仲間と明日を迎えるために   作:ありすふぃあー

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七話

 

 響きあう鉄のぶつかり合う音。

 

 強い血の臭いに包まれて、アーフェンはキール兵とユーリ軍の衝突の戦場となっていた。

 

 キール兵の数、およそ二百弱。対するユーリ軍の数はざっと百と少し。

 

 数で言えば二倍弱の軍勢であるが、それすらも押しているユーリ軍の姿があった。

 

 そんな中、ユーリは傍にミミとアリスを控えさせながら先頭を進軍していた。

 

 切り伏せながら突き進むその三人の姿にキール兵はおののき戦意を失っていく。しかもその後方にはユリウスと鈴菜が控えているため、後方からの襲撃も不可能。ユーリたち三人は敵軍勢を真ん中から分断させることに成功した。

 

 

「敵将はどこだ!」

 

 

 再びキール兵を一人切り払い、ユーリは声高に叫んだ。

 

 自分たちが先頭を突き進んでいるはずなのに、そのような影は見当たらない。

 

 それもそのはず。

 

 ユーリの知るよしもないことだが、実は源三郎もユーリと同じ行動を取っていたからだ。

 

 それは、大将でありながら先陣を切るということ。

 

 

 

 ―――つまり、二人はすれ違っていたのだ。

 

 

 

「えぇい!どけどけい!」

 

 

 銀光が奔る。

 

 源三郎の通った跡には魔物や魔人族兵の屍が累々と転がっていた。

 

 他のキール兵に比べ、この小林源三郎。まさに圧倒的だった。

 

 既に齢七十を迎えようとしている人間かと目を疑いたくなるその獅子奮迅な様は、まさしく幾多もの戦場で魔人族を狩ってきて恐れられた最強の老兵のそれだった。

 

 

「むっ」

 

 

 単騎で突っ込んできた源三郎がユーリたちの陣地にやってくると、そこにいたのは数十の魔物に守られるようにして座っている水菜の姿だった。

 

 

「人間族の娘だと?大将、というわけではなさそうだが……」

 

 

 しかし若い娘とはいえ、人間族に仇なす存在ならば、手加減はしない。源三郎は剣を握り締め、大きく地を蹴った。

 

 

「うぅ!」

 

 

 そこで水菜が源三郎の接近に気付く。それにともない彼女を守る魔物たちがそろって源三郎に襲い掛かるが、

 

 

「ぬるい!ぬるいわぁ!」

 

 

 群がる魔物をばったばったと斬り捨てていく。そんじょそこらの魔物など彼にとって物の数ではなかった。

 

 あっという間に水菜を守っていた魔物数十匹は駆逐され、源三郎は悠然と水菜の前に立った。

 

 

「あ……うぅ!」

 

 

 水菜は恐怖からか、後ずさりながら召喚陣を開く。水菜の呼び声に答えて新たに四匹の魔物が現れるが、それも一瞬で退治されてしまった。

 

 

「なるほど。この娘が召喚士か。なればこやつを斬り捨てれば戦況は我らに傾くというもの」

 

 

 源三郎が剣を振り上げる。それを見て慌てて水菜が召喚式を組み立てるが、召喚陣が開くよりその剣の方が断然早い。

 

 

「御免!」

 

 

 振り下げられる銀光。水菜目掛け振り下ろされたそれは―――、

 

 

「だめぇ!」

 

 

 ガキイィン!

 

 

「むっ!」

 

 

 しかし突如横から飛び出してきた槍によって受け止められていた。

 

 そしてその介入者は水菜を守るように前に立ち、その煌く一対の翼を大きく揺らした。

 

 

「大丈夫、水菜ちゃん?」

 

「あぅ……」

 

 頷く水菜の顔を見て安堵したように息を吐いたのは、オリヴィエだった。

 

 

「馬鹿な、天人族だと……?」

 

 

 源三郎が驚くのも無理はない。

 

 天人族とは本来魔人族とは対を成す存在。善と悪。光と闇。双極であるが故、天人族と魔人族は長い時を戦いで塗り埋めてきたのだ。

 

 その天人族であるオリヴィエが、人間族とはいえ魔人族であるユーリ軍を守ったというのは源三郎にとっては絶対に信じられないことだった。

 

 

「天人族のお嬢さん。そこの娘は悪しき魔人族に族する娘。あなたのような方が守るべき相手ではありませぬ。そこにいては純白の翼が穢れてしまう。さ、こちらへ」

 

 

 その言い草に、オリヴィエはかちんときた。

 

 

「どういうこと、それ。魔人族はみんな汚らわしいって、そう言うの?」

 

 

 そのオリヴィエの言葉に源三郎はなにを当然なことをといった表情で、

 

 

「魔人族は生まれながらの悪。他の種族を根絶やしにすることしか考えられない蛮族なのですぞ?それゆえの魔。神の使いである天人族のあなたならお解かりでしょう?」

 

「どうしてそうなるんだよ!天人族だから敬うとか、魔人族だから仇なす者とか!どうしてそう一括りにするんだよ、人間族は!」

 

「……何を言うのです?」

 

「どうして魔人族に優しい人がいるとか平和を好む者がいるって考えないんだよ!人間族にだって善と悪があるのに、どうして魔人族は魔人族ってだけで悪なんだよ!そんなの、勝手に決め付ける人間族の方がよっぽど悪だ!」

 

 

 源三郎にはオリヴィエの言っていることが全く理解できなかった。

 

 なぜ相容れないはずの天人族が魔人族を庇うような台詞を吐くのか?

 

 それを考えたとき、源三郎はある思考にたどり着いた。

 

 

「……なるほど。どうやら天人族のお嬢さんは魔人族の暗示にかかっていると見える。おのれ魔人族め、このような純真な天人族すら誑かしおって」

 

 

 その言葉にオリヴィエの臨界点が突破する。

 

 どうしてこの人はわかってくれないんだ、と。

 

 オリヴィエは槍を正眼に構えて、叫んだ。

 

 

「ボクは暗示にも催眠にもかけられてない!ボクはボク自身の考えでここに立って、戦ってるんだよ!」

 

 

 翼がはためく。

 

 突風と呼べるようなスピードでオリヴィエが突撃する。

 

 

「はぁ!」

 

「むっ!」

 

 

 それを源三郎は捌き、

 

 

「止むを得ませんな。天人族のお嬢さんには申し訳ないが、これも戦。魔人族討伐のために!」

 

 

 そのままの流れで剣を横薙ぎにする。それを槍の柄の部分で受け止め、オリヴィエは片手を突き出し魔術の詠唱を開始する。

 

 

「なんと!」

 

「『光羅(ヴェイト』!」

 

 

 光の矢のようなものが三本出現し、貫かんと源三郎に襲い掛かる。が、それより一瞬早く源三郎は槍を打ち払い大きく後方に跳躍した。

 

 

「逃がさないよ!」

 

 

 振り向きなおも同様の魔術を放つ。しかし源三郎は風貌とは裏腹に存外素早く、光の魔術はまるで当たらない。

 

 そして魔術の止んだその一瞬の隙をついて源三郎は剣の刀身の部分を指で文字を描くようになぞった。それに共鳴するように光りだす刀身。

 

 

「法剣!?」

 

 

 法剣とは法具と呼ばれる武器の一種であり、魔術の使えない者のために作られた武器の名称である。

 

 その刃の部分には魔術文字が刻まれており、その文字をなぞるだけで封印された魔力を解放し魔術を行使できるという代物である。

 

 文字をなぞられた刀身は緑の輝きを放ちながら、持ち主の掛け声を待つ。魔術式はもう組み立てられ、あとは放つのを待つのみ。

 

 源三郎が一歩踏み込みその剣を振り下ろした。

 

 

「風翔撃!」

 

 声とともに唸り巻き上がる風が地面を這って襲い来る。

 

 巻き込んだ者を切り裂く列陣の風を、しかしオリヴィエはその翼をはためかせ飛び上がることで回避した。

 

 

「いい加減に目を覚まされよ!天人族が魔人族と供にいて良いはずがない!」

 

「誰がそんなこと決めたんだよ!人間族の勝手な解釈でボクたちを定義するなぁ!」

 

 

 この老騎士は強い。普通に戦っていても勝てるかどうかわからない。

 

 だからオリヴィエはグランヴェールを大きく掲げ、叫んだ。

 

 

「グランヴェール!第二形態!」

 

 

 瞬間、グランヴェールの刀身と柄の部分を繋げるようにしてある赤い水晶のような球体が淡く輝いた。そして、

 

 

「Ok. Granvale standby」

 

 

 その水晶の表面に古代文字が浮かび、その古代語を読み上げる女性の声が響き渡った。

 

 同時、グランヴェールはその全てを赤い輝きに包ませて、形状を変化させていく。

 

 刀身の部分が真ん中から半分に分かれ、それぞれわずかに下に落ちていく。柄の上端部分の表面が剥がれ、そこから現在の魔術文字とは明らかに違う古代文字が浮かび上がり赤く染まる。そして先程分断された刀身部分から多大な魔力が圧縮された光の刃が出現し―――、

 

 

「Granvale transpose second form ――― complete!」

 

 

 赤き輝きを打ち消し、ここにグランヴェールの第二形態が完成した。

 

 

「武器が変形した……だと?」

 

「いくよ、グランヴェール!」

 

「Ok. Get ready」

 

 

 羽を舞わせながらオリヴィエが槍を突き出して急降下する。それを源三郎は跳躍で回避し、すぐさま体勢を立て直し再び刀身の文字をなぞった。

 

 

「風翔撃!」

 

 

 放たれたかまいたちを、しかしオリヴィエはかわそうとせずグランヴェールを構えたままさらに突っ込んでくる。

 

 

「グランヴェール、防御!」

 

「Ok. protection」

 

 

 光の刃の先が割れ、守るようにそれはオリヴィエを円形に取り囲んでいく。

 

 風の刃はそれにぶつかるも打ち消されるようにして霧散していった。

 

 

「なんと!?」

 

「えぇい!」

 

 

 勢いをそのままにオリヴィエがグランヴェールを横薙ぎに振るう。それを源三郎が盾で防ごうと構えるが、オリヴィエの魔力を圧縮して固めた光の刃の前にたかが鉄でできた防具など紙を超えて空気にも等しい。そんなものおかまいなしに源三郎の左腕は斬り払われた。

 

 

「ぐぬぅ!」

 

 

 慌てて後退していく源三郎に、しかしオリヴィエは手を一切抜かない。

 

 刃の部分を源三郎に向け、オリヴィエは魔術の詠唱に入る。

 

 

「グランヴェール、魔術援護を!」

 

「the right sorcery assistance. power rise」

 

 

 唱えるは先程と同じ魔術。が、集うマナは先程のそれとは比較にならないほどの膨大さ。おそらく魔術に疎い者でもその高密度なマナの変化には気付いただろう。

 

 そして魔術式を組み上げ、オリヴィエは声高に叫んだ。

 

「『光羅(ヴェイト』!」

 

 

 オリヴィエの正面に現れた光の矢の数は二十二。しかもその一本一本が先程の光の矢三本分に相当するほどの魔力を有している。

 

 

「いけぇ!」

 

 

 それを同時に解き放つ。

 

 二十二条の光の弾丸が森を撃つ。

 

 後退する源三郎を援護するために集まった兵士たちを根こそぎ撃ち抜き、そしてその光線は源三郎本人にも降りかかった。

 

 

「ぬおぉぉぉぉ!!」

 

 

 光の弾丸に全身のいたるところを撃ち抜かれ、石橋源三郎はここに絶命した。

 

 

「はぁ……はぁ……」

 

 

 荒い息を整えながら地上に降りてくるオリヴィエ。

 

 そして慈しむようにグランヴェールを撫で、

 

 

「ありがとう、グランヴェール。ご苦労様」

 

「Ok. Granvale lift deformation. Good-by」

 

 

 答えるようにして赤い輝きを放ちながらグランヴェールは最初の形へと戻っていった。

 

 それを確認すると、オリヴィエはへなへなと地べたに座り込む。

 

 

「さすがに、疲れたよ……」

 

 

 グランヴェールの行使はただでさえ魔力を消費すると言うのに、第二形態での消費量はさらに著しく上昇する。

 

 確かにグランヴェールは最強の武器であるが、欠点のない武器はないということか。

 

 

「うぅ?」

 

 

 心配になって来たのか、隣では水菜が心配そうな顔でこちらを見下ろしていた。

 

 

「水菜ちゃん、心配しないで。ボクなら大丈夫だから」

 

 

 そう言ってオリヴィエは立ち上がろうとする。まだ戦は終わっていない。こんなところでのんびりはしていられなかった。

 

 が、よほど魔力を消費してしまったのかオリヴィエは立ち上がりきる前に膝が崩れてしまった。

 

 そんなオリヴィエを支えるようにして水菜が立つ。

 

 

「あ、はは……。やっぱり駄目みたい」

 

「うぉう。うぅ」

 

 

 水菜が少し怒ったような顔でオリヴィエを自分の膝に寝かしつける。

 

 

「……休んでてって、そう言いたいの?」

 

 

 水菜が頷く。

 

 そんな水菜を見て、オリヴィエは小さく息を吐くと目を瞑った。

 

 

「……うん。さっきの人が隊長ぽかったからもう平気かな?あとはユーリくんたちだけでも充分だよね」

 

「あぅ」

 

 

 にこりと笑う水菜の返事を聞き、オリヴィエはゆっくりと意識を沈めていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『漆黒の戦火(ダークレイン』!」

 

 

 ユーリが手を翳した上空に、大きな魔力の塊が出現する。そこから高密度の魔力を込めた槍のようなものが出現し、敵の密集地帯に雨のように降りかかる。

 

 聞こえてくる断末魔を無視し、ユーリはさらに突き進み敵兵を薙ぎ払っていった。

 

 

「ご主人様」

 

 

 横からアリスの声。それに振り返ることはぜず、ユーリは声だけで訊ねた。

 

 

「どうした」

 

「ロリスから念話が届きました。どうやら敵の総大将である者は我が陣地に突入。多くの魔物が犠牲になったもののオリヴィエ様がグランヴェール第二形態をもって打ち倒されたそうです」

 

「グランヴェールを第二形態に?」

 

 

 さすがのユーリもそれには驚きを隠せず動きが止まる。

 

 オリヴィエがグランヴェールを第二形態にしなければ倒せなかった相手……。余程の者であったのだろう。

 

 大将でありながら自ら先陣を切り、オリヴィエにグランヴェールの第二形態を使わせた相手。一度手合わせしたいものだが、死んでしまったからには仕方ない。

 

 ユーリは剣を高らかに掲げ、叫んだ。

 

 

「キール軍の大将は我等が仲間オリヴィエが葬った!これを敗北と認め素直に投降するなら命までは取るまい。だが、それでも歯向かうのであれば我らは手を抜かない。我等が一撃を持って貴様らを死へと誘おうぞ!」

 

 

 その言葉にキール兵の中に動揺が走り、ユーリ軍の方からは雄たけびが上がり士気が向上した。

 

 それを知っていてあえて口にした言葉だ。それだけ指揮官という立場は大きい。もちろん投降すれば命を取らないというのは嘘ではないが。

 

 ……しかし、この向けられる殺気を考えれば投降などありえないだろう。

 

 仇でも取るつもりだろうか。

 

 

「なかなかに殊勝だな。だが、果たして指揮官のいなくなったただの群れが俺たちに勝てるかな?」

 

 

 ユーリの言う通り、源三郎がやられたことでキール兵の動きは徐々に統率を失くしていった。

 

 指揮官がいなくなった、ということより源三郎がやられたということの方がキール兵には精神的ダメージが大きく、あとはユーリたちの一方的な蹂躙に終わった。

 

 キール兵より出兵された兵士二百余名。一人残らず命を刈り取られた。

 

 ユーリ軍は魔物が二十二匹、魔人族の兵士が八人の犠牲であった。

 

 そのほとんどが源三郎に葬られた者だというだけで、彼の強さが窺い知れるというものだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その戦を傍観していた者がいた。

 

 小高い丘の上。

 

 少し浮き出た岩肌に腰を乗せ、おもしろそうな笑みを浮かべている男。

 

 

「へぇ、やるじゃん」

 

 

 天音時谷。

 

 この度正式にユーリ討伐の命をマクギリスに下された生粋の魔人族である。

 

 

「天音様」

 

 

 横からの声はマクギリス軍の魔人族兵士。

 

 この丘にいるのは時谷とその男を合わせて八十名強。全て天音に預けられたユーリを討つための軍団だ。

 

 

「なんだ?」

 

「キール兵がユーリ軍と戦闘を行っていたのはチャンスで御座います。この機を逃す手はないかと」

 

 

 いちいちそんな報告をしに来たのか、と時谷はその魔人族兵を睨んだ。

 

 

「んなこたぁてめぇに言われなくてもわかってるよ。うぜぇから失せろ」

 

 

 時谷の射殺すように厳しい殺気に晒され、その魔人族兵は短い悲鳴を上げて下がっていった。

 

 しかしまぁ、わからない話でもない。

 

 時谷の後ろに待機している魔人族兵士や魔物は全員が全員久しぶりの戦いに殺気立っている。我慢ができないのだろう。

 

 だが……。

 

 

「さて、それじゃ撤退するか」

 

 

 そう言って無造作に立ち上がる時谷。そんな時谷に兵士たちは誰もが驚愕を隠せなかった。

 

 

「あ、天音様!?この機を逃すおつもりですか!」

 

 

 漲る殺気が今度はそのまま時谷に向けられる。

 

 だが、時谷はそんな殺気もどこ吹く風。

 

 

「いまの戦力じゃ勝てねえって言ってんだよ、俺は」

 

「相手は数も減り我々と大して数は変わりません!加え、彼奴らは連戦の疲労を抱えて戦わなくてはならないのです!これで勝てないなどということがあるはず……!?」

 

 

 その兵士の言葉はそこで途切れた。

 

 話すべき口ごと潰されたのだ―――頭を。

 

 

「敵の強さもわからねぇ奴がぐちゃぐちゃと喋るんじゃねぇ。いらいらしてぶっ殺したくなるだろうが」

 

 

 そのまま兵士だった物を放り捨て、時谷は体ごと向き直る。

 

 

「ほら、帰るぞ。文句ある奴は言え」

 

 

 それまでの殺気はどこへやら。全員が時谷と視線を合わせることを避けるようにして下を向いた。

 

 やれやれだ。これで奴等を倒せとはマクギリスも酷なことを言う。

 

 第一、八十もいる兵士全員の殺気を足してもあのマリン一人の殺気より劣るこの軍勢。

 

マリンレベル……とまではいかずともそれに近いものを持つ者が五人も六人もいる以上同じ数では勝てるわけがない。

 

 事実こうやってキールも負けているのだから。

 

 こうして一人殺して見せただけで殺気を失くすような連中じゃ二百でも負けるだろう。

 

 

「ユーリ・アーヴィング。そしてその仲間たちか……。つまらねぇ仕事だと思っていたがなかなかどうして、楽しませてくれそうじゃねえかよ、なぁ?」

 

 それだけを言い残し、時谷たちは後退していった。

 

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