「皆さん!装置を囲むように円陣になって下さい!」
俺がとっさにそう言うと、ウルトロンと対峙するように新しく参戦した警察組が回り込んできていたロボット達に対処するために、教会跡に元々いたライダー達が外に回り込み、教会跡内部にアベンジャーズの面々が陣取って戦闘になった。
しかし持ち場は移動しながら連携しているようで、いつの間にかごちゃ混ぜになりながら不思議と連携がとれているようだった。
俺のすぐ近くでは氷川誠のG3Xが、どこから取り出したのかガトリング砲のGX-05ケルベロスを取り出して沢木さんのザビーと共闘しているし、少し視線をずらせば仮面ライダーバスターの日高さんと、鬼である戸田山さんが共闘している姿が見える。
日高さんは鬼として活動する為の鍛練で無茶をしたために鬼になることが危ぶまれたことで、俺に力を求めて土豪剣激土に選ばれることになったからこの世界では響鬼になることがなかった。
けれど、戸田山さんはそんな日高さんから自分の体験談を元に無理なくトレーニングを積んだために、鬼として活動できるようになった。
因みに、戸田山さんだけではなく警察機関は、日本各地に猛士の支部を設立して鬼の数を少しずつ増やしている最中であり、ある種の自然災害に等しい魔化魍の発生を最小限に留めようとしている最中である。
この世界でも、魔化魍はごくわずかながらその姿が目撃されているらしく、親としての童子や姫は存在しないようだが妖怪としての伝承が残る地方では行方不明者の一部が魔化魍によるものだと猛士では考えているようで、すでにウブメやバケガニなんかとの交戦も報告を受けている。
そんな日高さんは、SPIRITS内では時折寂しそうな姿を見かけることもあったために、俺の方から日高さんを指導役として時折、猛士に顔を出すように指示しているので、この世界の鬼達には先輩や教官、師匠とか呼ばれているところを見かけているので、このウルトロンとの戦いでも連携がうまくとれているようで安心した。
時折視界に光の線が走り、その道中のロボット達が次々に破壊されているのは、カブト、ガタック、ドライブ、そしてピエトロ・マキシモフだろう。
俺はディエンドとしての基本性能で高速移動ができるのだが、まだうまく使いこなせないために高速戦闘は今は彼らに任せるしかないようだ。
仮面ライダー達とアベンジャーズの戦力であれだけいたロボット達もついには数をずいぶん減らしているのがわかるので、しびれを切らしたのかウルトロンが装置の包囲網を突破しようとすると、ヴィジョンと揉み合いになりながらも、教会跡の外に額の石からビームを放ちながら追いやっていた。
ブレスト・キャノン
セル・バースト
BULLET
FIRE
burning shoot
ヘンゼルナッツとグレーテル!イェーイ!
錫音音読撃!イェーイ!
それに同調するようにソーさんのムジョルニアから雷撃と、スタークさんの両掌からのビームが発射され、後藤さんの仮面ライダーバースがブレストキャノンを、橘さんの仮面ライダーギャレンがコンボショットを、そして一条さんの仮面ライダースラッシュの虹色のビーム、ビート・ロリポッパーが放たれ、たちまちウルトロンの装甲がぼろぼろになり、立つのもやっとの状態になってしまった。
それを見たのか他のロボット達も攻撃の手が止まり、教会跡から距離を置きはじめてしまう。
『全員相手は失敗だったか…』
その続きを聞くこともなく、ウルトロンはハルクに吹き飛ばされてしまい、それを見たロボット達の残党が逃げ出そうとするも、
「逃がしはしない。」
one two three
「「ライダーキック」!」
Rider Kick
ヒッサーツ!フルスロットル!スピ、スピ、スピード!
ACCEL!
MAXIMUM DRIVE
「絶望がお前達のゴールだ。」
カブト、ガタック、ドライブ、アクセルのそれぞれが必殺技を放ち、その大半を破壊してしまう。
運良く残ったロボット達は飛んで逃げようとするも、ウォーマシンとヴィジョンによって破壊し尽くされてしまった。
「脱出するぞ。空気が薄くなってきた。
逃げ遅れた者達を探して救命挺に乗せながら、みんなも乗艦してくれ。
ハザマは地上とのゲートを開けるか?」
「可能です。最低限の装置の守りも必要でしょうから自分はこの場に残って先ほど戦闘を行った広場にゲートを開くことにしますよ。」
スティーブさんの言葉に答えると、数人の人物から自分達も残るように言ってきたが、逃げ遅れた人達の捜索を優先するように言う。
「ハザマの言う通りだ。この場にゲートがあるのならば、自分達の避難場所の確保にもつながる。
スターク!先ほど言っていた浮遊大陸の対処方法にはどれくらいかかる?」
『F.R.I.D.A.Y.の計算だとパワーが足りない。
ソーの助けがあれば、おそらく7~8分ぐらいで準備できるようになるだろう。』
「わかった。手を貸そう。」
「…よし、5分で避難を終わらせるぞ。」
「それと、ウルトロンの残ったロボット達もゲートをくぐって逃げようとするかもしれません。
ゲートの守りに数人…SPIRITS交渉部がいいか。
待機をお願いします。」
スティーブさんの同意及び、スタークさんの作戦と、俺の言葉にそれぞれが動き出すと、俺もゲートを目の前に開き、ディエンドライバーでさっそく近寄ってきたロボットを撃ち抜き、警戒を続けた。
side御影暁
「まだこんなに残っていたのかよ!?」
先ほどの決戦で大量のロボットを倒したけれども、まだまだ次々にロボットが現れて、玄が展開したゲートをくぐろうとしたり装置に向かおうとしていたために、俺たちはそれぞれの武器を手にしてロボット達の破壊を続ける。
「愚痴言わない!
わずかな残り時間を死守するのよ!」
耀子さんの叫ぶような言葉を聞きながら戦っていると、確かアベンジャーズが乗っていたはずの飛行機が飛び上がり、地面に向けて機関銃を放ちはじめていた。
そこに緑色のハルクとか言う巨人のおっさんが大ジャンプでその飛行機に乗り込むところが見えたかと思うと、俺たちの近くに止まっていたバスに向かってロボットが落とされてきた。
「念のため見て来ます!」
「暁!?待ちなさい!」
俺はその時、直感にも近い感覚を感じて耀子さんの制止に耳を貸さずにそのバスに向かって行く。
半ば中央から断裂したような状態のバスの中央には先ほどのウルトロンとか言うロボットのボスが横たわっていて、ぼろぼろの見た目で、なおかつそれでもその場から動こうとしていた。
「こいつ!頑丈過ぎだろ!?」
『仮面ライダーか…アベンジャーズばかりを気にしてその戦力を計算に入れなかったことが私の敗因か。』
「知るかよ。お前らロボットが一体でも残っていたら人類の危機なんだろ?
確実に破壊してやるよ!」
必殺リード!
必殺リード!
必殺リード!ジャアクドラゴン!
月闇必殺撃!習得三閃!
なんとなくこうした方がいいように感じた動きで立ち上がったこいつを中央に三閃が重なるように斬りつけてバックステップでその場から離れると、爆発して四散していった。
「…さすがに、倒しただろ。」
俺は剣を肩に担ぐように構えてため息をつくと、突然地面がぐらぐらと揺れはじめた。
「うわ!?な、なんだ!?」
『暁!あんたもさっさと避難しなさい!もう私達はゲートをくぐったわよ!』
「そういう事だ。俺達も避難するぞ。」
「玄!?装置の守りはいいのかよ。」
「そっちはソーさんに任せた。さっさとゲートをくぐってくれ。
後は俺たちが最後だ。」
なんとかゲートを通るとそこは瓦礫があちこちに転がった廃墟同然の都市だった。
「おい!避難所じゃないのかよ!?」
「浮遊大陸は爆破してもその破片はこの場所にも降り注ぐ事になる。
復興の事を考えれば、少しでも湖に破片を送った方がいいからな。」
すぐ近くに玄が現れると、突然空から轟音聞こえてそちらを向くと、空から岩の塊が雨霰と降り注がれてきた。
玄は空に向かって手を向けると広範囲に銀色のゲートが展開されて、次々に降り注ぐ瓦礫が吸い込まれていく。
ふと、この光景に見覚えがあるような気がした。
車の残骸、建物の瓦礫、潰れた草花、そして、散乱するマネキンや泥だらけの人形。
そしてこの先に見えたのは、空に浮かぶ大陸が爆破され、その破片が天から降り注ぐ光景に手を伸ばす友人の背中。
どこで見たのかはわからないが、もしかするとこれをデジャブと呼ぶのだろうかと思いながらその光景を見つめていた。
side戦極凌馬
その人物が見ている画面には、日本のどこか、白髪混じりの壮年の男性が椅子に座りながら幸せそうに小さな子供たちと戯れている光景だった。
「…認められない。
この世界の私は野望を諦め、望みを放棄したというのか。
千パーセント、認められない!」
「これで、我々に協力してもらえるだろうか?
ZAIAエンタープライズジャパンCEO、天津 垓(あまつ がい)氏。」
「…いいだろう。戦極凌馬といったか、貴様の計画とやらに協力してやろう。
鳴滝とかいうやつにこの世界につれてこられた時はどうしようかと思ったが、この世界の飛電インテリジェンスも我が物として、我が野望の礎にしてやろう。」
「もちろん。君たちも協力してくれるんだろう?」
戦極凌馬が振り返った先には、黒塗りのミニカーのような物が2つ置かれていた。
『もちろんこのままでは済まさない。
新しい体を作り直し、クリムを、ライダーどもを…そしてディエンドを必ず倒してくれる。
…貴様の分体を支配した時にそのデータをバイラルコアに閉じ込めておいて正解だったなぁ。
ウルトロン。』
『ネットワークから切り離された私だけが生き残ったわけか。
いいだろう。今度はアベンジャーズだけではなく、貴様達とSPIRITSを計算内に入れようとしよう。』
そして戦極凌馬は満足そうに周りを見渡すと、その部屋にいる者達の中には言葉を発することもなかった者達もいたのであった。