ろっきんがーるに恋する男子   作:詞連

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アニメのライブの雰囲気を、少しでも再現出来てたらいいなあ


Chapter27 ろっきんがーると文化祭ライブ その2

 13:55。

 ステージ上、幕の裏側から微かにギターの弦やドラムの音がする。結束バンドがライブに向けて最後の準備をしているのだろう。

 彩人はイレナンのメンバー達とステージ側最前列、から少し引いた場所に陣取っていた。

 最前列にいないのは、イレナンメンバーが比較的身長が高めというのもあるが、

 

「今日はぼっちちゃんの応援の為に!奮発してカップ酒!」

 

 とステージをテーブル代わりに酒を飲みだした酔っ払いの存在が最たる理由だ。

 

「事務所に所属してから、そこら辺のリスク管理について塩さん―――プロデューサーさんから厳しゅう言われててな」

 

 イレナンは、最年長が19歳の士則で未成年だ。飲酒喫煙はもちろん、そうと疑われるような行為は避けるように厳命されている。

 SNSでいつ撮られるともわからん状態で、酒盛りしている廣井の近くなどという瓜田に足を踏み入れるのは避けなくてはならない。

 そのような理由で体育館の中央側に彼らは大人しく立っていた。もちろん綺斗もだ。そのせいで綺斗の奇行による結界が壊れたのか

 

「あの~、ひょっとして、イレナンの人ですか?」

 

 とまたもやファンから声をかけられることとなった。

 すわ、折角のライブの空気を壊す羽目になるか、と思ったが、士則が対応した。

 

『サインはライブイベント終了後、校庭で時間を取りますので、それまでお待ちください』

 

 と、顔文字抜きの文面をタブレットに表示しながら、無言で返し続けて撃退した。

 恐ろしく整った顔が無言、無表情で見つめ返すのは、かなりの圧迫感だったようだ。

 半泣きになった女生徒を

 

「ごめんな。今からライブやからお静かに、な?後で校庭でめっちゃサービスするんで堪忍な?」

 

 と、頼光が宥めて事なきを得た。

 

 そして今、開幕まで残り数分。

 

「ねえ、皆実」

 

 石塚達から一歩分ほど離れた位置に立っていた彩人に、声をかけてきた女生徒がいた。喜多のクラスメイトで、彩人とも付き合いの長い、佐々木だった。

 

「私、夏のライブにはいかなかったんだけどさ、ぶっちゃけ、どうなの?」

「結束バンドが?」

「そ」

「上手い、かどうかは俺もよくわからないけど……夏のライブは行ってよかった、って思えるくらいには良かった」

「ふ~ん。……うちには想像つかないなあ。喜多もだけど―――あの、後藤さん?って子も」

「後藤のこと、知ってるのか?」

「喜多からの話と、あとは噂って言うか目立つし」

 

 1年のごなんとかさん。

 彼女は実名は知られてないのに、なぜか都市伝説的な知名度がある。

 1年のほぼ最初から学校指定ですらないジャージで登校。5月になってからはギターもプラス。奇行、奇声は日常茶飯事。たまに変形したり爆発したりと人類と思えないアクションをするとの噂もある。

 

「なんで名前だけが知られずに『ごなんとかさん』て呼ばれてるんだ、後藤は?」

「あれじゃない?名前を呼ぶと存在が確定するから、あえてぼかして呼ぶことで魔除けにしてる~とか」

「いよいよ妖怪っていうか、怪談扱いじゃないか」

 

 いやまあ、見てると正気度失いそうな変化するけどさ、ムンクとか、と、彩人は思った。

 

「後藤も弾けるぞ、ギター。何ならめっちゃ上手いまである」

「それは喜多も言ってたけど……」

「……信じられない、っていうか想像できないって気持ちはわかる」

 

 あの小柄で猫背の俯いてばかりの少女が、ステージの上で100人も越えようかという観客相手にギターをかき鳴らす。想像がつかないのも無理はない。だが―――

 

「期待していいぞ」

「へえ、断言するじゃん」

「俺自身はつい最近までバンドとか音楽とか嫌いで―――」

 

 皆実が言葉を探している時、ステージ最前列から声がした。

 

「~~っはぁ美味い!もう一杯」

「―――いや、今でもまあ、ロックとかあまり治安がいい趣味じゃないとは思ってるけどさ。

 それでも、少なくとも後藤のギターで……」

 

 チラリと隣、1歩分ほど離れたところで、ステージを見つめている少年を見て

 

「後藤のギターで、友達が1人、人生変わったんだ。だからそのくらいの価値はあると思うんだわ」

 

 

 

 

 

 ステージの幕が上がった。

 歓声や、ヤバい酔っ払いの応援だか野次だかわからない何かが収まってから、

 

『私たち結束バンドは―――』

 

 彼女達の“入り”は、オーソドックスなMCからだった。

 人知れず、急遽イレナンの真似をするんじゃないかと心配していた星歌は、大人しくなった廣井を放り出して、そっと胸をなでおろした。それは兎も角、

 

『それでは一曲目やります!結束バンドで「忘れてやらない」!』

 

 演奏が始まった。

 

「へぇ」

 

 という声を彩人は聞いた。

 佐々木だ。彼女は、ステージを見つめていた。

 周りを見れば、MC中はステージよりイレナン達に視線を送っていた生徒達も、今やステージ上の結束バンドのパフォーマンスに目を奪われていた。

 

 軽快な旋律と、喜多の歌声。

 良し悪しが分かる程、音楽には詳しくない彩人にも分かった。喜多は上達していた。

 そればかりか、ステージ上でサビの部分でウィンクをするくらいに余裕がある。

 

 

 危なげなく喜多も結束バンドも、一曲目を弾き終えた。

 

 

『結束バンドで「忘れてやらない」でした!』

 

 1曲目が終わり、歓声が挙がった。演奏開始前とは質が違う歓声。人に向けてのものではなく、そのパフォーマンスに対して向けられた、確かな賞賛。

 

「―――音が」

 

 その賞賛に紛れて、石塚の声が彩人の耳に届いた。

 てっきりペンライトをぶんぶん振り回しでもしているだろうと思っていた石塚が、棒立ちのままじっとステージを、いや、ぼっちを見つめていた。

 見ればイレナンのメンバーの内、石塚の他に頼光と綺斗が、怪訝そうな顔でステージを見ていた。

 

「どうしたでござるか?」

『怖い顔しちゃって(・∀・i)……なんかあったの?』

「わからん。けどなんか、後藤ちゃん、様子変やで」

 

 ぼっちを見つめながら、心配そうに言ったのは頼光。綺斗は、ポージングを変えることすら忘れて

 

「後藤君の高音が安定しない……1弦か2弦かな」

「メカトラっちゅことか?」

「さあ。……修正できればいいのだが」

 

 彼らのささやきが、彩人にはやけに大きく聞こえた。

 そうしているうちに、MCが終わり、2曲目が始まろうとしている。

 後藤からバンドメンバーに、何か言っている様子はない。

 

(大したことない、ってことなのか?)

 

 不安を抱えながら、2曲目が始まった。

 

 

 

 駆け抜けるような爽快感のある1曲目と対照的な、オシャレな感じのする2曲目。

 ボッチのギターに、妙な光が見えた。

 弦が飛び、スポットライトの光を反射していると気づけた者は、多くなかった。

 その少数の動きは、早かった。

 

「先輩!」

 

 石塚の声に反応して駆け出したのは頼光だった。

 人の海をかき分けるようにステージ袖へ。待機場になっているそこに、イレナン達の楽器も置いてある。

 

「間に合わない……っ」

 

 石塚が歯噛みする。

 2曲目の途中にギターソロが入る。ロインでぼっちから聞いていた。

 だがあのギターでは無理だ。

 

 弦が飛んだあと、ぼっちはステージ上でうずくまり、ペグを触った状態で止まっている。

 1弦だけではない。おそらく2弦にもトラブルがあったのだ。

 

「せめて5,6弦ならばやりようもあるでござるが……」

 

 高音側の弦2本なし。最後まで演奏することすら困難。ギターソロなど不可能だ。

 

「いや、後藤ならソロ以外なら何とか通せるはずだ」

 

 ここは予定していたギターソロパートを飛ばし、演奏を最後まで完遂させる策で通すしかないだろう。

 たとえ最後までは無理でも、途中まで、頼光がギターをボッチに渡すまでもてばどうにかなる。

 

 石塚達がそう考えて、ステージを見守る。

 

 

 

 だが、彼女達はロックンローラーだった。

 

 

 

 

「ギタボの、ソロ」

 

 石塚は目を見開いて、ギターボーカルの少女を見た。

 名前は喜多、だったはず。正直、特に印象はない。

 どこにでも、自分のクラスにも一人二人はいるような、人気者の女子高生。

 上達速度がかなり早い、の他には、後藤とよく一緒にいる、くらいの認識に過ぎなかった。

 どこにでもいる、ギター初心者の少女。

 だが、開いた足を踏ん張り、全身で、全霊で、獲物に襲い掛からんとする虎のように、前屈みにギターをかき鳴らすその姿よ。

 石塚にはそれが、後藤の、ぼっちの姿に重なって見えた。

 

「乗り切った、のでござるか」

「いや……来るよ、彼女が」

 

 ステージ上、呆然と喜多を見つめていたぼっちの視線と、しがみつくようにギターを鳴らす喜多の視線が交錯し―――ぼっちが動いた。

 手を伸ばしたのは、足元に転がってきていた空き瓶。

 

「あれは、きくり姉ちゃんの―――」

 

 そんな彩人の声を、ぼっちが奏でたギターの音がかき消した。

 

 通常の奏法では出ない特徴的な音。

 終点と始点が区切られず、滑らかにつながる伸びのある音色。

 スライド奏法、いや―――ボトルネック奏法だ。

 

「う、そだ、ろ」

 

 士則が呟いた。彼が思わず声を出すほどの驚きを、イレナンメンバー達は共有していた。

 ボトルネック奏法自体は、比較的メジャーかつオーソドックスな技術の一つだ。

 左手の指で弦をネックのフレットに押し付けて音を変えるのではなく、スライドバーと呼ばれるガラスや陶器、金属などでできた特別な器具で弦を押さえることで、自由に音程を変える演奏法。

 そう―――特別な器具で、だ。

 普通は市販のスライドバーを使う。仮に小瓶や自作で切断したパイプなどを使うにしても、散々に試し、選び抜いた、使い慣れたものを用いる。

 ライブ中、弦が切れたという不慮の事故の最中に、その場で拾った空き瓶で行う様なことではない。

 それを、ぼっちはやってのけた。

 

「あのギター、何やってるんだ?」

「良くわからないけど……すげー!」

 

 音楽を知らない観客達は、驚き、歓声を挙げる。

 

「あのギター、やべえ。ちょ~マジ卍バリクソバリクソギター上手いんじゃね?」

「俺、ファンになりそうなんだけど」

 

 音楽を知る者達は、歓声すら上げず、その演奏に見惚れている。

 イレナンのメンツも後者の一部だった。

 

「これが……石塚殿が惚れこんだギターにござるか」

「そのギターを信じ、咄嗟に8小節追加する他のメンバーも、その結束力も侮れないね」

 

 ギターソロが終わり、演奏は進む。

 

「……あれ?頼光先輩は?」

 

 そう言えば、と石塚はつぶやいた。

 

 

 

 

 頼光は、舞台袖で立ち尽くしていた。

 彼が舞台袖にたどり着いたのは、ぼっちが酒瓶を拾ったのと同じタイミングだった。

 舞台の裏にはいる時、喜多がソロに入るのを見て間に合うかもと思い、舞台袖に預けておいたギターをひっつかみ、まさに渡そうとした時。

 ぼっちが、高らかにその音を奏でた。

 

 ボトルネック奏法特有の、金属的な音色。伸びのある音程とシームレスな旋律。

 拾った瓶で、狂ったギターで、ぶっつけ本番でソロパートを行う、隔絶した音感とセンス、そして技術。

 

 ギターを渡すことも忘れ、頼光は立ちすくんだ。

 ぼっちのその技量に、ではない。

 ぼっちの演奏を聞いた自分の、その内に生まれた感動に、だ。

 頼光とて3年近く音楽をやっている。音楽は人に感動を生みだすものだと知っていた。

 だが、それでも、ここまでとは思わなかった。

 

 ああ、ギターとは、人の心にこれだけの感情を想起させることができるものなのか……!

 

 

 

 

 

「先輩、やっとか!」

 

 ギターの休憩パートになって、ようやく頼光がステージの端に姿を見せた。

 天を仰ぎ、息をつくぼっちに、自分のギターを差し出す頼光。

 それに気づいたぼっちが……

 

「ウヒョイッ!?」

 

 まずビビッて小さく飛び跳ねた。頼光の存在に全く気付いてなかったのだろう。

 

「ら、乱入ですかっ!?」

「ちゃうわ!ほれ!使い!」

「え、あ、けど、い、いいんですか?」

「早よせや!」

「は、はいぃっ!」

 

 何やら少しごたついたが、どうにかギターを受け取り、差し替え。

 軽く確かめエフェクターを少しいじり、どうにか最後のサビに間に合わせる。

 

「……いきなり渡されたギターでサラッと演奏復帰できるあたり、やっぱ頭おかしい技量にござるな、後藤殿」

 

 ジョージの言葉に、なぜか石塚が得意げな顔をした。

 

 

 

 

 2曲目の演奏が終わり、歓声が巻き起こる。

 その中には、1曲目にはほとんどなかったぼっちへの歓声が増えていた。

 MCパートの間、ぼっちは頼光から貸されたギターの調整をしていた。

 MCの内容は各メンバーの紹介だ。

 改めて名乗るギターボーカルの喜多。

 1曲目と2曲目の間で一度紹介された虹夏と、すこしだけ言及されていたベースのリョウ。

 

『そして!リードギターの1年5組の後藤さんです!

 私達結束バンドの演奏を引っ張っていってくれる、最高にカッコイイギタリストです!』

 

 喜多の紹介に、巻き起こる歓声。

 

「いいぞー!」

「ご、えっと、なんとかさーんさーん!」

「おねえちゃーん!」

「弦切れたのによく頑張った!」

「ひとりちゃーん!」

「あんな子、1年にいたっけ?」

「かっこよかったー」

 

「ひっ!?へ?は、はへ?」

 

 MCすら聞かずにギターの調整の方に集中していたのか、突然に巻き起こった歓声に驚き目を白黒させるぼっち。

 そんなぼっちに、虹夏が視線を向ける。

 一瞬、視線にびくついたぼっちだが、どうにかその意図は読み取った。

 

 3曲目、イケそう?

 

 ぼっちは頷いて答えた。

 虹夏達は頷き返した。

 突然のトラブルと、それに対応するためのアドリブで、ぼっちほどではないが心身ともに消耗している。

 だがそれでも、今の自分達はベストコンディションだ。

 なんだってできる。どこまでも行ける。

 

『それでは三曲目。これが最後の曲になります。結束バンドで「青春コンプレックス」』

 

 

 

 

 前の曲と違い、暗めでパワフルで、しかし疾走感と迫力のある、いかにもロックな3曲目。

 その残響の後、大きな歓声が巻き起こる。

 

『これだけは言わせてください!今日は本当にありがとー!』

 

 虹夏の言葉に、返される声援。

 ステージの上で、ぼっちは目の前に広がる光景を、夢見心地で眺めていた。

 

 まばゆいスポットライトに照らされたステージ。暗くて、宇宙のように果てが分からないフロア。

 お客さん達の声が、聞こえているはずなのに聞こえない。

 自分の呼吸の音だけが、やけに大きく聞こえる。

 

「後藤!最高だったぞ!」

 

 そんな中、なぜかその声だけがはっきり聞こえた。

 石塚だ。

 フロアに立つ彼は、見たこともないような笑顔だった。

 

(聴いててくれたんだ)

 

 改めて言うまでもないことだ。

 ライブの前に、彼がいたことは確認済みじゃないか。

 そう思いながらも、ぼっちは思う。

 

(聴いてて、くれたんだ!)

 

 ライブの興奮とはまた別の、胸が高鳴る感じ。

 無意識に、彼に手を振り返そうとした、その時だった。

 

 

「後藤さんも、一言くらい何か言わなきゃ!」

 

 

 

 夢が、悪夢に変わった。

 

 

 

 ライブの空気に興奮した様子で、マイク片手に近づいてくる喜多。

 

「ぁ、えっ?」

「ほら!」

 

 突きつけられたマイクが、ぼっちには刃か拳銃のように見えた。

 これは、処刑だ。

 

(コミュ障は事前に台本作っておかないと喋れないのに……!予想外のフリされたら……っ!)

 

 あるいは普段の喜多なら、もう少しぼっちの生態に基づいた配慮をしていたかもしれない。だが彼女も、今は空気に酔っていた。

 キターンという擬態語が見える笑顔で、ぼっちに凶器を突きつける陽キャ少女。陰キャ代表のぼっちは進退窮まる。

 

(な、なにか、何か面白いことを言わないと!なにか、なにか……っ!)

 

 追い詰められた後藤に、天啓が降りた。

 

 ギターが壊れた自分を救ってくれた、酒の空き瓶。

 酒の空き瓶をもたらしてくれた、お姉さん。

 お姉さんの、最高に格好良かったライブ。

 その光景。

 

「あっ」

 

 それは、暗闇の中に一瞬見えた希望への、果敢なる飛翔か。

 それとも、崖に追い詰められた動物が、恐怖のあまり飛び降りるような死への逃避か。

 

「後藤さん?」

 

 喜多の疑問に答えることもなく、ぼっちは駆け出し―――飛んだ。

 

 予告なしの、観客席へのダイブ。

 

 そんな行動に対する客たちの反応は、決まってる。

 

「落ちてくるぞ!」

「逃げろ!」

 

 空くステージ前。

 落ちてくるぼっち。

 迫る床。

 そして―――

 

「後藤!」

 

 一人、石塚が飛び出した。

 

 

 

 

 それからは、一瞬の連続だった。

 

 うつぶせに落下するぼっちに、

 

「イッシー!」

「石塚!?」

「石塚殿!?」

 

 みなの静止の声も振り切り、ヘッドスライディングする石塚。

 キーボードにとって、音楽家にとって命ともいえる腕を差し出す行為。

 だが音楽と運命の神は無情にも、その贄を受け取るのを拒否した。

 石塚のスライディングは間に合わず

 

 ドベッ

 

 という重い音を立てて、地面に激突するぼっち。

 本来ならば、話はそこで終わるはずだった。

 だが、音楽や運命の神はいなくても、笑いの神はそこにいたようだ。

 

 ヘッドスライディング。

 良く磨かれた体育館の床。

 急には止まれない。

 

 うつぶせに倒れたぼっちの頭と、全力で滑り込んできた石塚の頭が

 

 ゴッ

 

 衝突。

 ぼっちが地面に衝突した時の音に引けを取らない、鈍く大きな音。

 動かなくなる、倒れた二人。

 数秒の沈黙の後、

 

「キャーッ!」

「担架!担架持ってこい!二つだ!」

「ぼっち、お前は伝説のロックスターだっ、ププッ」

「アヒャヒャヒャッ!ぼっちちゃん最高!石塚君天才!」

「笑ってる場合か!?」

「石塚……お前さあ……運動神経、あんまよくないのに……」

「うちのお姉ちゃんがすみません」

「いや、うちの石塚も、その、なんとお詫びしたらええもんやら……」

 

 

((ああ、終わった))

 

 

 巻き起こる、悲鳴と笑いとその他諸々をミックスした喧騒の中、倒れた二人は偶然にも、同じ言葉を思い浮かべながら、意識を手放したのだった。

 

 

 

 

 

 つづく




ぼっちの不調にイレナンの誰が気付けるかレース結果発表

頼光  :音では気付けなかったがぼっちの様子を見て気づいた。音では気付けない。
石塚  :ぼっちしか見てなかったので気づけた。集中してなかったら気づけてたか半々。
ジョージ:気付けず。ぼっちに集中してたらワンチャンあった
綺斗  :普通に気付けた。
士則  :気付けず。自分だったらどうドラム叩くかしか考えてなかった。ぼっちに集中してればワンチャンあった。
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