Muv-Luv modeler warfare   作:ガンオタ

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 気分転換にマブラブを再び、執筆しました。
 駄文ですが、読んでいただけると嬉しいです。


第1話 模型少年転生する。

第1話 模型少年転生する。

 

「〜〜〜♪〜〜〜♪」

 

 夕陽が差し込む放課後の教室で、1人の男子高校生が鼻歌を唄いながら、模型を組み立てていた。本来であれば、学校に模型などの不要物を持ち込むのは校則違反であるが、彼松宮タクミが通っているこの高校では“模型部“に限ってのみ持ち込みが認められている。

 もちろん、タクミは模型部に所属している1年生のため、なんの問題もない。

 これもれっきとした文化部である“模型部“の活動である。ちなみに、タクミが現在製作している“WW2ジオラマ“は、来週の文化祭に出展するものだ。

 

『校内に残っている生徒に連絡します。

 まもなく、部活動終了の時刻になります。部活動を行なっている生徒は後片付けと清掃を行い、戸締まりを確認し、速やかに帰宅しましょう。

繰り返しーー』

 

「お、もうそんな時間か。じゃあ、片付けますか」

 

 部活動の終了時刻を告げる校内放送を耳にしたタクミはそう呟くと、製作途中のジオラマを落とさぬよう慎重にロッカーになおす。

 そして、製作途中ででた削りかすやランナーなどをゴミ箱に捨てる。

 

「掃除は終わりと、あとは窓の確認だな。ーーおっと、工具セット忘れるところだった」

 

 窓の戸締まりを確認しようとしたタクミは、机の上に置いてある自分の工具セットに気づき急いで通学バックにしまう。

 工具セットには模型製作に必要なヤスリ、ニッパ、デザインナイフ、ピンセットなどが入っており、タクミに言わせればば“商売道具“と言えるものだ。

 

「戸締まり良し、照明良し、暖房良しと。さて帰ろ」

 

 閉め忘れや消し忘れがないか確認したタクミは教室の扉を施錠する。そして、教室の鍵を1Fの職員室に返却するために照明が消え、肌寒い廊下のを歩いていく。

 

「だいぶ寒くなったな……そうだ帰りにコンビニでなんか買って帰ろ」

 

 廊下の窓から見える紅葉に彩られた山々を見ながら、季節の移り変わりを感じるタクミ。そして帰宅途中のコンビニで買い食いしようと考える。

 

「はぁ〜、だけど来週から体育の授業が持久走ってのは、マジ勘弁してほしい」

 

 タクミは溜息混じりにそう言う。

 タクミが通う高校では冬休み前に全校生徒参加のマラソン大会があり、それを無事終えることでお待ちかねの冬休みを迎えることが

できる。ちなみ、そのマラソン大会では完走タイムというのが決まっており、規定のタイムをオーバーしてしまうと冬休み明けに追走という罰ゲームがある。そのため学校では毎年この時期になると、全校生徒完走というお題目のもと体育の授業が全て持久走となる。

 

「まったく、僕みたいなのが走ったら膝がぶっ壊れて、生活できなくなる」

 

 これまでの見事な不摂生のおかげで、タクミの身体は見事な肥満体型である。運動嫌いなタクミにとって、マラソン大会などというのは、陸上部やサッカー部、それに野球部などという“陽キャ“と、図書部や将棋部、タクミが所属する模型部の“陰キャ“という絶対的スクールカーストを再度生徒たちに認識させることを目的とした行事で、ある意味精神的苦痛を目的とした“拷問“であると考えている。

 そんなことを考えながら、2Fの踊り場まで来たタクミだったが、階段の一部が水で濡れているのに気づかなかった。

 

「お!そうd……えっ『ドドドっ!!ガシャん!!』」

 

 階段が濡れているのに気が付かなかったタクミは足を滑らせて階段を転がり落ち、各部活動が大会で得た表彰状などを掲示してある展示ケースに頭から盛大に突っ込んだ。

 

「ーーおい! なんだ今の音って、おいおい!」

 

 ガラスが割れる音を聞いた教師が慌てて、職員室から飛び出して来る。そして頭から血を流して倒れているタクミを見て驚きの声をあげると、急いで携帯で救急車を呼んだ。

 

ーー松宮タクミ。享年16歳。死因ーー“神様が誤って魂を燃やしたことによる事故死“

 

 

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「本当に申し訳ございませエエエン!!」

 

 タクミの目の前で見事な土下座をし、大声で謝罪の言葉を言う女性。それに対して、タクミは女性を落ち着かせようとあたふたして

いる。

 

「あの、もうほんと、ほんと良いですから。頭を上げてください“神様“」

 

 先程から何度も何度も謝罪の言葉を口にしている神様に対して、タクミは神様“を落ち着かせようと声をかけ続けながら、こうなった経緯を思い返した。

 

 階段から足を滑らせて、展示ケースに突っ込んだタクミだったが、目を覚ますとなぜか真っ白な空間にいた。慌てて起き上がり自分の状態を確認すると、怪我などはしておらず学生服を着たままだった。それに通学バックもそのままで、中身も異常なく揃っていた。

 唖然としていたタクミは突然、背後から嗚咽まじりの謝罪の言葉が聞こえたため、振り返るとそこには顔を鼻水や涙でクシャクシャにし、ひたすら謝り続ける一人の女性がいた。

 女性の言葉をなんとか聞き取り要約するとこうだ。自分はタクミがいた世界を管理する神様で、徹夜で魂の選別作業をしていたが、睡眠不足の影響で居眠りをしてしまい、タクミの魂を誤って燃やしてしまった。気づいた時にはすでに魂は灰になっており、生き返らせることは不可能と言うことだった。

 

「うぅう……グスッ……グスッ……!」

 

 神様はだいぶ落ち着いてきたが、まだ涙を流している。女性が涙を流しているのに、きまりの悪さを覚えたタクミは持参していたハンカチを差し出す。

 

「どうぞ、使ってください」と言って、微笑みながら神様に手渡す。

 

「あ、ありがとうございます////」

 

 ハンカチを受け取った神様は、頬を紅潮させながら、感謝の言葉を述べる。涙を拭き取り終えた神様は綺麗にハンカチを畳むと、「洗濯して返します」と言って、白いドレスのポケットに直した。

 

「(……綺麗な人だな……)」

 

 改めて神様の顔を見たタクミはそう心のなかで呟く。すると、神様は「アワワワ///」と顔をゆでだこの如くさせながら、顔を手で隠そうとする。

 

「そ、そんなこと言われたの、久しぶりですぅ」

 

「エッ! もしかして、今思ったこと分かったんですか?」

 

 自分の心のなかの呟きが、まさか分かってしまったのかと驚き、そうタクミは問いかけた。

 

「はい。私、いちよう神様なので」

 

「そうなんですね。あのそれで神様……僕ってこのあと、どうなる感じですか?」

 

 タクミはなるべく、神様を刺激しないように顔色を伺いながら聞いてみる。また号泣されたら堪ったもんではない。だが、神様は深呼吸をすると、背筋をピンッとさせ、真っ直ぐにタクミの目を見つめた。

 そこにいたのは、さっきまで号泣していた女性ではなく、まさに全ての万物の創造主である全知全能の神様であった。

 綺麗な女性から見つめられ、今度はタクミのほうが、恥ずかしくなる。

 

「はい。タクミ様には“転生“していただきます」

 

「えっと、“転生“ってことは特典とかも希望できる感じですか?」

 

「はい。今回の件はすべて、こちらの責任ですので、ご希望のものをなんでも仰ってください」

 

 神様の言葉を聞いたタクミは小躍りしそうなほど、興奮した。タクミは模型製作も趣味だが、よく読書もしていたので、ラノベで有名な異世界チート転生系もよく知っているのだ。

 いろいろ考えた結果、タクミは神様に希望の特典を伝えた。

 

1.自宅に溜め込んでいる模型(プラモ・ガンプラ)や玩具を一緒に持っていける。

2.組み立て模型は本物と同様の機能を持ち、タクミは自在に操ることができる。

3.模型や玩具が壊れたりしても、自動でタクミの元に戻ってくる。

4.必要な物資は全て携帯から補給することができる。

 

「えっと……大丈夫ですか? いろいろ言っちゃいましたけど?」

 

 我ながら無茶苦茶なことを言っていることに気づいたタクミは、神様にそう問いかける。

 すると、神様は「問題ありません」と笑顔で言い、希望事項をどこからともなく取り出した紙に書き記していく。

 

「お待たせしました。完了したので、早速転生の儀式を行いますので、こちらに来て下さい」

 

 特典の準備が完了したのか、神様はそう言うと、タクミを特殊な魔法陣が描かれた台座に案内する。台座に乗ったタクミは、夢にまで見た異世界転生というもの経験できることと、どんな世界に転生するのかと心躍らせる。

 

「それでは転生の儀式を始めます。準備は良いですか?」

 

「はい。よろしくお願いします!」

 

 神様の問いかけにタクミは元気よく返事をする。そんな姿を見た神様は、まるで愛おしい我が子を見る母の如き、眼差しでタクミを見つめる。

 そして、いざ始めようとした時に、タクミが「ちょっと! タイム!」と大声で叫んだので、神様はコケそうになった。

 

「ど、どうしたのですッ!」

 

「え、いや……その“家族にありがとう“って伝えてもらえませんか?」

 

 タクミは頬を掻きながら、そう神様に言った。

 16年という非常に短い人生だったが、ここまで育てくれた両親には感謝しかない、と。

 

「ええ、必ずお伝えします。そして御両親は私がしっかりお守りします」

 

 タクミの言葉を聞いた神様は、強い意志と覚悟を込めた瞳でそう答えた。

 

「よろしくお願いします。では、初めて下さい」

 

「はい。では開始します」

 

 神様がそう言った直後、タクミの体を光の粒子が包み始めた。光は徐々に強くなり、タクミの視界が遮られていく。

 

「いざ、新しき世界への道を開かん!」

 

 神様がそう叫んだ瞬間、タクミは一際強い光に飲まれた。

 そしてその光が消えたとき、タクミだけでなく神様もその場から姿を消し、あたりは静寂に包まれた。

 

 

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「……う……うん?」

 

 深い森のなか、生い茂る木々の間から差し込んできた日の光の暖かさを感じ、目を覚ますタクミ。そしてさっと状況を確認する。

 

「えっと、特に異常はなし。制服に、バックもあるな。中身は……ちゃんと全部ある」

 

 周囲の確認が終了したタクミは一息つくと、今度は体を動かし始めた。

 足の曲げ伸ばしに手の開閉。手首足首の運動にその場でのジャンプなどをやってみた。

 

「体も異常ないな。携帯、携帯っと、あったあった」

 

 制服のポケットから携帯を取り出し、画面を確認する。

 

「ん? “1件の通知があります“って、誰からだ?」

 

 画面に1件のメールを通知する表示があったので、メールアプリを開くタクミ。メールの送信者は彼をこの世界に送ってくれた“神様“からで、内容は特典に関する説明文だった。

 

「ふーん。“利用方法はまず、自分が作りたい模型や玩具を携帯のアプリから選択する。選択したら実体化するので、専用工具で組み立てる。組み立て終わったら、携帯のカメラ機能で完成した模型及び玩具を撮影。そしたら画面に『実体化』というアイコンが表示されるので、それをタップすることで本物と同じ機能を持つ物体へ変化する、と。試しになんかやってみるか」

 

 特典の利用方法を一通り読んだタクミは、さっそく携帯を操作してみる。

 

「お、これかな“模型・玩具一覧“って表示されてる。どれどれ……うわ、全部入ってるじゃん。結構溜め込んでたな僕」

 

 家が裕福だったので、小遣いの大半を模型の購入に充てていたので、部屋に大量の模型や玩具を溜め込んでいたのだ。一覧のなかにキャンピングカーのミニカーがあったので、それを選択する。

 すると目の前に光の粒子が集まり、ミニカーが現れた。

 

「うわっ、本当にできた。すげぇ〜ッ』

 

 

 目の前に現れたキャンピングカーに驚くタクミ。そして内部を確認にするために、横扉を開けて中に入る。

 もともとのミニカーがフィアット・デュカトのキャンピングカーだったので、内部は全長7メートル未満のボディに大型のツインベッドと、台所にトイレなどの水回り、そしてソファーやテーブル、各種収納スペースなどが一通り設置されていた。全体は白を基調に黒や木目を合わせた内装はどことなく優雅な雰囲気を漂わせていた。

 

 備え付けのソファーに深く座り、ゆったりとくつろいでいるタクミ。目の前のテーブルには車内に保管してあったお菓子やジュースが置いてあった。

 

「どうしよう。まずは、ここがどこか知らないといけないな……そうだ、“ジオラマ“を完成させよう」

 

 しばらく考え込んでいたタクミは何か思いついたのか、一言呟くと、学校で制作途中だったジオラマを携帯から召喚した。そして通学バックの中から、制作キットを取り出すと制作を始めた。

 

 

 

 ーー果たして、タクミがいるこの世界は一体、なんなのか?

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただき誠にありがとうございました。

・キャラクター情報
 氏名 松宮タクミ(物語主人公 16歳 男性)
 容姿 黒髪黒眼 175センチ 86Kg
 趣味 模型製作(ガンプラ・フュギュア・ジオラマ)、映画鑑賞。
 特徴 ガチガチのオタクで最低限のコミュニケーションはできる。
    基本温厚で滅多なことで怒ったりしない。
    模型製作の腕前はプロ級。
 その他 家が裕福であったため、大量の模型や玩具を購入している。
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