仮面ライダーになった男は戦いたくない   作:岩鋼玄武

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今回はちょっと短め


作戦会議

朝日が登りはじめた頃にワシントンに不思議なぐらい無事に入ることができた。

俺とスティーブさんとナターシャさんは2時間ほど仮眠をとっているが凰蓮さんと耀子さんは起きっぱなしだったようだ。

 

道脇に止めたジープの扉を叩く音がするので、窓を見ると、ジャージに着替えて汗をかいている流星君とウィルソンさんがいた。

 

俺達は車を降りて二人について行くように路地裏を抜けると、とある家が見えて、その窓からは服を着崩した本郷さんが椅子に座って何かの資料を見ているのが見えた。

 

俺達もその家に入ると流星君とウィルソンさんが近寄って来る。

 

「狭間さん。

ウィルソンさんには説明を済ませてあります。

後、早朝ランニングに見せて周囲の偵察を行いましたし、ホテルとも連絡を取り合いましたが、警戒をされていないというよりも、キャプテンアメリカに協力者がいるとは考えてもいない様子でした。

S.H.I.E.L.D.から1度ホテルに連絡がきたそうなんですが、我々SPIRITSに対しては会談が決裂していることも知らない様子でしたし、そもそも要求が断られるとも考えてはいないみたいでどうも舐められているようです。」

 

「そのまま、油断してくれると楽なんだけどね。

ウィルソンさん、ありがとうございます。」

 

「キャプテンアメリカのピンチなんだろ?

スティーブとはもう友人だからな。

ソファーベッドと、シャワーは自由に使ってくれ。シャワーは、今はスティーブが使っているがな。後、朝飯作るからリュウセイは手伝ってくれ。」

 

「あ、はい!狭間さん、それでは。」

 

「報告ご苦労様。

凰蓮さんと耀子さんもシャワーを浴びたら仮眠をしてください。

2~3時間ほどは時間がとれるでしょうから。」

 

俺は二人に言って、本郷さんのところに報告に向かう。

 

「狭間です。戻りました。」

 

「うむ。報告を聞こうか。」

 

俺はキャプテンを迎えに行ってから、戻って来るまでのことを本郷さんに話す。

 

「…話してしまったのかね?」

 

「スティーブさんは話さなければ納得しなかったでしょう。

幸いにして彼は誠実な方ですから。

ナターシャさんからは凰蓮さんに免じて聞かなかったことにすると言われましたので、俺は彼女を信用したいと思います。」

 

「…そうか。わかった。

しかし、次の作戦からは私も動こうと思う。」

 

「ですが。」

 

「狭間君。

今の状況は既に、よっぽどのことなのだよ。」

 

「…わかりました。ですが、光栄次郎氏からいただいた本郷さんのメンテナンス方法を担当できる者がまだ育っていませんので、無理はしないようにお願いします。」

 

「うむ。肝に免じよう。」

 

本郷さんに報告が終わるとシャワーが空いたというので、俺も軽く流し、寝室にナターシャさんとスティーブさんが揃っているそうだったのでそちらに向かう。

 

「神妙にお話をされているところに申し訳ありません。

そろそろ、作戦会議といきたいのですが?」

 

「なんだ。盗み聞きか?」

 

「ハザマ、趣味が悪いわよ。」

 

「ご冗談を。」

 

二人の顔が、俺を出汁にし始めるととたんに明るくなっていった。

すると、ウィルソンさんが顔を出してきた。

 

「その前に、朝食でもどうだ?

ヒーローでも朝飯は食うんだろ?」

 

「…そうだな。いただこう。」

 

スティーブさんの返答に俺達も頷いて、キッチンに向かった。

流星君が作ったという端が焦げたベーコンや、焼きすぎなトーストなどを食べ終えると、自然と本郷さんを中心にして集まっていた。

 

ソファーベッドで寝ている二人を横目にナターシャさんが話しはじめた。

 

「問題は誰にS.H.I.E.L.D.のミサイル発射権限があったかよ。」

 

「…ピアースだな。」

 

「S.H.I.E.L.D.の理事のアレクサンダー・ピアースですか?

その人もヒドラだと?」

 

「良く学んでいるなリュウセイ。

彼の側近も協力者だろう。

ファイルのアルゴリズムの出所にいたはずだ。」

 

「…シットウェルね。あの船に乗っていたわ。」

 

「S.H.I.E.L.D….いえ、ヒドラのエージェントですか。

その人物を拉致し、情報を聞き出したいところですが。」

 

「俺も協力させてくれ。」

 

俺の呟きに反応してか、ウィルソンさんが声をあげた。

 

「しかし、退役したんだろう?」

 

「ここまで俺を巻き込んでおいて、今さらのけ者にするのは無いんじゃないか?」

 

スティーブさんの疑問に対して、ウィルソンさんのもっともな意見を返すと、本郷さんが持っていた資料のファイルをテーブルに置いた。

 

「これは?本郷さんが見ていたファイルですか?」

 

「うむ。ウィルソン君の履歴書だ。

君達も見るといい、とても興味深いぞ。」

 

その機密と判をされた資料には、ウィルソンさんが参加していたという作戦や、その時に使われていた装備類の詳細が書かれてあった。

 

「これはどこにあるんだ?」

 

「フォード・ミード基地に一つ、だが警備は鉄壁だ。」

 

「ナターシャどう思う?」

 

「私が行くの?

まあ楽勝だけど。」

 

「決まったな。

シットウェルの拉致は僕達に任せてくれ。

問題はどうやってトリスケリオンの内部に侵入するかだ。」

 

「そのシットウェルという人物に我々SPIRITSへトリスケリオンの案内をさせましょう。

会談が決裂していないと思われているならば、その人物がSPIRITSを説得したとか言わせれば我々はすんなり入れると思います。

内部に侵入できればスティーブさん達が侵入できるように工作することも可能です。」

 

「問題があるとすれば…」

 

「ウィンターソルジャーでしょう。

シットウェルは情報を話せば殺されると怯えるかもしれません。

うちの流星君をそちらに同行させます。

彼は武術の心得がありますし、何より立派な仮面ライダーです。」

 

スティーブさんの呟きに俺が話すと、ウィルソンさんが流星君をからかっているようで

 

「なんだカラテか?ジュードーか?

こうか?アチョー、アチョー!」

 

と言いながら、その動きはどことなく中国拳法っぽくて流星君がむっすりとした顔になっていた。

 

「君も記憶が?」

 

「…狭間さん、言ったんですか?」

 

「触りだけね。

スティーブさん、それは言わない約束ですよ。

流星君も余計なことは言わなくていいから。」

 

「…まあ、わかりました。」

 

「ふっ。そうだな。それでハザマ達はどう動くんだ?」

 

「我々は一度ホテルに戻って、飛電インテリジェンスの皆さんに事情を話す必要があります。

そこの寝ている二人も朝食ぐらいは取らせたいですからね。」

 

「わかった。

シットウェルを確保次第、リュウセイに連絡を入れさせる。

合流して作戦開始だ。」

 

 

悪いとは思っているが寝ている二人を起こして再びジープに乗り込み、俺の運転でホテルに戻って部屋に入ると、飛電さんがSPの人達に指示を出しているところだった。

 

「狭間さん。

戻られたんですね。」

 

「はい。実は…」

 

俺が粗方の説明をすると飛電さんもついていきたいと言い出してきた。

 

「念のために持って来ていて正解でした。」

 

飛電さんは胸ポケットからロッキングホッパーゼツメライズキーを取り出してこちらに見せる。

 

「ホテル内の荷物は彼らに見張らせていますので、安心して作戦に参加できますよ。

私もまたSPIRITSの一員ですからね。協力させてください。」

 

「いいじゃないか。

そこまで言うのであれば、私の背中ぐらい守ってもらおうじゃないか。」

 

「本郷さん!

あなたの隣で戦えるとは、光栄です。」

 

盛り上がりを見せている二人に、俺はため息をついて別の部屋に行くと、SPの人達が買って来ていたであろうサンドイッチを食べている凰蓮さんと耀子さんがいたので、この二人にも作戦の内容を話しておく。

 

いつの間にやったのか、二人は化粧直しが完璧になっていた。

 

そうしていると、俺の端末に連絡が入ったのでそれをとると、シットウェルの確保ができたので、これから情報を聞き出すという。

 

「わかった。それじゃ。」

 

その連絡を切ると目の前の二人と、本郷さん飛電さんにへと話しをしに行った。

 

元々飛電さんが用意していた黒塗りの車に乗り込んで、再び凰蓮さんの運転で出発して合流地点へと車を進めた。

 

 

 

side朔田流星

 

俺達はウィルソンさんの運転で狭間さん達との合流場所に向かっていた。

 

俺の隣には、シットウェルという眼鏡の男がいて

殺されると喚いている。

 

「キャリアの発進まで16時間よ。」

 

このシットウェルという男を拉致して脅して入手した情報にはインサイト計画はすでに実施目前だったことがわかった。

 

もしかすると、ヘリキャリアを飛ばしてからSPIRITSにその銃口を突きつけてライダーシステムを奪いとるつもりなのかもしれない。

 

すると、急に車の上に何かの音がしたかと思うと窓を割り、金属の腕が俺の目前を通って、俺とナターシャさんの間にいたシットウェルの胸元を掴むと引き出そうとしたので、俺がシットウェルを掴むとそのまま一緒に宙に放り出されてしまった。

 

しかし、目の前に現れた銀色のオーロラが俺とシットウェルを包むと俺達は別の場所にいた。

 

「間一髪だったわね!」

 

凰蓮さんの声が聞こえてきて体が痛む中周囲を見ると、どうやら車のラゲッジスペースに現れたらしく、痛みで呻いているシットウェルがいて、こちらを見ている狭間さん、飛電さん、本郷さんが、声をかけてきた。

 

俺はそのまま大丈夫だと答えると、凰蓮さんの声で、停止していた車が再び動き出してカーアクション並の戦いをしている場所に近づいて行った。

 

 




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