ハイスクールD×D 荒ぶる神を宿す者   作:初代凡人

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最近アニメの消化が追いついてません…。まともに消費できてるのがFateだけってどういうこと……。相変わらずワカメはムカつきますね。あいつのせいでライダーさんが……!!

それはそれとして、本編をどうぞ!


第二十四話 家族と思い出の大切さ

竜真side

 

「はぁ……」

 

「おい、どうしたんだよ竜真? ため息なんて出して」

 

「お前この前まで授業参観についてなんとも思ってなかっただろう? それが今日になってどうしたんだ?」

 

朝のHR前。机に突っ伏してため息をついていると、松田と元浜が声をかけてきた。

 

二人の言うように、俺は先日まで授業参観については全然不満はなかった。

 

この学園の授業参観は、正直公開授業と変わらない。しかも、中等科の生徒とその保護者も見ていいことになっているので、自分の親はもちろん、後輩に見られている状況で問題を間違ったりして、恥ずかしい姿を見せたくないと思っているの奴らがほとんどだ。

 

俺は別に勉強が苦手というわけではないし、授業レベルなら問題なくこなせるので、それは正直どうでもいい。

 

――問題なのは、俺を見に来る保護者的立場の人物だ。

 

おじさんとおばさんは全然構わない。俺を本当に息子のようにかわいがってくれているし、どっちかといえば見に来てほしい。だが、少し前にこの保護者リストに余計な名前が追加されてしまった。

 

先日帰り際に、海斗さんがこう言ってきた。

 

『もうすぐ学園で、授業参観あるんだろう? せっかくだから保護者として見に行くぜ』

 

その言葉を聞いた時は『この日だけはズル休みしてしまおうか?』と思ってしまうほどだった。

 

だって海斗さんだぞ? 黙って何もしていなければ、かなりかっこいいイケメンだが、その正体は周りの空気を読まず、常に自分ルールで過ごしてハチャメチャなことばかりする人格崩壊者。

 

あの人との関わりが一般生徒に知られるのだけは本気で避けたい。俺のイメージにまた変な項目が追加されてしまいかねないからな。

 

特に、今目の前にいる松田と元浜は全力でからかいにくる可能性が高い。よって、こいつらにも海斗さんのことを知られるわけにはいかない。

 

「別に……。今日は少し体調が悪いだけだ。授業参観とは直接関係はねぇよ」

 

だからこそ、二人には悪いが、ここは嘘をつかせてもらおう。

 

「そうか? 気をつけろよ? この機会に、お前を励まして好印象をつけようと女子が様子を伺ってるぞ?」

 

マジで?

 

そういえば、さっきから教室の扉に他クラスの女子が群がってるし、やたら視線がこっちに向いてるし。

 

……向こうには悪いが、対処するのが面倒だからイッセーたちと話してなんともないように振る舞うか。

 

俺は席から立ち上がって、松田と元浜と共にイッセーたちのところに行く。……ゼノヴィアがなぜかコン○ームを大量に取り出していたので、全てボッシュートしたあと、別の場所で説教することになったのは余談だ。

 

 

 

――――――――――

 

さて、別に待ってはいないが、とうとう授業参観が始まった。教室の後ろのスペースは、保護者や中等科の生徒たちによってうまっていた。

 

その中で――

 

 

 

 

 

「……………」←真っ黒な上に口元にいかにも鋭そうな牙があるネズミのキグルミ

 

 

 

 

 

やたら存在感のある着ぐるみがいた。

 

「ねえ。あれ誰? 凄く気になるけど…」

 

「さあ……? でも、なんで着ぐるみなんて着てるんだろう?」

 

前にいる女子たちの会話が耳に入ってくる。その女子たちだけではなく、この場にいる全員が、授業開始ギリギリに入ってきたその存在に威圧感すら覚えていた。

 

まあ、海斗さんだろうけど。

 

なんでわかるかって? だってあの着ぐるみ、存在感はやたらあるにも関わらず、気配が全然ないからな。こんな矛盾したことを普通にやってのけれるのは海斗さんぐらいだ。

 

あと、俺を見る頻度が高いからな。どうせ、あとで俺をからかえるようなネタでも探してるんだろ。

 

そんな状況下でも、授業を始める先生は大したもんだと思う。――しかし、英語の授業のはずなのに、なんで紙粘土を配ってるんだ?

 

全員に配り終わると、先生はこう言った。

 

「え~、いいですか。今皆さんに配った紙粘土で、頭に浮かんだものを作ってください。人でも、動物でも、家でも、なんでも構いません。皆さんの想像力をフルに使って一つの作品を完成させてください。そういう英会話もあります」

 

その言葉を聞いた瞬間、俺は机に頭を叩きつけたくなった。

 

そんな英会話ねぇよ! 何言ってるんだこの教師!? この学園にまともな教師はいねぇのか!?

 

「レッツトライ!」

 

レッツトライじゃねぇんだよアホがああぁぁぁぁ!!

 

そんな俺の心中とは裏腹に、周りの皆は早速作業を始めていた。え、何? 俺がおかしいのか?

 

だがよく見れば、イッセーも俺と同じように驚いた顔をしていた。だよな、俺たちは正常だよな。

 

とか考えていると、後ろから嫌な視線が送られてくる。振り返って見ると、その元はあの着ぐるみだった。

 

『ほらほら、さっさと作れよ』という挑発がはっきり伝わってくる視線だ。………わかりました。やってやんよ!!

 

自棄になりつつも紙粘土に手をつける。………しかし、いざ手をつけても何を作ればいいのか?

 

適当に何か思い浮かべようとしたが、こういう時に限って何も思い浮かばない。何かヒントを探そうと周りの皆を見ると、鼻血を出しながらにやけて紙粘土をいじるイッセーが映った。

 

イッセーは凄いスピードで何かを形作っていく。……ああ、鼻血を出してるし、リアスさんの裸を思い浮かべて――作ろうとしてんのか、あのバカ!?

 

しかし、イッセーにしては作業が早すぎるな。無意識でやってんのか? 今から止めるのは無理そうだな。

 

……しょうがない。あいつの案を借りるのは癪だが、俺もリアスさんの像を作るか。もちろん、健全な内容で。

 

俺は目を閉じて集中する。ん~、アウトな内容のものを除くとしたら……。一瞬制服が頭をよぎったが、うちの制服は結構際どいのでパスした。それ以外となると、ジャージか?

 

それ以外のリアスさんの服装はあまり知らないし、ジャージなら制服に次いで二番目に見る回数が多いから作りやすいだろう。

 

早速俺は紙粘土を変形させていく。イッセーにも負けないくらいのスピードで作り上げていく。

 

あと少しで完成というところで、周りが騒がしくなっていることに気づく。

 

目を開くと、その中心にいたのはイッセーだった。どうやらリアスさんの像は完成したようだ。………やっぱり全裸か。あとで説教(セットで拳骨もついてくる)をしてやる。

 

周りに群がっている奴らは、イッセーからリアスさんの像を売ってもらおうとオークションが始まっている。何やってんだお前ら……。

 

俺はさっさと像を作る。ん~、もうちょっと体のラインを――なんか胸とか尻の形を気にしてたら凄くいけない気が……。

 

邪念を振り払って再び作業を始め、あっという間に完成させる。そして、それを持って人ごみの中に入って行く。

 

「お前ら。今は授業中だ。オークションはあとにしろ。それに、イッセーは売るつもりはないだろうから――これで代用しろ」

 

俺は机の上にリアスさん像(ジャージ)を置く。それを見た全員が、感嘆の声を上げた。

 

「おお! 露出はほとんどないが、その分笑顔が眩しい!」

 

「ジャージのシワもとてもリアルよ!」

 

そんな感想の中、誰かが言った「四千!」という言葉から、またしてもオークションが始まってしまった。

 

俺は手を叩いて大きな音を出して静める。

 

「はいはい、オークションは止めろって言っただろ! あとでちゃんと誰かにやるから、全員座れ!」

 

「でも――」

 

「ス ワ レ」

 

「「「「「「「「イエッサー!!」」」」」」」」

 

軽く脅すように低い声を出すと、全員おとなしく座った。ったく、最初から素直に従ってろよ。

 

「(サ、サンキュー、竜真。おかげで部長の像が守られた)」

 

小声でイッセーが礼を言ってくる。俺はそれに対してこう答える。

 

「(いいさ。流石にそれはリアスさんの尊厳に関わるからな。止めるのは当然だ。――ところで、その像についてあとで校舎裏で話すから、覚悟しておけよ?)」

 

イッセーは一気に顔を青くしてガクガク震え始める。今更後悔しても遅いぜ。

 

俺はその様子を見ながら席に戻った。あとが楽しみだな。ハッハハハハハ。

 

 

 

――――――――――

 

「――クソッタレがあああぁぁぁぁぁ!!」

 

あの授業が終わり、今は昼休み。俺は周りの視線を気にせず、大声を出しながら廊下を爆走していた。

 

昼休みに入ると同時に、俺はイッセーを校舎裏でとっちめるために連行しようとしたのだが、そのタイミングで校内放送が入り、職員室に呼ばれた。こんな大がかりなことをして呼ぶ教師は一人しかいない……!

 

全力疾走していたので、すぐに職員室前が見えてくる。そして、そこには見覚えのある教師が立っている。その姿を見た瞬間、怒りによって顔を自然にしかめてしまう。

 

向こうもこちらを確認するが、俺とは真逆に笑みを浮かべる。

 

「来てくれわね。流石鬼城くん、早い早い。――でも、なんでそんな怒った顔をしてるのかしら?」

 

「自分の胸に聞いてみればわかるんじゃないですかねぇ、柊先生……!」

 

俺のクラスの担任である女性教師――柊 朱美(ひいらぎ あけみ)はその言葉にもきょとんとした表情しか見せなかった。

 

 

 

――――――――――

 

「で、またプリントの整理ですか……」

 

「そうなの! 帰りに皆に配らなきゃいけないんだけど、種類が多すぎるのにバラバラに混ざっちゃって、私一人じゃ絶対整理し終わらないから、こういうのが得意な鬼城くんを呼ばさせてもらったてこと」

 

柊先生の言う通り、目の前にある机の上には凄い枚数のプリントがゴチャゴチャに重なっている。確かにこれを一人でやるのは辛いだろうが……。

 

「なんで俺なんですか? 他の先生に頼めば手伝ってくれると思いますけど?」

 

「そうできるなら私もそうしてるわ。でも、この職員室の教師は私以外全員今は忙しいし、手伝ってもらうのも申し訳ないわ」

 

まあ確かに、先生がいつもより人数が少ないし、机に向かっている先生方は各々の仕事ですでに大変そうだ。他人を気遣う余裕はないだろう。

 

「ほら、わかったら手伝って。私も頑張って、早めに解放してあげるから」

 

「ああ、一応束縛してることに自覚は持ってくれてたんですね」

 

この人はなぜかことあるごとに俺を呼んでは、今回のように何か手伝いをさせる。

 

「そう思ってるんなら、気分で呼ばないでほしいんですがね…」

 

「そこはほら! 鬼城くんだから!」

 

「微塵も理由になってません」

 

気分とか、俺だからという理由で一々呼ばれるこっちの身にもなってほしい。

 

「そういえば、さっき英語の授業でやたらと鬼城くんに視線を送っている着ぐるみの人がいたけど――」

 

「人違いです」

 

「……私、まだ何も言ってないんだけど?」

 

マズい。自然に拒否反応を起こしてフライングしてしまった。

 

「続きを言うけど、あれが鬼城くんの保護者?」

 

「違います。あんなハチャメチャな人とはなんの関わりもありません」

 

「その言い方だと、確実に関わりを持っているわよね……?」

 

さーて、とっとと整理しねぇと。

 

「ああ! 無視するなんて酷ーい! ……泣いちゃうわよ、グスン」

 

「はいはい。泣き真似をしてる暇があるならプリントを整理してください」

 

「もう、相変わらず冷たいわね」

 

そうぼやきながらも、プリントの整理を始める柊先生。一回ならともかく、何回もその反応を見たら冷たくもなるでしょう。

 

「ところで、オカルト研究部の活動は最近どう?」

 

しばらくして、柊先生は唐突にそんな話題を切り出してきた。

 

「別にうまくいってますよ。他のメンバーとも仲良くやってますし、イッセーもアーシアさんもすっかり馴染みました。ゼノヴィアはまだ完全に馴染んではいませんが、すぐに馴れるでしょう」

 

「あら。他の三人のことも言ってくれるなんて、気が利くわね。実はそのことも聞こうと思ってたからありがたいわ」

 

「あなたが聞きたがってたのは自分の教え子たち全員の様子でしょう? それを察して言っただけですよ」

 

一応、この人も担任として俺たちを気にかけてくれているってことだろう。少し見直した。

 

「流石ね。こんなに気が利くんだから、きっと鬼城くんは女子メンバーからモテモテね!」

 

「………そうだといいですね」

 

「あ、あら? どうして遠い目をしてるの?」

 

柊先生は、俺の様子が変わったことに驚いている。遠い目もしたくなるさ…。

 

「オカ研でモテモテの男子は俺じゃないですよ」

 

「そうなの? じゃあ、やっぱりイケメン王子の木場くん?」

 

「………」

 

俺は無言で首を横に振る。オカ研の男子は全員で三人。その内二人が違うのだから、残るは一人。

 

自然とその結論に至ったようで、柊先生は信じられないというような顔をする。

 

「え、じゃあ、もしかして……………兵藤くん?」

 

「そうですよ」

 

「……信じられないわ。あなたと木場くんじゃなくて、エロエロで有名な兵藤くんがモテるなんて…」

 

俺だって信じられねぇ。というか信じたくない! なんであいつばっかり……!

 

充分女子からモテているって? 違う。モテるのと彼女がいるのは決定的に違う。俺だって誰かと付き合いたいてぇんだよ!

 

「ん~。でも、よく考えると兵藤くんがモテるのも納得いくわね」

 

「え?」

 

柊先生はしばらく考えたかと思うと、意外な答えを出した。

 

「あの子は確かに性欲を表に出しすぎだから、エッチなだけと思われてもしょうがないわね。実際、私のスカートの中を時々覗こうとしていたし」

 

…ほぉ、そうなのか。あとであいつを説教する時にいつもよりキツくしてやろう。

 

「でも、本当は優しい子だってことは知ってるわよ。私が困っているところを見かけた時、手伝ってくれたもの。何かエッチな目的があったわけでもないようだったし、時間も労力も消費することだったのよ? それをなんの見返りも求めずにできる子が、優しくないはずがないわ」

 

……へぇ、結構人(イッセーは悪魔だが)を見る目があるんだなこの人。イッセーが根はいい奴だってことを理解した人は初めてかもしれない。

 

「あら? 嬉しそうね、鬼城くん」

 

「ん? 何がですか?」

 

「口角が少しつり上がってたわよ。やっぱり、親友である兵藤くんのことをわかってくれる人が増えたから?」

 

「……心を読んだんですか?」

 

「読めないけど、あなたを見てれば予想するのは簡単よ」

 

口角がつり上がっていたのはともかく、それだけでそこまで予想されるとは…。ポーカーフェイスを海斗さんから教え直してもらおうか?

 

そんな風にたわいない会話をしながら作業をしている内に、俺の担当した分は終わった。

 

「柊先生。整理終わりましたよ」

 

「おお、早い。流石ね! それじゃあ――」

 

「残った分は自分でやってください」

 

「ええ~」

 

「ええ~、じゃないでしょう。先生が手を度々止めて話してきたからそうなってんでしょうが。自己責任として、しっかり整理してください」

 

「う~! 鬼城くんのケチンボ!」

 

「どうとでも言ってください。それじゃ、俺は行きます」

 

「あ、待って!」

 

さっさと職員室を出ようとしたが、呼び止められたので、仕方なく振り返る。

 

「最後に一つ言わせてちょうだい。確かに兵藤くんばかりに皆目が行っているようだけど、鬼城くんも男性として充分魅力的よ。その内、きっとあなたのことをわかってくれるガールフレンドができると思うわ」

 

………そのことを気にしてるのもバレていたようだ。やれやれ、こんなことで女性教師から励ましの言葉を貰うなんて、かっこ悪いな俺…。

 

「なんなら私と生徒と教師の関係を越えた禁断の仲に――」

 

「お断りします」

 

「……返答が早すぎて少し傷ついたわ」

 

しょんぼりする柊先生。まあ、演技だとわかってるから慰めないが。

 

「うう……、私ってそんなに魅力ない?」

 

「そんなことないですよ。俺にだって、柊先生が女性として凄く魅力的なのはわかりますよ。――ですが、あんたは教師で、俺は生徒なんです。そういう発言は冗談でもなるべく控えてください」

 

ただでさえ柊先生とそういう関係になりたいと思っている男子は少なくないんだから、冗談一つでそいつらから敵視されたら敵わねぇ。

 

「わかったわ。まあとにかく、今は今しか楽しめないんだから、後悔しないように思う存分青春を謳歌しなさい」

 

後悔しないように、か……。その言葉は、俺にとってとても重い言葉だな。

 

「……了解です。それじゃ、失礼します」

 

「うん、ありがとね!」

 

柊先生は、いつもの笑顔で送り出してくれた。

 

 

 

竜真side out

 

 

 

no side

 

竜真が去って行ったあと、朱美は自分の机に戻ってプリントの整理を始める。

 

(なんやかんやで、鬼城くんも変に優しいわね。別に断ってもいいのに、文句を言いつつも絶対手伝ってくれるし)

 

朱美はそう思い、笑いながらプリントを整理する。

 

(でも、心は少し危ういところがあるわね。私の最後に言ったことに、過敏に反応して少し隙が生まれていた。――ああいうところがあるから、サーゼスク様も気にかけるのかしら?)

 

声に出していなかったので、朱美がサーゼクスの名前を知っていることを驚く者はその場にはいなかった。

 

 

 

竜真side

 

「おお、我が愛しき舎弟よ。いいところに来た」

 

「………」

 

「おいおい、無視は酷いだろ」

 

「うるさいですよ。俺はあんたの舎弟になった覚えはないし、それ以前に愛しきとか言わないでください気持ち悪い」

 

イッセーたちを捜している最中、海斗さんと合流してしまった。もう着ぐるみは脱いでくれたようで、少し安心した。

 

「んだよ。昔は俺のことお兄ちゃんって呼んで――」

 

「ないでしょうが。さっきから過去の捏造をしないでください」

 

「やれやれ、ノリが悪いな。そんなんだから女の一人もできねぇんだよ」

 

「やかましい! って、そうだ。イッセーがいる場所知りませんか?」

 

「赤龍帝の奴か? 悪いが知らねぇな」

 

期待はしてなかったが、やっぱり知らなかったか。じゃあ、ここにいる必要はない。早く捜索を再開しよう。

 

「そうですか。見かけたら俺のところに来るよう言っておいてください。それじゃ!」

 

「ああ待て、竜真。いる場所は知らねぇが、あいつが行きそうな場所はわかるぞ」

 

「え、本当ですか?」

 

「ああ、ついて来い」

 

海斗さんは初めて来るはずの校舎を迷うことなく歩いて行く。……これは期待できるかもしれない。

 

俺は素直に海斗さんについて行くことにした。

 

 

 

――――――――――

 

「まずは此処だ」

 

海斗さんの後ろをついて行くこと一分。着いたのは――

 

 

 

 

 

「女子更衣室。此処にあいつがいるかもしれないぞ」

 

 

 

 

 

……………………ふぅ。

 

「海斗さん。歯を食い縛ってください」

 

「おいおい、なんだよ? 赤龍帝がいそうな場所に案内してやっただけだろ。あいつは性欲が強いんだろ? なら、こういうところにいるんじゃねぇのか?」

 

「発想が極端すぎるでしょうが! あいつでも堂々とこんなところに――」

 

そういや、この前小猫がイッセーが松田と元浜と一緒に女子更衣室の使用されてないロッカーに潜んでいたって話を聞いたっけか……。

 

「ん? どうした?」

 

「な、なんでもないです。とにかく、ちゃんと真面目に案内してください!」

 

「至って真面目なつもりなんだがな……。まあ、いいか。じゃあ次だ」

 

「頼みますよ本当……」

 

 

 

――――――――――

 

「ほら。此処は確実だろ」

 

再び歩くこと一分。次に着いたのは――女子トイレ。

 

「いい加減にしろよ?」

 

「待てって。別にふざけてねぇぞ」

 

「嘘つけ! あんたのその目はふざけてる時のものだ! マジでぶっ飛ばすぞ!?」

 

ただでさえ時間が限られてんのに、なんでこの人のおふざけに付き合わなきゃなんねぇんだよ!

 

「わかったわかった。次こそ確証のあるところに案内してやるよ」

 

「……その場所は?」

 

念のため先に場所を確認しておく。またふざけて変な場所に連れてかれたら敵わないからな。

 

「体育館だ」

 

「おお。今度こそマトモな場所だ。でも、なんでそこなんですか?」

 

「たまたま聞いた話なんだが、今体育館に魔法少女のコスプレをした奴がいるんだとよ。そいつも興味があってそこに行くかもしれないだろ?」

 

確かに。魔法少女のコスプレをしてる人がいたら、その衣装がエロいかどうか確認しに行く可能性は充分ある。

 

「つーか、最初からそこへ連れて行ってくれませんかね……?」

 

「わかってねぇな? それじゃあ、おもしろくないだろ?」

 

楽しんでるのはあんただけだ。

 

「そうですね。じゃあ、早く行きましょう」

 

「………」

 

「海斗さん?」

 

なぜかそこから動こうとしない海斗さん。どうしたんだ?

 

「……体育館はどこだ?」

 

「わかってなかったんですか!?」

 

今まで体育館に案内しなかったのは、場所がわからなかったせいだったようだ。

 

 

 

――――――――――

 

「あー、無駄な時間をくった」

 

「全くだ。しっかりしろよ、竜真」

 

「主にあんたのせいだ!」

 

体育館に着くと、見知った顔がいくつもあった。目的のイッセーはもちろん、リアスさん、アーシアさん、朱乃さん、祐斗、シトリーさん、匙、更にはサーゼクスさんもいる。

 

そんな中、見覚えのない人(悪魔の可能性大)が二人いる。

 

一人は、リアスさんやサーゼクスさんと同じ紅髪を持つ男性。二人に比べて年をとっていることから、おそらくリアスさんとサーゼクスさんの父親だろう。

 

そして、もう一人の方は女性で、魔法少女のコスプレをしている。この人が件のコスプレ魔法少女だろう。

 

その人は、シトリーさんとなにやらもめている。いや、なんかシトリーさんにいつもの冷静さが見られない。というか押されてる? あの人何者だ?

 

「やっぱりか…」

 

海斗さんは珍しく疲れたような声でそう呟いた。え、何? 知ってるの?

 

「あら、竜真? いつからそこにいたの?」

 

「数秒前ですよ。気にしないでください」

 

「おや、海斗。君も一緒だったのか」

 

「ああ、まあな」

 

リアスさんとサーゼクスさんがこっちに気づいて声をかけてきた。すると、紅髪の男性がこちらに近づいてくる。

 

「君が、鬼城竜真くんかな?」

 

「あ、はい。そうです」

 

「初めまして。リアスとサーゼクスの父です。二人から君のことは聞いているよ。それに、パーティの時は中々派手に暴れていたからね」

 

うぐっ。そのことを話してくるか…。まあ、あの時は流石にやりすぎた感があったからな。……実際容赦なく拘束されたし。

 

「その説は、大変ご迷惑をおかけしたこと、深く謝罪致します。いくら我が主を救うためとはいえ、あんな――」

 

「構わないさ。それに、君と兵藤くんがああしてくれたおかげで、私も焦りすぎていたことに気づかされた。君たちには、むしろ感謝しているのだよ」

 

流石はお二人の父親ってところか。恨んでもおかしくない相手に、むしろ感謝するなんて、グレモリーは本当に情愛に深い一族なんだな。

 

少し感動していると、あの魔法少女のコスプレをした女性もこっちに近づいてきた。

 

「海くんおっひさー☆ 会えてウルトラハッピーだよ!」

 

「そうか。俺は何も思わねぇけどな」

 

「もう、海くんのいけず! 本当に久しぶりなんだから、ハグくらいしてくれてもいいと思うのよ!」

 

「自分の身分を考えて言えよ。俺がそんなことしたらどうなるかわかんだろ――セラフォルー」

 

海斗さんと女性の会話を聞いていると、聞き覚えのある名前が出てきた。しかし、このタイミングでなんでその名前が出てくるのか?

 

――いや、頭ではわかってるんだ。ただ、それを認めたくないんだ……!

 

「あ、海くん。この子が例の子?」

 

「ああ、そうだ。こいつ自体は無害だから、吹っ飛ばそうとするなよ?」

 

初対面でなぜ吹っ飛ばすという選択肢が出てくるのか聞きたいところだが、怖いので止めておこう。

 

「え~と、海斗さん。大体の予想はできてるんですが、一応聞いておきますね。そちらの方は?」

 

「ああ、こいつは――」

 

「初めまして! 私はセラフォルー・レヴィアタンよ☆ <レヴィアたん>って呼んでね☆」

 

「了解しません、レヴィアタン様」

 

サーゼクスさんを親しく名前で呼ぶのもまだ少し抵抗があるのに、会ったばかりで愛称を呼べるわけがない。というか、ややこしい愛称だな…。

 

「ええー、どうして!? 私は君のことをたっくんって呼んであげるのに!」

 

「今すぐその呼び方をやめてくださいお願いします」

 

呼ばれる呼ばれない以前に、個人的にその愛称はありふれているのであまり好きではない。まあもちろん、魔王様からそう呼ばれるのが恐れ多いというのが一番の理由だが。

 

「というか、愛称を勝手に決めていたってことは、俺のことは知ってるんですか?」

 

「うん! 海くんからあなたのことは聞いてるわ☆ ――<下ネタ大好き、女体漁りの竜真>という異名で知られた鬼城竜真くんよね?」

 

「海斗さん。向こうで話があるんですが」

 

「今手相見るのに忙しいからあとにしろ」

 

「わかりました。じゃあそのまま――オラァ!!」

 

自分の手をじっと見る海斗さんの頭に全力のハイキックをくり出すが、しゃがんで避けられてしまった。チッ、死角からの攻撃だったんだが、流石海斗さんだ。

 

「いきなり何すんだよ?」

 

「何すんだよじゃねぇだろ!! レヴィアタン様に俺のことどんな風に紹介したんだよ!? ありもしねぇこと吹き込んでんじゃねぇよ!」

 

初対面の人になんつー誤解をさせてるんだこの人は!

 

「そうだったの!? もう、海くんったら、お茶目さん☆」

 

「てへぺろ☆」

 

ヤベェ、この人たち超面倒くさい。

 

イライラも溜まりすぎて、限界までいきそうなその時、シトリーさんがこっちへ来た。

 

「ごめんなさい、竜真くん。姉が迷惑をかけってしまって……」

 

「ああ、いえ。シトリーさんが謝ることじゃないですよ。……というか、原因はほとんど海斗さんですし」

 

この人、結構苦労してるんだな。海斗さんは兄ではないが、なんか親近感を覚える。

 

「どうしたのソーナちゃん? あ、話に混ざりたいのね☆ いいわよ! お姉ちゃんはそのままあ~んな展開やこ~んな展開になってもオッケーよ☆」

 

シトリーさんは、家だと四六時中この人と関わってるんだろうな。ご愁傷様です。

 

そんなことを思ってると、シトリーさんの目元に涙が浮かんでいた。え、どうしました!?

 

「――もう耐えられません!」

 

シトリーさんはそう言ってその場から走り出す。ああ、限界だったんですね…。

 

それを見たレヴィアタン様もあとを追って走り出した。

 

「ああ! 待って、ソーナちゃん!」

 

「来ないでください! もう構ってられません!」

 

「いやぁぁぁぁ!! お姉ちゃんを見捨てないで、ソーたぁぁぁぁん!!」

 

「ですから、その呼び方はやめてくださいとあれほど――」

 

そんなやり取りをしながらお二人は去っていった。……今度、シトリーさんと身内の大変さについて愚痴を言い合おうかな。(海斗さんは身内ではないが)

 

「あいつは、たくっ……。俺はレヴィアタンを止めに行ってくる。なんかの拍子に校舎を吹っ飛ばしたりしたら敵わねぇからな」

 

縁起でもないこと言わないでください。さっきのシスコンぶりを見ると、妹に嫌われたりしたらマジでなんでもしそうだから怖い。

 

海斗さんも二人を追って走って行った。……俺からしてみれば、あの人が一番何かやらかしそうで怖いんだが…。

 

「ふむ。シトリー家は平和だな。そう思うだろ、リーアたん」

 

「お兄様……。私の愛称にたんをつけるのはやめてください」

 

今度はグレモリー家の兄妹でなんか始まってるし……。ていうか、リアスさんって家ではリーアって呼ばれてるのか――

 

 

 

 

 

ズキンッ!!

 

 

 

 

 

「――っ!?」

 

突然、激しい頭痛が起きる。なんだ、これ……!? 普通の頭痛とは比べ物にならないくらい痛ぇ……!!

 

俺の異変に気づいたイッセーが声をかけてくる。

 

「竜真、どうかしたのか?」

 

「いや、ちょっとな……! 腹痛いから、トイレ行ってくる…!」

 

「お、おう」

 

なんとか誤魔化して体育館から出て、個室トイレに入る。

 

なんなんだ、一体……! これも体の異変に関係あることなのか…!?

 

考えている内に、この異変は何が切っ掛けだったかを思い出そうとする。

 

そうだ。 この痛みが起きたのは――リーア。リアスさんの愛称を聞いた直後だ。でも、なんの関係が――

 

 

 

 

 

『わ……は…ア………。…………別に………リーア……よん………』

 

 

 

 

 

「ぐ――ああっ!?」

 

リーアという単語について考えていると、痛みが更に強くなり俺の頭の中で何かの声が再生される。しかし、その声はノイズが酷くてほとんど何を言ってるかわからない。その上再生は一回きりのようで、思い出すのは正直厳しい。

 

そのまま頭痛に耐えること数分。ようやく痛みがなくなった。

 

………リーア。この単語には、リアスさんの愛称以外の意味があるのか?

 

考えれば考えるほどわからない。このままいても仕方ないし、もう昼休みも残り少ないので、俺はトイレを出て教室に戻った。

 

……戻る途中で、イッセーへの説教をしてなかったことと、昼食をとっていなかったことに気づいたのは余談である。

 

 

 

――――――――――

 

「あら、アーシアちゃん綺麗に映ってるわ」

 

あれから時間が経ち、此処は兵藤家。

 

俺は昼休みの時に途中で離脱したので知らなかったのだが、あのあとおじさんとおばさんも合流し、リアスさんのお父様とすっかり意気投合したようで、グレモリー家も招いて今は自分たちの子の授業風景を映したビデオカメラによる鑑賞会が行われている。

 

主に映ってるのはアーシアさんだが、俺も結構な頻度で映してくれていた。なんやかんやでイッセーも合間に映ってるし、やはりおじさんとおばさんはいい人だ。

 

「ハハハ! 娘の晴れ姿を視聴するのは親のつとめです!」

 

お酒を飲んで以降、人が変わったリアスさんのお父様は豪快に笑っていた。あのダンディさは何処へ……。

 

と、俺たち兵藤家の映像は終わり、次はリアスさんの映像が始まる。カメラに気づいたリアスさんが、手を振って『映さないで!』と主張しているところは結構かわいいと思う。

 

「これはかつてないほどの地獄だわ……」

 

ちなみに当の息子、娘たちはテレビから離れた机で早く終わることを願っていた。ちなみに俺は海斗さんに変な弱味を握られないように願っている。まあ、俺たち二年のは終わったから大丈夫だと思うが。

 

「見てください! うちのリーアたんが、先生に当てられて答えているのです!」

 

お父様と同じく、サーゼクスさんも酒のせいでなんかハイテンションになっている。あ、リアスさんが顔を真っ赤にして涙目になった。

 

「もう耐えられないわ! お兄様のおたんこなす!」

 

リアスさんは立ち上がってリビングから出て行ってしまう。

 

スパーンッ!!

 

悪ふざけしすぎたサーゼクスさんに、グレイフィアさんのハリセンが炸裂する。うわ、痛そう……。

 

「ぶ、部長!」

 

イッセーがリアスさんのあとを追おうとする。

 

「いや、イッセー。俺が行くからいい」

 

だが、俺はそれを止めて立ち上がり、リビングをあとにする。こういうのは俺の方が慣れてるからな。

 

二階に行くと、廊下で不機嫌そうにしたまま体育座りをしてるリアスさんを見つけた。向こうもこっちに気づいて顔を向けてくるが、不機嫌なままだ。

 

「……とりあえず、イッセーの部屋入ります?」

 

「………(コクン)」

 

黙ったままだが、頷いてくれた。なぜイッセーの部屋かというと、一番近い部屋でリアスさんが一番落ち着けるであろう部屋だからだ。

 

部屋に入ると、リアスさんはベッドに飛び込む。俺は適当に床に座る。

 

向こうから話しかけてくる様子は見られないので、こっちから声をかける。

 

「リアスさん。そんなに不機嫌にならなくてもいいでしょう? あれは冗談なんですから」

 

「………冗談でも、あなたたちがいる前であんなこと言われるのは嫌よ」

 

まあ、確かにその通りだ。普通は誰だって嫌だ。でも――

 

「そりゃあそうでしょうが、愛してくれる家族がいるだけでもいいじゃないですか」

 

「……そういえば、竜真の家族はどうしてるの? 一度も見たことがないけど…」

 

そりゃ、触れてくるよな。まあ、励ますにはこれが一番説得力があるからいいんだけど。

 

俺は少し間を開けて答える。

 

「いましたよ。両親だけですけど。――でも、ずっと前に死にました」

 

その答えを聞いて、リアスさんは表情を曇らせる。

 

「ごめんなさい。そんなことを聞いてしまって……」

 

「いいんですよ。小さい頃はともかく、今はそこまで気にしてませんし。――ただ、寂しいと思うことはありますけど……」

 

特に今日みたいな親子関連のことはおじさんやおばさんがいなかったら、一日中暗くなっていたかもしれない。

 

「だから、リアスさんたちを見てると、羨ましく思うんですよ。ああいう風に、遠慮なしに冗談を言い合える家族がいることが。おじさんとおばさんは家族というより恩人という認識ですから、そんなに馴れ馴れしくできませんしね…。それに、どうしても元の両親との違いを感じてしまうんです。失礼だとはわかってるし、そんなこと考えるのはダメだって思っているんですが…」

 

そう。いくら家族として接してくれても、どうしても違いを感じてしまう。

 

あの時にもっと甘えていればよかった。もっと思い出を作ればよかった。……そんな後悔を何回したことか。

 

俺はリアスさんの手を優しく握って、語りかける。

 

「リアスさん。いくら家族とはいえ食い違うことはありますし、今回みたいなこともあると思います。でも、これも家族との大切な思い出になるんです。だから、少しだけ我慢しましょう? ――あとになって後悔しても、もう戻れないんですからね」

 

「……そうね。私も少し、子どもすぎたのかもしれないわね。――ありがとう、竜真。でもごめんなさい。あなたの事情も考えずに、無神経なことを……」

 

わかってくれたようだが、まだ少し表情が暗い。はあ、やれやれ……。

 

「いいですって。いいからいつもの笑顔を見せてください。――あなたは、笑っている時が一番綺麗なんですから」

 

「――っ!!」

 

俺が笑顔を向けて言った言葉を聞いたリアスさんは、顔を赤くする。あら、予想外の反応。

 

「も、もう。竜真も結構な女たらしなんじゃないの? そんなことを正面から言うなんて」

 

「あのバカと一緒にしないでくださいよ。第一、本当にそうなら俺に彼女の一人や二人できてるでしょう」

 

それを聞いて、リアスさんは驚いた顔をする。え、なんですかそのリアクション?

 

「え? 彼女ができたことないの?」

 

「ないです」

 

「今まで一度も?」

 

「一度も」

 

「……意外ね。竜真は顔も性格もいいし、学園でも人気があるから何人も彼女ができたことがあると思ってたのだけど…」

 

「まあ、その評判は聞いたことありますけど、告白されたことは一度もありませんよ」

 

本当、なぜ評判が悪いイッセーはハーレムを築きつつあるのに、評判がいい俺は彼女の一人すらできないんだ……。神よ、そんなに俺をいじめ――神様いなかったんだっけか。

 

そんな風に考えていると、リアスさんが妖艶というか、悪戯を思いついたような笑顔になる。なんですか?

 

「なら、お試しで私を彼女にしてみる? 今ならお触りもありよ?」

 

……………いきなり何言ってるんだ? からかいのつもりか? ……さては、俺をイッセーと同じでいざとなると手を出せないヘタレだと思ってるな?

 

――それは間違いだ。

 

「リアスさん、ちょっと」

 

「ん? 返事が決まっ――キャッ!?」

 

リアスさんに手招きをして少し体を近づけてきた瞬間、ベッドに押し倒してマウントポジションをとる。逃げれないように両手とも押さえる。

 

「た、竜真!?」

 

「……あのですねぇ、俺だって男ですよ。それなりに性欲はあります。――ひょっとすると、普段は表に出ないだけで、イッセーよりも強いかも」

 

俺はそう言ってリアスさんに顔をゆっくり近づけていく。

 

「え!? ちょ、ちょっと待って竜真! ほんの冗談で――」

 

「男に対してああいう冗談を言うとどうなるか、一度わからせた方がいいみたいですね。――それに、そういう冗談を普通に言えるってことは男として見られてないってことみたいで腹が立つので」

 

リアスさんの言葉を聞かずに顔を近づける。一応、抑える力は少し弱くしているので、その気になれば逃げれるはずなんだが――

 

「………!!」

 

リアスさんは顔を真っ赤にして思い切り目を瞑っている。あれ、これひょっとしていけるか?

 

そのまま互いの唇が触れる。

 

 

 

 

 

バンッ!!

 

 

 

 

 

――直前に部屋の扉が勢いよく開く。ま、そろそろ来ると思ってたから驚かねぇがな。

 

リアスさんを解放してそちらに目を向けると、凄い形相になっているイッセーと、顔を真っ赤にしているアーシアさんだった。

 

「た、竜真テメェ! 今部長に何しようとしてやがった!?」

 

「はうぅ! とんでもない場面を見てしまいました!」

 

「ち、違うのよ二人とも! わ、私がベッドに倒れてその時に竜真も巻き込んじゃっただけなの!」

 

柄にもなく慌てて弁明するリアスさん。まあ、ここは口裏を合わせておくか。

 

「そうそう。リアスさんが足元ふらつかせてベッドに倒れそうになった時になぜか俺の腕を急に掴んでな。対応する暇もなくその勢いのまま倒れちまったんだ。言ってしまえば事故だな」

 

「じ、事後って言ったかテメェ!?」

 

「言ってねぇからうるさい」

 

「ごぶっ!?」

 

最善の返事をしたにも関わらず、変な脳内変換をしたバカに拳を叩き込んで黙らせる。

 

「じ、事後って――」

 

「まだ言うか」

 

いつもよりしぶといので、右ひじと右ひざで首をサンドする。骨が砕けたような感触があったが、気のせいだろう。

 

イッセーはそのまま泡を噴いて倒れる。

 

「イ、イッセーさん!?」

 

アーシアさんが慌てて回復を始める。まあ、<聖母の微笑み>なんだからどうせ大丈夫だろ。

 

「ハハハ。なんだか賑やかそうだね」

 

また扉の方から声が聞こえてきたので、そちらを見るとサーゼクスさんとグレイフィアさんがいた。

 

「あれ、お二人とも。観賞会はいいんですか?」

 

「少し抜け出してきたのだよ。改めて話すことがあってね。リアス、昼間の話の続きだ」

 

俺がいない間に話していたことか? しかし、どんな内容なんだ?

 

「もう一人の<僧侶>について、話をしよう」

 

思っていたより大事そうな話だった。




はい、原作だとギャスパーが出てくるところまでいくんですが、流石に長くなりすぎるのでここで切ります。

今まで言ってたクソ教師とかは全て朱美さんのことです。この方ですが、これもオリキャラではありません。ぶっちゃけると、海斗さんと同じゲーム出身です。あまり多くの変更をする気はないので、プロフィールを知りたい人は調べてみてください。

早く戦闘に入らせたいんですが、いかんせん道のりが長い……。

竜真の記憶の断片が出てきましたが、これが意外と重要なものですので、誰が言っていたことなのか考えてみてください。

それではこの辺で。自爆スイッチを!!


ダイナマンッ!!(爆発音です)
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