ハイスクールD×D 荒ぶる神を宿す者   作:初代凡人

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フリードの呼び方をクソ神父にしようとしたら、なぜかFa○eの麻婆神父が頭に浮かんでしまいます……。強さも外道っぷりも向こうが上だと思いますがね!

それでは、本編を粉☆砕! (嘘です)


第十七話 黒幕現る

竜真side

 

あれから俺はイッセーの監視を続けていた。

 

休日は途中で待ち時間の長い信号に何回も引っ掛かったせいで見失ってしまったが、ここ数日は部活が終わったあとにどこかに行っていることがわかったので、あとをつけた。

 

すると、イッセーどころか小猫や匙、更に祐斗まで一緒に行動していた。それだけじゃない。先日会ったイリナとゼノヴィアも合流していた。

 

悪魔と教会の者が夜遅くに何やってるのかと思ったら、イッセーたちはゼノヴィアから神父服とシスター服をもらい、それを着てひたすら人気のないところを歩き回っていた。神父を殺している輩がコカビエル側の者だとわかったから、おびき寄せて何か情報を聞き出すつもりか?

 

どちらにせよ、また身勝手なことを……。動きがあったら、すぐリアスさんに連絡しよう。今言ったところで止めないだろうしな。

 

そんなことを考えつつ教室に入ると、なぜかイッセーと松田と元浜が股間を隠すように押さえていた。それをニヤついて見てるのは同じクラスのメガネ女子、桐生だった。

 

「何やってんだお前ら……。正直そのポーズは気持ち悪いぞ」

 

「た、竜真! 今すぐ逃げるんだ!」

 

逃げる? 何言ってんだイッセー?

 

わけのわからない言葉に首をかしげていると、桐生がこっちに振り返った。ん? やたら視線が下がって――おいコラ。

 

「桐生。人の股間をじっくり見てるんじゃねぇよ。痴女だと思われるぞ」

 

「ふふふ。私は元々こういうタイプだから問題なしよ」

 

問題しかないだろ。

 

「た、竜真早く逃げろ! 桐生の奴は、俺のスカウターと同等のものを持っていやがるんだ!」

 

元浜がそう叫ぶ。スカウターって…………まさか。

 

俺の考えてることがわかったのか、桐生は不敵な笑みを浮かべる。

 

「そう、私のメガネは男子のあれのサイズを数値化して見ることができるのさ」

 

「やっぱりかよ!!」

 

俺は思わずその場に倒れる。なんでメガネに関するどうでもいい能力を持った奴がクラスに二人もいるんだよ!?

 

「さて、あんたのは…………ほほう、なかなかの大きさね。例えるなら、松田と元浜が拳銃。兵藤のがショットガン。鬼城のがマグナム、って感じかしらね」

 

……白昼堂々となんの解説をしてるんだこいつは。まあ、そちらがその気なら、俺も情報を与えてやろう。

 

「桐生。俺の知り合いにはな、俺のなんか目じゃないほどの息子を持っている人がいるぞ」

 

「へえ、例えるとどんなの?」

 

う~ん、例えるなら……。

 

「あっ、あれなんかいいんじゃねぇか? 宇宙を飛んでる戦艦の撃つ波動キャノン」

 

「「「それもう人間じゃねぇだろ!?」」」

 

エロトリオからツッコミを入れられるとは思わなかった。

 

「いや、実際ありえないくらい大きいぜ。持ってみたら棍棒みたいな重量感あったし」

 

「………俺、その人には会いたくないな。男として自信なくしそうだ…」

 

「「同じく」」

 

………否定できないな。

 

「???」

 

ちなみにアーシアさんは何を言ってるかわからないようで、頭に終始疑問符を浮かべていた。いいんだよ、アーシアさんは純粋なままでいてくれ。

 

「そういえば鬼城。あんたも休日遊び尽くす会に参加するんでしょ? 木場くんはどうなの?」

 

祐斗はここ数日休んでいる。聖剣のことで頭いっぱいだろうからな……。正直参加できるかどうかは微妙だが…。

 

「まあ、大丈夫だとは思うぜ。誰かがなんとかしてくれるだろう。なあ、イッセー?」

 

「お、おう…」

 

イッセーは冷や汗をかきながら返事をする。勘づかれたかとドキドキしてるんだろう。

安心しろ。今はまだ様子を見ておくだけだからな。

 

 

 

――――――――――

 

放課後。俺は引き続きイッセーたちのあとをつけて電柱や建物の陰から様子を見ていた。

 

しかしそのまま時間だけが過ぎ、今日も特に収穫はなしかと思ったのだが……。

 

俺は聖なるオーラを感じて身震いした。あの中に聖剣を使える逸材はいない。他には、イリナかゼノヴィアの二人。あるいは……敵。

 

「……祐斗先輩」

 

小猫が立ち止まる。祐斗と匙も何かを感じとり警戒態勢をとる。

 

……まあ、何かなんて俺もわかってるんだがな。肌を刺すような冷たい感覚――殺気だ。

 

「皆、上だ!」

 

匙がそう叫んで上を見ると、そこから誰かが落ちてきた。

 

「神父様一行にご加護あれ!」

 

そいつは落ちながら手に持つ剣を降り下ろしてきた。祐斗が魔剣を出して受け止める。

 

奇襲をしかけてきた相手は、以前依頼人を殺し、イッセーとアーシアさんにも危害を加えた白髪のキチガイ神父だった。祐斗に攻撃を防がれ、神父は距離をとる。

 

「フリード!」

 

イッセーがそう叫んで神父服を脱ぎ捨てる。他の皆も服を脱ぎ捨てて、制服の姿になった。

 

そしてイッセーは神器を出し、倍加を始める。

 

「おやぁ? 神父かと思ったら悪魔さんの集団コスプレでしたか。しかもその内三匹には以前も会ったことありますな。イッセーくんにチビ――」

 

「………(ピキッ)」

 

あ、小猫から凄いプレッシャーが。

 

「あわわ、小柄なお嬢さん! まあ、そこのイケメンくんには少し前に世話になったばかりですがねぇ」

 

何? まさか祐斗の奴、既にあのキチガイ神父――フリードに会っていたのか? いくら冷静じゃなかったとはいえ、それくらい報告しろよ…。

 

「まあ、悪魔なら悪魔で話は早いですがね。神父なんで悪魔祓いといきましょうか!」

 

よく言うぜ。流れから考えて、神父を惨殺していたのはあいつだろうに。

 

フリードはイッセーたちに跳びかかる。祐斗もそれに応じて前に出る。二人の斬り合いが始まったが、ここで驚くべきことが起きた。

 

――フリードが祐斗と同じスピードで動いているのだ。目で動きを追うだけならまだわかるが、奴のスピードは完全に<騎士>と同じレベルになっている。

 

「ヒャハハハ! 驚いた!? 驚いたよな!? 俺様の持つこの聖剣は<天閃の聖剣(エクスカリバー・ラピッドリィ)>!! 速さなら負けねぇでござんす!」

 

あれエクスリバーだったのか!? あをなイカれた野郎が聖なる剣を使うなんざ世も末だな……。

 

そういえば、七本になったエクスリバーはそれぞれ何かしらの能力があるんだったな。あれはスピードを強化する聖剣ってことか。

 

っと、こんなのんびり見てる場合じゃねぇ。俺は携帯電話を取り出し、リアスさんにメールを送る。

 

『ただ今交戦中。ヘルプ、プリーズ!』

 

電話だと出れない場合があるが、これなら遅かれ早かれ気づくだろう。

 

視線を再び戦場に戻すと、匙も黒いトカゲの形をした籠手から出した舌のようなものでフリードの動きを制限していた。あれは多分匙の神器だろう。実際あの舌は特殊なもののようで、エクスカリバーでも斬れないでいる。

 

「……イッセー先輩、IST作戦を実行します」

 

小猫のそんな声が聞こえてきた。――っ! 小猫、あれをやるのか!

 

「え? 何その作戦初めて聞いたんだけ――って小猫ちゃん!? なんで俺を持ち上げてるの!?」

 

「……祐斗先輩をお願いします」

 

小猫はイッセーの質問には答えず、イッセーをフリードと交戦中の祐斗に向けて放り投げた。

 

「ちょ、何やってるだ!?」

 

「……竜真先輩発案の作戦です。<(I)ッセーを相手に(S)ュウゥゥゥゥト! (T)エキサイティング!! 作戦>。略してIST作戦です」

 

「それ作戦と言わないよな!? しかも兵藤に了承を得てないだろ!?」

 

「……竜真先輩は、あいつの意思は無視しろ、と言ってました」

 

「………なんか、一気に兵藤がかわいそうに思えてきた」

 

それはよかった。なんか仲良くなったみたいだし、これからもっと絆を深めてくれ。

 

まあそんな会話を聞いてる間に、イッセーが祐斗に力を譲渡し、フェニックス家とのレーティングゲームの時と同じように祐斗は魔剣を地面に突き刺し、フリードの周りから大量の魔剣を出して確実に追い込んでいた。

 

フリードもエクスカリバーで魔剣を砕いているが、スタミナが切れた瞬間に魔剣が突き刺さるだろう。

 

「――ほう、<魔剣創造>か。使い手次第では無類の強さを発揮する神器だな」

 

だが、突如その場に第三者の声が響く。声の聞こえた方を見ると、神父服を着た初老の男性がいた。誰だ? 少なくとも味方ではなさそうだが……。

 

「バルパーのじいさんか」

 

フリードがそう口にする。その名を聞いた瞬間、祐斗の顔は憎悪と殺意に満ちた。

 

「バルパー=ガリレイ……!!」

 

「いかにも」

 

それが奴の名か。祐斗がああいう反応をするってことは、聖剣計画に何か関わりのある人物なのか?

 

「なあ、じいさん! このトカゲのベロが鬱陶しくてしょうがないんだよ! どうにかなんないッスか!?」

 

「まだ聖剣の扱いが充分ではないようだな。聖なる因子を刀身に集めてみろ。そうすれば切れ味が増すはずだ」

 

「ふむふむ。聖なる因子を刀身に…」

 

バルパーの助言を聞いたフリードはエクスカリバーを見ながら集中する。すると、刀身から出る聖なるオーラが濃くなった。

 

フリードはそのままエクスカリバーをトカゲの舌に振り下ろす。するとさっきまでは斬れなかったのに、いともたやすく舌が切断され、フリードの動きに制限がなくなってしまった。

 

「なるほど。聖なる因子を有効活用すれば、エクスカリバーちゃんはパワーアップするってことですな? ――それじゃあ、切れ味が最大になったエクスカリバーちゃんの試し斬り第一号になってもらいましょうかね!」

 

フリードはそう言うと祐斗に斬りかかる。魔剣を地面に突き刺したままで祐斗は反応が遅れている。――しょうがない。乱入するか!

 

俺は籠手を出すと同時に全速力で跳び出し、炎の槍を右手に出す。そして祐斗の前に出てエクスカリバーを受け止める。

 

「「「竜真(くん)(先輩)!?」」」

 

全員が驚いた顔をする。まあ、気配の消し方はある人から直々に習ったからな。そう簡単に気づかれないさ。

 

「ったく、勝手な行動はあまりするなよお前ら」

 

「鬼城!? いつの間に来たんだ!?」

 

「この数日間はずっとお前らの様子を監視してたよ。何か企んでると思ってな」

 

「人の邪魔しといてガン無視してんじゃねぇよクソ悪魔!!」

 

「おっと!」

 

フリードはエクスカリバーで首を狙ってきたので、祐斗を脇に抱えて後ろにかわす。

 

「ん? よ~く見たらあんたは俺様を二回もぶっ飛ばしてくれた悪魔さんじゃないですか! これは運命を感じますね! そう、テメェが俺様に殺される運命をなぁ!」

 

再び斬りかかってくるフリード。俺は槍で受け止めようとする。

 

「――そこまでだ!!」

 

そこに割って入る者がいた。目の前にいるフリードと同じく、エクスカリバーを使うゼノヴィアだった。ゼノヴィアはフリードとエクスカリバー同士でつばぜり合う。

 

「やっほー! 連絡くれたから加勢に来たわよ!」

 

更に後ろからイリナも来た。なるほど、別々で探して見つけたら連絡をして合流する予定だったのか。

 

俺はイリナの近くまで行く。

 

「え、竜真くん? なんでいるの?」

 

「あとをつけてたからだ、以上。というか、干渉するなと言っておきながら何悪魔と協力してんだよ……」

 

「違うわ! 私たちは悪魔の力じゃなくて、イッセーくんのドラゴンの力を借りてるのよ! 悪魔じゃないから主も許してくれるわ!」

 

悪魔も混じったドラゴンなんだが、それでいいのか?

 

「フリード、流石に形勢が不利だ。ここは一旦引くぞ」

 

「チッ、わかりやしたよ! てなわけで、アデュー!」

 

バルパーの言葉を聞いたフリードは懐から何かを取り出し、地面に叩きつける。すると強烈な光が出て、俺たちの視界が潰される。閃光玉か!

 

視界が回復した頃には、フリードとバルパーの姿はなかった。逃げられたか…。

 

「逃がさん! 追うぞイリナ!」

 

「オッケー! じゃあねイッセーくん、竜真くん!」

 

ゼノヴィアとイリナは二人が行ったであろう方角に走り出す。

 

「僕も行く! 絶対に逃がさない!」

 

祐斗も一緒に走って行ってしまった。はあ、面倒な……。

 

「お、おい! ああ、もう! 皆勝手だぜ!」

 

「一番勝手なのはお前だ、イッセー」

 

ドスの効いた声で俺は言う。イッセーはその迫力にたじろいでいた。

 

「う……。で、でもよ!」

 

「――竜真の言う通りよ、イッセー」

 

突然魔法陣が現れ、その中からリアスさんとシトリーさんが出てくる。

 

「竜真、メールありがとう。力の流れも不規則だったから、すぐに場所を特定できたわ」

 

「サジ、どういうことか説明してもらいましょう」

 

お二人とも厳しい顔でイッセーたちを見る。じゃあ、俺も詳しく聞かせてもらおうかな。

 

 

 

――――――――――

 

「聖剣の破壊って、あなたたちねぇ…」

 

「下手すりゃ三大勢力の均衡が崩れるぞ……」

 

「「すいません……」」

 

近くの公園でイッセーたちを正座させ、今回の件について聞いたわけだが、予想以上のことをしようとしていて俺もリアスさんも呆れていた。祐斗のためとはいえ、教会の二人と協力して奪われた聖剣を破壊するなんて、これが教会の上の者に知られたらシャレにならないぞ。

 

「サジ。あなたまでこのような勝手なことをしていたのですね」

 

「す、すいません会長…」

 

俺たちの隣で匙もお叱りを受けているが、シトリーさんに怒られるのが相当怖いのか、顔が青くなっている。

 

「竜真。祐斗と聖剣使い二人は敵のあとを追ったのね?」

 

「はい。何もなければいいんですが……」

 

敵がアジトに着く前にケリをつけてくれれば助かるが、アジトについたらコカビエルがいる可能性がある。その場合は全力で逃げてほしい。

 

「で、でも、何かあったらすぐ連絡してくれると――」

 

「怒りと憎悪に満ちた祐斗がそんな悠長なことするか?」

 

俺がそう言い返すと、イッセーは黙った。

 

「小猫、あなたまでどうしてこんなことを?」

 

「……私は、祐斗先輩にいなくなってほしくありません…」

 

小猫が悲しそうに言う。まあ、気持ちはわかるがな……。

 

バシンッ!!

 

突然横から凄い音が聞こえた。

 

見てみると、匙がシトリーさんに尻を叩かれていた。うわ、あれは精神的にキツいな……。しかも、シトリーさんの手には魔力が込められているので痛みもかなりのものだろう。

 

「す、すいませんでした会長! 許してください!」

 

「ダメです。お尻叩き千回です」

 

あの強烈な尻叩きを千回も…。匙の尻は死んだな。

 

「二人とも。これがどれだけ悪魔界に影響を与えることになるかわかっているわね?」

 

「はい……」

 

「……すいません、部長」

 

二人は改めてリアスさんに謝る。それを見たリアスさんは二人に近づいたと思ったら、優しく抱きしめた。

 

「……バカな子たちね。 心配させて…」

 

……リアスさんは本当優しいな。俺たちの主がこの人でよかったと改めて思うよ。

 

「会長! 向こうはいい感じになってますけど!?」

 

「他所は他所! ウチはウチです!」

 

よく聞くセリフを言いながら、容赦なく匙の尻を叩き続けるシトリーさん。まあ、仰る通りだが。

 

「――さて、イッセー。お尻を出しなさい」

 

リアスさんは二人を抱きしめるのを止めると、手に魔力を纏わせながらそう言った。

 

「え? ぶ、部長?」

 

戸惑うイッセーにリアスさんは笑顔を向ける。

 

「下僕の躾は主の役目。あなたもお尻叩き千回よ」

 

こうして、イッセーの尻も死んだ。

 

 

 

――――――――――

 

「あ~、いってー。まだ尻がズキズキする…」

 

「自業自得だ。これに懲りたら、今後は勝手な行動はしないようにしろ」

 

リアスさんによるイッセーへの尻叩きも終わり、俺たち三人は家へ向かって歩いていた。

 

もう夜も遅く、敵がフリードだけとは限らないので警戒して歩いていたのだが、そんな心配をよそに無事に家に着いた。

 

「ただいま」

 

「「ただいま戻りました」」

 

「あら、お帰りなさい三人とも。ふふふ」

 

おばさんが部屋から顔を出して出迎えてくれたが、やたらニヤニヤしてる。どうかしました?

 

「ほら、アーシアちゃん!」

 

「え、あの――キャア!?」

 

おばさんに背中を押されてアーシアさんが部屋から出てきた。……………裸エプロンで。

 

「ちょ――!?」

 

俺はすぐさま視線をずらす。なんつー格好してんのアーシアさん!?

 

「ア、アーシアその格好は!?」

 

「その……最近イッセーさんが疲れてるようなので、どうしたらいいかクラスの女の子に聞いたら、殿方を癒すにはこの格好が一番と言われましたので……」

 

クラスの女の子? ……なぜかメガネをかけたあいつしか思いつかない。

 

「あの、アーシアさん。その女子生徒はもしかして桐生ですか?」

 

「は、はいそうです。言われた通り下着もつけてないので、落ち着きません……」

 

やっぱりあいつか! アーシアさんの純粋な脳になんということをインプットしてくれとんじゃ!

 

というか、今さらりととんでもないカミングアウトしたぞ!? せめて水着を着てくれ!

 

「私も手伝ってあげたのよ。ああ、若い頃を思い出すわね~」

 

おばさんもやってたんですか!? イッセーのエロは少なからず遺伝も関わってるようだ。

 

「……なるほど。その手があったわね…」

 

あのリアスさん。顎に手を当てて何言ってるんですか? まさかやる気じゃないですよね!?

 

「アーシア、あなたは魔性の女悪魔になれるわ。エッチな子ね」

 

「ええ!? 私エッチな悪魔になりたくないです!」

 

リアスさんにエッチな子と言われて涙目になりながら言うアーシアさん。

 

それならそういう格好は止めましょうか! エロを知らなすぎるとこうなるのか?

 

「お母様! 私も裸エプロンやりますので、手伝ってもらってもよろしいですか!?」

 

「ええ、もちろんよ! さあ、こっちに!」

 

リアスさんとおばさんはやたら張り切って部屋の中に消えていった。

 

「あ~、俺はリビングに行ってるからな」

 

面倒な予感がしたので、リビングに避難した。……が、台所に裸エプロンのリアスさんとアーシアさんが入ってきた瞬間に、自分の部屋に行った。いや、エプロンだから隠せるのが体の前方だけで、台所に立つ二人の後ろ姿を見てみると裸同然なんだよ。イッセーだけならともかく、俺がいることも考えてほしい。

 

ご飯ができたと呼ばれてリビングに行くと、イッセーとおじさんは仲良く赤くなったティッシュを鼻に詰めていた。……何やってるんだこの親子、と思ってしまった俺は悪くないはずだ。

 

 

 

――――――――――

 

……ゾクッ!

 

「――っ!?」

 

いつも通り寝ていた俺だが、尋常じゃないプレッシャーを感じて飛び起きる。だが、周りには誰もいない。……外か?

 

カーテンを開けて下を見ると、イカレ神父のフリードがいた。視線は俺の部屋より若干横にずれたところ――イッセーの部屋に向いていた。

 

さっきのプレッシャーは奴が? 考えにくいな。とにかく、下りよう。

 

俺は素早く私服に着替え、窓を開けて飛び下り、フリードと向き合う。

 

「わお! 窓からのご登場とはカッコいいねー! 僕ちん思わずトキめいちゃった! あ、そういえばまだあんたの名前知らなかった。教えてくださいませんかね?」

 

「野郎にトキめかれても微塵も嬉しくねぇよ。まあそれは別として、名前を教えるのは構わないけどよ、あんた悪魔の名前を覚えてくれるのか?」

 

腐ってもこいつは神父。悪魔と関わるのは嫌だと思うが…。

 

「普通だったら遠慮願うんですがねー。僕ちゃんが殺したい悪魔くんの名前は覚えてさしあげますよ。――特に! あんたは殺したい悪魔ランキングトップなんだから、ぜひとも教えてもらいたいねぇ!」

 

「……そんなにぶっ飛ばされたのがムカつくのか? まあ、いいけどよ。俺の名前は鬼城竜真だ。――で? こんな夜遅くになんの用だ?」

 

「あーあー、竜真くんに用はないんだよねー。用があるのはあんたらの主である紅髪のお嬢さんだよ」

 

「――私に用とは何かしら?」

 

リアスさんが話に入ってくる。皆も下りてきたみたいだ。

 

「ああ、用があるのは俺様じゃなくて…………ウチのボスさ!」

 

フリードはそう言って空を見上げる。俺たちもその視線を追って上を見上げる。

 

そこには堕天使がいた。だが黒い翼が十枚もあり、それに比例するかのように、以前会った堕天使たちとは比べものにならない力を感じる。もしかしなくても、あれは――

 

「初めましてだな、グレモリー家の娘。紅髪が麗しいな。お前の兄であるサーゼクスを思い出してヘドが出そうだよ」

 

「ごきげんよう。堕ちた天使の幹部――コカビエル。私はリアス・グレモリーよ。以後お見知りおきを。それで、何か用があると聞いたのだけれど何かしら?」

 

やっぱり、あれが今回の件の元凶であるコカビエルか!

 

よく見れば、コカビエルは脇に何かを抱えている。あれは――人?

 

「こいつは土産だ」

 

コカビエルはそう言って人を投げてきた。っ!? あいつは!

 

俺はその人物を視認した瞬間に籠手を出してジャンプし、空中でキャッチして衝撃を極力抑えて着地する。

 

「イリナ! おいイリナ!」

 

そして、放り投げられた人物――イリナに声をかける。服は破れ、体もそれに比例して傷だらけ。酷い状態だった。

 

「た………竜、真……くん?」

 

まだ意識はあったのか、苦しそうに声を出すイリナ。

 

「イリナ、しっかりしろ!」

 

「気を……つけ、て…。あい………つ、桁…………違い……」

 

そこまで言って、イリナは意識を失う。幸い気絶してるだけのようだが、このままじゃマズい。

 

「アーシアさん!」

 

「は、はい!」

 

アーシアさんに頼んで傷の治癒をしてもらう。すると、少しだけイリナの表情が柔らかくなる。

 

だが<聖母の微笑み>は、傷を治せても体力までは回復できない。ちゃんとした治療をしないといけない。

 

「俺の根城までやって来たので、出迎えてやった。まあ、残りの二匹は逃げたようだがな」

 

今の発言だと、祐斗とゼノヴィアはなんとか逃げ切ったようだな。

 

「聖剣を盗めばミカエルが戦争でもしかけてくると思ったんだが、よこしたのは雑魚のエクソシストと聖剣使い二人。つまらん。あまりにつまらん! ――だから今度はお前たち悪魔に手を出させてもらうことにしたんだ」

 

……まるで戦争を起こしたいかのような言い方だな。いや、ようなじゃなくて実際そうなんだろうが。

 

「……戦争狂め」

 

「そうだ。そうだとも! 俺は三つどもえの戦いが終わってから退屈で退屈でしかたがなかった! アザゼルもシェムハザも次の戦争には消極的でな。あげく神器なんてわけのわからないものの研究に没頭する始末だ。そこの小僧の持つ神滅具級ならともかく、そんなものを研究したところで何も得られんだろう」

 

コカビエルは途中でイッセーに視線を向けながらそう言う。

 

――アザゼル、シェムハザ。堕天使の総督と副総督。その二人は戦争を起こす気はあまりないようだな。ってことは……。

 

「……お前らは俺の神器をご所望なのか?」

 

「少なくとも、俺は興味ない。だが、アザゼルなら欲しがるかもしれんな。あいつのコレクター趣味は異常だ」

 

「コカビエル。一つ聞きたい」

 

俺はイッセーとコカビエルの会話に割って入り質問する。

 

「なんだ?」

 

「あんたらの総督と副総督であるアザゼルとシェムハザは戦争に消極的だと言ったな。ということは、今回の件は完全にあんたの独断で行ってあることなのか?」

 

「………ああ、そうだ。俺が戦争の続きをしようと言っても、あいつらは聞く耳を持たないからな。しかたないから俺が準備を進めて、否応なく戦争をすることにしてやろうと思ったのさ」

 

「……こんな勝手なことをして、総督殿が黙ってるとは思えないが?」

 

「心配いらん。俺たちが宣戦布告をして、他の勢力に堕天使の力を見せつければ、奴らもやる気を出すさ」

 

……ダメだな。頭のネジが何本も抜けていて話にならない。

 

「ともかく、俺はお前の根城である駒王学園で戦争を始めさせてもらうぞ、リアス・グレモリー。ルシファーの妹とレヴィアタンの妹が通う学園ならさぞ魔力が立ち込めていて、混沌とした戦いが楽しめるだろう!」

 

レヴィアタンの妹? ルシファーであるサーゼクスさんの妹はリアスさんだが、レヴィアタンの妹って……………まさか。

 

「ヒャッハハハ! 俺のボス、この頭のイカれ具合が素敵に最高でしょ!? 俺様もついつい張り切るわけだよ。こんなご褒美もくれるしさ!」

 

フリードはマントを広げる。すると、マントの裏には二本の剣があった。聖なるオーラを感じるし、あれもエクスカリバーなんだろう。

 

奴が腰につけているのと合わせて合計三――いや、そういえばあいつが腕に巻いてるあのヒモ。あれはイリナが使っていたエクスカリバーの待機状態と同じだ。ってことは、合計四本か。

 

「腰につけてるのが<天閃の聖剣>。右のが<透明の聖剣(エクスカリバー・トランスペアレンシー)>で、左のが<夢幻の聖剣(エクスカリバー・ナイトメア)>。そして腕のヒモはツインテールのお姉さんからゲットさせてもらった<擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)>でござんす! もちろん全部使えるハイパー状態なんだよね! 俺TUEEEEEEE!! ってか? ギャハハハハ!」

 

………ああ、そういえば一つ忘れていた。

 

「おい。イリナをあんなに傷つけたのはどっちだ?」

 

「イリナ? あーあー、あのツインテですかい? 僕ちんでーす! 圧倒的なスピードで速攻でKOしてさしあげましたよ!」

 

「……ほお、そうか」

 

わかった瞬間、今まで喧しいとしか思ってなかったフリードへの印象が変わった。

 

「あんた、俺を殺したい悪魔ランキングのトップに位置づけてるんだろ? よかったな。俺の中でも捻り潰したい奴ランキングトップにお前の名前がランキング外から一気に上がったぜ。――必ずぶっ潰してやるから楽しみにしておけ」

 

最大レベルの殺気を放ちながらそう宣言する。向けられていないイッセーとリアスさんとアーシアさんも怯んでいた。

 

「ああ、いい! いいよその殺気! 凄く心地いいよ! 俺様も竜真くんのこと絶対殺してあげるから覚悟してね!」

 

フリードは怯むどころか、嬉しそうに笑って殺気を飛ばしてくる。――改めて考えると、あの人に比べたらこんなの殺気と呼べないんだろうな。

 

「戦争をしよう。魔王サーゼクス・ルシファーの妹、リアス・グレモリーよ!」

 

コカビエルが言い終わった瞬間に、フリードが閃光玉を使って俺たちの視界を潰す。

 

視界が戻った時には、コカビエルたちの姿はなかった。だが、目的地はもうわかってる!

 

「皆、学園に向かうわよ!」

 

「「「はい!」」」

 

俺たちは駒王学園に向けて走り出した。

 

戦争なんざ起こさせねぇぞ!




今回竜真が何回か言った知り合いとあの人は同一人物です。四巻か五巻辺りの内容で出てきてもらおうと思っています。

扱いとしてはオリキャラにするつもりですが、ほとんどの設定は私の好きなあるキャラからそのまま取る予定です。予定なので変更するかもしれませんが……。

それでは、この辺で――止めると思っていたのか? (伝説のスーパーサイヤ人風)

まあ、止めますが。それでは、さようなら。

デデーン!!
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