まぁ内容似たようなもんだししゃあなし…断腸の思いでこれにしましてぁ(大嘘)
尚最後の方は全然タイトルと関係ないですねハイ‼
さて、質問大放出感謝祭(?)とはよく言ったものだが、はてさてどこから聞いたものか。ただ、俺の中で一番の疑問があるとするならばやはり『八神』から『七神』への変化のことだろう。
俺は顎に手を当てて少し考える素振りを見せつつ、
「では聞こう。『八神』から『七神』に変化したということはつまり、俺の存在が抹消されたということだ。これはどういうことだ?」
そう問い掛けた。勿論、今でも俺の中には多少『腐食』の影響があるので負の感情が増幅されているように感じる。だが、確かに俺の中に怒りや悲しみが存在しており、増幅云々が無くても同じようなことになっていたかもしれないな。
俺の問に対してバルバトスは申し訳無さそうな表情を浮かべつつ、
「…それはね、ボク達がキミを護るためだよ、アガレス」
とそう言った。護るため、というのは少し前にも言われた気がするが詳しくは聞いていなかったのを思い出した。
ただ、今なら何となく分かる。
俺が酒を飲んだ際、酔っ払うと出てくる人格があった。その人格は俺そのものであり、過去の俺の象徴的な意味合いでも存在していたわけだが、酒が弱かったのも実はそいつのせいだったりする。
まぁ今はそれはいいとして、何故コイツが先程のバルバトスの話に密接に関わってくるのか、というとこの人格と俺自身が一つに戻る際に元々あった俺の魂にかかった魔神達の怨恨を引き受けてくれたのだ。
バルバトス…いや、俺を除いた『八神』の面々は俺の状態を知っていたからこそこういう事をしたのだ。俺へと向けられた魔神達の怨恨の殆どは『アガレス』という人物ではなく『元神アガレス』という存在に対してである。そのため、その名前を消せば魔神達の呪いや怨恨が消滅、とはいかないまでもある程度マシになると考えるのは自明の理だろう。
「つまるところ、先の騒動に関しては完全に俺の早とちりってわけか…」
まぁ実際俺の努力が水の泡、とか俺への見返りがなくなってしまったこととか色々想うところはあるが、早とちりしてしまったことには変わりない。
俺のその言葉にバルバトスはムスッとしつつ、
「もう、ホントだよ!そのせいでボク達がどれだけ苦労したと思ってるんだい?」
そう言った。当事者だけに言い返すことはできないが、やはり腹が立つもんは腹が立つ。バルバトスの言動というか話し方が多分問題なんだと思うんだ俺は。
それにしても、冷静になって色々考えてみるとやはり自分の預かり知らない所で自分の存在が消されていたというのは気持ちの良いものではない。勿論、ある程度達観してしまった部分はあるとは言え、やはり黒い感情があるのも否定しきれないわけで。
つくづく難儀なものだ、と俺は内心溜息をつく。するとバルバトスが、
「…ボク達はね、キミを護りたかったんだ」
不意にそう呟いた。それは或いは懺悔のようでもあり、或いは俺に向けられた謝罪の気持ちなどが複雑に絡み合っているように思えた。
「ボク達を護るために数千年頑張ってくれたキミが500年前一度姿を消した時…チャンスだと思ったんだ。キミを『守護』という使命…いや、運命の枷と言っても良いかも知れないね。それから救ってあげたかったんだ。自由に生きていけるようにね」
けれど、とバルバトスは更に続けた。
「それがキミの重荷になるとは思わなかった。キミが復活したらその場所にいる神がキミに色々と説明するはずだったんだ。でもキミが復活した時、本当にキミかどうかわからなくてね…」
バルバトスの言うことも尤もだろう。なにせ最初は蛍に言われて自分の力をなるべく出さないようにしていたのだからな。復活した時、というのはバルバトスとトワリンが話していた時に接触した時のことを言っているのだろうが、確かにあの時は元素を全く使っていなかったから、判別の仕様がなかったのだろう。
バルバトスはそのまま申し訳無さそうに笑うと、
「だから、遅くなったけど色々とアガレスに説明する機会を設けたかったんだ」
そう言った。なるほど、と思ったが冷静になった頭で考えれば大抵の疑問は解消できる。となれば大体が消化不良のモノだったり、答え合わせだけだったりだな。
そのまま俺は色々と聞いて大体自分の認識と齟齬がないことを確認した。一つだけ齟齬があったことと言えば───
「アガレスは結局、あの旅人に首ったけなのかい?」
「は?何喋ってんだ?」
これである。何を勘違いしたのかバルバトスは蛍のことを話し始めたのだ。
首ったけ、というとつまり恋愛感情にどっぷり浸かっているのか、ということだろうが俺は溜息を吐くと、
「生憎、お前の期待するような展開にはならんだろう。そもそも、彼女は俺の理解者だ。一度俺の記憶や想いを共有している。だから俺は彼女を心から信頼しているし全力で力になりたいと思うよ」
バルバトスにそう告げてやった。バルバトスは改心してくれるかと思いきや、寧ろジト目で俺を見てくる。
「アガレス、それわざとやってるの?前々から思ってたけどキミって変な所で鈍感だよね。こと恋愛に関しては特に」
「最後のは余計だな。神と人間では寿命が違う。生きる年月がそもそも異なる。璃月では人間と仙人の間に愛が育まれた例があるのは知っているが…あまりにも時が違いすぎるとどうなるかは知っているだろう?」
俺はバルバトスに更にそう告げてやった。恋愛感情など俺が持ち得る筈もなし。
蛍はあくまで俺を善意から救ってくれただけだ。底なしの善意が俺を救ってくれただけだ。そこに損得勘定などなく、かと言ってなにかの恩返しというわけでもない。彼女にしてみれば、俺を助けた経験など今まで沢山救ってきた経験の中の内の一つでしかないのだろう。
だから例え俺が蛍を…す、好いている…と、しても彼女が俺にそういった感情を抱いてくれるかどうかは別なわけで。
「…どうしたんだいアガレス?顔が赤いみたいだけどー」
「…はっ!?何のことだ!?」
思考に耽っている最中にバルバトスがニヤニヤしながら俺の顔を覗き込み、そして俺は慌てて否定した。誤魔化すように俺は咳払いを一つすると、
「とにかくこの話は今は関係ないだろ?聞きたいことは大体聞いたからもう良いだろ?」
そう言った。バルバトスは不服そうだったが休憩時間が終わることを見越してか、しょうがないなぁと呟きつつ話題を逸らしてくれた。
なんだかんだでまだバルバトスの給仕的な仕事は続くが、対して変わり映えがしないので割愛させていただこう。
〜〜〜〜
「───う〜ん、自分から行動するのも大切、か…」
西風大聖堂から出てきた蛍は顎に手を当ててうんうん唸りながらそう呟いてクロと名乗るバルバトスの友人の言葉を思い返していた。
蛍は、顔も知らない相手だったからこそあそこまで自分の気持ちを吐露することができたのだと思うと少し気恥ずかしくはあるが、悪い気はしていなかった。実際バルバトスであればある程度自分の気持ちに蓋をしながら話していたことだろう。
そう、クロ───アガレスと幕越しに話していたのは蛍その人であったのだ。つまり蛍はクロがアガレスと知らずに、本人に本音をぶちまけていたわけである。勿論、アガレスは蛍だと気付いていないので問題はないだろうが。
「…パイモン、は今は西風騎士団で手伝い…流石にアガレスさんを訪ねるのに手土産もないのは人としてどうかなといったところだけど…でもアガレスさんが喜ぶものってなんだろう…」
そこまで考えて初めて、蛍は自分がアガレスのことをほとんど知らないことを認識した。記憶の一部や想いを共有したとは言っても付き合いも浅ければ世間話をした経験も少ない。だからアガレスの好みを未だ知らないのが現状だった。
だが、
「アガレスさんなら、なんでも喜んでくれそうだし…ま、まずは胃袋を掴むところからだよね!」
蛍はそう考えていた。そのアガレスはまだ西風大聖堂の中にいるのだが、この時の蛍はまだ知る由もない。
・神々のアガレスの判別方法
ちょっち補足入れておくと、例えば本編の場合人を助けるために風元素やら水元素やら結構最初から色々使ってます。そのお陰でバルバトス君はアガレスがアガレスであると気付けたわけですが…。
その分今回に関して言うと…
最初…岩元素しか使っていない
↓
途中①…トワリンを倒すために風元素も使用しジンに正体を明かして全元素を扱う
↓
途中②…そのまますぐ西風騎士団と共に四風守護の神殿へ行き、帰ってきた後一瞬で姿を消す。
↓
接触できなかったぁああああ!!!
って感じですね。本編ではわかりやすい動きをしていたので会うことができましたが…如何せんアガレスいなくなるの早かったですからね。
という小話でした。