仮面ライダーになった男は戦いたくない   作:岩鋼玄武

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五代雄介の受難

side狭間玄乃

 

再びキャンピングカーを呼び出して、バラバラのスーツを積み込み、男が戻って来ないうちに出発した。

 

「J.A.R.V.I.S.、ローディに電話をかけてくれ。」

 

『承知しました。』

 

 

 

『…なんだ!?』

 

「お前さぁ、興奮するとオレンジ色に光りだす人間を知ってるか?

こう、パアッっと。」

 

『ああ、よくある!ところで誰だ!?』

 

「僕だよ。前に僕が行方不明になった時は探しに来てくれたのに。

…何してんだ?」

 

『パキスタンの友達のところに来てる。

そっちは?』

 

「お前のスーツを作り直した連中ってA.I.M.って連中だろ。僕の番号を消すなんてな。」

 

『ああ、確かにそうだ。』

 

「軍の情報が知りたい。お前のIDは?」

 

『前と同じだ。"WarMachine68"』

 

「パスワードは?」

 

『お前がハッキングする度に変えなきゃ行けないんだぞ!』

 

「いいからパスワードだよ、早く言えって。」

 

『はぁ。"WAR MACHINE ROX"』

 

そのタイミングで、五代さんも吹き出す音が聞こえて、俺もスタークさんと一緒に笑ってしまった。

 

『…誰か一緒にいるのか?笑い声が聞こえるぞ。』

 

「助手のユウスケとハザマだ。楽しいキャンピングカーでの旅だぞ。

それより、いいよそれ。

そっちの方がアイアンパトリオットよりよっぽど良い。」

 

『ユウスケだけじゃなく、日本にいたはずのミスターハザマまで巻き込んだのか!?』

 

「ああ、ありがとう切るぞ。」

 

『ちょっ…』

 

「J.A.R.V.I.S.、衛星通信を使え。

A.I.M.の情報は全てだ。」

 

『了解しました。』

 

「ハザマ!パソコンはあるか?」

 

「引き出しに入ってますよ。冷蔵庫の横です!」

 

「…これか。

使用してない新品じゃないか。いいぞ。

J.A.R.V.I.S.こっちに全部写せ。」

 

俺は、運転中のために音声しか聞こえないが、俺が戦ったエレン・ブラントという女性も【エクストリミス計画】という、身体的不自由な人間を超人にするという実験に参加していたようだ。

 

映像には、投与されて、苦しみだす者までいた。

 

「失敗すると爆発するというわけか。

かなり不安定な代物だぞ。」

 

「これを、テンリングスという組織が使用していると。

そういうことだったんですね。」

 

「マンダリンが買い取ったんだろう。

J.A.R.V.I.S.、A.I.M.の衛星通信経路を調べろ。

マンダリンの放送の出どころを探れ。」

 

『了解しました。』

 

「ユウスケ、そろそろ、朝食の時間だ。」

 

「わかりました!腕によりをかけますね。」

 

「期待してる。」

 

「あー、じゃあ一旦トイレに行くんで、止まりますね。」

 

俺は、車を道脇に止めると、茂みに隠れて用を足した。

 

その時に、ふと、エレン・ブラントという女性を倒す直前、体にノイズのようなものが入ったように見えたことを思い出した。

 

「…(気のせいか?)」

 

 

 

俺が車に戻り、ウェットティッシュで手を拭い、五代さんが作ったハムエッグと、ツナサンド、ホットミルクで朝食をとっていると、J.A.R.V.I.S.から連絡がきた。

 

「わかったか。

極東、ヨーロッパ、北アフリカか、中東か?」

 

『なんと、マイアミでした。』

 

その一言に、俺達は顔を見合せ、そして五代さんが言う。

 

「マイアミですか?フロリダ州の?そんな近くに…

J.A.R.V.I.S.、本当に?」

 

『間違いありません。』

 

「そうか。…作戦を考えるぞ。」

 

朝食を手早く取ると、再び出発するのだった。

 

 

 

 

 

side門矢士

 

 

「あー!?」

 

「どうした、夏ミカン、うるさいぞ!」

 

いつ呼びだされるかわからないまま待機してはいるが、結局のところ、ここのところと変わりない

生活を送っているが、夜に突然、夏ミカンが大声を上げた。

 

「時差ですよ。時差!日本とアメリカでは14から15時間ぐらいの時差があるんです!」

 

「向こうが夜中なら、こっちは昼だ。

問題ないだろ。」

 

「そうじゃなくて、ユウスケです!

最近は昼間に、張り切ってますし、夜はぐっすり寝てます。

狭間さんが向こうの昼間に呼ぶかもしれないなら、こっちは夜中ですよ!」

 

「そういえば、そうだったな。

あのバカを起こす必要があるのか。

はぁ、自業自得とはいえ、しょうがない。」

 

俺は、ユウスケの寝ている部屋に向かった。

 

 

 

 

side狭間玄乃

 

マンダリンの放送の出どころと思われる付近に車を止めて、再びスーツを外に運び出す。

 

このスーツも、クラインの壺に入れられれば楽なんだか、スキャニングでもされたらたまらないと、こうやって、五代さんと一緒に運び出すしかなかったのだった。

 

そして、スーツのほとんどを車の下に隠していると、またJ.A.R.V.I.S.から連絡が入った。

 

『トニー様、ローズ大佐の反応が、屋敷の中にあります。』

 

「何?連絡は入れたか?」

 

『コールしましたが、反応がありません。』

 

「…そうか。【トニー君の正面からこんにちは作戦】が使えなくなったな。

作戦変更だ。

僕が手薄な側面から侵入して、腕だけのスーツで数人を倒して、マンダリンを探す。

ユウスケは犬を誘き寄せれるっていう技が、あるんだったよな?

それで番犬を混乱させられれば、ハザマが裏から侵入して、ローディを探してくれ。

スーツごと閉じ込められているなら、中身のローディはスーツを脱ぐのを抵抗しているだろう。

奴らの狙いはおそらく中身じゃないだろうからな。

ハザマはタイミングを見計らって、救出してくれ。

ユウスケは、一度車に戻って、僕のスーツを見張ってくれ。スーツが一斉に飛び出したら、スーツと一緒に侵入してくれ。戦闘になるだろうからな。」

 

「了解です。」

 

「わかりました!」

 

「よし、作戦開始だ。」

 

 

 

俺は、裏門を見張っていると、番犬が興奮したように走り出し、一緒にいた黒服の男がなにやら叫びながら走り出していなくなってしまった。

 

ディエンドライバーを取り出して、監視カメラの死角に入るように移動しながら、侵入していく。

 

時折いる見張りは、石を投げて注意を引いたり、興奮する番犬を捕まえてなだめようとしていた黒服の男の手伝いをしようと動き出した死角にまわって回避しながら、屋敷に侵入した。

 

屋敷の小部屋らしき場所に潜り込むと、カードを使用する。

 

KAMENRIDE

 

「変身」

 

DI…END

 

ATTACKRIDE INVISIBLE

 

 

透明になった俺は、足音や、巡回する兵士に気をつけながら、地下を目指す。

 

こういうのは、だいたい地下だろうと思ったらビンゴだった。

 

鎖に繋がれたアイアンパトリオットが力なくうなだれている。

 

見張りは二人、いや一人はローズヒルにいた男だ。

 

すると、アルドリッチ・キリアンが現れる

 

「スタークが、マヤを連れて逃走した。」

 

「あの女、裏切ったんですか?」

 

「見張りの一人はいらないだろう。スーツさえなければただの人間だからな。」

 

そう言って、見張りの一人は部屋から出て行き、アルドリッチ・キリアンがスーツを熱しはじめて、ローズ大佐がスーツから出ると、火を口から吐いて足止めして、気絶させられてしまった。

 

ローズヒルにいた男がアイアンパトリオットを運び出し、アルドリッチ・キリアンが居なくなったのを見計らって、姿を現して声をかける。

 

「ローズ大佐、大丈夫ですか?」

 

「ううっ…君は、ディエンド?

ということは、ミスターハザマか?

アイアンパトリオットはどうなった!?」

 

「残念ですが、アルドリッチ・キリアンに運び込まれてしまいました。

ローズ大佐、お怪我は?」

 

「大丈夫だ。

スタークが女性と逃走したとか聞いたぞ。

それに、ユウスケもいるんだろう?」

 

「はい。スタークさんに連絡を取ります。」

 

俺は、変身を解除すると、端末を取り出して連絡を入れる。

 

『どうした?ローディは助けたのか?』

 

「代わってくれ。

トニー、まだ屋敷の中にいるのか?」

 

『ああ、いるにはいるんだが…

お前のスーツはどうなった?』

 

「残念だが、アルドリッチ・キリアンに奪われた。」

 

『そうか。大至急、屋敷の中にこい。

会わせたい奴がいる。』

 

「切れたな。

ありがとう。スタークが呼んでいるから向かうぞ。」

 

端末を受け取って、急いで向かう。

 

屋敷の中では、荒れ放題の部屋にスーツを脱いでいるスタークさんとその横には、足首がへこんだスーツが立っていて、部屋の端には、五代さんと、スタークさんの屋敷に行った時にいた女性がいる。

 

しかも、なんというか若干引き気味の五代さんに、べったりくっついているように見える。

 

「来たか。ああ、スーツはエクストリミス兵士との戦いで、足首の飛行部品を潰された。

修理しないとな。」

 

「それよりもスターク、もしかしてこいつは…」

 

来る途中で、倒れた黒服の男からローズ大佐が銃を奪いとり、警戒し、巡回兵を倒しながら来たのだが、部屋のソファーベットでいびきをかいて寝ている男を見て驚く。

 

「ああマンダリンだ。キリアンに雇われたただの役者だそうだ。

おい!ペッパーはどこにいる!?」

 

トレバーと名乗る思ったよりも小柄なひげ面の男が調子の狂うしゃべり方で、説明していく。

しかし、俺はその話も気になるのだが、五代さんとその女性の方が気になってしまう。

 

「うふふ。シャイなのね?」

 

「あ、あの、少し離れてもらえると…」

 

「あら?私のこと嫌い?」

 

「そうではなくて、あぁ…

狭間さん助けてくださいぃ…」

 

「桜子さんに言いつけますよ。」

 

目の前のいちゃつきっぷりにイラッときて、つい言ってしまった。

 

「な、何でそこで桜子さんの名前が…」

 

「へぇ、サクラコって、誰?」

 

「考古学者の友人で…」

 

「まだ、友人、なのね?

私にもまだチャンスがあるじゃない♪︎」

 

ちょっと冷めてしまったので、五代さんの方は放っておく事にした。

 

 

 

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