ハイスクールD×D 荒ぶる神を宿す者   作:初代凡人

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最近忙しくて中々完成しませんでした……。

それ以外にも今回出てくる新キャラの口調が独特で書きづらいのもありますけどね(実は一番の要因)。

それでは、本編へ、ストライクショット!!

ヒュオンッ!!←某cmのようにすっ飛んで行った


第二十三話 招かれざる二人の訪問者

竜真side

 

サーゼクスさんとグレイフィアさんは泊まった次の日に兵藤家をあとにした。それ以降はホテルに泊まっているようだが、数日はサーゼクスさんが町を回る時に一緒について行っていたので、結局そんなに離れた気はしなかった。

 

………魔王の仕事で町の下見とか言っていたが、ついて行った側から見ても、あれは絶対観光だろ。だってゲーセンでイッセーとレースゲームで、俺とは格闘ゲームで勝負するし、ハンバーガーショップで全メニューをコンプリートしたり(全員で協力して食べた)、神社にお参りに行ったり(俺たちは近づけなかったが、サーゼクスさんはその膨大な魔力で聖なるパワーを払い除けていた)。これを観光と言わずしてなんと言うのか?

 

それと、サーゼクスさんが言っていた護衛は未だに来ない。サーゼクスさんも、いい加減着いていい頃とは言っていたが、ちゃんと来るか不安だ。

 

「行ってきます!」

 

それはそれとして、今日は休日。今は俺とイッセーとリアスさんとアーシアさん全員で家を出て、ある場所に向かっている。

 

その場所は駒王学園だ。なんで休日も学園に行ってんだ、とかツッコミが来そうだから言うが、別に授業があるわけじゃない。

 

これから向かう場所を正確に言うと、駒王学園のプールだ。

 

実はうちの学園のプールは約一年洗いもせずに放置していて、すごいことになっている。それを清掃するために、俺たちオカ研が仮出されたのだ。

 

本来ならこれは生徒会の仕事なのだが、この間のコカビエル襲来の件でのお礼に、オカ研が掃除を引き受けるとリアスさんが言ったのだ。

 

その代わり、プールを掃除したあと、オカ研の貸し切りでプールを使っていいと言ってくれたのだ。……これじゃあ、また借りができたと思うのだが、気にしないでおこう。

 

まあそんなわけで、俺たちは各々水着を持って学園に向かっている。

 

ここ数年、俺は水着を着た覚えがなく、案の定昔の物はつんつるてんで履くことなんて到底不可能だった。なので先日急いで炎の柄が入った黒のトランクスタイプの物を買ってきた。

 

リアスさんが買ってきた水着は、その………だいぶ露出が多いビキニタイプの物だった。正面から見て赤面しないか不安だ。

 

ちなみにイッセーはその水着を思い出しているのか、鼻の下を伸ばしている。もちろん脳天に拳骨をくれてやる。

 

「いっ、てぇ!?」

 

「イッセー。わかってるとは思うが、万が一にも女子の誰かに欲情して手を出したりしたら……」

 

「し、したら……?」

 

俺は右手で自分の頭を掴んだあと、すぐに放してイッセーの前に出し、一気に握り潰す。

 

「――お前の頭が卵のごとく砕け散るぞ」

 

「誓って手を出しません!!」

 

勢いよく敬礼をするイッセー。それを見ていたリアスさんとアーシアさんがクスッと笑った。

 

「やあ、おはよう。ん? どうしたんだい皆?」

 

そこにゼノヴィアが合流してくる。いつの間にかゼノヴィアが住んでるマンションに着いていたようだ。

 

ちなみにこのマンションも、悪魔の管轄でリアスさんが住む所のないゼノヴィアに一部屋貸して住んでもらっている。本人の話だと住み心地はいいようだ。

 

「いや、なんでもない。ちょっとイッセーの一般常識を確認していただけだ」

 

「何? 兵藤一誠も日本の常識で何か欠けている部分があるのか?」

 

日本というか、人としての常識だがな。

 

「しかし、その気持ちはわかるよ。私も日本の文化、特に漢字には苦戦している。あんな複雑な文字を操るなんて、日本人は凄いね」

 

「そうですね。私も漢字はまだ簡単なものしか書けないです」

 

なんかずれた捉え方のまま話が進んで、アーシアさんも会話に入ってきたんだが……。

 

けどまあ、使いなれてない言語を学んでいるこの二人は偉いと思う。

 

特にアーシアさんは、小学校レベルの漢字はほとんど書けるようになったそこまで時間が経ったわけでもないのに、この成長は凄い。それだけ努力しているということだろう。

 

「「アーメン。――うっ!」」

 

しまった。油断してる内にアーシアさんとゼノヴィアが祈ってダメージを受けていた。

 

元信者とはいえ、そろそろ祈りを捧げるのは止めてほしい。それに、祈りを捧げるべき神自体がいないのだから、捧げても意味がないと思うんだがな……。

 

――まあ、そこら辺は俺が口出しするようなことじゃないか。

 

そんな感じで雑談しながら、駒王学園へと向かった。

 

 

 

――――――――――

 

「いやー、すっかり綺麗になったな」

 

「だな。それに、思っていたより時間もかからなかったし」

 

あのあと学園で朱乃さんと小猫とも合流し、早速プールへ行き、ジャージに着替えて掃除に取りかかった。

 

プールの周りもそうだが、プールの中の水が酷いことになっていたので、結構時間がかかると思った。

 

――だが、俺たちは人間ではなく、悪魔だ。これが人間なら相当時間がかかるはずだが、基礎的な身体能力が一般人から見ても充分高い俺たちにとっては意外と楽なことだった。

 

それに、時々朱乃さんが魔力を使って広範囲を一気に掃除もしてくれたおかげで、掃除はかなり早く終わった。

 

早速各々水着に着替えてプールに集まっている。……といっても、やはり女性陣は時間がかかるようで、今は俺とイッセーしかいない。

 

ちなみにイッセーの水着は俺と同じトランクスタイプ。色は紺だ。

 

「にしても、お前の体見る度に男として負けた気がするな…」

 

「は? 何が?」

 

イッセーが突然悲しそうな顔をし、羨ましそうな目で俺を見てきた。

 

「その体だよ。はぁ、俺も悪魔になってから結構鍛えてるのにな……」

 

なんだ、そんなことか。まあ確かに、俺は小さい頃から鍛えていたから腹筋は割れていて、筋肉もゴリマッチョにならない適度の量ついている。

 

対してイッセーが体を鍛え始めたのは悪魔になってリアスさんから特訓をつけてもらった時からだ。まだ目立った外見の変化はそんなに見られない。

 

「安心しろ、イッセー。わかりずらいが、お前の体も結構引き締まってきてるぞ。この調子で鍛えていけば腹筋も割れて、いい体になるだろう」

 

俺が語りかけるように肩に手を置いてそう言う。だが、イッセーはそれに対して距離をおいた。

 

「……おい、竜真。そのいい体って言い方止めてくれないか? ちょっとあっち系の臭いが…」

 

「お前なぁ……。人がせっかく褒めてやったのにそれかよ。というか、祐斗とのホモ疑惑のせいでそういうのに敏感になってねぇか?」

 

確かに最近祐斗のイッセーに対する態度が友だちや親友以上の何かになりそうで心配だが…。

 

「え、竜真。お前のホモ疑惑もあった――」

 

「アァ?」

 

「すいませんでした!!」

 

一言多いんだよバカ。

 

そんなやり取りをしてる内に、女性陣が来た。だが、一名足りないことに気づく。

 

「ゼノヴィアはどうしたんですか?」

 

「あ、ゼノヴィアさんなら、水着を着るのに少し手間どっているんです。時間がかかりそうなので先に行けと言われましたので……」

 

俺の質問にアーシアさんが答えてくれた。

 

誰かに協力してもらえばいいだろうに。……やっぱりまだ打ち解けれてない部分もあるってことか?

 

まあ、それはそれとして、質問に答えてくれたアーシアさん、それから小猫の水着はスクール水着だ。胸の部分にそれぞれ<あーしあ>、<こねこ>と書いてある。

 

「さあ、皆。今日は楽しむわよ」

 

そんなことを言うリアスさんは白いビキニタイプの水着。…やはり目のやり場に困る。

 

もう一人のお姉様、朱乃さんもビキニタイプの水着だ。色は青と赤が半分ずつくらい。こちらも肌の露出が多くて視線を向けずらい。

 

まあ、気にしてもしょうがない。早く泳ごう。

 

「イッセー、竜真。ちょっといいかしら?」

 

水の中に退避しようとしたが、リアスさんに呼ばれたので、イッセーと一緒にリアスさんの元に向かう。

 

「はい、なんですか?」

 

「何か御用でも?」

 

俺たちが質問すると、リアスさんは微笑んでこう言った。

 

「――二人にお願いしたいことがあるの」

 

 

 

――――――――――

 

「はい、一、二。一、二。よし、端まで着いた。もう一回行くか?」

 

「…はい、お願いします」

 

俺は今、男にとって幸せなシチュエーションを味わっているのだろう。

 

リアスさんから頼まれたことは至って簡単なことだった。なんでも、小猫とアーシアさんはうまく泳げないので、泳ぎの練習を手伝ってほしいとのこと。

 

そんなわけで、俺は小猫の腕を掴んでプールの端から端まで泳がせる練習をしている。

 

小猫は確かに見た目は小学生と言われても仕方ないが、それでも歳の差は一つしかない女性だ。女性の泳ぎの練習に付き合えるなんて俺だって正直嬉しい。

 

言うまでもないかもしれんが、イッセーはアーシアさんの泳ぎの練習を手伝っている。相変わらずいい雰囲気だ。………別に羨ましくなんてねぇぞ。

 

「…ぷはっ! ……すいません竜真先輩。こんなことに付き合わせてしまって…」

 

「いいさ。別に気にしてない。野郎の相手ならともかく、美少女が相手なら歓迎するぜ」

 

だからといって、野郎に頼まれたら断るわけじゃないぞ。

 

「でも、小猫には少し悪いと思ってる。気になる先輩に相手してもらえなくなっちまって」

 

「…………なんのことですか?」

 

泳ぎながらそう返してくる小猫。

 

「とぼけなくてもいいさ。――イッセーのこと、気になってるんだろ?」

 

「………」

 

小猫は返事をせず、顔半分を水中につける。しかし、その頬が薄く赤に染まっているのを俺は見逃さなかった。

 

……チッ。イッセーの野郎、次から次へとフラグを建てやがって。マジであいつに周りの異性全部持ってかれそうだ。

 

殺意を込めた視線をイッセーのいた方に向けたが、そこにはアーシアさんの姿しかなかった。あいつどこいった?

 

しかし、アーシアさんの視線を追うと、水中にイッセーの姿が。何やってんだ?疑問に思いつつも俺は水中に顔を沈めてイッセーの様子を見る。

 

イッセーはなぜか<赤龍帝の籠手>を出し、俺たちがいるところとは逆のプールサイドに向けていた。その視線を追うと、すぐに答えがわかった。

 

リアスさんが向こうの方で優雅に泳いでいる。そして、その豊かな胸が水中ならではの独特な動きで揺れている。

 

そういうことかよ……。力を目に譲渡して視力を上げてあの光景を楽しんでいるのだろう。

 

俺は水中から顔を上げる。小猫もイッセーが何をしているかわかったのか、怖い顔になっている。

 

「……すいません竜真先輩。ちょっと行ってきます」

 

殺る気満々の感じでイッセーに近づく小猫。だが、俺はその小猫の肩に手を置いて止める。

 

「いいよ。あいつの扱いは俺が一番慣れてる。――少し待っててくれ」

 

小猫に代わってイッセーの近くに行く。向こうは水中内でのリアスさんの胸の動きを新たな脳内ファイルに記録するのに夢中でこちらに気づいていない。

 

俺はイッセーの体の上に足を配置し、そのまま踏みつける。

 

突然のことに驚いて水しぶきを上げて水中で暴れるイッセー。逃がさないように足に更に力を込める。

 

それから二十秒ほど。あんなに暴れていたイッセーの動きはだいぶ弱々しくなった。そろそろ解放するか。

 

俺が足をどけると、イッセーは背中の上にあった違和感がなくなったのに気づいて慌てて浮上する。

 

「ぷはっ――!! はぁ! はぁ! テメェ、竜真! 何しやが――」

 

当然俺に怒りを向けてくるが、俺の微笑んだ顔を見た次の瞬間には恐怖に染まり、冷や汗をかき始めた。失敬な奴だ。人の笑顔を見て怖がるとは。

 

まあ、それはいいとして――

 

「イッセー? アーシアさんの泳ぎの練習を手伝いもしないで何してる?」

 

「いや………えっと、その……」

 

「――さっさと練習再開しろやぁ!!」

 

「はいーーー!!」

 

イッセーは急いでアーシアさんのところに戻って行く。俺も小猫のところに戻る。

 

「……本当に手慣れてますね」

 

「だろ?」

 

そんなわけで、俺たちは練習を再開した。

 

 

 

――――――――――

 

「いやぁ、こんなに泳いだのは久々だ」

 

「本当だぜ。俺もう疲れた……」

 

「パト○ッシュでも連れてくるか?」

 

「天に召されろって言ってんのか!?」

 

「冗談だ」

 

あれから結構時間が経ち、小猫とアーシアさんの練習も終わり、各々自由に過ごした(俺とイッセーは何回か水泳対決をした。言うまでもなく俺の全勝)

 

水中でのスポーツは意外と体力を使うため、イッセーはもう疲れたようだ。俺? 俺は全然。

 

その時、体に違和感が起きる。またか……。

 

俺は体に力を入れ、悟られないようにイッセーに声をかける。

 

「悪い、イッセー。ちょっとトイレ行ってくる」

 

「おお、わかった」

 

俺は立ち上がって男子トイレに向かい、そこにある個室のトイレに入る。入った瞬間に体に入れていた力を抜く。

 

――その瞬間、例の左腕と宝玉が出現する。

 

「ったく。毎回冷や冷やさせられるぜ」

 

普段ならともかく、服も何もない今出られたら絶対皆に見られる。実はこの現象は今回が初めてではない。

 

サーゼクスさんとグレイフィアさんが兵藤家を出て行った日から、この現象が起きるようになった。痛みこそないが起きるタイミングがランダムで、酷い時は二時間経ったらまた起きた。

 

救いなのは現象が起きる前に体に違和感を感じ、ある程度なら出現するのを遅らせることもできることだ。

 

しかも自分で解除できないから、消えるまで待つしかない。

 

これじゃあ、会談までにバレそうで怖いな。まだ心の準備はできてないから勘弁してほしい。

 

「………強大な力を持つ者と接しすぎたか?」

 

魔王であるサーゼクスさんと最強の<女王>と称されるグレイフィアさんはもちろん、堕天使の総督アザゼル、その組織の幹部コカビエル、堕天使との関わりがある白龍皇アルビオン。

 

……今思い返すと、この短期間でありえないくらい多くの強者と接してるな。こんな経験する奴はそうそういないだろう。

 

その他思い当たる原因を考えている内に腕と胸は元に戻っていた。

 

……まあ、会談の時まで我慢しよう。会談でサーゼクスさんたちに真実を教えてもらえば、全てはっきりする。

 

俺はプールに戻ろうとするが、その手前のドア越しになんか凄い音が聞こえてくる。ドガァン!やら、ボゴンッ!とかとても物騒な物音ばかり。

 

嫌な予感がしつつも、俺はドアを開ける。

 

「朱乃のおたんこなす!!」

 

「リアスのわからず屋!!」

 

その先にある光景は、あまりに酷かった。

 

なぜかリアスさんと朱乃さんが互いに罵倒しながら魔力を撃ち合っている。

 

――しかも上半身裸で。

 

そして二人が撃った魔力は周りの景色をどんどん破壊していく。そのせいでプールはボロボロだ。

 

マズイ。これがシトリーさんに見られたら、確実にブチギレる。

 

って、予測なんてどうでもいい! とにかく、二人を早く止めねぇと!

 

「お二人とも! 何があったかわかりませんが、これ以上はマズイです! 落ち着いて――」

 

「「うるさいっ!!」」

 

止めようとしたが、返事として返ってきたのは二人の全力魔力砲撃だった。俺は突然のことに対処できず、まともにくらって後ろに吹っ飛ぶ。

 

………………ああ、そうですか。

 

――なら、こっちも遠慮しない。

 

「た、竜真、ごめんなさい! つい、勢いでというか……!」

 

「あらあら、ついリアスとの口論が熱くなりすぎて周りが見えてませんでしたわ。これもリアスのせいよ」

 

「さりげなく私に全責任を押しつけないでよ朱乃! それより、あなたも早く竜真に謝って――」

 

 

 

 

 

「いえ、いいですよ。別に謝らなくて」

 

 

 

 

 

俺は壁の瓦礫から出て、二人に話しかける。

 

俺の声を聞いた瞬間、二人とも表情が固まり冷や汗をかき始めた。リアスさんに至っては少し震えている。

 

リアスさんは俺と過ごしてる時間が長い分、俺がキレるとどれくらい怖いか知ってるからな。

 

俺は二人の前まで近寄り、笑顔を向ける。

 

「――とりあえず、お二人とも上を着て正座」

 

「「………はい」」

 

二人は逆らったらタダでは済まないと感じたのか、素直に従って正座した。

 

「で、なんでこんなことになったんですか?」

 

「だって朱乃が……」

 

「それはリアスもでしょう」

 

「俺は事の発端を聞いてるんですが?」

 

「「すいません………」」

 

それから話を聞いたが、喧嘩の原因はイッセーの取り合いらしい。二大お姉様に愛されててあいつは幸せだな。その幸せを少しでも俺に分け与えてくれませんかねぇ……!

 

と、今はそんなことはいい。とりあえず、話を聞き終わってから一言言いたいことがあるんだ。

 

「そのイッセーはどこです?」

 

「「………あ…」」

 

 

 

――――――――――

 

「はぁ、なんか違う意味で疲れたな…」

 

あれからしばらくしてプール開きは終わった。俺は途中で忘れ物を思い出して引き返したので、周りには誰もいない。

 

ちなみに姿を消していたイッセーは簡単に見つかった。……だが、見つかった時に上半身裸のゼノヴィアと一緒にいて、しかも押し倒していたので(ゼノヴィアがイッセーをだが)すぐさまその空間は修羅場と化した。

 

原因は意外なことにゼノヴィアだった。神に仕えることを生きる糧としていたが、その神がいないとわかった今、ゼノヴィアには新たに生きる糧ーー目標が必要だったのだ。

 

ゼノヴィアは元々女らしくすることにあまり興味がなかったようだが、せっかく信者を止めたのだから今まではできなかった女らしいことをしてみようと考え、子どもを産むという考えに至ったようだ。

 

イッセーを押し倒していたのも『子どもを作ろう』と迫ってやったことらしい。

 

……当然そんなことを俺が許すわけなく、イッセーは女性陣に任せ、俺はゼノヴィアに貞操概念の大切さや、この年からの育児の大変さについて教えた(説教した)

 

また疲れる要因が増えたよ……。もう嫌、誰か代われ。

 

そんなことを思いつつ校舎から出て前を見る。その視線の先には校門があり、もう先に帰ったはずのオカ研メンバーがいた。どうしたんだ?

 

よく見ると、皆の前に見覚えのない男が一人いるのが見えた。

 

銀髪の青目、祐斗に負けず劣らずのイケメンだ。年齢は俺たちとあまり変わらないだろう。だが、そんなことはどうでもよかった。

 

――なぜなら、その男から感じる力が桁違いだからだ。

 

この間のコカビエルと同等かそれ以上の力だ。なんだってこんな奴が……!

 

ともかく、このままじゃ皆が危ない。俺は全速力でその場から駆け出した。

 

 

 

竜真side out

 

 

 

一誠side

 

「俺はヴァーリ。白龍皇――<白い龍(バニシング・ドラゴン)>だ」

 

プール開きも終了し、帰ろうと校門から出ようとした時、そいつがいた。初めは今度来る転入生かと思ったが、それは違った。

 

あろうことか、そいつは俺の――赤龍帝の宿命のライバルとも言える相手だったんだ。

 

最初はわからなかったが、確かにこの前コカビエルとの戦いで乱入した白い鎧の奴と同じ声だ。それに、敵意みたいなのは全くないのに、体に悪寒が走る。

 

そして、奴の中にいる白龍皇に呼応するかのように俺の左腕が熱くなった。まさかこんなところで宿命の対決を始めろってのか? 冗談じゃねぇ!

 

そう思っていると、竜真以外のオカ研メンバーが駆けつけてくれた。

 

皆、警戒心バリバリだ。何か妙な動きをこいつ――ヴァーリがすれば、すぐさま戦闘になるかもしれない。

 

「白龍皇。あまりに勝手がすぎるわ。大事な会談の前にこのようなことをしてもらっては――」

 

「今まで二天龍に関わった者は、皆まともな生き方をしてこなかった。――あなたはどうなるんだろうな?」

 

ヴァーリが部長に挑発的に言う。

 

しかし、次の瞬間には表情をやわらげる。

 

「心配しなくてもいい。今日は別に、赤龍帝と戦いに来たわけじゃないんだ。会談の会場であるここの見学をしに来ただけさ。それに、俺もやることが多いんでね」

 

だが、そのあとにヴァーリは『ただ……』と続ける。

 

「――いい具合の敵意を向けられると、俺も我慢できる自信はないな」

 

何を言っているのかと思ったが、突然ヴァーリの首の横に炎の刃が現れる。

 

よく見ると、いつの間にかヴァーリの後ろに竜真が立っていた。いつ近づいたんだ!?

 

「……とりあえず聞くぞ。お前は敵か?」

 

自分に聞かれたわけでもないのに、その声からは凄いプレッシャーを感じた。

 

そうか。竜真は暴走していた時の記憶がないから、こいつとは初めて会ったことになってるのか。

 

ヴァーリは笑みを浮かべながら竜真の方に顔を向ける。

 

「一応、敵という認識でいいんじゃないかな? 俺は白龍皇だからね」

 

「へぇ……。あんたが以前現れた白龍皇か。あんたには面識があるんだろうが俺はその時のこと微塵も覚えてないから自己紹介させてもらおう」

 

「知っているさ。――鬼城竜真。この学園に通う二年生。オカルト研究部に所属し、リアス・グレモリーの<兵士>」

 

ど、どこまで調べてんだ? 軽いストーカーのような感じがして気味が悪いぞ。

 

しかし、次の発言に俺は首をかしげる。

 

「――そして、世界を喰らう者」

 

せ、世界を喰らう者? どういうことだ? 皆もなんのことわからず怪訝そうにしていたが、竜真は顔をしかめている。

 

「……お前、どこまで調べてるんだ?」

 

「っと、すまない。本人も知らないことを俺が言うのは失礼だったね」

 

「よく言うな。そんなことわかっていて言ったくせによ」

 

口調は静かだが、言葉には濃い怒りが込められているのがわかった。

 

「まあ、そんなことはいい。ただ、こんなところで赤白合戦を始められたらシャレにならないからな。――お引き取り願おうか」

 

一旦怒りを収めたようだが、今度は強い殺気をヴァーリに向けて放つ。

 

ヴァーリはそれを受けて恐怖するどころか、喜んで笑みを深めていた。オイオイ、マジでここで戦い始める気かよ!?

 

皆で止めようと飛びかかろうとしたその時だった。

 

 

 

 

 

「そこまでだ、お前ら」

 

 

 

 

 

二人の隣に見覚えのない男性が突然現れた。その場にいた全員が、第三者の乱入に驚く。

 

な、なんだ! 一体どこから現れたんだ!?

 

その男性は濃い青の髪に、竜真よりも背が高い。しかも顔はワイルドなタイプのイケメンだ。

 

竜真とヴァーリが男性に視線を向けるが、竜真は顔を見た瞬間に石のように固まる。ど、どうしたんだ?

 

一方のヴァーリは、さっきまでの余裕は消えた警戒心全開の表情で男性を見ていた。

 

「……あなたは何者だ? 俺にここまで接近しても気づかせないなんて、相当な実力者のはずだが、俺はあなたの顔に見覚えがない」

 

「そりゃあ、俺とお前は初対面だからな。それはともかく、会談の直前にこんな行為は困るな、白龍皇。此処で何かしでかす気なら――それ相応の覚悟をしてもらうぜ」

 

男性がそう言った瞬間、言い様のないプレッシャーが俺たちにかかる。嘘だろ…。殺気を放ってるわけでもないのに、なんだこの重圧は!?

 

ヴァーリも男性のそのプレッシャーに冷や汗をかいていた。

 

「……あなたと戦えば、俺もただでは済まなそうだ。――わかった。今回はおとなしく引き下がろう。それに元々、ここで戦う気は無かったしね」

 

ヴァーリはそう言って立ち去って行く。………なんか、よくわからない奴だったな。

 

と、そんなことはいい。まだ問題は残ってる。

 

「助けてくれたのには礼を言うわ。ありがとう。――だけど、あなたは何者なの? 会談のことまで知ってるなんて、あなたも関係者なの?」

 

部長が警戒しながら男性に尋ねる。俺たちも警戒は解かない。

 

だが、とうの男性は少し意外そうな顔をした。

 

「あ? 何者って、サーゼクスか竜真から聞いてないのか?」

 

サ、サーゼクス!? この人今サーゼクス様のことを呼び捨てしやがった!

 

というか、竜真の名前まで出たのはなんでだ? やっぱり知り合いなのか?

 

「竜真、この男性のことを知って――」

 

「知りません」

 

部長に質問されると、今までフリーズしていた竜真はすぐさま再起動してそう返事した。………知らないわりには視線を逸らして冷や汗を流してるんだが。

 

「オイオイ、何言ってんだ竜真。嘘をつくような奴に育てた覚えはないぞ?」

 

「育てられた覚えもないわ! というか、あんたに育てられたら確実に嘘つきに育つだろうが!!」

 

男性の言葉にすばやく鋭いツッコミを入れる竜真。……やっぱ知ってんじゃねぇか。

 

竜真はミスに気づいて悔しそうに顔を歪め、忌々しそうに男性を睨む。

 

「く…! 誘導尋問とは、相変わらず卑怯な……!」

 

「今のはお前の自爆だろ」

 

そればかりは俺も同意だ。

 

竜真はしばらく睨むと、諦めたようにため息をつく。

 

「はぁ……。で、何か用でもあるんですか? 俺たち全員、そんなに暇じゃないんですよ? ――あ、すいません。やっぱり言わないで。なんか嫌な予感しかしないから」

 

……普段の竜真からは考えられない落ち着きのなさだ。ここまで一人の人間に動揺してる竜真を見るのは初めてだ。

 

それを聞いた男性は、ため息をつく。

 

「やっぱりサーゼクスの奴、ちゃんと言ってなかったな? まあ、いいか。用も何も、サーゼクスから会談が始まるまでのボディーガードがつくって言ってただろ?」

 

その言葉を聞いている竜真の顔から汗が大量に流れ落ちていく。心なしか震えているようにも見える。

 

竜真はそのままゆっくりと指を男性に向ける。

 

「ま、まさか………本当に……海斗さんが?」

 

「――そうだ」

 

「急用を思い出したんで失礼します!!」

 

男性がそう答えた瞬間、竜真は全速力でこの場から走り去って行った。

 

 

 

一誠side out

 

 

 

竜真side

 

ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい。

 

俺はあのあとイッセーの家に帰ったが、かつてないピンチに焦っていた。

 

予想外すぎる。なんでサーゼクスさんはよりによって海斗さんにボディーガードを頼んだんだ? どんな人か知らねぇのか!?

 

「お茶です。どうぞ」

 

「ん、ご苦労」

 

ちなみに、悩みの種である張本人は目の前にいたりする。朱乃さんが淹れたお茶を飲んでいる。海斗さんの上から目線の返事を聞いて朱乃さんは苦笑いをしている。

 

というか、なんで兵藤家に入れたんだ!? そのまま追い返してくれればよかったのに!

 

「つーか、なんで俺の部屋!?」

 

「あなたの部屋が一番荷物が少なくて、大人数入れたからよ」

 

リアスさんが簡潔でわかりやすく言ってくれる。いや、それはわかってるけどこの人を俺の部屋に入れたくなかった!

 

「どうした竜真? 数年ぶりだからって、興奮しすぎだろ。そんなに俺に会いたかったのか?」

 

「いえ、全然。むしろできることなら会いたくなかったです、はい」

 

これには間髪入れずに返事をする。そんな誤解は認めない。

 

「やれやれ。素直じゃねぇところは変わらないな」

 

「そのやれやれポーズを止めてくれませんかね……!!」

 

果てしなくムカつく……!

 

そんな会話をしてると、俺の隣に座っているリアスさんが咳払いをする。まあ座っていると言っても、イスなんてないから皆床に座っているんだが…。

 

「えっと、悪いのだけれど、あなたの自己紹介をしてくれるかしら? 結局、お兄様が送ってきたボディーガードってこと以外教えてもらってないのだから」

 

「ああ、そういえばそうだったな。じゃあ、まずは名前からか」

 

海斗さんが若干面倒くさそうにしながらも、自分の名前を

 

「俺の名前は昆布豆豆太郎だ。よろしく頼む」

 

――紹介しなかった。

 

「な、なんだよその名前!? 絶対嘘だろう!」

 

「なんだ? お前は全世界の昆布豆さんと豆太郎さんを侮辱する気か?」

 

イッセーが反論するが、海斗さんの次の言葉を聞いて唸るイッセー。……リアスさんと朱乃さんの視線がこっちに向いているのは気のせいだと思いたい。特にリアスさんの視線からは「なんとかしなさい」という思いが伝わってきている。ああ、わかったよ。わかりましたよ!

 

「はいはい、話が進まないから名前は俺が言います。――この人は朝霧海斗。俺が最後に会ったのは………確か十二年前でしたっけ?」

 

「だいたいそれくらいだ。たぶんな」

 

「あんたも覚えてないってことですね、わかりました。………ところで、十二年前と外見が変わってないのはどういうことですか?」

 

この人は最後に会った時、少なくとも二十前後だった。それから微塵も容姿が変わらないなんてことがあるのだろうか?

 

それに――

 

「海斗さん。いい加減気配を出してくれません? 悪魔とか堕天使とかそういうのはともかく、人間の気配すら感じれないんで」

 

「……それくらいはわかるようになったんだな。わかった」

 

海斗さんがそう言うと、気配が明確に察知できるようになった。って、この気配は…!?

 

「……海斗さん。いつから悪魔だったんですか?」

 

「「「「「「!?」」」」」」

 

俺の言葉にオカ研メンバーが驚く。それに対して海斗さんは不敵な笑みを浮かべる。

 

「お前と会った時にはもう悪魔だった。だが、俺はお前と同じで、元は人間の転生悪魔だ」

 

「……なるほど。それなら外見が変わってないのにも納得がいきますね」

 

ん? ということはこの人、人間より身体能力高いにも関わらず、まだ五歳の俺を容赦なくボコッたのか?

 

「言っとくが、お前と会った時は人間の頃と同じ身体能力になるようにリミッターをかけておいたぞ」

 

「あっ、そうだったんで――ちょっと待って。つまり、どちらにしろあれが元の海斗さんの力ってことですか?」

 

「そうだが?」

 

「結局強すぎんでしょうが!!」

 

思わず頭を抱える。だって人間の頃の力で充分人外レベルだったのに、悪魔になってそれが更に上がったなんてシャレにならない!

 

せっかく悪魔になって少しは追いついたと思ったのに……!

 

「なあ、竜真。この人――朝霧さんはそんなに強いのか? 正直そんな風に見えないんだけどなぁ……」

 

「何言ってんだイッセー。この人は人間の時から強すぎるんだよ。六階から平気で飛び下りて無傷で着地したり、結構なスピード出てる大型トラックにぶつかられても骨を折らなかったり、人間離れした身体能力を持っていたんだぞ。それのどこが強くないって言うんだ?」

 

「……マジで?」

 

「マジだ」

 

それを聞いた皆は信じられないという顔をしている。まあ、今証明できる方法はないから、今度この人の戦いを見せればわかるだろう。

 

「あと、特技も結構凄いぞ。一つは除いて」

 

「オイオイ。俺の至高の特技が凄くねぇだと? 言ってくれるじゃねぇか」

 

「あれは凄いとか凄くないとか以前に、一般社会的にアウトだと思うんですけど」

 

「あらあら。どんな特技か気になりますわね」

 

『そんなことより、早くその無駄にデカイ胸を使ってこの男を誘惑して、こちら側に引き込みなさい朱乃』

 

突然聞こえてきたリアスさんが言うとは思えない発言に、皆が驚いてリアスさんを見る。はぁ、さっそくか……。

 

「……リアス。あなたも人のこと言えるような胸ではないでしょう?」

 

「ち、違うわ! 私は何も言ってないわよ!」

 

「……確かに、部長があんなことを言うとは思えません」

 

『何言ってんだ小猫ちゃん! 部長だって時にはあんなこと言うさ! それと、いくら二人のエベレストが羨ましいからって、小猫ちゃんの平地は一生変わらないぜ!』

 

今度はイッセーの声。もちろんその言葉を聞いた小猫はイッセーに向けてとてつもないプレッシャーを放っていた。

 

「……イッセー先輩、歯を食い縛ってください」

 

「ま、待って小猫ちゃん!! 俺何も言ってねぇから!」

 

『おめぇら全員うるせぇんだよ。処女に童貞が。見苦しいったらありゃしねぇぜ』

 

今度は俺の声が聞こえる。もちろん、俺は何も言ってない。

だが、今ので全員から殺気を向けられる。

 

「はいはい、全員ストップ。今のは俺じゃない。――海斗さん。そろそろネタばらししてくれますか?」

 

「もうか? せっかく盛り上がってきたんだけどな」

 

「上がってんのは殺気のレベルだけだから早くして」

 

『わかったよ。しゃあねぇな』

 

海斗さんの口が動いたのと同時に、俺の声が聞こえる。それを見た皆が驚いた顔をしている。

 

「い、今、朝霧さんから竜真の声が……」

 

「そうだよ。この人の特技の一つである声帯模写。それも超レベルが高い」

 

「さっきまでのも、全部?」

 

「ああ」

 

本当、なんで会って一時間も経ってない人の声を完璧に真似できるんだかな。

 

「す、すげぇ! じゃ、じゃあ、リクエストを――」

 

「この女子メンバーの喘ぎ声とか言ったらその首をへし折る」

 

「なんでもないです!」

 

わかりやすすぎるんだよ、イッセー。

 

「器用なものだな。それで、もう一つは?」

 

「これだ」

 

ゼノヴィアが聞くと、海斗さんはポケットから針金を取り出す。一見タダの針金だが、海斗さんにとっては唯一無二の相棒とも呼べる物だ。

 

「えっと、針金ですよね? それをどうするんですか?」

 

「こうするんだ。竜真、適当にそこら辺開けさせてもらうぞ」

 

そう言って海斗さんはタンスの中にある鍵つきの引き出しに手をかける。あそこには何も入ってなかったし、まあいいか。

 

「あ、そこは…!?」

 

「ん? どうしたイッセー?」

 

「い、いや! なんでもない!」

 

? なんでもないようには見えないが、本人がそう言うなら気にしないでおこう。

 

海斗さんは鍵穴に針金を入れて少し動かす。すると、カチャッ、と鍵の開く音が鳴る。

 

「ほれ、開いた」

 

「………もしかして、二つ目の特技って…」

 

「そうですよ。ピッキングです。一般社会的にはアウトでしょ? まあ、これもレベル高いから、どんな鍵でも数秒で開けれるのは凄いとは思いますけどね」

 

俺がそう言っていると、海斗さんが引き出しから何かを取り出す。ん? おかしいな。何も入れてないはずだが……。

 

海斗さんはそれを見るなり、腹の立つ笑みを浮かべる。

 

「お前も男だもんな」

 

そう言いながら手に取った物を見せてくる。それは、俗に言うエロDVDだった。

 

――って、はあ!?

 

「これ、結構過激なやつね」

 

「あらあら、やっぱり竜真くんも男の子ですわね」

 

「はうぅ! イッセーさんだけでなく竜真さんもそういうのが好きなんですね!」

 

「……竜真先輩のスケベ」

 

「うん。なんというか、ちょっと意外だね」

 

「いやいや、ちょっと待て!! 俺そんなの隠した覚えはないぞ!?」

 

これは嘘とかじゃなくて本当だ。あそこには何も入れてなかったはずなのに、なんでそんなものが!?

 

そんな風に慌てていると、視界の隅にあるものが映った。

 

「………」

 

――汗を大量に流し、目を逸らしているイッセーが。………まさか?

 

「おい、イッセー」

 

「(ビクッ!)な、なんでしょうか竜真様?」

 

既に怯えて敬語モードになっているところを見ると、間違いないようだ。

 

俺はイッセーの肩に手を置いて質問する。

 

「まさか、あれはお前のか?」

 

「そそそそそそのようなことがあろうはずがございません」

 

「そうか、じゃあこれは俺のじゃないし処分して――」

 

「すいません俺のです!!」

 

海斗さんからDVDを渡してもらってからそう言うと、イッセーはすぐさま土下座した。だが俺は返さずに質問を続ける。

 

「そうか、やっぱりお前のか。――で? 俺の部屋に無断で隠していた理由は?」

 

「その、俺の秘蔵コレクションが部長とアーシアにいつの間にか見つけられてることが多くて、どこかいい隠し場所はないかと考えた結果、竜真の部屋なら見つからないだろうと思いまして……」

 

「なるほど。確かに、俺は無断で部屋に入るのは許してないから、お二人のチェックがとどかないもんな。――だからって、俺の部屋にこんなのを無断に隠すことが許されるとでも?」

 

「申し訳ありませんでした!」

 

少し上げていた顔を再び床にこすりつけて謝るイッセー。

 

「……ったく。次からは止めろよ」

 

その言葉を聞いて、イッセーはとても嬉しそうに顔を上げて、

 

 

 

 

 

バギャンッ!!

 

 

 

 

 

――次の瞬間には絶望に染まった。俺はイッセーが顔を上げたのと同時に、DVDをケースごと粉々に叩き割ってやった。

 

「ああああぁぁぁぁぁぁ!! 俺の大切なお宝がああぁぁぁぁぁ!!」

 

イッセーは泣きながらDVD(だった物)を拾う。そのあと、怒って俺を見上げてくる。

 

「許してくれたんなら返してくれよ!」

 

「返すと言った覚えはない」

 

「た・つ・まぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「うるさい、近所迷惑だ」

 

「ごぺっ!?」

 

すばやくイッセーの背後に回り込んで首を捻る。コキッ、という音がしたと同時に、イッセーは力なくその場に倒れる。

 

「イ、イッセーさん!?」

 

「あ~、ちょっとやりすぎたか? アーシアさん。すいませんが、治療頼みます」

 

アーシアさんがイッセーに駆け寄って治療を始める。その光景を見て、海斗さんは少し感心したように呟く。

 

「<聖母の微笑み>か。<赤龍帝の籠手>といい、サーゼクスに負けず劣らず、中々有能な眷属を揃えてるみたいだな」

 

「当然。全員私の自慢の下僕よ」

 

リアスさんは誇らしげに答える。あ、眷属とか下僕で思い出した。

 

「海斗さん。転生悪魔ってことは、<悪魔の駒>で転生したんですよね? それじゃあ誰の眷属になったんですか? やっぱりサーゼクスさん?」

 

俺が質問するが、海斗さんは首を横に振る。違うのか?

 

「正しいのは四分の一だけだ。確かにサーゼクス()()仕えているけどな」

 

他にも? 普通<王>は一人のはずなのにか?

 

海斗さんは不意に立ち上がり、背中から翼を出す。だが、その翼は俺たち普通の悪魔とは少し違う物だった。

 

――翼が、八枚もある。

 

「一説によると、悪魔の翼は階級だけじゃなく、仕えるべき<王>の数によっても変わるらしい。だから俺の翼は四対もあるんだ」

 

つまり、海斗さんが仕えているのは四人か。サーゼクスさんはともかく、他の三人は誰が………。

 

そこまで考えて、あることに気づく。四……? この数字に凄く覚えがある。………まさか?

 

俺の考えが読めたのか、海斗さんは笑みを深くしてこう言った。

 

「俺の主は<ルシファー><ベルゼブブ><アスモデウス><レヴィアタン>。この名を持つ現四大魔王全員だ」

 

俺の想像以上に、海斗さんは凄く遠い存在なのかもしれない。




新キャラの設定です。(前にも書きましたが、これはオリキャラではなく他の作品のキャラです。多少のステータス変更はありますが、キャラ崩壊とかはさせないように気をつけます)

朝霧 海斗 (あさぎり かいと)

身長:188cm

体重:98kg

特技:ピッキング、声帯模写

趣味:読書

性格:フリーダム

解説:顔はかなりのイケメンだが、基本的にやる気がないせいである程度つき合いのある人からは、対応に面倒くさがれることが多い(主に竜真に)
酷いくらいフリーダムで、周りの人を自分の流れに巻き込み<海斗・ザ・ワールド>(命名:初代凡人)を広げる。身体能力が異常に高く、人間の頃からずば抜けていたが、悪魔になったことでカンストした可能性が高い(本気を見せてないので詳しくは不明)
十二年前に竜真と出会い、生きていく上での目標となり、意外と竜真の心の重要な支えを作った存在でもある。
悪魔に転生する際に使われた<悪魔の駒>は特別な駒で、<護衛の駒(ガーディアン・ピース)>。この駒で転生した者は現四大魔王に仕える義務がある。しかし、本人が自由すぎる上、魔王たちも特に注意することもないのでだいぶ怪しいところではある。

こんな感じです。画像などもう少し詳しいステータスなどは名前を検索すれば出てくるはずですので、調べたい方はどうぞ。……ただし、この人はエロゲーの主人公ですので、調べる時はご注意ください。

ちなみに、海斗さんは神器持ちです。名前と能力は出てきた時に書きます。

話は変わりますが、今回の話を見て少し疑問に思った方がいるのではないでしょうか? 『小猫が原作と同じで、竜真じゃなくてイッセーに好意を寄せてねぇか?』と。

………以前、この小説でヒロインアンケートをお取りした時に、小猫がヒロインになることが決定しましたよね? 

………すいません!! どうしてもヒロインにする方法が思いつかず、原作通りイッセーのハーレム要員の一人になってもらうことにしました。楽しみにしていた方々本当にすいません! その代わり、大体のストーリー構成とヒロインが決まりましたので、そちらに全力を出します! 改めて、すいませんでした!!

あと、もう一つの小説を待っている方々がこれを読んでいる中にいましたらもうしばらくお待ちください! あと、もうちょっとでできそうですので!

長くなりましたが、この辺で。さようなら。
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