仮面ライダーになった男は戦いたくない   作:岩鋼玄武

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これまでの経緯

side狭間玄乃

 

俺の考えや、存在そのものをエンシェント・ワンはわかっているということだろう。

 

俺は周囲に仮面ライダーのことを伝えてはいるがMCUのことだけは誰にも話したことはない。

 

嘘は通じないが、情報は時に強烈な毒になり得ることがわかっているから必要な相談の時だけ、必要な情報がほしいという解釈を俺はしていた。

 

実際、ウォンに俺のことをどう思うか聞いてみたが

 

「偉大なるソーサラースプリームの考えをどうこう思うことはない。

あの方が、お前を相談相手にふさわしいと判断されたのだ。

私はその考えに賛同しているからこそ、お前を相談相手に選んでいるだけに過ぎない。」

 

そう言われ、余計なことをいうこともないだろうと、別の話題に切り替えた。

 

 

そして、日本での出来事に、闇の手の連中が魔術関係の方向に手を伸ばしていることがわかった。

 

ことの起こりは、仮面ライダーウィザードの作中の黒幕であり、多方面に精通した有名な物理学者で、医学・科学・物理学の知識を以て科学と魔法の融合に成功、その技術を手中に収めた天才といわれていた『笛木奏』をSPIRITSに勧誘しようとしていたところだった。

 

たとえ記憶を取り戻したとしても、妻も娘も健在で作中の目的そのものがないのであれば協力してもらえるのではないかと、ワイズマンリングを送ったら、いつの間にか、両親が健在な操真晴人を探しだし、娘の婚約者として迎え入れていたというミラクルな事態になっていた。

 

それだけならば、奇跡のカップリングだと密かに期待していたが、記憶を取り戻した笛木奏は、作中の研究を資料にまとめていたらしく、その資料を狙って、闇の手の連中は、妻と娘、操真家を人質に資料を要求するという事態になったそうだ。

 

幸い、救出作戦に同行した加賀美新/ガタック、照井竜/アクセル、須藤雅史/シザーズらや、G3部隊の活躍により、笛木一家と操真家のご両親を取り戻すことができたが、操真晴人は連れ去られてしまった。

 

それを期に、笛木奏はSPIRITSに全面協力を申し出て、操真晴人の行方を追っていると、どうやら同時期に複数人の行方不明者が出ているらしい。

笛木奏いわく、近日発生する日食を利用して、無理矢理『サバト』を行い、仮面ライダーに対抗する戦力を確保したいらしいという話を聞かされたという。

 

即座にSPIRITSは部隊を編成して、救出作戦を練り、各地にいる仮面ライダーたちに捜査依頼を出した。

 

そして俺は、カマー・タージに連絡を入れた。

 

そして、笛木奏が、作中で行った方法でファントムが生まれるかどうかをウォンに問うた。

 

 

「結論から言えば、十分に可能だ。

魔術の知識もなく、よくここまでの大魔術を準備できたのだと感心するが、これは闇の魔術の部類に属している。

止めなければならないが、これは発動しなければ、私でも感知することはできない仕組みになっているようだ。」

 

「…そんな、本来生まれるはずがなかったファントムが生まれるというのか。

いや、これは、仮面ライダーたちを生み出した事で発生した歪みが大きくなっただけに過ぎない。

…俺の責任か。

場所がわかり次第、ゲートウェイでつなぐことは可能か?」

 

 

「十分可能だ。現代の科学技術で、正確な日食の発生時刻を割り出せ。

その時刻に、お前がいる場所に向かおう。」

 

 

そして、その時刻になって、ウォンがゲートウェイで現れて、そこからさらにゲートウェイが開いた。

 

その先は、どこか木々が生い茂った廃ビルの屋上のようで、地面には赤い光が走っていて、そこにいた一般人らしき人々の体に紫色の罅が入りはじめていた。

 

「一般人の救出を最優先!

闇の手の連中は仮面ライダーたちに任せるんだ。行くぞ!」

 

さすがに、俺も今回は作戦に参加した。

 

「変身!」

 

DI…END!

 

俺を含め、スカウトに成功したフォーゼや、同行したオーズ、バースに、作戦に参加したギャレンと、ブレイド、そしてG3部隊と、それを率いる警察組の仮面ライダーたちが、闇の手の連中を押さえ、ゲートウェイを通じて、一般人の救出を行っていく。

 

しかし、ファントムとなって逃走する者達もいて、場所は混戦状態になっていった。

 

そして、救出の完了の連絡が入り、ゲートウェイをくぐって、戻ってくると、体に紫色の罅が入りはじめていた一般人のほとんどが罅がなくなっていき、元に戻っていく。

しかし

 

「晴人君!気をしっかり持って、あなたの中のファントムに抗うのよ!

あなたは希望なんだから!」

 

「俺が…希望…」

 

大門凜子の叫びに近い声に、操真晴人の背中に生えた翼を自らの気力で押さえこんでいくのが見えた。

 

「そうだ、諦めるな!

自分の中にある力を制御するんだ!」

 

と、戻ってきたライダーたちが声をかけていき、ついには、罅を自ら押さえこんでしまった。

 

俺は、オーロラからウィザードリングが入った箱を取り出すと、操真晴人の前におく。

 

俺が声をかける間もなく、彼は、その指輪を掴み、そして、弱々しいながらも声が出た。

 

「凜子ちゃん。俺、魔法使いになっちゃったみたいだ。」

 

そう、操真晴人は、この世界で、天然に生まれた最初の仮面ライダーになってしまったのである。

 

 

それから、両親たちとの感動の再会、笛木奏に必死に謝られながら、ウォンは操真晴人についていき、ご家族と話し合いが、行われた。

 

仮面ライダーウィザードとしてのツール一式は俺が用意できるが、操真晴人自身の魔力の操作ができておらず、ウォンがカマー・タージで修行をつけておきたいという。

 

「ご家族に了解は得られたのか?」

 

「定期的に顔を見せる必要があるがな。

それに、奥さんのうまい飯を食べさせてくれるそうだからな。」

 

それが目当てじゃなかろうかとも思いながらも、ゲートウェイを開いて、彼らは姿を消したのであった。

 

 

 

 

それだけが、これまでに起こった事ではない。

 

闇の手と戦う他の国からきた人物、『ダニー・ランド』が現れたのだ。

 

そう、闇の手の最高幹部が狙う、『アイアンフィスト』である。

 

のちのニューヨークで闇の手を壊滅に導く人物の一人で、同じ闇の手と戦うSPIRITSに感銘を受けて、SPIRITSでは、彼個人に支援をすることが決まり、ダニー・ランドは海外で闇の手の連中の情報をSPIRITSに提供する、ということになった。

 

 

それを期に、海外からSPIRITSに接触してきた勢力が増えたのである。

 

そう、戦略国土調停補強配備局、通称『SHIELD

』だ。

 

しかも接触してきたのは、SHIELD長官のニック・フューリー直々にである。

俺は、アドバイザー兼オブザーバーとして、本郷猛似のSPIRITSの実質トップである警視総監と話し合いをする二人の近くにいた。

 

感動や緊張やらで足が震えてきたが、必死に我慢すると、にこやかに握手をしだして、どうやら俺の必要性はなさそうだと、ほっとしていると

 

「今後の我々、仮面ライダー互助組織のSPIRITSとあなた方SHIELDの調整役の狭間君だ。」

 

「ほう。ならば、そうさせてもらおう。」

 

 

と、俺が呼ばれて、いつの間にか仮面ライダー達の調整役だけではなく、SHIELDとの調整役まですることになってしまったのである。

 

 

そして、世界各地いや、この場合はアメリカから寄せられる様々な情報。

 

ニューヨークのハーレムで緑色の大男『ハルク』が暴れた事

 

スタークエキスポで、『アイアンマン』とロボット軍隊との戦闘が起こった事

 

ニューメキシコ州に現れた巨人が、ハンマーを持った男、おそらく『ソー』と戦闘になった事

 

NASAの研究施設が、地盤沈下により壊滅したこと

 

これにより、SHIELDがSPIRITSに支援を求めた。

 

俺は、この時のためにと俺の権限で、五代雄介さんにアメリカに行くようにお願いした。

 

しかし、空路ではなく、ビートチェイサーと、金属吸収済みのゴウラムを一緒に輸送するため、海路での手配をした。

 

自分の分の船旅のチケットを含めて。

 

そして、アメリカに海外出張中のとある人物に連絡を入れるのであった。

 

 

 

 

 

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