仮面ライダーになった男は戦いたくない   作:岩鋼玄武

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終わりもまた電話だった

爆発の影響で、アイアンマンのアーマーの一体に支えられていたはずのクレーンが倒れ、場所が開けた。

 

「…終わったの?」

 

ペッパーさんの呟きが後ろから聞こえてきたが、

爆発場所で立ち上がる影が見えた。

 

俺達はとっさに身構えると、その燃え上がる場所から現れたのは、両腕を失い、髪の毛が燃えて無くなり、皮膚が炭化しながらも、よたよたとこちらに向かって歩いてくる姿が見えた。

 

後ろのペッパーさんから息を吸い込むような悲鳴が聞こえてきたが、その姿から目を離すことが出来ないでいた。

 

 

そして、その歩みが途中で止まると、徐々にオレンジ色のノイズのような見た目のモヤモヤがキリアンを包みはじめた。

 

 

「バグスターウイルスか…」

 

「バグスター…ウイルス?

何か知ってるのか?」

 

ディケイドの呟きに、スタークさんが反応して聞いてきた。

 

「早い話が、人間に感染するコンピューターウイルスだ。

どうやら、日本にこいつの味方…いや、実験台か?

そうしていたやつがいたってことだな。」

 

「ハザマ!?」

 

「すみません、スタークさん。

このことを知ったのは、俺も数時間前で。

さらにいえば、不確定で未確認でしたので。

ですが、バグスターウイルスは人体に感染するといっても、直接体内に取り込まないと効果はありません。

このことは日本でもごく一部の者しか知らないことです。

決して言いますが、科学兵器などではありません。

治療法もあります。」

 

俺に顔を向けずに問い詰めてきたスタークさんに、俺は言うが、目の前のキリアンの姿がオレンジ色のモヤモヤで覆い隠れ、そしてそれが一気に膨れあがり、巨大な球体を連結させたかのようなオレンジ色の化け物へと変化を遂げた。

 

そして、それが金切り声を上げたかと思うと、俺達には見向きもせずに、周囲の物を攻撃し始める。

 

そして、それに呼応するかのように、埠頭で倒されたはずのエクストリミス兵士達が起き上がってきて、その頭部をオレンジ色の物に変化させた。

 

「ペッパーさんは何か変化を感じませんか?」

 

俺はハッと、なって後ろのペッパーさんに聞くが、ペッパーさんはきょとんとした顔で、訳がわからないような感じだった。

 

「ペッパーさんには、さすがのキリアンもバグスターウイルスを注入しなかったのか…」

 

「それで、どうするんだ?」

 

「まずは、スタークさんは、ペッパーさんの避難をお願いします。」

 

「それもそうだな。J.A.R.V.I.S.!」

 

『了解しました。』

 

「ペッパー、すまないが少し我慢してくれ。」

 

「…もう。優しくしてね。」

 

「もちろんだとも。」

 

スタークさんの声に答えると、スタークさんは降りてきたアーマーを着込み、ペッパーさんを抱いて飛んでいった。

 

「士!」

 

「士君!」

 

「狭間さん!」

 

そんなところに、二人のクウガと、仮面ライダーキバーラがやってくる。

 

「やあ、二代目君。」

 

そして海東さんのディエンドも集まってきた。

 

「僕が見て廻った限り、バグスター以外の敵勢力は残ってないみたいだね。

それに、これらのバグスターは、少々、通常のバグスターとは異なるみたいだね。」

 

「確かに、バグスターウイルスは通常、バグスターユニオンを、ゲーマドライバーのライダーのレベル1の状態による分離手術を行わなければ発生しませんし、死んだはずの肉体を乗っ取ってバグスターウイルスが発生するというのも、俺の知識にはありません。」

 

「それに、発生したバグスターウイルス達は、

何をするでもなく、ただそこに立っているだけみたいだ。

エクストリミスというナノマシンの再生力に、バグスターウイルスの培養が抑止されているのかもしれないね。

これなら、通常攻撃が通じないだけのただの的だから、僕が片付けておいて上げるよ。

感謝したまえ。」

 

「よろしくお願いします。」

 

海東さんは、そう言うと鼻歌を歌いながら行ってしまった。

 

「海東のやつは、よっぽどこの世界を気に入ったみたいだな。

あんなに上機嫌に、しかも自分から動くなんてな。」

 

「それで、どうしましょうか?」

 

ディケイドの呟きに、俺は聞くと、少し考える素振りをすると言いだした。

 

「夏ミカンとユウスケは、海東の手伝いに行ってやってくれ。

一ヶ所にまとめてやれば、海東も早く済むだろ。」

 

「行きましよう、ユウスケ。」

 

「わかった。」

 

「五代さんもお願いします。」

 

「わかりました。」

 

『僕のアーマー達にも手伝わせよう。

そっちのほうが早く終わりそうだ。』

 

と、ペッパーさんを運んで戻ってきたスタークさんが着地しながら言ってきた。

 

『J.A.R.V.I.S.。『了解しました。』それで?』

 

 

「狭間は、あのデカブツの注意を引いてくれ、ちょうどいい物もあるしな。」

 

と俺の後ろのジェットスライガーを見て言う。

 

「それに、スマートブレイン製のベルトなら、一時的に動きを止められるだろうからな、そこに俺が止めを差せば終わるだろ。」

 

「わかりました。」

 

『何だ?せっかくドラマのワンシーンみたいに、ペッパーにカッコつけて戻って来た僕の出番は無しか?』

 

「バグスターウイルスに通常攻撃は効果がない。

あれは、ウイルスといっても、コンピューターウイルスだからな。

例えるなら、パソコンの画面の前でシャドーボクシングをしているようなものだ。

電磁パルス兵器でもあれば別だがな。」

 

『なるほど、次にスーツを作ることになったら、参考にさせてもらう。

だけどあれは、周りの物に攻撃できる物体だろう?

本当にダメージがないのか?』

 

「スタークさん。

目の前のバグスターユニオンは、ダメージがないというだけで、衝撃は通ります。

突風を受けているようなものだと理解してもらえれば。なので援護をお願いします。」

 

『仕方ない、ペッパーも待ってるからな。

さっさと終わらせるぞ。』

 

そう言うと、飛び上がって行く。

 

そして俺は再び、デルタフォンのトリガーを引きながら口元に添えた。

 

「変身!」

 

 

Standing by

 

 

Complete

 

 

デルタに変身してジェットスライガーに乗り込み、コンソールとレバーを操作してジェットスライガーをバグスターユニオンに向ける。

 

「まずは、こっちに注意を向ける!」

 

俺は、再びジェットスライガーを操作して、前部左右カウリング部のミサイルポッドに収納された、16門の誘導式のフォトンミサイルを32発一斉掃射して、バグスターユニオンに当てるが、アニメ調の『MISS!!』という表示が当たる度に表れる。

 

しかし、そのミサイルの爆発した煙や、爆風が鬱陶しかったのか、俺のほうに向かって来ていた。

 

俺はジェットスライガーから降りると、腰のバックルのメモリースロットに入っているミッションメモリーを抜きとり、デルタフォンを装着したデルタムーバーに装填すると、ポイントシリンダーがせりだすのを確認して、それを口元に添える。

 

「チェック。」

 

 

 Xceed Charge

 

 

腰のバックルからフォトンフレームを通って高密度のフォトンブラッドが流れ、腕のラインからデルタムーバーに注入される。

 

 

俺が、この動作をしている間には、スタークさんがリパルサーを放ちながら、バグスターユニオンを牽制してくれていたが、当のバグスターユニオンは飛んでいるハエを追い払うように立ち振舞っていただけだった。

 

「スタークさん!もういいです!」

 

俺は、大声を上げながら、バグスターユニオンにポイントマーカーで、一時的に動きを止めた。

 

 

FINALATTACKRIDE DE DE DE DECADE

 

 

すると、無事だったクレーンの上から飛びたったディケイドが、宙に浮いた何枚もの金色のカードを通り抜けながら、バグスターユニオンをそのまま貫いて、爆発を起こした。

 

 

『終わったのか?』

 

俺の横に着地したスタークさんが聞いてくる。

 

「ええ、これで本当に、終わりました。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺達は、揃ってキャンピングカーに集まると、スタークさんが見せたいものがあると言って、みんなで夜空を見上げていた。

 

 

「J.A.R.V.I.S.、やれ。」

 

『クリーンスレートプロトコルですね。

本当によろしいのでしょうか?』

 

「クリスマスだからな。

盛大にやれ。」

 

『了解しました。』

 

 

夜空には、無事だったアーマー達が空を飛び交いながら、次々に自爆して、それが打ち上げ花火のように光が舞っていた。

 

スタークさんは、ペッパーさんに寄り添い、一連の事件は幕を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

2013年5月 SPIRITS本部

 

 

『新しい家を買ったから、パーティーをする。

ハザマ、お前も来い。

ああそれと、お前の誕生日はいつだ?』

 

「11月ですよ。」

 

『なんだ、もう過ぎてるのか。

まあいい、遅め、いや早めか?

の誕生日プレゼントも用意してある。必ず来いよ。

ペッパーもお礼がしたいって言ってるからな。

あと、あの時の願いっていうのを、パーティーにくるまでに考えておけよ。

またな。』

 

「わかりました…ってもうきれてる。」

 

 

あの後、ミスハンセンと、スタークさんによってペッパーさんのエクストリミスは除去された。

 

それとスタークさんもまた、心臓付近の手術を行い、今では胸に穴は無くなっていた。

 

ミスハンセンは、ペッパーさんに謝罪してからA.I.M.を退職、今ではSPIRITS本部の研究所に所属して、桜子さんと見えない火花を飛ばしていた。

 

ローズ大佐のアイアンパトリオットは再改造を経て、ウォーマシンに再改名した姿を新聞で見ることもできた。

 

門矢さん一行は、あの戦いがこの世界でのやることだという判断をして、別の世界へと行ってしまった。

あの写真館は、すっかり元の喫茶店に戻っている。

 

 

「この世界には、また来る気がする。

その時は、またあの麻婆豆腐を食わせてくれ。」

 

ただ、そう言い残して別れた。

 

そして、海東さんはというと。

 

「狭間さん!大変ですよ!SPIRITSの玄関プレートが無くなってました。」

 

職員の一人から聞いたのが、これである。

 

もしやと思って、クラインの壺の内部を探して見ると、結構奥のほうに隠してあり、俺が元の位置に戻しておいたのだった。

 

 




アンケートの協力を、ありがとうございました。

一番多かったように、自分の好きにさせてもらいます。

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