ハイスクールD×D 荒ぶる神を宿す者   作:初代凡人

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今回少し短いでしょうか?

キリが良かったので投稿しました。

長話もあれですので、本編へGO。


第二話 一日経ってまた一難

竜真side

 

ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリ!!

 

「……ん?」

 

大音量の目覚まし時計で目が覚める。っていうか相変わらずこの目覚ましやかましいな。……これくらいの音量じゃないと起きれない俺が悪いか。

 

とりあえずうるさいので止める。……あれ? そういえば昨日いつ寝た?

 

昨日ベッドに入る前の記憶を呼び起こそうとするが、全く記憶にない。えっと…、確か最後に見た光景は――

 

 

 

 

 

『――恨むならその子の身に神器を宿させた神と、その子と知り合った自分の不幸を恨んでちょうだい』

 

 

 

 

 

「――っ!!」

 

そうだ! あの女――天野夕麻がイッセーと俺を殺して――って、じゃあなんで俺生きてるんだ?

 

その理由がその後の記憶にあると信じ、更に思い出そうと集中する。

 

『あなたたちの命。私のために生きなさい』

 

「…そういえば、グレモリー先輩がいきなり現れたんだよな」

 

確か、俺が気を失う前(死ぬ前?)に聞いた言葉はそんな感じだった。

 

あの言葉からすると、グレモリー先輩は少なくとも俺が生きていることに関わっているはずだ。

 

「そういや、イッセーも無事なのか?」

 

俺は携帯で電話をしようとしたがどこを探してもない。どこかに落としたか?

 

しょうがない。直接会って話すか。

 

 

 

――――――――――

 

「二人とも本当に覚えてねぇのか!?」

 

おっ。いたいた。

 

いつもの待ち合わせ場所には来なかったから先に行ってると思ったらビンゴだ。イッセーは階段の踊り場でいつものように松田と元浜と話していた。

 

「だから、夕麻ちゃんなんて知らねぇし、お前に彼女ができること自体ありえねぇだろ」

 

「本当に病院に行った方がいいんじゃないかイッセー」

 

……いや。正確に言えば、会話の内容はいつもと少し違っていた。

 

珍しくエロい会話ではなく、真面目な感じで話してるイッセーだが、それとは逆に二人はイッセーの言ってることが理解できずにいるみたいだ。

 

…やっぱりあの女は普通じゃないってことか。

 

「おっす、お前ら」

 

「おっ、竜真。おはようさん」

 

「おっす」

 

「あ、竜真! お前は覚えてるよな!?」

 

イッセーは俺を見ると、俺がまるで最後の希望みたいな顔をして話しかけてきた。

 

「来たばかりの奴にそんな言い方はわからねぇよ。ちゃんと主語を入れてくれ」

 

「あ、ああ悪い。この前紹介した天野夕麻ちゃんのことだ。こいつら二人とも覚えてないって言うんだよ」

 

「だからなイッセー。覚えてないも何も、紹介自体されてねぇって」

 

「いくら幼なじみとはいえ、お前の妄想に竜真を巻き込んでやるなよ」

 

確かに二人のとも全く覚えてないみたいだな。嘘をついてるとも思えない。

 

「だから妄想じゃねぇって! メアドだってちゃんと――」

 

そう言って携帯を開くイッセーだが、次の瞬間には表情が固まった。

 

「…嘘だろ? 夕麻ちゃんのメアドがない…!? 携帯番号も、一緒に撮った写真も…!?」

 

あの女に関する情報が、イッセーと俺の記憶を除いて全て消えた? やっぱりあの女は人外の類いってことか?

 

イッセーには悪いが、此処は話がややこしくならないようにわからないフリをしよう。

 

「すまんイッセー。俺もその天野っていう人は聞き覚えがない」

 

「……そうか」

 

途端に落ち込むイッセー。俺はそんなイッセーの耳元に顔を寄せる。

 

「(その話は放課後にしようイッセー。こいつらの前で話しても面倒になるだけだ)」

 

「(っ!? 竜真、やっぱり覚え――)」

 

「「「「「「「「キャアアァァァァ!!」」」」」」」」

 

突然聞こえてきた黄色い悲鳴にイッセーの言葉は遮られた。何事かと思い、声の聞こえてきた方に目を向ける。

 

「……グレモリー先輩」

 

するとそこには、探していたもう一人の人物、リアス・グレモリー先輩が立っていた。

 

グレモリー先輩は周りの声援や下りる先にいる俺たちを気にした様子もなく、階段を下りてくる。

 

本当なら今すぐにでも昨日の件について聞きたいが、今は人目が多すぎる。

 

そしてそのまま俺たちの横を通り過ぎるのを黙って見る。

 

 

 

 

 

フッ…

 

 

 

 

 

「!?」

 

だが、グレモリー先輩はすれ違い様に俺とイッセーを一瞥して不敵な笑みを浮かべた。

 

やっぱり、あの人は今回の件について詳しく知ってるみたいだ。隙を見つけて聞き出さないと。

 

「とりあえずイッセー。今日は寄り道せずに帰るぞ。言っておくが、エロDVDの鑑賞会とか言ったら張っ倒すぞ」

 

「「「ギクッ!?」」」

 

わかりやすい反応をする三人。ったく。二人はともかく、イッセーはそれ以上に俺と話さなきゃならないことがあるだろうが……。

 

三人に呆れつつ、俺は教室へと向かった。

 

 

 

――――――――――

 

「で、イッセー。お前は昨日のことをどこまで覚えてる?」

 

授業も終わり今は放課後。

 

どこにも寄り道するつもりはなかったのだが、昨日のことを正確に思い出すために、俺たちはあの公園に来ていた。

 

意外と距離があり、此処に来る間にすっかり暗くなってしまった。

 

「……俺が覚えてるのは、夕麻ちゃんとデートして、夕暮れ時に此処に来た。そしたら夕麻ちゃんが――」

 

「突然自分を殺そうとした、か?」

 

イッセーは首を縦に振り肯定する。

 

「イッセー。これはあの女が言ってたことだが、あいつは最初からお前を殺すことが目的で接触してきたらしい」

 

「っ!? 殺すって――なんでだよ!?」

 

「詳しくはわからん。強いて言えば、あいつが言っていた神器ってものがお前の体に宿っていたからだろうな」

 

「セイクリッド・ギア? なんだそれ?」

 

「さあな。ただ、わざわざあんな回りくどいことをしてまで殺しに来たんだ。よっぽどヤバいものだと――っ!?」

 

イッセーと話してる内に突然後ろから寒い気配を感じ、振り返る。この気配を俺は知ってる…!

 

――昨日受けたばかりの殺気というものを、間違えるはずがない…!

 

「これは数奇なものだ。こんな都市部でもない地方の市街で貴様らのような存在に会うのだからな」

 

後ろにいたのはスーツを着た一人の男だった。その男の言葉は静かながらも、確かな殺意を感じた。

 

俺とイッセーは反射的にその場から下がる。

 

「うお!?」

 

「なっ!?」

 

ここで驚くことが起きた。俺もイッセーも軽く下がったつもりが、十メートルは後ろに下がっていた。

 

足に力を入れた時も少し違和感があった。……まさか、今の俺たちの身体能力は強化されてるのか?

 

「逃げ腰か?主の名を言え。こんな地方の管理者なら低い階級であろうがな」

 

主の名だ? そんなもの、持った覚えは一度もない。

 

このままだと、またイッセー共々殺されかねない。俺はイッセーにアイコンタクトを送り、同時に回れ右をして全力で走る!

 

身体能力が強化されてるといっても、元々鍛えてる俺と、別に鍛えてないイッセーとでは差が開いていた。

 

「おい、竜真! もう少しゆっくり走ってくれねぇか!?」

 

「んなことできるか! 安心しろ! お前を置いて先に行ったりはしねぇよ!」

 

走りながらそんな会話をしてると、頭上から黒い羽が落ちてきた。カラスか?そう思って上に目を向ける。

 

「何!?」

 

だがそこにいたのはカラスではなく、先程の男だった。――背中から黒い翼を生やして空を飛んでいる。

 

こいつまさか、あの女と同じ類いの奴か!?

 

男はそのまま俺たちの前に降りた。

 

「やれやれ。下級な存在はこれだから困る」

 

チッ! さっきから重要そうな部分を省いて話してくるからイマイチ理解ができない!

 

「主の気配もなし。消える素振りも、魔方陣すら展開しないとは…。状況を分析すると――お前たちは<はぐれ>か。ならば殺しても問題あるまい」

 

そう言って男はあの女と同じように槍を出現させる。

 

何が「殺しても問題あるまい」だ! 勝手に殺すの決定してるんじゃねぇよ!

 

とは言え、このまま黙ってても殺られるだけだ。……今の身体能力ならいけるかもしれない。

 

「イッセー。お前はとっとと逃げろ。こいつは俺が倒す」

 

「な!? 倒すってお前!?」

 

「ふん。その言葉、死んで後悔するんだな!」

 

男は手に持った槍を構えて突っ込んでくる。槍を弾いてカウンターをくらわせてやるよ!

 

突き出された槍を右手で横から殴って弾く。そのまま拳を全力で叩き込む!

 

 

 

 

 

「――熱っ!?」

 

 

 

 

 

だが、拳を叩き込む前に、槍を弾いた右手に焼けるような激痛が襲う。

 

あまりの痛みに一瞬動きが止まってしまう。その隙に男は再び槍を出し、

 

「がっ――ああああぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

――俺の腹に深く突き刺した。槍はいとも簡単に背中まで貫く。だが、問題なのは槍だけじゃない。

 

俺が絶叫した主な原因は、むしろ槍から感じる何かだ。

 

刺されたところはもちろん痛いが、その何かは傷口を中心に焼けるような激痛を体全体に及ぼしている。

 

俺は堪らずその場に倒れる。クソッ…!

 

「バカめ。貴様らにとって光は猛毒。自分から触れにくるのには流石に驚いたが、結果がそれだ」

 

「竜真! 大丈夫か!?」

 

イッセーの声が聞こえてくる。バカ野郎…!

 

「何してんだイッセー!! さっさと逃げろ! 殺されるぞ!」

 

痛みを堪えて大声で怒鳴る。お前まで殺されたら意味ねぇんだ!

 

「わ、わか――!」

 

「もう遅い」

 

俺の上を何かが高速で飛んでいく音がした。

 

そのすぐ後に、槍が肉に突き刺さる嫌な音が聞こえた。だが、俺には刺さってない。

 

「う、が…!?ああぁ……!」

 

槍が突き刺さったのはイッセーだった。俺と同じく激痛が走ってるのか、苦しそうに声を上げている。

 

「ずいぶん痛そうだな。貴様らにはこれで充分だと思ったが、意外に頑丈だな。なに、心配するな。次で終わりにしてやる」

 

「ぐっ!?」

 

刺さっていた槍が消え、傷口がむき出しになり、更に血が出る。

 

あえて抜かずに出血量を少なくしてたっつうのに…! 出すのも消すのも自由自在って反則じゃねぇか!

 

男は槍を出して俺に突き刺そうと振り上げる。……ここまでか。

 

 

 

 

 

バキィン!!

 

 

 

 

 

「はっ!?」

 

だが、突然紅色と黒色でできた何かが槍に向かって飛んできた。それが当たった槍は跡形もなく砕け散る。

 

助かった……のか?

 

「何者だ!?」

 

男は何かが飛んできた方に向く。俺も顔だけをそちらに向ける。

 

「その子たちに触れないでちょうだい」

 

そこには紅い髪の美女――グレモリー先輩がいた。

 

え?まさかさっきのはグレモリー先輩がやったのか?

 

「リアス……せん…ぱい……」

 

「!? おい、イッセー!」

 

イッセーは力なくその場に倒れる。

 

まさかまた死んだりしねぇよなイッセー…!

 

「もう一度聞こう。貴様は何者だ!?」

 

瀕死の俺たちになど興味ないのか、男はグレモリー先輩に向かって槍を投げる。

 

しかし、それは上から降ってきた小柄な少女に弾かれる。

 

あの子は確か――一年の搭城小猫だったか?

 

「チッ! 貴様らあぁぁぁ!」

 

弾かれたことが気にくわなかったのか、男は弾かれた槍をキャッチして二人に突っ込む。

 

「ぐおっ!?」

 

だが次の瞬間、男の目の前に雷が落ちてきた。その衝撃の余波で、男は五メートル近く吹き飛ぶ。

 

「うふふ」

 

すると、二人の横からグレモリー先輩に負けないくらいグラマラスなボディをしたポニーテールの女性が出てくる。

 

あの人も知ってる。グレモリー先輩と同じ三年の――姫島朱乃先輩だ。

 

なんだこのメンバーは?学園の有名人ばかりじゃないか。

 

「紅い髪……。そうか。グレモリー家の者か」

 

「リアス・グレモリーよ。ごきげんよう、堕ちた天使さん」

 

<堕ちた天使>? それって俗に言う堕天使ってやつのことか?

 

「くくく…。これはこれは。まさかこの町が、グレモリー家の次期当主の管轄だったとは。その者たちはそちらの眷属か」

 

「この子たちにちょっかいを出すのなら、容赦しないわ」

 

次期当主? 管轄? 新しい情報が次々入ってきて頭の処理が追いつかない…!

 

でも、先輩が俺たちを助けようとしてくれてるのは確かなようだ。

 

「まあ、今日のところは詫びよう。だが、下僕はあまり放し飼いしないことだ。私のような者が散歩がてら狩ってしまうかもしれんぞ?」

 

「ご忠告痛み入るわ。私の方も今度こんなまねをしたら、その時は躊躇なくやらせてもらうからそのつもりで」

 

「そのセリフ、そっくりそのままそちらに返そう。では、ここらで失礼させてもらおう」

 

……あ? 失礼させてもらうだ?

 

いきなり襲いかかってきておきながら帰ろうとしてんじゃねぇよ…!

 

怒りで自然と拳に力が入る。――ん? 力が入る?

 

試しに体に力を入れてみると、普通に動くようになっていた。さっきまでは起き上がることもできなかったのに…。よく見ると、腹にできた傷もほとんど塞がっていた。いくらなんでも治るのが速すぎる。どうなってんだ?

 

……まあ良い。とりあえず、あいつはこっちには見向きもしてない。それなら不意打ちでぶっ飛ばしてやるよ!

 

全身に力を入れて男に向かって突っ込み、全力の拳を叩き込む!

 

「ぐおっ!?」

 

男はそのまま十メートル程吹き飛ぶ。予想以上に飛んで行ったので少し驚いた。

 

「あなた、傷は!?」

 

グレモリー先輩も俺が動けたことに驚いてるみたいだ。

 

申し訳ないが、俺もよくわからないので後にしてもらおう。というより目の前の野郎をぶっ潰すのが先だ!

 

「オイ、テメェ。そっちから襲いかかってきておいてなに勝手に帰ろうとしてるんだ?」

 

「くっ…! 貴様、あのダメージでどうやって…!?」

 

「知るかよ。それよりとっとと立て。あと二十回は殴んないと気が済まない」

 

「やめなさい」

 

俺が男に近づこうとすると、グレモリー先輩に止められる。

 

「あなたのダメージは相当なものよ。今また光の槍を喰らえば、今度こそ死んでしまうかもしれないわ」

 

「……チッ。わかりました」

 

大人しく引き下がる。またあんな激痛を味わうのはこちらとしても遠慮したいからな。

 

「……貴様の顔は覚えたぞ…! 次に会った時は必ず殺してやる…!」

 

「はっ! なら俺は今度会ったらその汚ねぇ翼をもぎ取ってやるよ!」

 

男は若干ふらつきながらも立ち上がり、翼を広げて空へ飛び去る。

 

「我が名はドーナシーク! 次はないと思え小僧!」

 

余計な捨て台詞だな。まあ確かに、次に会った時は命がなくなってるだろうな。……()()()()命が。

 

「おっと…」

 

脅威がいなくなり緊張がなくなったせいか、急に体の力が抜けてふらつく。ヤバ、倒れ――

 

がっ

 

「…大丈夫ですか?」

 

「あ…。どうも」

 

倒れそうになったが、塔城が支えになって助けてくれた。

 

というか、この娘結構な力あるんだな。その小さい体からは想像できない力で俺の体を難なく支えてる。

 

「だから言ったでしょう? むしろ、光の槍をまともに喰らってあれだけ動けるのがおかしいのよ」

 

「……そうみたいですね。ですがグレモリー先輩。俺はごく普通の一般市民ですよ。何も知らないのにどう対処しろと言うんですか?」

 

そう言うとグレモリー先輩は思案顔になり、少しして顔を上げた。

 

「そうね。それじゃあ、教えてあげるわ。昨日と今日、あなたたちを襲った存在がなんなのか。私たちは何者なのか。あなたの敵か味方か。じっくり教えてあげるわ」

 

グレモリー先輩はそう言って妖艶な笑みを浮かべた。

 

……あ! そういえば早くイッセーを治療しねぇと!




前にも言いましたが、主人公は一般人の中では強い部類です。なので悪魔になったらドーナシークくらいはぶっ飛ばせると思って書きました。

主人公の喋り方がもう一つのとあまり変わらない…。何か特徴つけたいんですが、そうすると自分で書いてる内にわからなくなるのではと思って怖くて…。

とまあ、こんな私個人の愚痴は放っておいて。

主人公ですが、神器はありませんが似たようなものなら宿しています。まあ、覚醒させるのは教会に攻め込む辺りになると思います。

察しのいい方ならもう気づいてるかもしれませんね。

それではこの辺で。Bダッシュ!



ヒュウゥゥゥゥ…… ←谷底に落ちる音
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