それから数時間後の夕食時、フューリーさんを交えて夕食をとりながら話をしていた。
「ウルトロンは君達を遠ざけて何かを作っているようだな。
盗まれたヴィブラニウムの量からして一つのものではなさそうだ。」
「ウルトロンはどこに?」
「探すのは簡単だ。やつはどこにでも現れる。
ウルトロンのコピーはネズミ算式に増えているようだからな。
だが、やつの目的が見えてこない。」
「核ミサイルのコードだろ?」
「それもある。だが、未だに進展は無いようだな。」
スタークさんとフューリーさんの話の流れからするに、正史通りにJ.A.R.V.I.S.のコピーらしきAIが核ミサイルのコードを守っているということだろう。
「フューリー、いつもだったらもっと情報とか武器とか戦う手段を持って来てくれたじゃないの?」
「あるぞ。君たちだ。
かつては世界中に目があり、耳があった。
だがS.H.I.E.L.D.なき今、お前達が使える武器は己の知恵と信念だけだ。
ウルトロンはアベンジャーズを全滅させると言っているが、結局は世界を破滅させようとしている。
お前達でウルトロンを出しぬけ。」
「しかし、どうする?」
スティーブさんの呟きに俺は席を立つ
「現在、SPIRITS本部では秘密裏に対ウルトロンの戦力を編成中です。
後、およそ30時間もすればSPIRITSの戦力をアベンジャーズにお貸しすることができます。」
「待て、どうしてそこまでしてくれるんだ?」
「ウルトロンのやることが世界の破滅ならば、我々SPIRITSも見て見ぬふりができませんからね。
それにウルトロンはアベンジャーズの全滅を言ってきましたが、SPIRITSのことについては何も言ってきませんでした。
スタークさんの研究によって誕生してしまったことで、アベンジャーズにばかり目が行っているように思えます。」
「つまり、ウルトロンはネットワーク上の情報を取り込み学習しているが、一般的な情報も鵜呑みにしていることで、ユウスケやハザマもアベンジャーズとして見ているということか。」
「なるほど、SPIRITSの戦力についてはウルトロンの優先殲滅対象に入っていないということになる。
これで、戦力についてはなんとかなりそうだな。
後はウルトロンの目的についてだが…」
「少し気になっていたんですが、どうしてウルトロンは人間タイプのロボットを作っているんでしょうか?」
五代さんの呟きが聞こえ、スティーブさんやバナー博士が答えた。
「僕達以上の存在になりたいんだろう。
だから、人型にこだわっている。」
「ウルトロンが望んでいるのは進化だろう。
だけど今の人類が進化することに期待していない。
だからウルトロン自身で進化するつもりなんだろう。」
「…その方法は?」
「誰かヘレン・チョ博士と連絡はとれるか?」
「ヒルに連絡を入れさせよう。
もしもつながらなければ、ウルトロンはヴィブラニウムを材料に再生クレードルを使って新たな肉体を作り出そうとしていることになる。」
「…よし。皆、出発準備だ。
作戦はクインジェットの中で考えよう。」
スティーブさんの号令と共に行動を開始することになった。
クインジェットでの移動先に、先にスタークさんとバナー博士、五代さんと一条さんをペンタゴンに下ろして核ミサイルのコードを変更し続けている相手に接触することになった。
残りのメンバーの内、俺とスティーブさんが韓国ソウルにあるユージン遺伝研究所に乗り込み、ウルトロンがクレードルを移動させる途中でバートンさんの操縦するクインジェットにナターシャさんと協力してクレードルを奪取して破壊することになった。
ユージン遺伝研究所が見える位置にクインジェットから下ろしてもらって、俺がオーロラを展開してそのまま研究所に乗り込む。
ディエンドライバーを手に研究所内に入ると、既にクレードルと思わしき物はなく、研究員は体の一部が焼けただれて死んでいた。
唯一ヘレン・チョ博士は息があり、クレードルで製作されている体にはロキの杖の宝石、マインドストーンが使われているから破壊はしない方がいいと言われてスティーブさんは急ごうとした。
「スティーブさん!俺は博士を病院に連れて行きます。
…それと、クレードルの奪取は3人でできますか?」
「どうした?」
「ウルトロン以外に厄介な相手からたった今メッセージを受け取りました。
可能な限り合流を優先しますが、そいつは俺でないと相手できないでしょうから。」
「あの時のウイルスのようにか?」
「はい。」
「…わかった。急げよ!」
スティーブさんはそう言って走って行き、俺は博士を病院に届けると、再び研究所に戻って来た。
「出て来い!いるんだろ!?」
俺が大きな声を出してその相手を呼ぶと、しばらくして自分がいる空間がゆっくりと動く重加速状態になってしまうフィールドが展開された。
しかし俺はあらかじめ黒いシフトカー、シフトスピードプロトタイプを取り出していたので動くことができている。
『…ああ。いるとも。
先ほどはよく気づいてくれたね。』
「あんなあらかさまに、バイラルコアを見せてくれば来ないわけにもいけないからな。」
『おや?重加速状態でも喋れるのか。』
「ああ。相手がロイミュードならばシフトカーを所有していれば重加速状態になっても自由に動けるからな。
でも、あんたが出てくるとは思ってなかったけど…ゴルドドライブ…いや蛮野天十郎!
何であんたがここにいる?」
『この姿の場合はゴルドドライブのままで結構。
この世界には鳴滝という男に連れてこられたからだが…この世界は実に面白い。
グローバルフリーズが起きていないのにドライブシステムが存在し、警察の正式装備にマッハドライバーが参考にされている。
さらにはウルトロンだ。彼は私が作り出したロイミュードに近しい存在と言える。
私が支配下に置くにふさわしい体を作り出そうともしている。糸に吊られた人形のようにな。』
「あの体は貴様のために作っているわけではないだろう?
それを勝手に奪おうとしているわけか?」
『私は神に等しい存在だぞ。ウルトロンのような人形ごとき、私が支配したとて…それは人類の為になるというものだ。』
「あんたの言う人類とは、データ化された人類のことだろう?
あんたはここで破壊させてもらう。」
KAMENRIDE
「変身!」
DI!END!
『さっきから私のことを知っているかのような口振りだな。
実に不愉快だ。死ね。』
目の前にいたゴルドドライブとは違って左右の真横から俺を襲いにきたのはロイミュードではなく、ウルトロンが作り出した量産品のボディだった。
俺は後ろに下がりながらディエンドライバーから光弾を放って破壊するとゴルドドライブに向けて光弾を放つ。
『その武器はどうやら奪えそうにないようだな。
この場所に行き来できる能力といい、私がもらっておいてやろう。
光栄に思え!』
こちらの攻撃を避けられゴルドドライブのベルトから触手のような光の帯が放たれるが、バリアーのカードを使用して防ぎ、ブラストのカードを使って反撃するもその手から放たれた電撃で相殺されてしまう。
「ウルトロンのボディをすでに支配下に置いているのか?
ということは、ウルトロンと手を組んでいるわけでは無さそうだ。」
『何をぶつぶつと!
その力を渡す気になったのか?』
「なわけないだろう。」
KAMENRIDE DRIVE
KAMENRIDE MACH
KAMENRIDE CHASER
『ひとっ走りつきあえよ!』
『追跡!撲滅!いずれも~マッハ!仮面ライダーマッハ~!』
『…フン』
『こいつらは!?
小癪な!』
「さて頼むぞ。」
召喚したドライブ、マッハ、チェイサーの3人はこちらにうなずいて連携してゴルドドライブに攻撃を仕掛けはじめた。
重加速状態でも動けるのはこの3人の仮面ライダーが最良だが、ゴルドドライブが相手だと時間が経てばそれだけ不利になっていくだろうから速攻でいかなければならない。
ATTACKRIDE CROSSATTACK
ヒッサーツ!フルスロットル!スピ、スピ、スピード!
ヒッサーツ!フルスロットル!マッハ!
ヒッサーツ!フルスロットル!チェイサー!
三者三様のライダーキックが放たれるが、ゴルドドライブが電撃を周囲に放つことでライダーキックを防ぎ、3人の仮面ライダーが吹き飛ばされる。
FINALATTACKRIDE DI DI DI DIEND
俺はそのライダーキックを囮にすることでディメンションシュートを決める。
反撃もなく、避けられることもなくその爆破により撃破に成功したようだった。
「はっ!?
最初に見たバイラルコアは…逃げられたか。」
重加速状態も解除されたが挑戦状として見せてきたバイラルコアがなくなっていたことで、蛮野のバックアップは残っていることに気がついて思わずうなだれてしまった。
俺はシフトスピードプロトタイプをクラインの壺に戻してソウル市内に急ぐ。
オーロラを抜けてソウル市内の高層ビルの屋上に上り現在の状況を確認すると、ちょうどトラックの荷台が空を飛びはじめるところだった。
「こちら狭間です!浮上したトラックを確保します!」
インカムのマイクのスイッチを入れて言うと、空中のトラックの進路上にオーロラを開く。
しかしロボットのバーニアが別の方向に急に強く吹かされてオーロラを回避されてしまった。
『ちょっと!?どうなってるの!?』
『ウルトロンのロボットはハザマの能力を正確に把握しているんだろ。
何度もやれば、中のナターシャが危険だ。』
『だったら、荷物をクインジェットに送るわ!
ハザマはキャプテンを手伝ってやって!』
「わかりました!」
そう返事をしてからオーロラを開いて、正史通りであれば電車が脱線して暴走するだろうから暴走するだろう先にまわり込んだ。
案の定、電車が終着駅を越えて線路を脱線しだしたのでその道路上にいる人たちをオーロラを動かして飲み込み、別の場所に避難させる。
さらに建物の壁をひとつ破壊しながら突き進んだためにさらにオーロラを展開しようとしたが、ピエトロ・マキシモフらしき高速に動く物体が人々を電車の進路上から助けだしていて、電車にまとわりついた赤い光の帯が電車を止めていた。