ハイスクールD×D 荒ぶる神を宿す者   作:初代凡人

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言い忘れてましたが、竜真の出す炎の槍はハンニバルが使う炎の槍と同じ形です。突きにも斬撃にも使える便利なものです。

というわけで(どういうわけ?)本編をお持ちします。


第十二話 激戦のレーティングゲーム

竜真side

 

「ん?」

 

運動場に着いた俺と祐斗だが、何かの気配を感じて立ち止まる。

 

耳を澄ますと足音が聞こえてきた。どんどんこっちに近づいて来てる。

 

この瞬間にそれが誰か理解した。この戦場でこんな大きな足音たてる奴は一人しかいない。

 

俺は角で待ち伏せて、タイミングを見計らって走ってきた奴の腕を掴みこっちに引っ張る。

 

「うおっ!?――って、お前らかよ!」

 

その人物はイッセーだった。やっぱりな……。

 

見た感じだと特に怪我とかはしてないみたいだな。

 

「よお、イッセー。大してダメージを受けてないみたいで安心したぜ」

 

「……二人とも、悪い。小猫ちゃんのこと…」

 

「アナウンスを聞いたから僕らも知ってるよ。……無念だったろうね」

 

「謝るなイッセー。戦闘経験が浅いお前に仲間を守れというのは無茶な話だ。誰も咎めねぇよ。その代わり――」

 

俺は手を前に出す。その意味を理解してくれた二人も俺の手の上に自分の手を重ねる。

 

「――絶対勝つぞ」

 

「「おう(うん)!」」

 

さて、オカ研の男子勢で決意を固めたところで次はどうするか…。

 

敵が何か行動を起こしてくれれば早いんだが――

 

「私はライザー様に仕える<騎士>のカーラマイン! 腹の探り合いも飽きた! リアス・グレモリーの<騎士>よ! いざ尋常に刃を交えようではないか!」

 

……いたよ。大胆な行動をしてくれる人が。

 

声のした方に目を向けると、騎士甲冑を身につけた女性がグラウンドに堂々と立っていた。

 

その言葉を聞いた祐斗が隣で笑う。

 

「指名されたからには、<騎士>として出ないわけにはいかないね」

 

そう言ってグラウンドに出て行く。

 

「あのバカ!」

 

「まあ、そう言うなイッセー。騎士道精神ってやつだ。言ったところで止まらない。……それに、ああいうのも結構カッコいいだろ?」

 

「……悔しいけど、確かにな」

 

そう言いながらも、イッセーは笑みを浮かべていた。これならその内祐斗への印象も変わるか?

 

「それじゃあ、俺たちも行くか。祐斗にだけ出て戦ってもらうわけにはいかない」

 

「おう! あいつにだけカッコいいところ見せられて堪るか!」

 

俺たちも祐斗のあとを追ってグラウンドに出る。

 

「僕はリアス・グレモリーの<騎士>、木場祐斗」

 

「俺は<兵士>の兵藤一誠だ!」

 

「同じく<兵士>の鬼城竜真」

 

祐斗が名乗ったので、俺たちも続く形で名乗る。

 

それを聞いて女性――カーラマインは嬉しそうに口の端を吊り上げる。

 

「リアス・グレモリーの眷属にお前たちのような戦士がいたことを嬉しく思うぞ。正面から出てくるなど、正気の沙汰ではないからな。だが、私はお前たちのようなバカが大好きだ」

 

そう言って剣を抜くカーラマイン。その剣の刀身は炎を帯びていた。うん。こういうタイプの女性は俺も嫌いじゃない。

 

「<騎士>同士の戦い、心待ちにしていたよ。個人的には、尋常じゃない斬り合いを演じたかったからね」

 

祐斗もそう言って剣を抜く。二人ともやる気は充分って感じだ。

 

「よくぞ言った、リアス・グレモリーの<騎士>よ!」

 

その言葉と同時に、二人は持ち前の超スピードで斬り合いを始める。迫力が凄いな。これが<騎士>同士の神速の剣舞か…。

 

と、見てる場合じゃなかった。

 

「イッセー、俺たちも始めるぞ」

 

右手に炎の槍を出す。修行のお陰ですぐに出せるようになった。

 

「え? 始めるって、あれ完全に一対一の決闘みたいなってるだろ。文字通り横槍なんて入れたら……」

 

「甘いぞ、イッセー。これは決闘じゃないんだ。どれだけ頑張ろうとも、最終的には勝ったか負けたかが重要になる。いくら卑怯だの汚いだの言っても、それは言い訳にしかならない。だから…」

 

俺は槍を振り被る。そしてそのまま…。

 

「――騙しうちや不意うちで文句を言われる筋合いはねぇ!」

 

後ろの茂みに向かって投げる。

 

すると、中から猫耳と鍵尻尾を生やした獣人のような少女が二人飛び出してきた。

 

更に左手から劫火球を隣の茂みに向けて放つ。

 

そこからも、顔の半分を仮面で隠した女性と大剣を携えた女性、更にドレスを着たツインテールの少女も飛び出してきた。

 

『ライザー・フェニックス様の<僧侶>一名、リタイア』

 

どうやら一人は避けれなかったようだな。

 

飛び出してきた全員は、俺とイッセーを取り囲むように着地した。

 

「……貴様。いつ私たちに気づいた?」

 

大剣を携えた女性が聞いてくる。

 

「いつ? そんなの最初からだ。だって俺たちが出た時からあんたら茂みに隠れてたろ?」

 

「え!? そうだったのか!?」

 

「ああ。結構な人数がいたから、流石に一斉に奇襲されたらヤバいと思って先制攻撃をさせてもらった」

 

気づいてないようにするのも結構疲れる。

 

「気配をそこまで感じとれるとは、かなり戦い馴れてるな」

 

仮面をつけた女性が感心したように言う。

 

「まあ、いつも多対一で戦ってたからな。目だけを頼りにしてたら避け切れない。それでどうにかしようと集中してたら、その内相手の気配を感じとれるようになったんだ」

 

「……竜真って元から人間やめてたのか?」

 

「張っ倒されたいか?」

 

「すんませんでした!!」

 

見事な動きで土下座をするイッセー。

 

「よろしい。………許さん」

 

「許さねぇのかよ!?」

 

「許してほしけりゃ、あそこの仮面の人に勝ってこい」

 

そう言って先程の仮面の女性を指差す。

 

「多分、あの人が<戦車>。それ以外は<兵士>が二人、<騎士>と<僧侶>が一人ずつ。俺の火力だと<戦車>の防御力を破れる自信がない。だけど、お前の神器ならあの人の防御力の上まる攻撃ができるはずだ。だからお前が行け」

 

「で、でもよ。他の四人は竜真一人でやるのかよ?」

 

「ああ、最初からそのつもりだ。向こうの方が頭数が多いんだぜ。なら自然と多対一の状況が生まれる。それなら馴れてる俺が相手をした方がいい」

 

その言葉を聞いて舐められてると思ったのか仮面の女性以外の全員が俺に殺気を向けてくる。これでイッセーの方に乱入する確率は減っただろう。

 

「そうだ、イッセー。お前に言うことがあった」

 

「な、なんだよ?」

 

「イッセー。今のお前は弱い。だが、その弱さは神器がカバーしてくれる。だから、どれだけ惨めでもいい。周囲の状況を把握し、それを最大限に利用して勝利を掴め。そうすれば、お前は最強の<兵士>になれる」

 

「竜真……?」

 

俺の言葉でボケっとするイッセー。……確かに似合わねぇこと言ったな。

 

「ほら、さっさと行け」

 

「お、おう!」

 

イッセーの背中を押して行かせる。ちゃんと仮面の女性と対峙したのを確認して、残りの四人を見る。

 

「さてと、俺たちもやるか」

 

「……あなた、本気で言ってますの? 一人で三人と戦うなんて」

 

ツインテールが怒ったような、バカにしたような視線をこちらに向ける。って、三人?

 

「おい。あんた自分をちゃんとカウントしたのか?」

 

「あら、ごめんあそばせ。私は戦いませんの」

 

「「はあ!?」」

 

あまり距離も離れてないので聞こえたのか、イッセーも一緒に驚く。いや、ていうか戦わないって何言ってんだ!? 主のために戦えよ!

 

「ああ…、彼女のことは気にしないでくれ。観戦してるだけなんだ」

 

「いや、そんなの許されるのか!?」

 

仮面の人の言葉にツッコミを入れるイッセー。それに少し疲れた様子で仮面の女性が答える。

 

「彼女は――いや、あの方はレイヴェル・フェニックス。形として眷属になってはいるが、ライザー様の実の妹だ」

 

「「はあぁぁぁぁ!?」」

 

実の妹を眷属に!? 何考えてんだあのフライドチキン野郎!

 

「……まさか、ただの自慢か?」

 

「そうだ。近親相姦とかいうのは羨ましがる奴が多いから眷属悪魔にしたそうだ。まあ、ライザー様は別に興味はないらしいが」

 

本当に自慢だけかよ!? ガキかあいつは!?

 

「…おい、そこのバカ。何若干羨ましそうな顔してんだ」

 

「べ、別にしてねぇぞ!?」

 

じゃあその涎はなんだ、同等以上の変態が。

 

「さて、お喋りはここまでにして、始めよう。リアス・グレモリーの<兵士>よ!」

 

そう言って仮面の女性はイッセーに攻撃を仕掛ける。

 

とか言ってたら、俺の方にも大剣を携えた女性が斬りかかってきた。俺は炎の槍を出して受け止める。

 

「ニィ、リィ! 相手は一人! 手数で押して! シーリスはニィとリィが隙を作ったら斬りかかるようにして!」

 

ちっ! 偉そうに命令をして自分は本当に見物だけか!

 

大剣の女性――シーリスが大剣を横に凪ぎ払う。<騎士>の割にはあまり速くないが、剣から感じる風圧でどれだけの威力かはわかる。パワータイプってことか。

 

俺はカウンターで槍を振ろうとするが、その前に獣人の二人――ニィとリィが跳びかかってくる。

 

俺は標的をその二人に変えて槍を振るが、身軽な動きで避けられる。シーリスはその隙に一旦下がる。

 

避けた二人は着地すると素早く拳を叩き込んでくる。ご丁寧にタイミングをずらしてるから、避けた先に二発目が来るな。

 

そう判断して槍を地面に突き刺して、両腕で受け止める。

 

流石獣人といったところか。結構拳が重い。――小猫ほどじゃないが。

 

今度は同時にもう片方の拳で攻撃してくる。しかも逃げれないようにさっきの手で両腕を捕まれてるから、行動がかなり制限される。

 

――力が俺より強ければな。

 

強化されてる俺の腕力には到底及ばない。俺はしゃがみながら腕を内側に引く。

 

「「うわ――にゃっ!?」」

 

バランスを崩した二人はそのまま倒れて互いのおでこをぶつけた。意外と痛そう。

 

とりあえず下にいたら潰されるので後ろに跳ぶ。

 

「はああぁぁぁ!!」

 

すると後ろからシーリスが斬りかかってきた。新たに炎の槍を出し、右手に持って攻撃を防ぐ。

 

さっき刺した槍は既に消えた。あくまで俺の魔力によって具現化しているので、三秒以上俺の魔力に触れずにいると霧散してしまう。

 

っていうか、やっぱりこの人の一撃かなり重いな。威力だけなら<戦車>並みか?

 

しばらくシーリスと斬り合っていると、突然後ろに跳んだ。なんか焦ってたな。

 

後ろを見てみると――炎が迫っていた。

 

だが、俺は慌てない。自分の魔力で出した炎に触れても平気だったんだ。こんなもん痛くも熱くも――

 

「熱っ!? 痛っ!? 燃える!? 燃えてる!!」

 

現実そんな甘くなかった。普通に燃えてる。っていうかマジで熱い! 火傷するって!

 

既に燃え始めた制服の上を脱ぎ捨てる。幸いズボンには炎が当たってなかったため無事だ。

 

炎が来た方向に目を向けると、祐斗と戦っていたカーラマインが短剣に炎を纏わせて炎の旋風を起こしたようだ。

 

祐斗の剣はその一撃をもろに喰らったのか、刀身のほとんどが消し飛んでいた。僅かに残った刀身が氷に見えるのは気のせいか?

 

「やるね。それならこれはどうだい? ――止まれ」

 

祐斗が持つ剣に新たな刀身ができる。先の方が歪な円状になった剣だった。

 

出現と同時にその円の中心に向けて炎の旋風が吸い込まれて行く。

 

「貴様…! 一体いくつ神器を持っているんだ!? 他者の神器を奪ったのか!?」

 

カーラマインが驚いた様子で祐斗に聞く。

 

他者の神器を奪う? ――ああ、あの堕天使たちがしてたような方法か。

 

しかし、祐斗は首を横に振って否定する。

 

「違うよ。僕は神器をいくつも持っていない。――造ったんだ」

 

「造っただと?」

 

「<魔剣創造(ソード・バース)>。自分の思った通りに魔剣を造り出せる!」

 

祐斗が一旦後ろに跳び、手の平を地面に当てる。すると、カーラマインの足元の地面から無数の剣が飛び出してきた。

 

――自分の思った魔剣を造り出す。簡単に言ってはいるが、相当強い神器だろ……。

 

「よっと!」

 

祐斗の神器に驚いていると、シーリスが上から斬りかかってきたので横に大きく跳んで避ける。

 

よそ見をしてはいたが、意識はちゃんと周りの四人に向けていたので不意打ちなんざくらわない。

 

槍を消して両腕に劫火球を造り、着地したと同時に右手の劫火球をシーリスに放つ。でもって、左手のは――後ろ!

 

後ろから跳びかかってきていたニィとリィは慌てて避ける。しかし、赤髪の方(ニィとリィのどちらかはわからない)は着地時に体勢を崩す。

 

俺はその隙を見逃さずに全力で踏み込んで一気に近づく。そして腹に左拳を叩き込む。

 

「にゃあ…!?」

 

苦しそうに呻き声を上げる。その威力で地面にも大きなヒビが入る。

 

間髪入れずに右手に槍を出し、突き刺そうと振りかぶる。

 

「させないにゃ!」

 

もう一人がさせまいと左から跳びかかってきた。それを見て、思わず笑みがこぼれる。

 

――狙い通りだ。

 

「っ!? ニィ…! 逃げるにゃ!!」

 

「遅ぇよ」

 

リィが叫ぶがもう手遅れだ。

 

俺は槍を跳びかかってきたニィに向けて投げつける。槍は腹に突き刺ささり、ニィの体が光に包まれる。

 

「ニィ!!」

 

「あんたもだ」

 

叩きつけたままの左腕から直接劫火球を放とうとする。

 

「竜真! そこどいてくれ!」

 

だが、そんなイッセーの声が聞こえ一旦止める。なんだよ。

 

視線を向けると、イッセーは左手の前に魔力の塊を出していた。って、まさか山吹き飛ばしたあれか!?

 

俺は慌ててその場から離れる。すると、イッセーの放った魔力がリィごとそこを呑み込む。あれはもうくらいたくないからな…。

 

『ライザー・フェニックス様の<兵士>二名、リタイア』

 

戦闘不能を意味するグレイフィアさんのアナウンスが聞こえる。

 

あとは、<騎士>と偉そうに見物してた<僧侶>。まあ、楽勝だな。

 

さて、イッセーの方は――

 

「<洋服崩壊(ドレス・ブレイク)>!!」

 

……………は?

 

俺は自分の目を疑った。だって、仮面の女性の服がイッセーの掛け声と共に弾け飛んだんだもの。そう、下着すら残さず、全て。

 

あまりに突然の出来事に頭が追いつかず、いつもなら絶対目を逸らしていた光景をボケッと見ていた。

 

イッセーは大事な部分を隠して隙だらけになった仮面の女性に先程の魔力を放つ。女性はあっという間にそれに呑み込まれた。

 

『ライザー・フェニックス様の<戦車>一名、リタイア』

 

「よっしゃあぁぁぁぁ!!」

 

アナウンスを聞き、歓喜の声を上げるイッセー。

 

……って!

 

「よっしゃあじゃねええぇぇぇぇ!!」

 

「ごはっ!?」

 

ようやく脳が再起動した俺はイッセーに近づき、容赦なく拳骨を入れる。何やってんだこの大バカ!?

 

「なあ、イッセーくんや。まさかさっきのがお前が言ってた必殺技か? だとしたらふざけんじゃねぇぞおいコラ!?」

 

「い、いや竜真! 俺だってあの技のために凄い修行したんだぜ! 魔力の才能全てを注ぎ込んだあれを否定されたら俺の修行の意味がなくなるぞ!」

 

「ああ、否定されろ。むしろ存在を否定されてしまえ!」

 

「酷っ!?」

 

なら、その努力をもっと別のことに使えや!

 

今回あの技の被害に遭った人たちになんか詫びないとな……。

 

「あ、あなた方! 今は戦闘中ですわよ!」

 

「あ? 言われなくてもわかってんだよ、チキンお嬢様。なんだ? ようやく戦う気になったか?」

 

「チキ…!? ……ふん! ご冗談を。あれ、見えますかしら?」

 

チキンお嬢様が指差した方向は新校舎の屋上。そして、その屋根の上に見えてはいけないものが見えた。

 

「「リアスさん(部長)!?」」

 

なんと、リアスさんがライザーと戦っていた。リアスさんの後ろにはアーシアさんもいる。

 

何やってんだあの人!?

 

「リアスさん! 聞こえますか、リアスさん!」

 

『っ!? 竜真さん!? 竜真さんですか!?』

 

通信に応じたのはアーシアさんだった。

 

「ええ、そうです! アーシアさん! なんでそんなところにいるんですか!?」

 

『む、向こうから一騎討ちの申し出があって、部長さんが応じたんです! 長時間戦ってますが、部長さんが疲弊していくだけで、相手に全くダメージを与えれないんです!』

 

アーシアさんがそう言う間にもリアスさんはライザーに攻撃をし、見事に顔を吹き飛ばす。しかし、傷口から炎が出て再び顔の形を成していく。

 

奴を何度も倒せる実力者は俺たちの中にはいない。そうなれば、全員でかかって数で押すしかない。それはリアスさんが一番わかってるだろ!?

 

「アーシアさん! 俺たちもこっちが片づいたらすぐそっちに行きますから、なんとか頑張ってください!」

 

『は、はい! そちらもお気をつけて!』

 

通信を切り、改めて前にいるチキンお嬢様を見る。その顔はムカつく笑みを浮かべていた。

 

「<紅髪の滅殺姫>、<雷の巫女>、<魔剣創造>、<赤龍帝の籠手>。ずいぶんご大層な名前が揃っていますが、こちらはフェニックス――つまり不死なのですわ。これがあなた方にとってどれだけ絶望的なことか、おわかりいただけたかしら?」

 

「……イッセー、倍化を始めておけ。俺が時間を稼ぐから、どうにかして突破口を作れ」

 

「お、おう、わかった!」

 

イッセーが少し距離をおいたのを確認して、俺は前に出る。

 

「……不死=最強と思ってるわけか。はっ、お笑いだ」

 

「な、なんですって!?」

 

「不死が最強だなんて古い考えだな。あくまで不死なのは体だけ。その精神までは不死じゃない。痛みだって感じる」

 

「だからなんですの? 何度も倒して心を折るにしても、あなた方にできるのかしら?」

 

「いや、ライザーにはどうやっても無理だろうな。仮にも上級悪魔を何度も倒せるなんて思ってないさ。……だが、もっと簡単な奴が目の前にいるだろ?」

 

俺は右手に炎の槍を出して、お嬢様に突進する。しかし、当たる寸前でシーリスに大剣で防がれる。

 

「ひっ!?」

 

「――お前の体と心をズタボロにして追い詰めて脅したら、ライザーも投了してくれるかもしれないだろ?」

 

「狂ってるな、貴様……!」

 

「悪いな。そういう言葉は聞き飽きた」

 

しかし、現状だと本当にそれくらいしか勝つ方法がない。どうするか……。

 

 

 

 

 

Dragon(ドラゴン) booster(ブースター) second(セカンド) Liberation(リベレーション)!!』

 

 

 

 

 

「うお!?」

 

つばぜり合いをしながら考えていると、突然聞こえたその音声とともに、凄い突風が起きる。

 

俺は一旦シーリスから離れて、突風が来た方向を見てみると、発生源はイッセーだった。よく見るとイッセーの籠手の形が若干変わっていた。

 

そしてイッセーは籠手を少し見たあとに、納得したように頷いた。

 

「木場!! お前の神器を解放しろ!」

 

神器を解放? それってさっきやった地面から魔剣をたくさん出すやつか?

 

「竜真は俺の近くに来てくれ!」

 

「……何する気か知らんが、了解!」

 

「<魔剣創造>!」

 

俺がイッセーのところに行こうとジャンプするのと同時のタイミングで祐斗も地面に剣を刺し地面から魔剣を出す。

 

「行っけえぇぇぇぇ!! <赤龍帝からの贈り物(ブーステッド・ギア・ギフト)>!」

 

Transfer(トランスファー)!!』

 

イッセーもそのタイミングで籠手を地面に叩きつける。すると、地面から出てきていた魔剣が尋常じゃない量になった。

 

俺がイッセーの近くに着地した時には、グラウンドは魔剣の海となっていた。足場が残っていたのはイッセーと祐斗の周りだけだ。ライザーの眷属は無事じゃ済まないだろう。

 

『ライザー・フェニックス様の<騎士>二名、リタイア』

 

チッ。やっぱりあのチキンお嬢様は無理か。

 

まあ、いいさ。これで人数が向こうを上回った。

 

「驚いたよ、イッセーくん。この力……」

 

「凄ぇじゃねぇか。籠手に溜めた力を譲渡したのか?」

 

「ああ。よくわかったな竜m――」

 

『リアス・グレモリー様の<女王>一名、リタイア』

 

「「「っ!?」」」

 

この明るい雰囲気を壊すようなアナウンスが聞こえてきた。朱乃さんが、嘘だろ!?

 

そう思ってると、体に悪寒が走る。反射的に空を見ると、朱乃さんを倒したであろう敵の魔術師の女性がいた。残った駒からして、あいつが<女王>か!

 

<女王>は杖を向けて魔方陣を飛ばす。標的は――

 

「祐斗、避けろ!!」

 

その叫びも間に合わず、祐斗は魔方陣の爆発をもろにくらってしまった。あいつ……!!

 

俺は<女王>の方に向き直り、劫火球を放とうとする。だが、足元に先程の魔方陣があることに気づく。

 

「っ、くそ――」

 

避けるのも間に合わず、俺は爆発をくらい吹っ飛んだ。




ヒロイン投票の途中結果です。


小猫 8

黒歌 5

朱乃、オーフィス 4

リアス、ロスヴァイセ、イリナ、レイヴェル 1


という感じです。野郎が書いてあった場合はカウントしないことにしましたので、あしからず。

前にも書きましたが、念のため細かく書いておきます。

この投票の受付は八月十五日の23:59までです。八月十六日00:00以降のものはカウントしませんので、気をつけてください。

それでは、この辺で。さようなら。
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