってもらった。
俺は、オーロラ能力を使って、スターク邸の近くに出ると、入り口にはスターク氏らしくない車が止まっていて、もしかしてと思い、急いで入り口に向かった。
呼び鈴を鳴らして、そのまま玄関に向かうと、ガラスの出入口で、女性と話すトニー・スタークとペッパー・ポッツが見えた。
ギリギリだったようだ。
「スタークさん!」
「今度はだれだ!?」
『SPIRITSのハザマ氏です。』
「ハザマ!?誰だそれは!」
「開けてくれてありがとう、J.A.R.V.I.S.。」
『どういたしまして。』
「お久しぶりです。スタークさん。
ニューヨークでは、お疲れさまでした。」
「ニューヨークのハザマ?
ああ、付き人君か。
ユウスケならいないぞ。
全く、これからテロリストを相手にしなきゃいけないってのに、次から次に!」
「だから来たんじゃないですか!」
俺は、正面の海岸線からくるミサイルを見て、スターク氏を押し退けて下がらせ、窓の外にオーロラを出現させる。
外の報道ヘリが映しているものが、スターク氏のテレビに映っており、突如現れた銀色のカーテンのようなものが、飛来していたミサイルを飲み込んだのがわかる。
それと同時に、海中に出したミサイルが爆発して
、水柱が立つのもわかった。
『ポッツ様、ハンセン様、避難をお願いします。』
「そうね。そうするわ。」
「すまない、反応が遅れた。
今のは感謝しておく。」
「一発だけじゃないですよ!
まだ来ます!」
次々に現れるヘリコプターが武装を展開して、何発ものミサイルを撃ち込んでくるが、スターク邸に直撃コースのミサイルは飲み込まれ、そして、その数だけ水柱が上がった。
スタークさんは、女性二人を家の外まで連れ出して、戻って来た。
「ペッパーにケガがなくて済んだ。
J.A.R.V.I.S.!こいつは飛べないのか!?」
『少々お待ちください。調整中です。』
俺も変身したいのだが、相手の攻撃が激しく、オーロラを消せないでいた。
「もうそろそろ、五代さんも来るはずです!
うわっ!?」
オーロラ展開している真下の地表にミサイルが直撃して、建物がゆれ、その衝撃でオーロラが解除されてしまった。
次々に建物内に飛び込んでくる銃弾を柱の影に隠れてやり過ごし、ディエンドライバーを取り出す。
KAMENRIDE
「変身!」
DI…END!
ヘリコプターから放たれるミサイルや銃弾で、建物が徐々に崩れ、傾いていく。
「スタークさん!早く出ないと!」
「そうしたいのはやまやま何だが、寝坊助が起きてくれないんだよ。」
「寝坊助!?スーツのことですか?
せめて揺れがある程度止まってくれれば、ゲートを出せるんですけどね。」
「当分は無理だな。
くそ、まだ撃ってくるのか!?」
床や、天井が崩れて様々なものが破壊されていく中、スタークさんは高そうなピアノを反動で飛ばして、ヘリの一機を撃墜する。
「一丁上がり。」
ATTACKRIDE BLAST
俺もなんとか挿入できたカードを使って攻撃を行い、ホーミング弾によりさらに一機を撃墜する。
「やるな。J.A.R.V.I.S.!」
『このスーツの戦闘状態が整っていません。』
スタークさんは自分から腕の装甲を取ると、小型のミサイルを取り出してヘリに投げこみ、リパルサーでヘリごと爆破。
「二丁上がり。」
しかし、そのヘリは燃え上がりながら、スターク邸に突っ込み、周りを巻きこんでいく。
スタークさんは、それによって下の階へと落ちて行き、さらに俺とスタークさんにミサイルが撃ち込まれた。
俺はなんとか目の前にオーロラを出現させて、撃ってきたヘリに帰っていくようにミサイルを出現させ、ヘリを撃ち落とすが、スタークさんの方からは、衝撃と叫び声が聞こえてくる。
いよいよ、建物が危ないかという時に、後ろから声が聞こえてきた。
「変身!」
青の金のクウガになった五代さんが、真っ直ぐスタークさんの方に飛び込んでいくのが見えて、俺も、建物に潰されないように滑り落ちながら海面に飛び込んだ。
海中で落下が遅くなった瓦礫をよけながら進むと、スーツの不調なのかクウガに抱えられて海中を進む姿が見えたので、俺も一緒になって抱えながら泳ぎ、スターク邸から離れた岩場にたどり着く。
「スタークさん!大丈夫ですか!?」
「ユウスケ、助かったよ。
ああ、ハザマ、きみもな。」
息も絶え絶えとつらそうに呼吸をしながら、スタークさんが言ってくる。
「あいつら、ダミーとユーまで海中に落としやがった。
J.A.R.V.I.S.!行けるか!?」
『飛行は可能ですが、戦闘機能の調整に時間がかかりそうです。』
「スタークさん!?無理をしてはいけませんよ。まずは休まないと。」
「まだ報道関係のヘリが飛んでいます。
無闇に姿を晒せば、テロリストの連中がまたくるでしょう。
今は様子を見た方がいいんじゃないでしょうか?」
「J.A.R.V.I.S.、ペッパーに電話を掛けろ。」
『了解しました。』
『っ、トニー!大丈夫なの!?』
「やあ、ペッパーきみは無事か?すまなかったよ。ゴメン。」
『私よりもあなたよ!あなたの屋敷が崩壊したのよ!
報道では、あなたが死んだって。』
「僕はピンピンしてるよ。ああそうだ、
あのウサギは大きすぎた。それは認める。
それと、あの家にはしばらく近づくな。」
『あなたの家に来ていたハンセンさんの車で避難してるところよ。』
「そうか、しばらく彼女に匿って貰え。
テロリストの連中が彷徨いているからな。
それと、しばらく僕は姿を隠す。
ちょうど、死んだことになっているなら好都合だ。」
『大丈夫なの?』
「助手も二人いるからな。
この件の首謀者を見つけ出してやらなきゃ、僕の気がすまない。
まあなんとかするよ。」
『わかったわ。気をつけてね。』
俺と五代さんは顔を見合わせ、五代さんはため息をはき、俺は肩をすくめて、海岸から道路近くの茂みに移動しながら、変身を解いていった。
「それで?移動手段はあるのか?」
「俺が乗ってきたタクシーはもういないみたいですね。」
スーツだけが茂みに隠されている状態で、スタークさんと五代さんが話をするが、それがないと知ると二人が俺を見てきた。
「…ありますよ。」
俺は道脇に新品同様のキャンピングカーをオーロラで、出現させる。
「俺の個人の持ち物です。ナンバープレートが、日本の番号なので変えないといけませんね。」
「あんまり良いやつじゃないな。」
「あなたみたいに高級車を乗り回すような高い買い物がやすやすとできるほどお金の使い方ができるわけではないので。
我慢していただきたい。」
「まあいい。スーツを乗せるのを手伝ってくれ。」
「ぶつけないでくださいよ。」
スタークさんは、J.A.R.V.I.S.に言ってスーツをバラバラにすると、それを俺と五代さんでキャンピングカーの中に運びこみ、スタークさんに車のナンバープレートを変えてもらった。
「さて、助手の仕事だ。
ユウスケには、家の構造を覚えているだろうから、夜になったタイミングで、駐車場の地下のサーバールームに入って予備のリアクターを回収してきてくれ。
鍵は前に渡しただろ?」
「わかりました。」
「ハザマの車が右ハンドルだから、僕は運転したくない。助手その2は運転手だな。」
「目的地は?」
『スーツにはテネシー州ローズヒルが目的地として設定されています。
ハッピー様が遭遇したテロの爆発とよく似ている事件があった場所です。』
「ハッピーっていうのは例のチャイニーズシアターの爆破に巻き込まれたスタークさんのご友人の?」
「そうだ。J.A.R.V.I.S.、事件をよく調べておけ、死亡した軍人の家族、行きつけのバー、何でもな。」
『了解しました。』
「それじゃあ、楽しいドライブの始まりだな。」
「五代さん、そちらの冷蔵庫に食材が入ってますからご自由にどうぞ。」
「そりゃいい。ユウスケの料理は絶品だからな。助手その1の仕事に料理も追加だ。
ちなみに、今の僕はサンドイッチが食べたい。」
スタークさんの喜びように、五代さんの顔が微笑み、了承を告げると、さっそく、冷蔵庫の中を調べはじめた。
「J.A.R.V.I.S.、目的地までナビをお願いできるか?」
『わかりました。車のシステムをハッキングします。』
そして、俺の運転で走り出し、途中のホームセンターや食品売場で、俺と五代さんで、買い出しを行い、必要な部品や食材の補充をしながら向かった。
そして、夜。
俺のオーロラを崩壊したスターク邸から少し離れた場所に出口を設置して、五代さんを行かせた。
「つくづく、その能力は反則くさいな。」
「これでも、いろいろと条件やデメリットがありますから。」
「この際だから言っておくが、ハザマ。
君は、日本人らしい奥ゆかしい、自信がなさそうで、他者を優先して自分の前に出そうとしている性格のようだ。
僕からすれば、君は付き合いにくい。
ユウスケのような包容力もなさそうだし、料理といった特技があるわけでもなさそうだ。
だけど、まあ、今回のことには感謝してるし、僕をテロから守ろうと駆けつけたところも認めよう。
途中から、グダグダだったけどな。
だからまあ、今後からは付き人呼びはしないことにするよ。」
「取って来ましたよ!
あれ?なんか変な雰囲気じゃないですか?」
「気のせいだと思います。
ずいぶん早かったですね。」
「俺が行ったところは人がいなかったので、チャンスだと思ってすぐに取ってこれました。
地下のセキュリティレベルをJ.A.R.V.I.S.にお願いして、最大にして戻ってきたので、多少は時間稼ぎになると思います。」
「よし、これで、スーツのエネルギーについての問題が解決したな。
後はひとっ走り、ドライブの続きだ。
ハザマ、人生を楽しめ。」
最後の一言が、先ほどの続きぽかったが、俺は普通に返事をして運転席に乗り込んだのだった。
ちなみに、深夜にこっそり、オーロラを使ってドライブを短縮しましたまる